11月は組織活性化特集★第3弾は「会社を変えるきっかけを掴む!」をご紹介!

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<<第3弾 会社を変えるきっかけを掴む!>>

皆さん、こんにちは!今回担当する、コンサル部の宮川です(*^-^*)

今週は、前回の<<第2弾 会社は、自分の考えや行動で変えられる>>でご紹介しました事例の続編をご紹介します。

前回は、大手SI会社の子会社同士が合併した、中堅SE会社のY社における、「合併の"溝"問題」WGリーダー・Aさんのお話でした。

今回は、同じWGのメンバーとして奮闘した、Mさんについて紹介します。

<WGにおけるMさん>

Mさんは、Aさんと同様、合併を受けた側の社員のため、「合併の"溝"」を強く感じていました。しかし、今後について漠然とした不安を抱えながらも、現状の業務を継続する上では支障が無いことから、改善の必要を感じていませんでした

そんなMさんがAさんに引っ張られ、渋々WGメンバーになりました。
当初はメンバーからの検討案に対し、「くだらねぇ。そんなことやって何になんの?」、「俺だったら絶対参加しねぇ」との発言が目立ちました。

私やWGメンバーは、検討を続けていくうちに"彼の基準こそ、合併を受けた側の社員の基準(気持ち)だ"と気付き、何かの判断をするときは、必ずMさんに尋ねるようにしました。
「Mさん、どう思う?」と尋ね、「くだらねぇ」が出たときは再検討。「まぁいいんじゃない」が出るまで、アイディアを出し尽くしました。

自分の意見がWG活動に取り入れられていくことを実感したMさんは、次第に積極的に参加するようになりました。

更に、合併両社の社員による本音のインタビューを聞くことで、両社の社員間に「思い込み」や「誤解」が多くあったことに気づき、自分達がやるべき「"溝"を埋める」ことに、一層重みを感じ、活動に力が入りました。

そして「合併両社の経営・幹部社員対話の場を設定する」という、WGとして経営層への提案を初めて行いましたが、受け入れられず、メンバーは落胆しました。

経営層の反応を、ある程度予想していたMさんは、「結局、上はそんなもんだよ」と重く受け止めすぎないように努めましたが、今までWGを引っ張ってきたリーダーのAさんの落胆振りが著しいことに、心を痛めました。

<Mさんの踏ん張り>

「自分の後輩であるAさんがここまで頑張ってきた」ことや、Mさん自身が希望を持ち始めていたことが後押しし、Mさんは再度奮起しました。

WGとして次の提案が、直接社員を結ぶ「新人歓迎ボーリング大会」開催に決定し、Mさんは「この場でどうすれば"溝"を埋められるか」「みんなが喜んでくれるか」を真剣に考えました。

  • グループ内には、必ず合併両社を混在させ、明るい盛り上げ役を一人置く
  • チームワークを発揮しなくてはならないような、オリジナルルールを設定する

など、詳細なしくみやルールを作りました。

そして、新人歓迎ボーリング大会は爆発的に盛り上がり、大成功!

今までは懇親会でもイベントでも、合併前の会社同士だけで固まって参加していましたが、初めて両社社員が交じり合って、全社規模でのイベントとなりました

イベント終了後、達成感に満ち溢れたMさんが、こんなことを語っていました。
「全然知らない人から沢山、『ありがとう』『またやってくれ』って声をかけられた。やってよかったよ」

更に2週間後には、WG活動を通して知り合った、多くの社員に仕事で助けられた経験を通して、「コミュニケーションって大事だな。社内に知り合いが増えると仕事が早く進むって本当だった」とも話してくれました。
また経営層の判断を仰ぐ会議でも、「おっ、Mのところのプロジェクトか」と好反応を示してもらえるようになり、要望が通りやすくなった、とのことでした。

<Mさんが得たもの>

Mさんは、当初、「合併の"溝"」を感じていたものの、自己都合だけを考えれば、すぐに職場環境を改善する必要性はありませんでした。また、「自分に解決できる」とも思っていませんでした

しかし、WGメンバーとともに、問題に主体的に関わることによって、コミュニケーションの範囲を広げ、当初目指していた「"溝"を埋める」以外にも、次の様な、多くのことを得ることができました。

  • 社内に知り合いが増え、相談することで様々な視点で考えるようになった
  • 経営層と話す機会が増え、人と"なり"を知ってもらった
  • 全社的なイベントを運営することで、人と組織を動かすことを学んだ
  • 上の3つが叶うことで、仕事上のやりたいことが実現しやすくなった

あなたが、もし、「職場をもっと良くしたい」「今の会社を変えたい」と思っているとしたら、勇気を出して一歩踏み出してみませんか?きっと同じように「変えたい」と思っている人が周囲にいます。あなたの一歩は、確実に「会社を変える」きっかけになるはずです!

(2011/11/17)