財務諸表ってなに?営業にとっての財務分析とは?なぜやらなきゃいけないのかを解説

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皆さん、こんにちは
富士通ラーニングメディアの小山田です。
同じ富士通グループで製造系のお客様への直接営業を経験、その後公共のお客様への営業推進部隊に転籍し、営業にかかわる活動に従事してきました。現在は、更なる成長をするべく前述の経験を活かし、セールス系やDX系の講師、新入社員の育成企画を行っています。

さて、営業活動をすすめる際、どのような準備をしていますか?
お客様情報を収集してお客様の課題や要望から仮説を立てたりすると思いますが、お客様の財務諸表から財務分析をすることはありますか?

今回は執筆者の営業経験を踏まえ、「営業にとっての財務分析って何?何でやらなきゃなんだっけ?」という観点でお届けします。
ぜひ、最後まで読んでいただければ幸いです。

1.『財務分析』ってなんでやるんですか?

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自己紹介に記載のとおり、私は講師職の前に営業をしていました。その時にはお恥ずかしながらお客様の「有価証券報告書」「財務三表」なるものは全くと言ってよい程見ていませんでした。しかし、いざ講師側の立場で財務分析の講座内容を勉強すると『営業時代に知っておきたかった。。。』と思う知識ばかりです。

というのもお客様情報って組織図や稼働システムを知っていれば何となくわかったつもりでいたんですね。
でもよくよく考えると、お客様の注力している分野や、事業ポートフォリオなど、どういう売り上げの推移で何を目標に取り組まれていたのかを正直全然知らなかったんです。

そういった定量的なお客様情報(いわゆるIR情報※)を知っておけば、お客様の「現状」を理解できます。お客様の向かう方向性を有価証券報告書から確認し、財務諸表の数字からお客様の現状を知ることで、その情報を基にあるべき姿と現状のギャップを埋めるために仮説を立てることができます。
そのためにやっていただきたいのが財務分析です。

※株式上場しているお客様であれば決算月の約2~3か月後で発表される。
Investor Relations:企業が株主や投資家に対し、財務状況など投資の判断に必要な情報を提供していく活動全般

2.財務分析を学ぶと営業活動にどんなメリットがあるのか

営業活動において、お客様の財務状況を把握することで大きく4つのメリットがあります。

  1. お客様の財務状況を把握することで、お客様の経営状態や将来性を判断可能
  2. お客様の財務状況に応じて、適切な営業戦略を立てることに役立つ
  3. お客様との交渉や提案において、財務データに基づいた説得力のあるプレゼンテーションが可能
  4. お客様の財務リスクを事前に把握することで、営業活動のリスク回避を図ることができる

3.仮説立案の重要性

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お客様の財務諸表にある数字を読み解き、財務分析を行うことで、「お客様は実はこんなことを問題、課題として考えているのでは?」という仮説を立てることができます。そこからお客様へ検証(=確認)し、「そうそれ!そこが確かにまだできてなかったんだよ!」と思っていただければ商談機会が発掘できたといえるでしょう。

では、そもそもなぜ数字を読み解いて仮説立案をするのでしょう。
それは簡単にいうと、

お客様ご自身が問題や課題を全て認識できているとは限らないからです!

身近な事例でお話しします。
例えば頭が痛いと思って病院に行ったとします。
そこでお医者さんにこう聞かれたことないでしょうか?

「お腹は痛くない?」「目まいとかはある?」「仕事は座り仕事?立ち仕事が多い?」‥等

これはお医者さんが仮説を立てて、なぜ頭が痛いのか、何の病気に該当しそうかを聴く(=検証)しているということになります。
このように何の病気でどうすれば治るのか自分自身ではわからないこともあるんですよね。

だからこそ、私たちがお客様の問題や課題を解決すべく仮説を立てて、お客様に検証することで、お客様がわかっていなかった課題(潜在ニーズ)を発掘して、商談に結び付けることができるんです!

そのための情報として、お客様ご自身が出している財務諸表の情報から、お客様の現状の数字(売上高/営業利益率/一般管理費等)をご理解いただくことが重要です。現状がわかっていないとお客様の掲げる“ビジョン20XX”などの数値目標にどうやって到達したらよいかわからないですよね。

現状とありたい姿をしっかりとお客様に認識していただいた上で、そのギャップを埋めるよう仮説を立てることが重要です!

