チャレンジの連鎖から世界が広がる(社会人修士体験記)★1人のチャレンジが、組織を変える!?

  • 理論・研究

こんにちは!富士通ラーニングメディアの千葉です。

会社に通いながら熊本大学の大学院(修士課程)で学び、3月に修了しました。
今月は、この2年間の私のチャレンジから得られた気づきについてお話ししています。

私の研究テーマは、「講師力の定義・構造化の有用性の検証」です。
今日はこのテーマに取り組んだ2年間の大学院生活における、3つの発見についてお話しします。

<1:成果よりも、チャレンジが大事>

「大学院に行く」と最初に決心したときは、「本当に私にやり遂げることができるのだろうか」「会社から期待されているような研究成果が出せなかったら、どうしよう」などの不安を抱いていましたが、今はチャレンジをしてよかったと思っています。

2年間で得られた成功体験もたくさんありましたが、それ以上に失敗も経験しました。
しかし、対外的には失敗に見えることであっても、チャレンジしたことで得られる気づきがたくさんあり、私自身大きな影響を受けました。

たとえば、授業の一環として、熊本大学の講座をeラーニング化する、というプロジェクトに1年間取り組んだときのことです。
講座担当の講師と意志疎通がうまくできなかったことから、エンドユーザーの思いや課題認識を適切にくみ取ることができず、結果としては成功とは言い難いプロジェクトとなってしまいました。

しかし、Web会議やeラーニングだけでつながっている遠隔地にいる人と、ものを作り上げる難しさを体験したことは、実業務のみではなかなかできない非常に貴重な学びとなりました。
加えて、その後、私が担当するお客様に遠隔学習ソリューションの提案を行った際、この経験を大いに生かすことができました

<2:個人の軸と、会社の軸が接するところで貢献したい>

私のチャレンジを応援してくれている社内関係者から、「大学院に行っているのだから」とか、「インストラクショナル・デザインやeラーニングのことを勉強しているのなら」といった理由で、社内の新規企画やサービス改善などのワーキング・グループ(WG)への誘いが増えました。

WGは、原則は誰でも参加できるものです。私は、以前から積極的に参加するように心がけ、声をかけられたWGすべてに参加していました。

しかし今は、「このWGは、私の得意分野が生かせるか?」「私が提供できるものはあるだろうか?」と考え、私が提供できるものがあるWGには参加する、そうでないWGはお断りする、というスタンスを明確に出せるようになりました。

このように変わることができたのは、大学院の研究を通して、『私の軸は「教育」である』と認識できるようになったからだと思います。
「WGは会社の目標達成のために存在する。しかし、そのすべてに自分がかかわる必要性や必然性は必ずしもない。
一個人として自分の成長も楽しみ、会社の成長に真の意味で貢献できる人材になるためには、会社の軸とは別に、自分の軸をもつことが大事。
そのうえで、会社の軸と個人の軸が接するところを探し、その部分を全力で頑張るというスタイルが、会社も自分もハッピーになれるのではないか」と考えるようになったのです。

もしも今、「自分の軸が決まっていない」と感じている方がいらしたら、まずは、いろいろなことにチャレンジすることをおすすめします。
最初はうまくいかないかもしれませんが、チャレンジをし続けていると自然に経験知が積み重なり、いずれ自分にぴったり合う「軸」が見つかってくると思います。

第1回でお伝えしたとおり、私も最初から確固とした軸があったわけではありません。
さまざまなWGに参加し、大学院にチャレンジしたことで、やっと見つけることができたのです。

〈合宿中に行われた、研究経過などの発表会>
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<3:積極的に声をかけて、外の人とつながろう!>

「つながり」がつながりを生む―――これも、2年間の研究生活を通じて強く感じたことです。

たとえば、知りたいことややりたいことがあるとき、1つの手段としてまずは近しいテーマの勉強会や研究会、学会などのコミュニティに飛び込んでみるということが挙げられます。

私自身も、このようなコミュニティに何度か参加し、名刺交換がてらの雑談や、会話・議論を交わす中で、興味関心の似通った人や、自分の知りたいことを研究している人と直接つながることができました。

また、それらの場での発表を聞いた後、発表者に声をかけて質問してみることで、新たな出会いにつながることも多々ありました。

特に、発表者に声をかけることは、最初はものすごく勇気が必要でした。
「断られたらどうしよう」「素人っぽい質問をしてしまうのではないか」「迷惑にならないか」などさまざまな思いが頭を駆け巡り、躊躇したものです。

しかしそれを繰り返すうちに、「発表者に時間があれば基本的には話を聞いてもらえるし、興味関心や両者の置かれた状況がうまく合えば新しいつながりができることもある。確かなのは、声をかけないと何も始まらないということだ」と考えるようになり、今では積極的に声をかけることができるようになりました。

このように勇気をもって新しい世界に飛び込んでいくことによって、私は、社内外問わず、さまざまな人に積極的に声をかけることができるようになりました。これは現在の私の大きな強みになっています。

★次回は、研究成果とまとめをお届けします。

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(2012/08/23)