こんにちは!富士通ラーニングメディアの向井です。
「会話でつながるコミュニケーション」をテーマに4回にわたりお話ししています。
前回は「モチベーション」について考えました。最終回となる今回は、コミュニケーションの集大成である「ファシリテーション」をご紹介します。
ファシリテーションは会議の進行術として知られています。
さらに、会議や学習の場において参加者の発言や協働を促したり、合意形成を進めたりするスキルとしてもたいへん有効です。
会議には議題があります。しかし、その議題に対する参加者の理解度や意見はさまざまです。
立場による利害の違いや、視点のズレなどが原因で、なかなか合意点を見つけ出せない場合もあります。
そこで有効なのが、ファシリテーションのスキルです。
ファシリテーションでは、会議の進行・促進役を「ファシリテーター」と呼びます。
ファシリテーターの重要な役割の1つが、会議を可視化することです。
具体的には、以下の手順で行います。
意見が分かれている場合でも、参加者の発言に耳を傾け、利害を調整しながら、合意点を見出していきます。
このようなスキルは、顧客との商談の場でも有効です。
ファシリテーターとして、顧客の主張を聞き出し、自社の主張も明らかにします。
商談の内容を可視化することで、お互いに納得できる合意点へと導きやすくなるのです。
これからは、技術者であっても、ファシリテーションのスキルが必要です。
複数の人が集まる場所で、一歩前に出る主体性、さらには、相手の主張を引き出しつつ、自社の主張も伝える行動が信頼につながると考えるからです。
前回までにご紹介してきた「傾聴」「アサーティブ・コミュニケーション」に加え、質問や合意形成など、多くのスキルを駆使することによって、ファシリテーターは参加者の理解を促進させ、主体性を引き出していきます。
そのため、ファシリテーションは、コミュニケーションスキルの集大成ともいえるのです。
このようなスキルを持つ人材は、顧客やビジネスパートナーから厚い信頼を得ることができるでしょう。
4回にわたって、「会話でつながるコミュニケーション」というテーマでお話ししてきました。
いかがでしたでしょうか。現在、専門性を十二分に発揮していくためには、「技術力」だけでなく、「人間力(ヒューマンスキル)」の強化が必要であることを、多くの人が気づき始めています。
ハーバード大学教授のロバート・カッツ氏も、マネジメントにおけるヒューマンスキルの重要性を「カッツモデル」として提唱しています。
このモデルは、「業務経験や立場に応じて必要なスキルは異なるがヒューマンスキルはすべての立場の人に常に求められるスキルである」ことを教えてくれています。
コミュニケーション能力を含むヒューマンスキルは、その人の資質によるものと思われがちですが、訓練で身に付け、伸ばしていけるものでもあります。
現在は、トレーニング方法が充実しており、アサーティブ・コミュニケーション、モチベーション、ファシリテーションなど、ご自身が苦手な分野を知り、研修などを利用して強化することも可能です。
「学ぶ場」と「経験する場」をたくさん得た人は、必ず成長します。
このブログを読んでくださっているみなさんには、ぜひ、ヒューマンスキルを高めて、実践の場に自信を持って臨んでいただきたいと思っています。
■「会話でつながるコミュニケーション」は今回で終了です。
お読みいただきどうもありがとうございました。
■第2回 自分も相手も尊重する「アサーティブ・コミュニケーション」
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富士通ラーニングメディアでは、ファシリテーションの基本的なスキルを学べます。
ご自分のスキルアップに、スタッフのスキルアップに、ぜひ、ご活用ください。
(更新日 2019/11/21)