会話でつながるコミュニケーション(3) モチベーションアップの特効薬はあるのか?

  • ビジネススキル

こんにちは!富士通ラーニングメディアの向井です。

会話でつながるコミュニケーション」をテーマに4回連載でお話ししています。

前回は「アサーティブ・コミュニケーションを取り上げました。

3回目となる今回は、コミュニケーションと深いかかわりがある「モチベーション」について考えます。

モチベーションを上げるのは誰か?

最近、『メンバーのモチベーションをどのように上げたらよいか』というご相談をよくいただきます。ES(Employee Satisfaction:従業員満足度)調査の実施をきっかけに、メンバーのESと組織の活性度に危機感を持つ企業が増えているようです。

みなさんは、メンバーのモチベーションを上げるのは誰だと思いますか?
一般的には、モチベーションを上げるのも下げるのも本人次第と思われがちです。

しかし実際は、リーダーや幹部社員からのメンバーに対する働きかけが、現場のモチベーションに影響を与えていることが多いようです。

会話が生み出すモチベーション

モチベーションを上げるために、リーダーや幹部社員は、どのような働きかけをすればよいのでしょうか。

メンバーとの会話を通じた日々のコミュニケーションの中から、メンバーを理解し、生きがいや働きがいを感じられるような仕事の割り振りを考えることが大切だと思います。
つまり、リーダー層や幹部層には、メンバーが仕事をしていく上で大切にしている「価値観に関心を向けること」が求められているのではないでしょうか。

モチベーションアップにつながりやすく、すぐにでも始めていただける3つの働きかけをご紹介します。

  • 日々の業務における貢献に対して、感謝やねぎらいの言葉をかける ⇒ サンクス効果
  • 成果を上げた人に対して表彰するなど、1人1人の名前を挙げて称える ⇒ スポットライト効果
  • 「期待している」ことを、日々、継続的に伝えながら育てる ⇒ ピグマリオン効果

ぜひ、日頃のコミュニケーションに取り入れてみてください。

モチベーションアップの特効薬とは?

リーダーや幹部社員の中には「モチベーションは本人の問題であって、人に上げてもらうものではない」と言い切る方も少なくありません。

しかし、ご自身のことを振り返っていただくと、『新人時代のあの上司の声かけが嬉しかった。あれが、私のモチベーションアップにつながっていたことに気が付きました。私は自分の力でモチベーションを上げてきたと思っていましたが、違ったのですね』と話す方が多いのです。

メンバーのモチベーションを上げるための唯一の特効薬はありませんが、日頃の会話やコミュニケーションの積み重ねの中に、モチベーションを上げるヒントが隠されていると思います。
あなたがかけるたった一言が、相手に夢や希望を与え、働きがいや生きがいを見いだすきっかけとなることもあるのです。

組織やチームの中には、「2つの要素」が存在すると思います。
1つは、解決しなければならない課題や、達成すべき目標です。

もう1つは、リーダーや幹部社員、メンバーが持つ、仕事に対する価値観想いです。
重要なのは、これら「2つの要素」が、お互いに共有されることです。そのためには、リーダーや幹部社員は、メンバーに対し、会話やコミュニケーションを通して、前向きな働きかけをしていく必要があります。
その結果が、「全員で力を合わせていこう」というモチベーションの根源につながると考えています。
ぜひ意識して会話をしてみてください。

■次回は、コミュニケーションの集大成ともいえる「ファシリテーション」を取り上げます。

第1回 何気ない会話が、プロジェクトの円滑運営につながる

第2回 自分も相手も尊重する「アサーティブ・コミュニケーション」

第4回 利害を調整し、合意形成する「ファシリテーション」

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富士通ラーニングメディアでは、スタッフのモチベーションをアップさせるためのアプローチを学べます。
ご自分のスキルアップに、スタッフのスキルアップに、ぜひ、ご活用ください。

プロジェクトリーダーに求められるモチベーションマネジメントスキル

(更新日 2019/06/13)