みなさん、こんにちは!
富士通ラーニングメディアの武田です。普段はインフラ系コースを全般的に担当しています。最近はクラウドコンピューティング系の導入・設計・構築コースも多く担当するようになりました。
今回の記事内容はクラウドコンピューティングについてです。
今やクラウドコンピューティングは多くの企業で採用実績があり、既存システムの更改時には、まずクラウドコンピューティングの利用を検討することが当たり前の時代です。
企業の情報システム担当者の方においては、クラウドコンピューティング技術の取得は必須と言ってもいいでしょう。
そんなクラウドコンピューティングですが・・みなさん、クラウドコンピューティングのメリット・デメリットを正確に把握してますでしょうか。
クラウドコンピューティングは万能ではなく、メリットもあればデメリットもあります。十分な理解なしに安易にクラウドコンピューティングに移行し、移行後に後悔しているという事例もあります。
そうすると今度はクラウドコンピューティングに対するマイナスイメージが強くなってしまい、クラウドコンピューティングの良い面も敬遠してしまうことになります。
本ブログでは、クラウドコンピューティングを正しく学び、適切に活用するためのヒントをご紹介します。
ある日の私と、うちの営業担当者の池崎君(仮称)の会話です。
池崎君:
武田さん、ちょっとクラウドコンピューティング研修について相談があって・・
武田:
はいはい、なんでしょう
池崎君:
お客様からクラウドコンピューティングの基礎知識を取得したいという相談をされまして、おすすめコースを教えて欲しいのですが・・この「クラウドマスト時代におけるクラウド基礎」っていうコースを受講すればいいですかね。
武田:
はい、クラウドコンピューティングの入門コースはそのコースになりますが・・ちなみに受講者の方のスキルレベルはどんな感じなんでしょう?クラウドコンピューティングの特徴をより正確に理解するには、オンプレミスでのITインフラの知識が必要ですよ。前提となるスキルを持たずに受講しても本質までは分からないと思います・・
池崎君:
アプリケーション開発経験者が多いということです。ITインフラの知識は薄いんじゃないですかね・・。クラウドコンピューティングってITインフラの詳しい知識が無くてもシステムが作れるっていうのが売りじゃなかったでしたっけ? ITインフラの知識ってそこまで必要なんですかね・・
武田:
確かにクラウドコンピューティングってITインフラの知識がなくてもシステムが構築できることが売りのひとつではあります。ただし・・クラウドコンピューティングならではの注意点もあるので、正しくクラウドコンピューティングを理解し、システムを構築するにはITインフラの知識も必要なんです。
池崎君:
ふーん、そんなもんなんですかね・・
・・という感じで、世間一般の方が持たれているクラウドコンピューティングのイメージと、実際にクラウドコンピューティングでシステム開発を行う部署とでは、ずれがあることが多いのです。
クラウドコンピューティングに幅広い前提知識が必要と考える理由
クラウドコンピューティングって”今まで存在しなかった新しい技術“というわけではなく、既に存在している技術を組み合わせて提供しているんです。そのためメリットもあればデメリットも存在します。システムを設計するにあたってはクラウドコンピューティングの特徴を正確に把握したうえで、「このシステムは本当にクラウドコンピューティングに移行することが適切なのか」を判断する必要があります。
クラウドコンピューティングの特徴を理解するには、クラウドコンピューティング技術全体が複数の技術領域に分かれることを理解することが重要です。
この図のとおり、クラウドコンピューティングは利用者側には表面部分しか公開していないんです。そのため、対象システムをクラウドコンピューティングに移行することが適切か否かを判断するには、クラウドコンピューティング技術の土台になっているシステム基盤(ITインフラ)の要素技術も正しく理解しておく必要があります。
システム基盤(ITインフラ)要素技術の理解が必要な理由
1.メリット・デメリットの理解について
例えばディスクへの読み書き速度を向上する技術としてストライピング(RAID-0とも言います)があります。複数のディスクに分散して読み書きを行うため、単一ディスクと比べて読み書きスピードは向上しやすくなります。一方データが複数ディスクに分散してしまうため、1本でもディスク障害が発生してしまうと、データを失ってしまいます。このようにディスクの設計一つをとってもメリット・デメリットが存在します。
2.品質とコストのトレードオフについて
レスポンスを向上することや、誤って削除したデータを復元するなど、システム基盤の世界では様々な技術が存在します。ただし、よりレスポンスを向上させたい、よりデータの復元率を高めたい、といった場合はコストも高くなるんです。そのため、扱う業務やデータの特性に応じて適切な品質レベルを選択する必要があります。
クラウドコンピューティングを正しく学ぶには、システム基盤(ITインフラ)要素技術の正しい理解が必要であるということは、既にお伝えしたとおりです。
当社では、クラウドコンピューティングベンダーに特化したコースもあれば、システム基盤要素技術に特化したコースもあります。本格的にベンダーのコースを受講する前に、システム基盤要素技術を学んでおくことで、クラウドコンピューティング機能の本質を理解することが可能です。
こちらの図はクラウドコンピューティングに関する教育マップです。下位から上位に受講することでクラウドコンピューティングを正しく学べます。下位コースのスキルを既にお待ちの方は順番をスキップして頂いても結構です。
私が特におすすめするコースは以下コースです。集合研修以外にオンライン(ライブ配信)やeラーニングもあります。
受講を検討いただき、より快適にクラウドコンピューティングを活用頂けると幸いです。
執筆者プロフィール
◇担当教育コース:
【パブリッククラウドコンピューティング】・Azure/【OS】・Windows Server/【DB】・Microsoft SQL Server/【メールサーバー】・Microsoft Exchange Server/【企業向け情報共有サーバー】・Microsoft SharePoint Server/【監視ソリューション】・Systemwalker Centric Manager・Systemwalker Service Quality Coordinator/【バックアップソリューション】・ARCserve/【ストレージ】・ETERNUS DXシリーズ/【サーバー仮想化】・VMWare vSphere/【その他】ITインフラ系設計コース
◇趣味:
・手抜き料理
・猫動画視聴
・ゲーム実況動画視聴
(2022/03/17)