皆さん、こんにちは!富士通ラーニングメディア 人材育成サービス事業部の東田です。
Webコンテンツ連載第4回まで言語や技術に特化した内容をお届けしてきました。第5回は開発工程を学ぶ研修のおはなしです。
当社では言語や技術関連の研修のほか、開発工程を学ぶ研修も実施しています。
Webコンテンツカテゴリでも「フロントエンドエンジニア」向けの開発工程を学習する「フロントエンドエンジニア向けWebアプリ開発技法 ~要件定義からテスト体験~ (UJS87L) ※」を提供しています。
「フロントエンドエンジニア」とは、Webサイトやアプリなどフロント側の設計・開発、改修などを担当する技術職です。キャリアアップを検討中の方も多いのではないでしょうか。
フロントエンドエンジニアを対象に、要件定義からテスト工程まで各工程のポイントを学び、アウトプットを作成しながら開発工程を学習します。
今回は、コース内容と共に、開発工程の重要なポイントについて、コース担当者「千野・東田」が、元オーディオ機器メーカーのエンジニアであった「下川」講師に、当コースでも重要な要件定義やテスト工程を中心にインタビューをしました。
講師が苦労した体験談もまじえた一部始終の模様をお届します。
東田:
「本研修は開発工程を学べる研修となっています。由加志さんは元エンジニアでしたよね。ウォーターフォール開発で特に難易度が高かった、難しかった工程はありますか?」
下川:
「僕はもともともオーディオメーカーのエンジニアとしてウォーターフォールの開発工程を経験したんだけど、特に要件定義工程の難易度は高かったね。要件定義のゴールは製品の完成形を明らかにすることなんだけど、機能要件だけでなく、非機能要件も洗い出す必要がある。そのためには、システムの全体像を理解し仕様が実現可能かどうかを技術的観点から判断する必要があるし、業務要件にも問題がないか検討しなくてはならない。技術力と業務を理解する力が求められる、非常に難易度の高い仕事でした。」
東田:
「要件定義で具体的に苦労した点はありますか?」
下川:
「仕様の見える化、つまり完成形を要件定義で決めることに限界を感じたことがあるね。 開発経験者なら一度は経験したことがあるかと思いますが、要件定義で決めたとしても リリース前の仕様変更や、システムテスト時にユーザーから「イメージしたものと違う」ということがどうしても発生してしまう。事前にシミュレーションできることばかりではないので、仮説を立てて動く力も求められるといえますね。」
千野:
「本講習会ではこの想定のずれを少なくするために、色々な手法があることを学習します。もちろん手法を知っているからすべて解決できるわけではないですが、選択肢が増えることは重要だと考えています。対象者はフロントエンドエンジニアなので、フロントエンド開発に特化した話にはなりますが、各アウトプット作成を通して学習します。」
下川:
「なるほど、こんなに多くのことを実施するんだね。確かに今はいろいろな考え方やツールが普及しているから、ちゃんと目的を明確にしたうえで、使いこなしていきたいね。」
東田:
「要件定義工程以外で重要だと考える工程はありますか?」。
下川:
「全工程が重要であることを前提として、やはりテスト工程は僕の中で特に重要だと思うし、苦労もしたね。テストとは、製品が仕様通りにふるまうかを確認することです。そのためには、具体的な品質指標も考えなくてはならない。車のパワーウィンドウに例えると、「窓がいい感じで開く」では仕様通りに作れたかどうか分からない。「何秒間かけて窓が開く」など、具体的な指標が必要ですよね。テストは、仕様・設計の正しさをはかることになるから、リリース前の本当に大事な工程だと考えています。」
東田・千野:(パワーウィンドウの話・・・わかりやすいな・・・)
東田:
「講習会でも評判ですが、由加志さんは例え話が身近なものを取り上げていて、わかりやすいです!テスト工程では具体的にどんな苦労がありましたか?」
下川:
「テスト仕様書の作成とテスト実施の時間がなかったことだね。もちろん時間を作るべきなんだけど、開発が順調に進まずテストの時間などがどんどん削られる。ソフトウェアの中身の品質をしっかりと見れるのはこのタイミングだけだからとても重要なんだけど・・・。だから、CIやテスト自動化の考えはとても重要だと思います。限られた時間で効率よくテストができるので。」
千野:
「私もそうですね。設計や開発が遅れて、テストの時間がなくなり、、、でもやらなくてはいけないので退社時間が遅くなるといったことに・・・。」
東田:
(そういえば二人とも家に帰れなかったことがあるって言ってたな・・・。)
千野:
「ただ、おっしゃるとおり、テスト自動化やCIの流れは待ったなしだと考えています。そこで、講師によるデモにはなりますが、Selenium WebDriverを使用してブラウザの自動テストを体験していただきます。時間の都合上テストプログラムの作成はしませんが、使用するイメージは持っていただけるのではないかと考えています。」
