- 理論・研究
こんにちは!富士通ラーニングメディアの宮田です。
6月の木曜日は、自ら考え、気づいて学ぶ『新ラーニングモデル』をテーマに4週連続でお届けしています。
第1回では、eラーニングの課題を提示しました。
第2回と第3回では、課題に対する当社の取り組みとして、新しいeラーニング教材を取り上げ、カリキュラムの特徴についてお話ししました。
最終回となる今回は、具体的事例として、eラーニング教材「クラウド時代の仕事の捉え方 あなたにできることは」を使用して、富士通コーポレート部門および当社社員に実施した研修から得られた知見についてご紹介します。
<7割が、早急なアクションの必要性を実感 ・・・自ら考え、自分ごとに落とし込む学びの成果>
昨年度、富士通コーポレート部門および当社社員、約1500名に本eラーニングを実施しました。
研修終了時のアンケートで、「自身の業務への影響度」と、「早急なアクションの必要性」を感じたかを聞いてみたところ、業務への影響度の大小はあるものの7割の受講者が、今後の取り組みにおいて早急なアクションが必要であると回答しています。
また、「今後、自身が心がけたい、実行していきたいこと」としては、以下のような回答がありました。
(主なコメントを抜粋)
- 継続した最新情報の収集を行い、自社サービス、業務の改善に活かす。
- 新しい、柔軟な発想を日々意識する。感性を養う。
- ビジネスそのものにスピード感が必要な場合、クラウド活用も最善の方法の1つとして考えていきたい。
- クラウド、グローバル、コンシューマライゼーションなどの流れを意識し、常に変化を考える。
- 状況によってはビジネスを見直す必要がでてくる。社会の変化に応じて変革できる意識を常に持ちたい。
- クラウド時代はお客様の業務のさらなる理解が重要。理解を深めていきたい。
- サービスの付加価値を高めるためのビジネスを創造していきたい。
- 事例Movieにあったように、「お客様の業務に合わせて有用なサービスを組み合わせて提案する」「モデル事例を横展開していく」という視点を常に持ちたい。
- クラウドの利用者として、自社のサービス改善に活かす提言をしていきたい
- 自社が今お客様に何を提供できるかも大切だが、お客様が何を必要としているか、お客様の価値を追求していきたい。
- 業務へのクラウド活用を積極的に考え、効率化をはかりたい。
担当している業務の違いにより、気づく内容やレベル、今後への活かし方は異なりますが、知識修得にとどまらず、自分ごとに落とし込んで考えている様子がうかがえました。
<一人では得られない「視野の広がり」「一体感」「共感する学び」 ・・・Webコミュニティの効果>
Webコミュニティは、受講者同士の気づきの共有や、みんなで学びあう学習ができる場として設定しています。
今回の取り組みでは、約500名の受講者に、Webコミュニティを活用し、特定のテーマについて意見交換をしてもらいました。
その結果、従来の知識修得型のeラーニングと比較して、どのような効果があると感じたのでしょうか。
「効果がある!」派の意見
- 他者の考え方や意見を知ることで視野が広くなる。新しい発見につながる。刺激になる。
- リアル性が高い。スピーディーなアクションにつなげられる。
- 一方的な「洗脳」教育にならず、「共感」する学習ができる。
- 学習の動機付け効果がWebコミュニティによってアップされる。自分の理解の支援になる。
- 普段会話する機会のない人の考えがわかり、今後の会話のネタになる。会話が広がる。
- テーマについての理解が深まり、新しいアイデアが生まれやすくなる。
- 一体感を強く感じる。
一方、学習の進め方、評価や運用における課題についてもコメントが寄せられました。
今後も私たち自らが実践し実績を積み上げ、みんなでアイデアを出しあいながら、工夫・改善につなげたいと思います。
「もう一工夫必要!」派の意見
- テーマの与え方、絞り込みでディスカッション効果をあげる。
- いろいろな要素が関係すると思うが客観的な指標で効果を測定できるとよい。
- eラーニングの世界だけではなく、業務と連動、継続したフォローアップが必要。
- ディスカッションを活性化させるファシリテーターが必要。
- 開始時にはコメント数が少ないため、学習のタイミングを考える必要がある。
- 発言者の意識、知識レベルに個人差がある。
<「モヤモヤ」から、「なるほど!」へ学習が進むごとにアップ ・・・Module別理解度より>
本eラーニングでは、Moduleごとにアンケートを実施し理解度を確認しました。
プロローグのアニメーションからはじまりModuleが進むにつれて「モヤモヤ」感が徐々に解消されていく結果となっています。
またModule4では、新人営業の取り組みを追った動画の効果により、「なるほど!」感が他に比べ高く出ています。
今回の新しい学びに対する工夫の成果が出せたのではないかと考えています。
<まとめ:「個人の成長」を「組織の成長」につなげるeラーニングへ>
当社は、これからのeラーニングは、 知識修得にとどまるものではいけないと考えています。
1人1人が学ぶだけでなく、互いに教えあい学びあうコミュニケーション型の教育システムが求められているのです。
今月ご紹介した当社の取り組みでは、動機付けや危機感を醸成するための「プロローグ」や、一方通行を解消するための「掛け合い型」、自分ごととして考えるための「クイズとアンケート」、新たなスタイルの業務を疑似体験できるリアルな画像を用いた「事例Movie」など、従来のeラーニングにはない工夫をしました。
また、「ひとりで学ぶ」スタイルを改善し、みんなで考えるために「Webコミュニティ」を取り入れ、「協調学習」という新しい学習スタイルを生み出しました。
「全員が同じ教材」で学ぶスタイルを改善し、受講者のレベルに応じて教材を進化させる「進化型教材」にも挑戦しました。
個人が「知」を身に付け、成長していくだけでなく、その「知」を、互いに教え、刺激しあいながら、組織の「知」にしていくことで、組織も成長していく・・・このような学びにつながる、ラーニングモデルの確立に向けて、当社はこれからも挑戦を続けてまいります。
■「自ら考え、気づいて学ぶ『新ラーニングモデル』」は今回で終了です。
お読みいただきどうもありがとうございました。
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本シリーズでご紹介したeラーニング教材(「クラウド時代の仕事の捉え方 あなたにできることは」)を、ぜひ、ご活用ください。
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(2012/06/28)