第2回 【文章力を鍛える!】添削担当者が語る文章改善のポイント2~文書全体のフォーマット、レイアウト、表現に気を配る~

  • ビジネススキル

みなさん、こんにちは。
富士通ラーニングメディアの信澤です。ドキュメントサービス事業部で、システムや業務のマニュアル作成や翻訳のプロジェクト管理を主に行っています。

前回は、一文を改善するポイントを文書作成の原則としてお伝えしましたが、今回はわかりやすいビジネス文書を作成するため、ビジネス文書のフォーマットを守る、読みやすくレイアウトする、表現を統一するというポイントについてご説明します。

今回も、当社の非公式マスコットキャラクターのトラちゃんとコテツくんとの会話形式で、
よくある悪い文章とそれを改善するポイントをご紹介します。

背景

コテツくんは、お客様を管理するためのCRMの導入を検討するよう課長に指示され、NekoCRMの新商品説明会に行きました。説明会の内容を報告書にまとめ、課長に提出したのですが、わかりにくいと言われてトラちゃんに相談に来ました。
トラちゃんのアドバイスで文章は改善したのですが、まだビジネス文書として直すところがあるようです。

コテツ:
トラ先輩、文章は直したのですが、他にも直すところがあるんですよね。さっそく、直しましょう!

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トラ:
まずは、ビジネス文書の基本的なフォーマットについて説明するね。
発信者名の一般的書き方なんだけど、社内文書は「所属部署名/(肩書き)/氏名+様」、社外文書は「会社名/所属部署名/(肩書き)/氏名+様」の順なんだ。

コテツ:
なるほど。
それでは、「素敵商品事業部課長 アメショー様」とするのが正しいんですね。

トラ:
そう!正式にはそうなるね。部内なので、正式ではなく、「素敵商品事業部 アメショー課長」としてもいいけど、その場合、「課長」は敬称扱いだから「様」はいらないよ。

コテツ:
なるほど、勉強になります。
ビジネス文書にはルールがあるんですね。

トラ:
基本的なフォーマットについてもう少し説明するね。
報告者名は、発信者名の下に右寄せで書くのが一般的なんだ。
そして、結語は、続きがないことを示すため「以上」で締めくくろう。
これはルールだから覚えておいた方がいいよ。

コテツ:
わかりました!
発信者名と結語を追加します。それで完成ですか?

トラ:
まだまだ完成じゃないんだ。
次はレイアウトについて説明するね。
小見出しと説明文に注目してみて。文の開始位置が一緒になっているよね。何か問題だと思わないかい?

コテツ:
うーん。
小見出しが目立たないということでしょうか。

トラ:
そう。説明文はインデントをつけて、小見出しの下の階層であることがわかるようにした方がいいよ。
それから、箇条書きは「ぶら下げ」と言って、2行目以降を字下げした方が読みやすいよね。たとえば、以下のようになるよ。

  • 多くの標準機能を搭載しているが、関数とAPIにて容易に短期間でカスタマイズできるようになっている。

コテツ:
なるほど。
改行してスペースを入れればいいですね。

トラ:
えっと。Microsoft Officeでは「段落」の機能でインデントやぶら下げの設定ができるから、研究してみてね。スペースで調整すると、文章を書き替えたときに修正が大変だよ。

コテツ:
わかりました!
他にも何かありますか?

トラ:
レイアウトとしては、改行の有無も統一した方が、小見出しがわかりやすくなるよね。

コテツ:
本当ですね。改行のあるなしが混在していました。
小見出しごとに改行を入れるといいですね。

トラ:
そう!
あとは文章の統一なんだけど、「ですます調」と「である調」は混在させないでね。混在すると読みづらくなるんだ。

コテツ:
それは意識していませんでした。
全体的に見直すことにします。

トラ:
そうだね。
文章を書いたら、自分でもチェックすることが重要だよ。誤字、脱字がある文書だと、それだけでも信頼を失うんだ。
自分でチェックシートを作って、自己チェックすることも有効だね。

コテツ:
ありがとうございます。さっそく書き直してきます。
あ、そういえばアメショー課長が、トラ先輩を探していました。議事録に間違いがあるから『すぐに呼んでこい!』とのことです。

トラ:
えー。それ先に言ってよ。自分も自己チェックできてなかったかも~。

第3回 【文章力を鍛える!】添削担当者が語る文章改善のポイント3~レビュー・修正の学びのサイクルで文章力を鍛える~に続く)

いかがでしたか?ビジネス文書を完成させるには、一文一文を改善するだけではなく、ビジネス文書のルールに従って書く、読みやすくレイアウトする、表現を統一することも重要になってきますよね。また、当たり前のことですが、文書を作成したら自己チェックする必要があります。
若手社員の文章指導をしていて、対象の文書が自己チェックされていないなと思われる方も多いのではないでしょうか。早い内からしっかり自己チェックする習慣をつけていく必要がありますね。

コース紹介

【eラーニング】文章力を鍛える! ビジネス文書作成トレーニング(文書添削)(UAF04B)

このコースでは、自己チェックシートがついていますので、自然と自己チェックする習慣が身につきます。

富士通ラーニングメディアの非公式マスコットキャラクターを紹介します。

トラ(とら)

わかりやすい文章の書き方を勉強中。日本語も英語も難しい・・・と思う今日この頃。

コテツ(こてつ)

トラちゃんの後輩。常に前のめりで思い込みが激しい。本人(猫)はいたってマジメ。

(2016/08/10)