下川:
「それはいいね。しかもSelenium WebDriverだと、設定もそこまで複雑なものではないので、体験していただくにはいいツールだと思います。」
千野:
「当講習会は「体験」に主軸をおいてますので、本格的に自動テストを学習したい方はぜひ下記コースの受講を検討していただければ幸いです。」
・テスト自動化のためのJUnit基礎 (UFN88L)
千野:
「ちなみに、Reactを使用してプログラムの実装もしますが、こちらも本格的に実装・学習するものではありません。SPAやJavaScriptを使用した開発を学習したい方は、前回のコラムのVue.jsによるSPA(シングルページアプリケーション)開発の受講をお勧めします。
下川:
「ただ講師の話を聞くのではなく、工程を学習しながらアウトプットを作成できる構成となっているのはいいね。担当講師はどんなことを意識して登壇しているの?」
千野:
「私もそうですが、登壇する講師は自身の体験談を交えて講義をしています。また、現役のエンジニアの方々からもヒアリングして、最新の状況を踏まえたうえで、常に講義内容はアップデートすることを心掛けています。」
下川:
「そうだよね。やっぱり我々としては、あらゆる情報の中から受講いただく方々に最適な情報を提供しないといけないね。これから要件定義やテストを担当する方はもちろん、多くの方にぜひ受講いただきたい講習会ですね。」
東田:
「フロントエンドエンジニアの方向けとはなっていますが、ペルソナやカスタマージャーニーマップなど、ビジネスにおいても重要な考え方を学べることは魅力ですね!由加志さん、今回はインタビューに答えていただきどうもありがとうございました!」
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございます!
実際の講習会では、コラムで語りきれなかった内容もたくさんご用意しております。
皆様のご参加、心よりお待ちしております!
フロントエンドエンジニア向けWebアプリ開発技法 ~要件定義からテスト体験~ (UJS87L) ※
本コースは、フロントエンドエンジニアを対象に、要件定義からテスト工程まで各工程のポイントを講師の実体験を交えながら説明し、アウトプットを作成していただくコースです。導入いただいてる企業様も多く、人気のコースです。今回お客様からのご要望をうけ、リニューアルしました。ぜひ、ご覧ください。
※「フロントエンドエンジニアのためのWebアプリケーション開発実践」 (UJS53L)を既にご受講済みの方は、内容が重複するため受講の必要はありません。
次回予告(内容は変更する可能性があります)
最終回 :若手社員必見!!教えるプロであり学習のプロでもある、講師の学習方法を公開します!!
人材育成サービス事業部 デジタルプロセスチーム
下川 由加志(しもかわ ゆかし)
オーディオ機器メーカーから富士通ラーニングメディアに転職。前職の組込みエンジニアとプロセス改善業務の経験を活かし、C言語/組込みや開発プロセスを得意とし、そのほかCOBOLやIoTなど幅広く担当しています。自らの理屈っぽい性格を逆手にとって、 「なぜそうなるのか」という事象の本質が伝わる講義を目指して、日夜理屈っぽさに磨きをかけています。NO MUSIC NO LIFEということでオフはほぼミュージシャンで、バンドでドラムを叩いて早40年、まだまだ自らの未熟さを痛感する日々です。嫁と娘と犬をこよなく愛する家庭人でもあります。
人材育成サービス事業部 デジタルプロセスチーム
東田 真由(ひがしだ まゆ)
新卒で富士通ラーニングメディアに入社。講師としてアプリケーション開発研修や新人研修を担当しています。研修運営の他、コース企画~開発までのコーディネートや学習用動画コンテンツの作成などにも携わっています。文系学部卒という自身の背景を活かして、親しみやすい講習会の場づくりを心がけています。休日は吹奏楽団でクラリネットを吹いたり、ラーメン屋さんを開拓したりしています。正真正銘の犬派です。
人材育成サービス事業部 PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)
千野 陽太(ちの ようた)
文学部から金融系SEを経て、富士通ラーニングメディアに転職。Webコンテンツコースの責任者などを担当し、現在は講師部門のPMOとして、大型の商談対応や部門全体に関わる業務、アジャイルの研修を担当しています。2020年度は所属講師の中でもトップクラスの企業数・日数のオンライン新人研修の講師を担当しました。お客様のご協力をいただきながら、独自の施策を企画・実行し、集合研修よりも高い評価を得てきました。もうすぐ3歳になる息子がいます。
(2021/01/14)