こんにちは。富士通ラーニングメディア・ブログ担当です。
みなさんは、BABOK®をご存知ですか。
BABOK®とは、ビジネスアナリストの作業を知識体系としてまとめたものです。
今注目の、上流工程や、そのさらに前段の「超上流」と呼ばれる工程のバイブルと言われています。
このたび、そのBABOK®に関する資格・CCBAを、当社社員の海老原が取得しました。
今日は、その海老原の受験に関する体験記をご紹介します。
比較的新しい資格のため、まだまだ受験に関する情報が少ないようです。
当人も、一度は受験に失敗しました。
だからこそお伝えできる受験準備におけるポイントや、当人なりの資格活用に向けた思いをご紹介します。
今後、CCBA資格受験を目指す方や、上流工程のトレンドをおさえておきたい方の、ご参考にしていただけますと幸いです。
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質問者:
まず、CCBAとはどのような資格なのでしょうか。
海老原:
CCBAとは、Certification of Competency in Business Analysis の略で、ビジネスアナリストの分野の国際的な資格です。
IIBA(International Institute of Business Analysis)という、カナダに本部を置く団体が主催しています。
IIBAは『BABOK®』というビジネスアナリストの作業を知識体系として纏めたものを発行しています。
試験問題は、このBABOK®から出題されます。
2011年11月から日本語で受験できるようになり、日本では2012年7月現在、約30~40名が合格しています。
関心が高い資格のようなので、合格者数は今後一気に増加するのではないかと思います。
プロジェクトマネージャの分野にもPMP® という資格があり、PMP® 試験ではPMBOK® Guide(A Guide to the Project Management Body of Knowledge)に関する知識が問われますが、これと同じようなものですね。
質問者:
ということは、海老原さんは普段ビジネスアナリストのお仕事をされているんですか。
海老原:
普段はIT研修の講師をしており、上流工程やプロマネの分野を担当しています。
その傍ら、社内の業務改革や新しい研修ビジネスの検討、グループ企業を対象とした人材育成施策の検討、受講者の方が作成した業務改革計画のレビューなどの仕事を通じてBAに関する経験を少しずつ重ねてきました。
質問者:
なるほど。ところでCCBA資格にチャレンジしようと思ったきっかけは何ですか。
海老原:
講師としてのスキルアップ、そして受講者の皆様に旬な情報をご提供させていただくためです。
BABOK®の関連資格として、また超上流工程を担当される方が目指す資格として関心を集めていますが、比較的新しい資格ですので今はまだ情報が少ないと感じています。
私の経験を多くの皆様にお伝えし、役立てていただきたいですね。
質問者:
受験の準備は大変でしたか。
海老原:
実は受験の前にも関門があります。
IIBAのホームページで受験申請する際にBAとしての業務経験を記載し、それがIIBAに承認されないと受験資格が得られないのです。
申請には職場の上司など2名の方の推薦も必要です。
申請は無事承認され受験資格を得たのですが、1回目の試験は残念ながら不合格でした(苦笑)。
不合格になった原因を分析し、勉強のやり方を工夫して2回目の受験で無事合格できました。
質問者:
1回目の受験、敗因は何だったんですか。
海老原:
対策が予想問題集に偏りすぎていたかなと思います。
対策講座を受講し入手した予想問題集を繰り返し解き、間違った箇所はBABOK®で確認をとりました。
この方法でもある程度成績は伸ばせるのですが、BABOK®の全体像はなかなか頭に入ってきません。
そのため合格に一歩及ばなかったのだと分析しています。
質問者:
2回目の受験対策では、全体像の理解をテーマにされたんですね。
海老原:
そのとおりです。市販の受験対策本と、当社の『BABOK®入門』のテキストが大いに役立ちました。
模擬試験をひたすら解く点は同じですが、間違った箇所は当社のテキストでも見直しました。
当社のテキストは要点がうまく整理されており、BABOK®の全体像を理解するのに適していました。
灯台もと暗しでした(笑) 。
質問者:
ほかに工夫された点はありますか。
海老原:
2回目の受験時期の設定ですね。
2回目の受験日はIIBAに申請が承認されてから1年以内でなければなりません。
勉強時間の確保と情報収集のために、1年という枠を最大限に活用しました。
質問者:
CCBAの資格に興味を持たれた方にアドバイスをお願いします。
海老原:
IIBA日本支部さんのホームページに有益な情報が掲載されています。
CCBA受験ガイドや合格者の体験記などはぜひ目を通してください。
私の合格体験記も掲載いただいております。
質問者:
最後に、海老原さんの今後の抱負を聞かせてください。
海老原:
クラウド技術やオフショア開発の普及など、IT技術者にとっては大きな変化がおとずれています。
私はIT技術者のフォーメーションは今後上流や運用の工程にシフトすると予想しており、これらの分野の人材育成需要がますます高まるだろうと考えています。
私は上流工程を担う講師の一人としてコースの種類や内容を拡充してまいりたいと考えています。
『FLMのコースメニューを見ればIT技術者の進むべき方向性がわかる』とお客様に仰っていただけることが私の理想です。
そのためにも時代の潮流を読み、スキルの研鑽に努めたいと考えています。
CCBAの上位資格であるCBAP(Certified Business Analysis Professional)も、いずれ取得したいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
PMP、PMBOKは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management institute,inc.)の登録商標です。
(2012/08/16)