それこそがお客様の問題・課題解決に導くことができる『信頼のパートナー』になる第一歩ではないでしょうか。

4.知らないより知っておいた方がよいスキル!それが財務分析!

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財務分析は、営業活動において非常に重要なスキルです。
財務分析を学ぶことで、お客様の信頼を獲得し、より効果的な営業活動を行うことができます。

参考までに、財務分析を行うための財務諸表には下記があります。

  • 貸借対照表…企業の財務状態を表すもので、資産、負債、純資産の3つの要素から構成
  • 損益計算書…企業の収益と費用の関係を表すもので、売上高、売上原価、営業利益、経常利益、当期純利益などの項目から構成
  • キャッシュフロー計算書…企業の現金の増減を表すもので、営業活動、投資活動、財務活動の3つの要素から構成

これらの財務諸表を分析することで、企業の財務体質、収益性、効率性などを評価することができます。

さらに、財務分析の応用として、「ソリューションセールス研修 商談機会発掘~財務分析編~」では分析手法もご説明します。

  • 比率分析…財務諸表の各項目の関係を比率として表すことで、企業の財務体質や収益性を分析
  • トレンド分析…財務諸表の各項目を時系列的に比較することで、企業の業績の推移を分析
  • 比較分析…同業他社や業界平均との比較をすることで、企業の相対的な位置づけを分析

これらの分析手法を組み合わせることで、企業の財務状況を理解することができます。

5.でも財務分析なんて時間もないし、やりたくないんですって!

このようにお思いの方は多いのではないでしょうか?
それは恐らく財務諸表の見方や、どこを見て分析すればよいのか等を知らないからだと思うんです!(実際に私が営業の時はそんな言い訳でやっていませんでした!)

何となく『上記1.』で、営業もやった方がお客様のことを理解できそうだなってことはお判りいただけたかもしれませんが、営業って抱えている商談は1つではないですし、やることが多いんですね。

そんな方にお勧めなのが約1日で財務分析の基礎を学べる「ソリューションセールス研修 商談機会発掘~財務分析編~」となります。

まずは「財務諸表」って何?何が書いてあるの?というところから学び、最終的には財務諸表の数字から分析を行い、仮説を立案していきます。ただ聞くだけの講義とは異なり、実際の上場企業の有価証券報告書から財務諸表を読み解き、仮説を立てる演習中心の実践的な講座となっています。

演習なんてついていけるのかな、、、と不安な方もご安心ください。数字に激弱な筆者でも演習時間中に数字を読み解き、お客様の現状を分析、仮説を立案することができました!

参考として記載した内容は講義の中でよりわかりやすく図を用いて説明します!
ぜひ、この機会に財務分析を学んで、営業力を向上させてください。

関連コース紹介

講座を受講するにあたって、必要な知識や準備はありません!
たった1日で聞いておいて損はなさそうな『財務分析』からの仮説立案を学べる

【ライブ】ソリューションセールス研修 商談機会発掘~財務分析編~(ULA05R)

お客様との商談を進めるにあたり、まずは商談機会を作ることから始めなければなりません。本コースは商談機会発掘における7つのポイントの1つである財務分析に焦点を当てます。
〈目標〉
・有価証券報告書の財務情報~売上、利益、資産に関する情報~を、実際の企業例から具体的に読み解くコツを得る
・世の中の景気や動向を、財務情報を通じて理解できるようになる

併せて営業研修に興味をお持ちの方は下記もご確認ください!

「ITソリューションセールス研修」おすすめコース

執筆者プロフィール

ナレッジサービス事業本部
小山田 椋葉(おやまだ くれは)

『名前が変わっているので、名前だけでも覚えてください!笑 』がお客様と名刺を交換する時の謳い文句でした!
◇趣味・好きな食べ物
・趣味:筋トレ・ランニング、フットサル、旅行
・好きな食べもの:激辛の食べ物
 ※蒙古タンメン中本の北極食べられます!笑
 家にはハバネロとデスソース常備です笑
◇ひとこと
大学時代にジムのトレーナー・塾講師をしていたことや、営業時代にデモ実演提案などを行っていたことから、誰かに何かを伝える仕事がしたく現在の講師職に就いております。

(2024/06/20)

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