ブロックチェーン技術を効果的に身につける方法、教えます!~仮想通貨やFinTechだけじゃない~

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みなさん、こんにちは。富士通ラーニングメディアの萬(よろず)です。普段はインフラエンジニア向けの研修を担当しています。

現在、ビットコインなどで注目を集めている仮想通貨。その仮想通貨を支える技術がブロックチェーンです。しかし、ブロックチェーンは仮想通貨やFinTechといった金融分野だけで利用されるものではありません。IoTなどと組み合わせることで様々な産業での活用が期待されています。今回は、このブロックチェーン技術を効果的に身につける方法をご紹介します。

<まず、ブロックチェーンとは?>

ブロックチェーンとはなに?
ブロックチェーンとは、ネットワークで接続された複数のコンピュータで、同一の台帳を同期させて保持する技術です。分散型台帳技術と捉えることができます。同一データをすべての参加者が保持しているので、データの改ざんが難しく耐障害性も高いデータ管理の仕組みです。
ブロックチェーン技術の今後予測

経済産業省は2016年4月末に、ブロックチェーンの潜在的な国内市場規模は67兆円になるとする予測を発表しました。ブロックチェーンは参加者すべてが台帳に記録された取引履歴を共有でき、改ざんも困難なため、特定の組織が一元的にデータを管理する必要がなくなります。これにより取引コストの低下が見込まれます。また、参加者が情報を共有することで、仲介者なしに参加者間の取引が完結できるため、銀行や証券会社、不動産会社などの企業構造や社会構造に大きな影響を与えると考えられています。

ただ、ブロックチェーンの普及には解決すべき技術的な課題がまだまだ多く、ブロックチェーンを活用したビジネスの実例も少ないため、短期間ですぐに社会に影響を与えるとは考えにくい状況です。とはいえ一度導入が進み始めると、そのインパクトは非常に大きなものとなるので、技術を習得し変化へ備える必要があります。

どういう業界・人が対象?この技術が必要な人はどんな人?
ブロックチェーンは様々な分野での活用が期待されます。例えば製造業であれば、原料から製品を顧客に届けるまでを管理するサプライチェーンマネジメントでの利用が考えられます。トレーサビリティを確保しつつ効率的な管理が期待できます。また、IoTとの組み合わせも考えられます。デバイスが取得した大量のデータをブロックチェーンで取引し、自律的なデータ利活用を進めることが期待できます。新たなビジネスを企画する方や、既存のビジネスの効率化を考える方にとって、注目すべき技術です。

<ブロックチェーン技術を身につけるにはどうすればよい?>

ブロックチェーンには、誰でも参加できるパブリックチェーンと、許可された者だけが参加できるプライベートチェーンがあります。社会により大きなインパクトを与える可能性を持つのはパブリックチェーンですが、解決すべき課題も多く、時間がかかると考えられます。短期的なスパンでビジネスへの活用を目指すのであれば、プライベートチェーンの利用を検討する必要があります。

現在、プライベートチェーンで大きな注目を集めるOSSがHyperledger Fabricです。Linuxなど様々なOSSの開発をサポートするLinux Foundationのプロジェクトの1つであり、富士通やIBMなど多数の企業が開発に参加していますまずはこのような代表的なブロックチェーンのソフトウェアを動かしてみることが重要です。

しかしOSSを使用するには自分で技術情報を収集する必要があります。特にこういった新しい技術分野では、公開されている日本語の情報が少ないことがあります。また実際に動かすには検証環境が必要です。Hyperledger FabricはLinuxで使用するコンテナ技術であるDockerを使用して提供されており、Dockerが動作する環境を自分で用意する必要があります。

情報の収集や検証環境の調達を簡単に行いたい場合にお薦めするのが、「【クラウドラボ】実機で体験ブロックチェーン(Hyperledger)編」です。
このコースでは、パブリッククラウド上のLinuxの仮想マシンを1台使用し、Hyperledger Fabric v1.0を動作させる実習を行います。初めてブロックチェーン技術に触れたいが、どのように技術習得を進めればよいのか迷っている方に適したコースです。パブリッククラウド上の実習環境を使用しますので、いつでも簡単に実習を始めることができます。
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<関連コースのご紹介>

ブロックチェーン技術習得にオススメのコースをご紹介します。

【e講義動画】速習!ブロックチェーン技術入門
【eラーニング】実例から学ぶブロックチェーン

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プロフィール

萬 尚樹(よろず なおき) 

VMware認定講師としてサーバ仮想化やネットワーク仮想化を担当するほか、Infrastructure as Codeなどインフラエンジニア向けの研修を幅広く担当。
またブロックチェーンのような新しい技術も担当しています。

大学時代は機械体操部に所属しており、飲み会での鉄板ネタは「エアあん馬」。

(2018/06/07)