11月は組織活性化特集★第2弾は「会社は、自分の考えや行動で変えられる!」 をご紹介!

  • 理論・研究

皆さん、こんにちは!今回担当する、コンサル部の宮川です(*^-^*)

社員の過半数が、タイトルのように考えられるようになった会社があります。
今回は、昨年私がコンサルティングに入ったY社と、その変革に携わったあるWGリーダーのエピソードをご紹介します。

<背景>

Y社は3年前に、大手SI会社の子会社同士が合併した中堅SE会社です。合併までの経緯が複雑であったため、合併から2年経った当時も、両社の間に深い"溝"が残ったままでした。

従業員満足度調査の結果も低い状態が続いてたY社は、社員の満足度を上げるために様々な手を打ちましたが、どれも結果は芳しくなく、手詰まりの状態でした。
そこで、思い切って組織活性化のためのプロジェクトを発足することにしたのです。

当初私たちが行った社員へのヒアリングでも、「合併した相手側は、我々を同じ会社の社員とは思っていないのではないか」や、「今まで何度も話し合ってきたが変わらない」など、不満と諦めの声が聞こえており、どのように手を打つべきかも分からない状態でした。

<WGの発足>

そんな中で、「合併の"溝"問題」の解決に大きく貢献したのが、Aさんでした。
Aさんは入社10年目の社員で、優秀で仕事はできるのですが、目の前の物事に集中しすぎてしてしまうタイプでした。

かつては体調を崩して1年間休職していましたが、復帰後2年目を迎えた時、今回の組織活性化プロジェクト最大の難関である「合併の"溝"問題」WGのリーダーに立候補したのです。

私たちが推進する組織活性化コンサルティングでは、活動の主体となるWGメンバーを、社内で募集してもらうスタイルをとりますが、今回は、ようやく集まった数人が、各々の人脈を頼りに他のメンバーを掻き集めました。最終的に、WGメンバーは、管理職も含め合併両社から構成されました。

<第1回目の検討会>

Aさんは、WG発足の背景などをまとめ、良く練られた資料を準備し、会議に臨みました。
また、レコーダーを用意し、会議内容を録音することで、確実な議事録を作成しました。
録音について、最初は戸惑いを見せたメンバーも、Aさんの気迫に押され、了承しました。

WGでは、第三者の私がファシリテーションをしたこともあり、普段言えないことが言えるムードとなり、両者の認識の違いが露呈するなど、話し合いは白熱しました
議事録も、あたかも自分が会議に参加しているかのような臨場感を伺わせる、迫力満点なものとなりました。

<高まる社内の関心>

しばらくして、Y社内で公開された「合併の"溝"問題」WGの議事録が社内Web上でアクセスNo.1となり、社員の間で話題になっているとの報告を受けました。
私は、このWGは成功する、と確信が持てました。
忙しい社員が、わざわざWG議事録を継続して見続けると言うことは、WGの検討内容が形式ばったものでなく、社員の想いを代弁し、真に意味のあるものになっていることを示しているからです。
 
その後WGでは、合併両社から、WGメンバー以外の主要社員にヒアリングなどを実施し、問題の構造を明らかにする活動を行いました。
その結果をもとに、合併両社の経営・幹部社員対話の場を設定することを経営層に上申しましたが、経営側は、問題の構造について「自分たち経営側が非難されている」と捉えてしまい、メンバーの申し入れは、受け入れてもらえませんでした。

「仕事が忙しい中、こんなに真剣にやっているのに、もうやるもんか!」「本来だったら経営がやらなきゃならないことなのに!」と、メンバーは落胆し、また、Aさんの落胆振りが著しいことに心を痛めました。

<諦めなかったWGメンバー>

経営層に同じやり方で働きかけても難しいと判断したメンバーは、直接、合併両社の社員をつなぐことを検討し始めました。

手始めに、社員交流の場として新人歓迎ボーリング大会を企画したところ、経営層からもすんなりOKがでました。喜んだWGメンバーは、一丸となって取り組み、開催に向けて、次々にアイデアを出し合っていきました。

「どうやったら皆が喜ぶか」、「社員同士の繋がりをつくれるか」「会社としての一体感を感じられるか」などの視点で、様々なアイディアを練り上げて検討していきました。

参加者の名簿と、意気込みメッセージを社内に公開したところ、社長も参加することが全員に知れ渡り、普段イベントにあまり参加しないような管理職からも手が挙がり、平日にも関わらず社員の1/3にあたる100名を越す応募がありました。
もちろん、議事録で今までの経緯を社員が知っていたことも大きな要因でした。

イベントは爆発的な盛り上がりを見せ、大成功!
二次会に参加する社員が増えすぎて、座席がギュウギュウ詰めになってしまいましたが、かえってお互いに声を掛け合ったり、近くで話せてよかったとの声につながりました。

通常だったら苦情になるようなヒヤリとした場面も、無事にやり過ごすことができ、成功に結び付けることができました。

<そして1年後>

┌─────────────────────────────┐
 「自分達の考えや行動で会社を変えることができると思う」 55%
 「1年前よりいい会社になった」 72%
 「会社の方針が伝わりやすくなった」 66%
 「コミュニケーションがよくなってきた」 67%
└─────────────────────────────┘
これは、Y社が1年間組織活性化の活動に取り組んだ後の、アンケート結果です。

誰もが「人の役に立ちたい」「喜んでもらいたい」という根本的な想いを持っています。それが「やりがい」になり、「達成感」につながります。

当初Aさんは、分断された会社の空気が苦しく、悲しいと感じていました。
何とかその空気を払拭して、皆で共に進みたかったのです。
そして、自分でできることを見つけ出し、あきらめずに取り組みました
その結果、会社という組織にも大きな影響を与え、活性化につながったのです。

あなたが、もし、「職場をもっと良くしたい」「今の会社を変えたい」と思っているとしたら、勇気を出して一歩踏み出してみませんか?
もしかしたら、あなたの行動で会社が変わるかもしれません!

team4_2.png

(2011/11/10)