コモディティ化してきたソリューションセールスから頭一つ抜きんでるには?

  • ビジネススキル

皆さん、こんにちは
富士通ラーニングメディアの緒方です。
前職にて、SE、営業、営業推進、研修関連業務などの経験をへて、現在、当社にてITソリューションセールス研修の講師・コース企画を担当しています。

ライフスタイルや働き方の変化など、目まぐるしく変化する中、営業スタイルも大きく変化しています。
とはいえ、変わらずに押さえなければいけない営業スキルもあるわけです。

今回、私達営業研修担当講師が、昨今のITソリューションセールスについて、

  1. ベーシックな営業スキルと営業研修についての今後(コロナ禍)の対応
  2. DXなど、あらたな営業研修
  3. 今後の営業に求められるスキル

を数回にわたり紹介していきます。

その第1回として、いつの時代も欠かせない土台となる基本の営業スキルについてお伝えしたいと思います。

これから営業としてご活躍される皆さんに届けばうれしいです。

私自身も若手時代には、今となっては恥ずかしいような様々な失敗を多く経験してきて、現職で講師をしています。これから営業職としてご活躍される皆さんに、少しでもお役に立てるように失敗・経験談なども交えながら、寄り添えるような講師をめざしています。

今回はその失敗談をいくつかお伝えします。

失敗その1.「アイスが溶けないアイスブレイク」

私は、アイスブレイクといいますか「雑談」が苦手でした。
天気の話とか、その日のニュースネタなどからの話ししかできず、会話を弾ませることができませんでした。

また、先方からお話しをしていただいても、「はい」とか「そうなんですね」とだけ返し、そこから会話を拡げることができず、気まずい思いもしました。
そんな調子で、お客様となかなか打ち解けられず、親密になるにも非常に時間がかかりました。

しかし、これはあることをきっかけに徐々に克服できました。
ちなみに雑談への苦手意識を克服できたことで、今でも人見知りで「緊張しい」ではありますが、うまく仕事ができています。
さて、その「きっかけ」って何だと思いますか?

失敗その2.当て馬商談の残念対応

ある日、お客様から「いきなり」RFP(提案要望書)をいただき、その提案期限も非常に短い状況でした。そのため、私は大急ぎで提案書を作成しました。完成後なかなかの出来栄えに、意気揚々とお客様に提案書を提出しました。

しかし、提案は不採用。上司にその旨を報告すると「負け戦への対応が良くなかったのでは?」とたしなめられました。

私は「何がいけないんだろう?お客様の言われた要望・納期に応えたはずなのに」と疑問と戸惑いを覚えました。

さて、私はどうすれば良かったのでしょう?

成長のきっかけ!「準備の必要性」

ここまで若かりし緒方の失敗談をお伝えしましたが、当時私が失敗を乗り越えたきっかけがありました。
どちらにも共通する対応策となる「準備の必要性」に気が付いたことです。

~準備とは?~

1.訪問前の心の準備

私の雑談への苦手意識の原因は、「準備」をせずに「丸腰」で臨んでいたからでした。
そこで、

  • 外部情報(例えばお客様の会社のこと、お会いする相手のこと、など)
  • 内部情報(社内などで直接聞けた情報)

をそれぞれ収集し、話のネタを「準備」しました。

時にはそのネタが通用しない場合もありますが、準備しておくことで自分自身の心に余裕と自信が生まれ、その場で臨機応変に会話ができるようになりました。

2.お客様との会話の準備

お客様との会話の際に必要な準備(意識)は、まず、返答して、そこから更に質問をすることです。

「はい」「そうなんですね」と、こちらから会話のキャッチボールを終わらせていませんか?

「それはどういうことなんですか?」、「詳しく聞かせてください!」、「ということはXXということでしょうか?」などさらに質問で返すのです。

質問をすることで、相手から回答をいただけ、またそれを返す…と徐々に会話を拡げられるようになります。

常に相手の会話に興味・疑問を持ち、質問する準備を整えて行動した結果だったと思います。

3.獲得確率ゼロからの逆転!

敗因は、RFPをいただいた後、お客様に訪問・電話・メール等で確認(準備)もせずに、ただRFPとにらめっこをして、提案書を作成したことでした。

実は、お客様の目的は本命を採用するための「相見積もり」の入手でした。
そんな中でお客様とコンタクトを取らずとも提案書だけてきぱき作成してくれる若かりし緒方は、お客様の思うつぼでした。

仮に最初は採用の意思がなかったとしても、お客様とコンタクトを取っていれば、何か追加情報を得られたかもしれないし、お客様の懐に入りこみ、私たちの提案を検討いただけるようにできたかもしれません。

気づいてからは、実際に条件をひっくり返して採用いただいた商談もありました。

いつの時代も欠かせない土台となる基本の営業スキルとは?

