みなさん、こんにちは。富士通ラーニングメディアの松田です。
今回のコラムでは、急激に成長すると予想されている、最近注目の「IoT」について、どのような価値をもたらすことができるのか、また、どのような技術が必要となるのかをご紹介します。
皆さん『IoT(アイオーティー)』という言葉をご存知でしょうか?
巷で泣き顔(ToT)に見えると今話題沸騰?のバズワードで、『Internet of Things』の頭文字を取ったものです。日本語に直訳すると『モノのインターネット』となります。今までは、パソコンやスマートフォンなど、インターネットにつながるモノは、コンピューターでした。IoTの世界では、コンピューターだけでなく、センサーや家電などの組み込み機器といったあらゆるモノがインターネットに接続することで、ビジネスに変革をもたらしたり、人々の生活をより便利に、より豊かにする新しい価値を生み出すと言われています。
ちなみに私の周りには、『ICT※』と何が違うの・・・?(これも見た目がそっくりですが)という方もおり、知っている人は知っているけど、まだまだ世の中への浸透には時間がかかるかもと感じています。
※ICT(Information and Communication Technology)日本語では、情報通信技術と訳される。
実は、『Internet of Things』という言葉は、1999年に、当時米国Procter & Gamble(P&G)社のKevin Ashton氏が、同社重役に対してのプレゼンテーションのタイトルとして使ったことが始まりと言われています。当時はインターネットが大きなブームを迎えており、RFIDにより、モノがインターネットにつながり(正確には、RFIDが自動でコンピューターに読み取られ、ネットワーク上で認識されるようになる)、サプライチェーンに革命をもたらすことを説明したようです。当初は、マーケティング用語として使われたようですが、すでに15年以上の歴史があるんですね。この他にも、『ユビキタス』や『M2M』など、同じようなコンセプトで使用される言葉も存在します。いずれにしても、以前から概念としては謳われていた世界が、コンピューターやセンサーなどの小型化や、無線ネットワーク通信の技術発展などにより、実際に実現できる世界になってきたということになります。
ここでは、IoTによってどのようなことが実現できるのか見ていきます。
たとえば、私たちの身近な生活で見てみると、スマートメーターと、それによる自動検針やHEMS(Home Energy Management System)が挙げられます。スマートメーターは、電力使用量を記録する従来の電力計の機能に、無線通信によるデータ送受信機能を付与したものです。各家庭のスマートメーターから電力使用量を、管理センターへ送信することで、検針員さんが一軒ずつ電力使用量を測定する必要がなくなります。また、各家庭の電力の利用状況や地域の電力需要をリアルタイムに把握できるようになります。これにより、電力の需給調整を地域単位で行う『スマートグリッド』が実現できます。また、スマートメーターのデータを各家庭のコンピューターで受信し、契約者自身が電力の使用状況を把握し、節電などにつなげることができます。このような仕組みをHEMSと呼びます。
さらに、このHEMSを利用して、居住者の生活パターンを把握しておくことで、例えば高齢者の1人暮らしの方の、急病などを検知する見守りサービスが実現できます。このように、IoTと様々なアイデアが合わさることで、様々な価値を見出すことができるのです。
このほかにも、スマートハウスやスマートコミュニティーという概念もあります。
IoTを極めるとスマート人間になれるかもしれませんね。(笑)
IoTは様々な構成要素で実現されています。技術要素でいうと、センサー、ネットワーク、クラウドやビッグデータなどのスキルが必要です。また、IoTを活用したソリューションを企画・検討できるビジネス的なスキルといった分野も重要な要素となります。
IoT時代に必要となるスキル
さらにこれらを粒々としてではなく、上手く繋ぎ合わせ、価値を最大限に引き出すといった要素も必要になります。もちろん全ての要素を1人で身に付けることは難しいです。各要素の専門家が協力し合い、IoTの潮流に乗り遅れないようにすることが重要です。
私も、IoT時代の波に乗れる、スマートサーファーを目指して奮闘しています!
当社では、2015年10月より『IoT入門』コースをご提供しています。
まずはIoTの全体像について学習したい方、これからIoTのサービスを企画検討される方、IoTシステムの構築を検討されている方などIoTの基礎を知りたい方にオススメのコースです。
みなさまと講習会でお会いできるのを楽しみにしています!!
汎用機からビッグデータ、IoTまで幅広い分野の研修インストラクターを担当。
ラズベリーパイ(シングルボードコンピュータ)という響きがとても大好きなスマートとは程遠いぽっちゃりおじさんです。
最近は、電子工作部品を買うために週末秋葉原に通っています。
(2015/11/05)