みなさん、こんにちは。富士通ラーニングメディアの濱田です。
おもに流通・通信業のお客様を担当し、お客様企業の人材育成に関するニーズにお応えする営業活動をしています。
ブログをご覧の皆さんの中には、プロジェクトマネージャー(以下「PM」)の方、また、将来PMを目指している方、プロジェクトのメンバーとして業務をされている方なども多いと思います。
今回は、私が最近受講して非常に面白いと感じた「PM次の一手」というプロジェクトマネジメント研修コースでの体験をご紹介します。
営業担当者がなぜPMの研修?と思われるでしょう。商談を1つのプロジェクトと捉えると、営業担当もPMと同じように判断や意思決定を求められる場面が数多くあります。
「判断する際の自分の価値感や傾向を知り、今後の活動に活かしたい」と思い、このコースを受講しました。
グループ討議中心の研修なのですが、1日を通じて、自分のモノのとらえ方や思考のくせなどが客観的にわかり、多面的な物事のとらえ方や意思決定する際の観点・視野が拡がっていく体験をしました。
研修でよくある「講義があり、演習を行う」という一般的な流れとは違い、事例をもとにグループでディスカッションを繰り返すスタイルです。
そのテーマはPMが実際に直面しそうな具体的かつ判断が悩ましい状況が想定されており、各受講者はその事例を読み込み、自分がその場面(プロジェクト)のPMであれば、どのように対応するかという自分の考えをまとめ、判断を選びます。
その問題(事例)に対して、どう対応するのが良いかを5つの選択肢から解答(判断)を選ぶのです。
このコース(「PM次の一手(UAR24L)」)は、グループディスカッションを主体としたコース。そのディスカッションの題材は、富士通グループのPMが相互研鑽のために発行している同名のメルマガ「PM次の一手」から抜粋して使用しています。
と、書くと普通の演習のように思えますが、ここからがこのコースの面白いところです。
それぞれが選んだ判断とその理由や考えをグループメンバー同士で共有します。
面白いことに自分とは異なる判断(解答)をした方がいるのはもちろんですが、自分と同じ判断をしていても、違った考えや価値観で、その判断に至っている方もいることに気がつきました。
そのあと、富士通のPMコミュニティ(メルマガ「PM次の一手!」を発行する富士通グループのコミュニティ)からの一般的な判断が示され、PM経験も豊富な講師からの解説があります。
この流れ(自身の考え→グループ討議で他のメンバーの意見をきく→再度解答を考える→富士通PMコミュニティの解答→講師の解説)を5テーマにわたって繰り返します。
海老原講師の解説を熱心に聞き入る受講者たち
自分が判断を選択するにあたり、想定していなかった観点や項目が他者の発表からでてくることも多く、問題を解くごとに自分の視野の狭さや浅さに気がつくことが続きます。
「そう言われてみれば...」「そういう考え方もあるな...」と。
ひとつ問題をご紹介します。
この問題(状況)に対し、私は選択肢「a」と判断しました。
それは、お客様との合意事項でないものが含まれていること、その責任範囲が明確になっていないこと、今後拡張や2次開発等の環境が変わったときに、対象範囲として含まれないリスクを考えました。
一方、他のメンバーから「すでに納品しているものはお客様の資産」であること、「有益なツールであること」などを例に挙げ、勝手に手を加える事は許されないし、有益なツールであればそのまま残すべきとの意見が出されました。
みなさんの意見を聞き、再び自分の判断を考え直す反芻の時間があり、自分と他者の意見と向き合います。
皆さんの意見は自分としても納得できるものでした。
大事なことは、テーマを見ながら判断に悩んでいる時、他のメンバーが出していた観点を自分も想定できたかと言う事なのだと感じました。
このほかの演習テーマも含め、実は5つのテーマのうち3つは皆さんの意見を聞いて判断を見直しました。
なぜこの答え(判断)を選んだのか、自分の考えを説明中
様々なステークホルダーや状況の中で、判断するための条件が変化し、絶対解はないと思います。ただそのときの判断は自分が培ってきた成功体験や経験、価値観の積み重ねをもとにしています。その価値観で考えることが、今直面している状況において正解であるか否かはわかりません。
そのためにも、判断するときに想定すべきことが想定できるための「感性」を高めていくことが重要だと感じることができました。
1日を通じて、多面的な物事のとらえ方や意思決定する際の観点・視野が拡がっていく体験をすることができました。
コース名にPMと入っていますが、PMに限らず、判断・意思決定を行わなくてはならない時に、多面的に物事を捉えるための視点を得たいなどの目的で様々な方にも受講していただける内容でした。
百聞は一見にしかずと言います、ぜひ、皆さんも自分を客観的に見て、自分の思考のくせがわかる、そんな"目からうろこ"な体験をしませんか?
『PM次の一手』講師の海老原です。『PM次の一手』コースでは、予め用意された問題だけではなく、受講者の皆さんのお悩みも設問として議論するコーナーを設けております。お悩みをお持ちの方は、あなたのリアルな題材を基に他のPMの皆さんと一緒に最善手を探してみませんか。皆さんと研修会場でお会いできるのを楽しみにしています。
富士通グループの約4500名のPMにメルマガ「PM次の一手」を発行する島田さんと、当社ヒューマン・ビジネス分野の講師部門マネージャー平井と、プロジェクトの現場で日々発生している悩ましい問題にどう対応していくか、また、PMの人材育成などを語り合いました。
☆コラムでご紹介した富士通PMコミュニティの経験と実績がつまったメルマガ「PM次の一手」の問題をディスカッションの題材にする、グループディスカッション主体のコースです。実際に「あるある」と思う問題が多く、プロマネ以外の若い人にもおすすめです!ぜひ受講をご検討ください。〔PDU対象コース:6.5PDU〕
☆そのほかのプロジェクトマネジメント関連コースもご参考にしてください。
(2016/01/28)