みなさん、こんにちは! 富士通ラーニングメディア・コンサル部の鈴木です。
人材育成制度の企画・運用設計・定着支援や、学びのデザインなどを担当しています。
LMS(Learning Management System)は、eラーニングの実施や研修管理に必要な学習管理システムです。
今月は、LMSを学習管理システムとしてだけではなく、新しい学びの場として活用し、社内コミュニケーションの活性化につなげた当社のコンサルティング事例を4回にわたりご紹介してまいりました。
最終回となる今回は、前回に引き続き、コミュニティを円滑に運営するためのノウハウからお話をしていきます。
コミュニティを円滑に運営するためのノウハウの3つ目として、今回は「コミュニティでの発言回数を増やす」ことについて、お話をしていきます。
1つ目の「参加の目的、コミュニティのルールを明確にし、周知する」と、2つ目の「コミュニティの訪問回数(アクセス)を増やす」については、前回の記事をご覧ください。
コミュニティでの発言回数を増やすために、運営者側に実践していただいたことは以下の通りです。
「このコンテンツに対して、みなさんはどう思いますか?」、「コンテンツにまつわるみなさんの経験を教えてください!」など、情報提供者やフォーラム運営者がコンテンツに関連した質問を投げかけたり、回答を促す呼びかけをしたりしています。
このようにすると、問いかけに対する反応が出てくるなど、今まで発言のなかったフォーラムが活性化していきます。
よく発言する参加者がいるフォーラムの場合は、その人に、他の参加者の発言を促す書き込みを依頼することもあります。
反応が極端に少ない場合、参加者が、どのような内容をどのくらいの文章量で発言すればよいかがわからず、不安に感じている場合もあります。
そのような場合は、運営者が発言の見本となる書き込みをするケースもあります。
その際、長い書き込みやあまりに整った文章で書いてしまうと、参加者に同じレベルのボリュームや文章の質で書かないといけないのではないか、というプレッシャーを与えることになり、かえって発言が進まなくなることもあります。
適度なボリュームで、適度にくだけた印象を与える文章で書くことも重要です。
また、何も書かれていないコミュニティに投稿するのは、多くの参加者にとって勇気がいる行為です。
コミュニティが活発になるまでの一定期間は、情報提供者や運営者などが参加者に投稿を促したり、参加者の立場になって投稿したりすることも大切です。
このような施策により、参加者が投稿しやすい雰囲気ができあがり、コミュニティ全体が活性化していくのです。
今回ご紹介した「富士通 技術者コミュニティ」の運営を通して、以下のメリットを見出しました。
従来の学びは、eラーニングも含め、講師から教えられるものを受け取る1対1のインプット型が主流でした。
しかし、これからの学びは、コミュニティ学習を通してインプットした気づきをきっかけに、自ら考え、自ら提案し、自ら行動するアウトプット型になっていくと考えています。
ICTツールの発達により、アウトプット型の学びの場を容易に構築できる環境も整ってきています。
アウトプット型の学びの場を構成するICTツールとして、当社はLMSの可能性に注目し、今回ご紹介した「富士通 技術者コミュニティ」の設計と、その運営をご支援しました。
本事例から、eラーニングの学習支援システムとして開発されたLMSは、人と人をつなげるコミュニティ学習の場として活用できることが示されました。
「富士通 技術者コミュニティ」は、当社が提供している、LMS「KnowledgeC@fe in SaaS V3.0」を活用していますが、他のLMSや、Facebookのようなコミュニティ機能を持つ既存のICTツールを活用することでも、社内コミュニティの活性化や、コミュニティ学習の場の形成は可能です。
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4回にわたってLMSを利用したコミュニティの設計と運営ノウハウについて、お届けしましたが、いかがでしたか。
社内コミュニティを立ち上げ、運営しようとされている方や社内ICTツールの利用範囲を拡大しようとしている方の参考になれば幸いです。
当社では、今後も、自ら気づき、対話し、行動する人材を育てるためにさまざまな企業のサポートをしてまいります。
※本シリーズは、今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
2月の【いま、求められる人材】もどうぞお楽しみに。
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(2013/01/31)