みなさんこんにちは。富士通ラーニングメディアの講師部門で主にシステム運用管理分野を担当しているタナカです。
今回は、"要件定義の「超」入門"コースが新しく開講されるということで、要件定義未経験者の私が講習会に潜入してレポートします!
現在の部署に異動する前は、開発現場と運用現場の業務を担当していましたが、要件定義は未経験です。
システム開発や運用の現場では様々な問題が発生します、原因を分析すると要件定義にたどり着く、ということが多々ありました。要件定義が大事だということは分かっていましたが、具体的に何をどう定義するのか漠然としていて、また、お客様から挙がってくる要望は膨大なので全ての要件を実現するなんて、そんな膨大なお金がかかりそうなことって本当に実現できるの?などなど・・・、積年の疑問を解消しようと今回潜入してきました。
はたして、本当に「超」入門なのか、要件定義未経験の私がしっかり見極めてまいります。
研修は9時半スタート。
デスクの上には"テキスト"のほかに、あっ、IPA(※)の書籍「ユーザのための要件定義ガイド」もある! なんだか得した気分です(笑)
※IPA(独立行政法人 情報処理推進機構):利用者視点に立った複雑、膨大化する情報社会システムの安全性・信頼性の確保を理念としてさまざまな活動に取り組んでいる団体
今回の研修は海老原講師。
海老原講師は長年プロジェクトマネジメント分野、特に上流(要件定義)を中心としたコースの開発・講義を担当している方。にこやかに、かつ快活な説明でどんどん引き込まれます。
研修は、要件定義未経験者向けの初歩的な説明から始まりました。
講師は、家を建てることに例えながら、要件定義の目的を分かりやすく説明しています。
本コースの受講対象者は「要件定義未経験、または携わって間もない方。要件定義の基本的な事柄を知りたい方」です。今回の受講者は、様々な業種や年齢の方々で、システムプロジェクト経験は、未経験から3年程度の方が多数でした。
そして、いよいよ本題スタートです。
あれっ? ページを進めると、受講者に対するいくつもの問いかけが・・・
例えば・・・
なんて初歩的な疑問!
しかし、いざ説明しようとすると言葉が出てこない(汗)
講師は数問をピックアップし、「グループのみなさんで意見を出し、ホワイトボードに書き出してください」と説明しています。
おお、さっそく討議が始まりました!受講者のみなさんは熱心にグループ内で意見を交換しています。発注側(ユーザ側)の立場の方や開発者側の方もいらっしゃったので、様々な視点の意見が出ていました。
講師も状況を見て、グループに刺激を与えるような言葉をかけたり、ヒントを与えたり。みなさん熱心にご自身の意見を話したり、周りの意見を聞いたりして討議しています。
討議した後、グループ毎に見解を発表し、クラス全体で様々な視点を共有します。
あるグループから出た意見は、
要件を定義しないと、
「開発者と顧客の認識のすり合わせ」を通じて、要望からやるべきことを明確にするから要件定義は重要である。
みなさん熱心に聞き入っています。
発表が終わると、テキストやIPAの書籍を用いながら講師が解説していきます。
今回の疑問に対する解説のポイントは
要件を定義しないと、以下の問題が発生することが考えられます。
発表内容と概ね一致していたので少しホッとしました。そして解説の中で根拠となる調査結果や講師の体験談などを聞くことで、深く納得できるように感じます。
みなさん、テキストや書籍に付箋を貼ったり、マーキングしたり、熱心に解説に聞き入っていました。
講習会も終盤になったころ、受講者二人にお話を伺いました。
Hさんは若いながらもグループディスカッションで熱心にご自身の考えを説明したり、グループのみなさんに意見を聞いたり、非常に熱意をもって参加している姿が印象的でした。普段は開発者・ベンダー側の立ち位置で業務をされており、お客様と要件を詰める対応も若干経験されているそうです。
Fさんは、グループディスカッションでは率直な考えを話し、グループ全体に声をかけ意見を引き出していらっしゃった姿が印象的でした。Fさんは普段ユーザ側の立ち位置で、システムを使って業務をすすめているそうです。システムプロジェクト経験は全くないとのこと。
多様な価値観や経験、企業文化を持った人たちとのグループディスカッションを体験した受講者からは、「刺激を受けた」「新しい視点が得られた」「視野が広がった」という感想が聞かれました。
この要件定義「超」入門は、一方的な講義を受けて教科書的な知識を頭に詰め込むようなスタイルではなく、受講者が互いの意見を口に出し、ボードに整理しながら様々な考え方に触れ、その後講師による解説を聞くことができるコースでした。そのため深く納得しながら知識を習得することができました。これは、まさに脳に汗をかいて身につけた知識です。
要件定義は「なんとなくこういうもの」と思っていたけれど、それを裏付ける情報や考え方を補完できたし、抱いていた疑問にも明確な回答を得られて大満足でした。
要件定義なんて自分が対応できるのか・・としり込みしていたけど、得た知識を糧に地に足をつけて挑戦していきたいと思います!
みなさんもぜひ要件定義に関する知識の土台をしっかりつくっていきましょう!
タナカ的オススメ度:★★★★★
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(2018/02/22)