皆さん、こんにちは!
富士通ラーニングメディア デジタル人材育成ソリューション事業本部の吉田です。
このコラムは、プロジェクトマネジメントや品質マネジメント、上流工程について執筆するシリーズの第11弾です。(前回までのコラムはこちら(注1))
さて、プロジェクトマネジメントの知識習得について、皆さんはどのような道のりを歩んでこられたでしょうか?
知識習得が先で現場実践が後だった方も、現場実践が先で知識習得が後だった方も、様々なパターンで知識と経験を積んでいらっしゃることと思います。
実は、私は後者でした。プロジェクトマネジメントの知識を習得する前に、プロジェクトマネージャー(プロマネ)の仕事が舞い込んで来たため、数々の失敗を経験しました。プロマネとして何の準備もなく進めた訳ではありませんが、やはり知識がないと必要なことが漏れてしまうことも多かったと思います。
私とは逆で、知識習得をしても、なかなか現場で実践経験が積めないという悩みも多く聞きます。会社にはシステム開発以外でもプロジェクトは多く存在しますし、プロジェクトマネジメントの知識は、どのプロジェクトでも使えます。しかし、システム開発のプロマネとしての経験を積みたい、と思った時、システム開発プロジェクトが存在しなければ、経験を積むことはできません。また、システム開発のプロマネをすることが決まっていて、先に研修で知識習得した方も、研修で学んだ知識を実際のプロジェクトでどう活かせばよいのか分からない、と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、今回のコラムでは、そんな悩みを抱えている方に向けて、現場で実践することの重要性と、システム開発を疑似体験できるおすすめコースをご紹介します!
プロジェクトマネジメントの知識だけを持っていることは、自動車運転の教習で運転知識だけを学ぶことと同じです。交通ルールや運転操作を頭で理解していても、実際にハンドルを握り、アクセルを踏み、道路を走らなければ、安全に運転できるようにはなりません。知識も同じで、どんなに素晴らしい理論を学んだとしても、それを実践し、血肉化しなければ、真の力にはなりません。
運転の知識を詰め込むだけでなく、実際に何度も運転して、道路状況や車の挙動を自分の感覚でつかめるようになる、それが、知識を「知っている」から「できる」に変えるプロセスです。知識だけあっても、いざという時に体が動かない、応用が利かない、そんな状況に陥ってしまいます。
学んだ知識をすぐに現場で試せるのが一番理想ですが、現実はなかなか思い通りにはいきません。せっかくプロマネの知識を身につけても、現場で実践する機会に恵まれない・・・そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。会社にプロジェクト自体が少なかったり、経験豊富なベテランが優先されたり、理由は様々でしょう。知識だけが先行し、実践経験との間に大きな溝が生まれてしまいます。
では、知識だけで終わってしまうと、何が問題なのでしょうか?
それは、頭の中で完璧に思えた計画も、現実のプロジェクトでは、予期せぬ問題や制約によって、あっという間に崩れ去ることがあるからです。計画の遅延、予算の超過、メンバーの離脱・・・教科書には載っていない、生々しい問題が次々と降りかかってきます。そんな時、知識だけでは対応できません。実際に手を動かし、試行錯誤を繰り返した経験こそが、臨機応変な対応力と、困難を乗り越えるための知恵を生み出します。だからこそ、プロジェクトを実践する機会があることは、とても重要なのです。
そのため、実践の機会に恵まれない方にとって、研修という安全な環境でプロマネの仕事を経験できることは、とても良い機会になります。ここでは、失敗を恐れることなく、様々な戦略を試すことができ、成功も失敗も、すべてが貴重な学びの糧となります。
シミュレーション環境であれば、現実のプロジェクトで失敗するリスクを安全な場所で体験することができます。そして、なぜ失敗したのか、どうすれば改善できるのかを深く考察することで、二度と同じ過ちを繰り返さないよう教訓を得ることができます。それは、まるでVRで危険な運転をシミュレーションするようなイメージです。
現実の道路でいきなり危険な運転を試すわけにはいきませんが、VRの世界なら、安全に様々な状況を体験し、対応力を磨くことができるのです。
それでは、プロジェクトを疑似体験できる、富士通ラーニングメディアの研修はどのような内容なのか、ご紹介しましょう!
本コースは、ただ知識を詰め込むだけの座学ではありません。PMシミュレーターを使った、超実践的な体験型学習です!
皆さんはプロジェクトリーダーとして、架空のシステム開発プロジェクトを指揮します。
実際のPMシミュレーターの画面でご説明しましょう!
皆さんは、ウォーターフォール型ソフトウェア開発のプロジェクトマネジメントを疑似体験します。対象工程は、プログラム構造設計、プログラミング、プログラムテスト、結合テストの4工程です。4月1日~8月30日の計画を作成し、実行・監視コントロールします。
PMシミュレーター上で出力されるメッセージを確認し、マネジメントを行います。
他にも、どのような画面構成になっているのか、どのような設定ができるのか、詳細が気になりますね。実際に体験していただくと、まるでシミュレーションゲームのように没頭でき、非常に面白いと感じていただけるはずです。
単なる面白さだけではなく、実践的なマネジメント能力を確実に習得できるのが、本ワークショップの大きな特徴です。
知識は、地図のようなものですが、地図を眺めているだけでは、目的地にたどり着けません。実際に自分の足で歩き、道に迷い、人に尋ねながら進む経験こそが、あなたを真のプロジェクトマネージャーへと導いてくれるのです。
富士通ラーニングメディアの研修で、机上の空論を打ち破り、プロジェクトを体験することの重要性を、ぜひ実感してください!
富士通ラーニングメディアでは、システム開発に関わる方に対する初心者向けのプロジェクトマネジメント基礎研修から、経験者向けの応用研修まで、幅広いニーズに対応した研修プログラムを取り揃えています。また、初めてマネジメントを学ぶ方向けのコースも用意しています。
プロジェクトマネジメントの知識を持っている人材は、どの会社においても、どの立場においても、必要不可欠です。プロジェクトマネジメントの知識を身につけたい方は、ぜひ富士通ラーニングメディアの研修をご検討ください。
<プロジェクトマネジメント研修コースのご紹介>
今回取り上げたPMシミュレーターを使ったプロジェクトの疑似体験ができる研修は下記のコース群です。
◆集合教育
研修参加者3名~5名でグループを編成し、グループでスケジュールや要員計画などを作成し、PMシミュレーター上でプロジェクトを推進します。グループ演習のため、グループメンバーそれぞれが持つ知識や経験を基に、一人では考えられなかった発想や気づきなどを共有しながら、プロジェクト推進を体験できます。
◆ eラーニング
好きな時間にお一人でプロジェクトを疑似体験するコースとして、eラーニングでもPMシミュレーターを使える研修がございます。こちらも大人気コースです!
(注1)これまで私が執筆したプロジェクトマネジメントや品質マネジメント、上流工程(要件定義)におけるコラムも是非ご覧ください。
これからも皆さんにとって有益な情報をお届けできるよう尽力します。今後のコラムも是非楽しみにしてください。
デジタル人材育成ソリューション事業本部
プロマネ品質上流チーム所属
吉田千鶴(よしだ ちづる)
COBOLやメインフレームの研修講師を経て、近年はアジャイル研修の講師やシステム開発のプロマネも経験しています。美味しいコーヒーを飲みながらまったりする時間が好きです。
(2025/09/04)