皆さんこんにちは!
富士通ラーニングメディア 人材育成サービス事業部の土屋です。
皆さんの現場では、テクノロジーの急速な進化やビジネス環境の変化スピードが加速し、不確実な状況下でのお客様への対応が求められてはいないでしょうか。たとえば、ソフトウェア開発をする場合、外部環境が変化し、開発途中で必要な機能が追加や変更されることも少なくありません。
これらの課題に対応するための手法として、アジャイル開発に注目が集まっています。アジャイルという言葉は「俊敏に」、「機敏に」という意味があり、反復的に開発を行い、ユーザー部門や利用者からフィードバックをもらいながら価値を高めていくという考え方になります。
今回は、アジャイル開発プロジェクトを進める際の代表的な手法である「スクラム」についてお届けします。また、アジャイル開発の概要を知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
アジャイル開発には様々な方法があるため、「アジャイル開発ってよく分からない」という声を、講習会の場でいただきます。アジャイル開発において「スクラム」は、よく使われる方法です。世界のアジャイリストを対象としたアンケート結果であるState of Agile Reportでは、66%の人が、「スクラム」を最も使う方法論として挙げています(出典:https://digital.ai/resource-center/analyst-reports/state-of-agile-report)。そこで、このブログでは、よく使われている手法である「スクラム」について紹介いたします。
スクラムとは、「複雑な問題に対応する適応型のソリューションを通じて、人々、チーム、組織が価値を生み出すための軽量級フレームワーク」のことをさします。(出典:スクラムガイド(2020年版))スクラムの詳細については、「スクラムガイド」をぜひご一読いただきたいのですが、今回はスクラムに定義されている「役割」「イベント」「作成物」などのうち、「役割」について紹介いたします。
スクラムでは「開発者、プロダクトオーナー、スクラムマスター」の3つの役割があります。それぞれの役割と求められることを確認してみましょう。(図1)
開発者は、プロダクトに責任を持ちます。必要な作業の洗い出し、デイリースクラムの実施、プロダクトオーナーとの相談や調整など、スクラムチームで決めたルールに沿ってミーティング行い、開発を行います。つまり、開発者は上司からの指示を受けて活動するではなく、自発的に活動する必要があります。
プロダクトオーナーは、プロダクトの価値を最大化することに責任を持ちます。ユーザー部門の代表として、システム利用者の要求事項を整理して、プロダクトバックログを作成します。より良いフィードバックを得るために、利用者に働きかけます。また、スプリントごとにプロダクトバックログの優先順位の見直しを行います。システム利用者や開発者と積極的にコミュニケーションを取り、意思決定をすることが求められます。
スクラムマスターは、スクラムに関わる一連の活動を支援します。例えば、開発者が開発に集中できるよう外部からの影響を排除するなど、開発の阻害要因を取り除きます。プロダクトオーナーに対してもプロダクトバックログの管理方法を伝えるなどの支援を行い、スクラムの推進に責任を持ちます。
以上3つの役割を紹介してきましたが、スクラムでは、スクラムチームが一体となり協調して開発を進めていくことが大切です。
スクラムを利用することで、ユーザー部門や開発担当にとっては、以下のようなメリットがあります。
今回はアジャイル開発手法の中から「スクラム」について紹介しました。仕様変更など「変化」を受け入れることを歓迎する考え方のため、社会情勢や市場変化の先行きが見通しにくい現在においては、有効な開発手法になります。
一方、「スクラム」の学習については、独学や本を読んだだけでは理解したつもりでも、実際に行ってみると言動が伴わないことがあります。富士通ラーニングメディアでは、「スクラム」に関する研修サービスを提供しております。スクラム手法のプロセスと考え方を、模擬プロジェクト演習を通じて体感して頂きます。本を読んだだけでは分からないことを、実践の気づきから学習して頂けますので、ぜひ研修受講をご検討ください。コラムを読んで頂いた皆さんにお会いできることを楽しみにしております。
「スクラム研修 ~アジャイル開発のチームマネジメント~」(コースコード:UBS80L)
「アジャイル開発手法によるシステム開発」(コースコード:UBU89L)
※上記コースは集合教育で行います。
※集合教育以外にも、オンラインによるライブ配信コース、eラーニングでの提供も
行っておりますので、ご自身の環境にあった方法でご受講いただけます。
※各コースの詳細は、「アジャイル開発関連研修コースのご紹介」をご覧ください。
これからも皆様にとって少しでも有益な情報をお届けするよう我々も尽力しますので、今後のアジャイル開発のコラムも是非楽しみにしてください。
人材育成サービス事業部 デジタルプロセスプロジェクト所属
土屋 誠一(つちや せいいち)
富士通ラーニングメディアに入社後、講師活動を中心に20年間活動してきました。講義ジャンルはOS・言語のIT関係を経て、現在ではマネジメント領域やアジャイル開発まで幅広く担当しています。研修は「第一印象が勝負!」との考えから、最初の一時間を重視して受講者の皆さんとしっかり会話をするように心掛けています。
趣味は北海道旅行です。毎年夏に道東へ出掛け、大自然の中を歩いてリフレッシュするのが楽しみです。
人材育成サービス事業部 デジタルプロセスプロジェクト所属
吉田 千鶴(よしだ ちづる)
COBOL/GSなどの汎用機の研修講師を経て、Webコンテンツ開発技術から、IoT関連のコースも担当しています。技術以外では、ITILやアジャイルなどの知識も習得しており、アジャイル研修の講師としても登壇しています。
普段は二児の母。最近は大好きなカフェやショッピングをする時間を子供と一緒に楽しむことができているので、リラックスする時間になっています。
(2022/02/24)