営業にとって、まず、商談を獲得することができる、これは当然、重要なポイントになります。

その前提として、お客様を惹きつけ、リピートいただけるようになることが必要ではないでしょうか?

そのためにはお客様を理解し、お客様のニーズや意図を的確に捉え、訴求することが必要です。

また、お客様には経営層・現場・IT部門など様々なご担当がいらっしゃいます。それらの皆さんのニーズを的確に捉えるために個人の力だけでなく、上司やSE、スタッフ職も交えて活動することが重要であると思います。

これらを踏まえ土台となる基本の営業スキルとして、以下が挙げられるのではないでしょうか。

  • お客様を理解し、お客様のニーズや意図を的確に捉え、訴求できること
  • お客様を理解するための材料(情報)を収集できること
  • お客様の隠れたニーズを発掘するために考える(仮説を立てる)ことができること
  • 社内外の「登場人物」(ステークホルダー)を把握(して、良好な関係構築が)できること
  • 周囲を巻き込み、「チーム戦」ができること
  • 適切なタイミングで行動できること

そして、何より以上のことを実践するための「準備」をすることが必要だと思います。

~土台となる基本の営業スキルを学べる研修~

ULA89R 【ライブ】ソリューションセールスの基礎~プロセス理解編~

オンライン研修です。本コースは、若年層や職種転換で営業を始めて間もない皆様に多くご受講いただいております。そのような受講者の方から講師に対し、営業Tips的なご質問も頂戴することが多いです。

そこで、コースの演習の中に営業Tips的なテーマを動画でご視聴いただき、視聴後どのように対応すべきかをグループで討議するという取り組みも行っています。

<営業Tips的なテーマ動画~営業オカダさんの奮闘記~「検討します!」と言われたら?> ※受講者の方から講師にいただいた営業Tips的なご質問の1例を視聴いただけます。

また、オンライン、リモートでのポイントなども実地でお伝えしています。

アップデートが必要な営業スキルとは

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昨今のコロナ禍において、営業のスタイルにも大きな変化がありました。
時代の変化に応じて、基本の営業スキルを土台としながら、アップデートが必要な営業スキルもあります。

  • 訪問型営業からオンライン中心の営業スタイルへ
  • オンライン商談対応
  • DX推進対応
  • お客様や社内での情報共有やコミュニケーション方法 などなど…

新たな時代に対応するための営業スキルの習得について、企業の人事部門や教育担当の方からよくご相談を受けます。

今までの対面重視での活動を踏襲しつつ、オンラインスタンダードでどのように営業活動を展開するのかも大きな課題の一つであると思います。

ITソリューションセールス研修でご支援できること

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時代の変化に伴って、営業に求められることも変化してきています。
今多くの企業は、DXを手段として新しい価値を創出し、勝ち残ることを目指しています。

ただ、現実のビジネスでそれを実現することのハードルが高いこともまた事実です。

デザイン思考を駆使してDXを活用、新しい価値を創り出そう、という目標を掲げてもでは具体的にどうすれば良いのか、その道筋が明確に見えている企業は決して多くはないのではないでしょうか。

今世の中では営業の役割として、インサイトセールスやイノベーションセールスという新しい定義も定着しつつあります。

しかし、様々な変化に対応していくことは不可欠ですが、基本の営業スキルというしっかりとした「土台」は絶対に不変・必要であります。

どちらかに偏るのではなく、両方を習得することが大切です。

今回は、その土台についてお伝えしましたが、次回はそのDXを含めた新たな営業スキルの習得についてご紹介いたします。

関連情報

本コラムでご紹介した研修

【ライブ】ソリューションセールスの基礎~プロセス理解編~(ULA89R )

そのほか、課題別に豊富なラインナップ

「ITソリューションセールス研修」おすすめコース

講師プロフィール

緒方 泰弘(おがた やすひろ) 

2008年に当社に入社し、ITソリューションセールス研修の立上げに参画。以降、現在も携わり、気が付くと「最古参」となってしまっている。
普段は家族と猫に囲まれて、穏やかに過ごすことが何よりの生きがい(笑)

(2022/02/10)

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