PMBOK(R)ガイドの疑問にお答えします!

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みなさん、こんにちは!
富士通ラーニングメディアの柳(やなぎ)です。2013年よりプロジェクトマネジメントの講師を担当しています。

PMBOK(ピンボック)(R)ガイド第7版(日本語)(以降PMBOK(R)7版と表記)が提供され、はや半年が経ちました。みなさんはPMBOK(R)7版をもう読まれたでしょうか。

  • 「PMBOK(R)ガイド?聞いたことはあるけど実は良くわからない」
  • 「PMBOK(R)7版は衝撃的に変わったらしいですね」
  • 「最新版のPMBOK(R)7版だけ学べば良いの?」

などの疑問をお持ちではないでしょうか。PMBOK(R)ガイド(以降、PMBOK(R)と表記)はプロジェクト活動や仕事に役立つノウハウが盛沢山で、活用しないのは勿体ないのです!ぜひ今回は、これらの疑問にお答えしながらPMBOK(R)の魅力をお伝えしたいと思います。

PMBOK(R)ガイド?聞いたことあるけど実は良くわからない

聞いたことはあるけど実は良くわからない

PMBOK(R)はプロジェクト活動を行うために必要な知識を体系的にまとめたガイドブックです。
プロジェクト活動に活用できるアプローチ方法、フレームワーク、成果物を得るための手段は多岐にわたるので、知識の全体像を知ることによって、プロジェクトの対応を網羅的に考えやすくなるのです。

また、PMBOK(R)の沢山のモデルや方法は、新しいことを学ぼうという関心の源になり、自身の成長にもプラスの影響を与えるので良いこと尽くしですね!

プロジェクト活動以外の仕事全般はもちろん、子育てなどのプライベートにPMBOK(R)のエッセンスを取り入れる人もいて、とても応用範囲が広いと実感しています。

PMBOK(R)7版は衝撃的に変わったらしいですね

PMBOK(R)7版は衝撃的に変わったらしいですね

PMBOK(R)7版は衝撃的に変わりました!6版は49のプロセスベースの標準であり、いわゆるお手本(ハウツー)を示していました。しかし、現在はVUCAの時代と言われており、変動性が高く予測が難しい複雑化した社会となっています。VUCAの時代においてはプロセスを増やすだけでは価値実現の全貌を示す方法として限界があり、より対話と適応を行うための原理・原則ベースに移行したのがPMBOK(R)7版です。

原理・原則はプロジェクトに関わる人々の振る舞いへの指針を提供するもので、一定の行動を命令する規範ではありません。
各プロジェクトや組織において文化や特性は様々なのでPMBOK(R)で「正しい原理・原則」を定義することはできません。あくまでも「ガイド」の位置づけとし、自身のプロジェクトに適した原理・原則を考えることが大切です。

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12個の原理・原則で気になるキーワードはありましたか?
では次に、8個のパフォーマンス領域についてご紹介します。

PMBOK(R)7版では12個の原理・原則の他に、 8個のパフォーマンス領域を示しています。「パフォーマンス領域」とは、プロジェクト目標を達成するために取り組むべき活動です。プロジェクトでパフォーマンスを発揮するために取り組む必要がある活動領域ということですね。

8個のパフォーマンス領域は、プロジェクト実務者がプロジェクトの成功に向けて何を行う必要があるか、より具体的に考えることに役立ちます。

例えば、開発アプローチは予測型(ウォーターフォール)、ハイブリッド(予測型+適応型)、適応型(アジャイル)などありますが、8個のパフォーマンス領域では開発アプローチの違いによる考慮点についても紹介しています。

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VUCAの時代に対応し、「不確かさ」パフォーマンス領域がありますね。PMBOK(R)6版にはなかった切り口です。

最新版のPMBOK(R)7版だけ学べば良いの?

PMBOK(R)7版が最新版ということは、
PMBOK(R)7版だけ学べば良いの?

PMBOK(R)6版のプロセスベースの標準準は規範的(お手本)で、良い実務慣行のガイドとして活用できます。
特に、 予測型(ウォーターフォール)開発アプローチは「規範的開発プロセス」などと呼ばれているとおり、事前に計画をしっかりと立て、お手本的なプロセスで開発します。従って、予測型(ウォーターフォール)を主に取り入れている組織やプロジェクトではPMBOK(R)7版だけではなく、 PMBOK(R) 6版の内容も大いに参考になるでしょう。

このように、 PMBOK(R)6版のプロセスベースでのガイドはプロジェクトの実践での観点では有効なので、PMBOK(R)6版と7版は共存する関係といえますね。

みなさん、PMBOK(R)の疑問は解決しましたか?
PMBOK(R)7版に興味を持った人は、是非、研修にご参加ください。PMBOK(R)7版の内容を分かりやすくかみ砕いてポイントをお伝えします!

関連コース<PMBOK(R)7版コースのご紹介 >

【ライブ】知っておくべきプロジェクトマネジメント(PMBOK7版)
コースコード:ULA46R
期間:1日

【ライブ】じっくり学ぶプロジェクトマネジメント(PMBOK7版)
コースコード:ULA47R
期間:2日

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執筆者プロフィール

柳 晶子(やなぎ しょうこ)

■経歴:1993年4月 富士通株式会社 教育事業部入社(のち富士通ラーニングメディアに分社)
プログラミング、OS等などのIT技術系の講師、eラーニング開発などを経て2013年よりプロジェクトマネジメントの教育を担当

■保有資格:PMP、PRINCE2プラクティショナなど

■趣味:料理、旅行(そろそろ行きたい)、美術館、スポーツジム(もっぱらヨガ)、プランター栽培 
 ※写真は実家の家庭菜園です

(2022/06/09)

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