みなさん、こんにちは! 富士通ラーニングメディア・コンサル部の鈴木です。
人材育成制度の企画・運用設計・定着支援や、学びのデザインなどを担当しています。
LMS(Learning Management System)は、eラーニングの実施や研修管理に必要な学習管理システムです。
今月は、LMSを学習管理システムとしてだけではなく、新しい学びの場として活用し、社内コミュニケーションの活性化につなげた当社のコンサルティング事例を、4回にわたりご紹介しています。
2回目の今回は、「富士通 技術者コミュニティ」の特徴についてお話ししていきます。
「富士通 技術者コミュニティ」は2011年秋に、数十人の規模でプレオープンしました。
2012年春には本格的にオープンし、現在は数百人規模のコミュニティになっています。
主に学びを目的とした5つのコンテンツと、コミュニケーションを目的とした2つのコンテンツを選定しました。
まずは、それぞれの特徴をご説明していきましょう。
学びを目的としたコンテンツのテーマは、以下の5つです。
技術に関する最新情報を提供するコンテンツです。当社のネットワークを駆使して入手した情報提供しています。
技術者として必要な各種資格について、試験日程や取得のための対策、合格体験記などを提供しています。
技術者として必須となる情報や、高度なスキルを保有している技術者から得た情報、海外で先行して公開されている情報など、現場で必要とされる生きたノウハウを提供しています。
技術者にとって役立つ書籍や、WEB記事などの情報を提供しています。
定期的に、全国の技術者が集まる場や、コミュニティの参加者限定のオフ会を行っています。
各イベントについての情報発信や、終了したイベントのレポート、アンケートの結果などをまとめて提供しています。
コンテンツにはそれぞれ、「フォーラム」と呼ばれるコミュニティがついています。
「フォーラム」は、コンテンツの内容について質問やディスカッションをする場です。
コンテンツに対する評価や要望などの調査ができるアンケート機能も付加されています。
アンケート調査によって参加者のニーズがわかり、参加者が必要としている情報をピンポイントで届けることができました。
コミュニティ活性化には、参加者のニーズを正確につかむことが必須といってもよいかもしれません。
2012年はWindows8の発売、マイクロソフトの資格の変更などがあり、マイクロソフト系の技術者が多くの情報を必要とする年でした。
「自分で探さずとも最新情報が得られる」、「参加者が知りたい情報をタイムリーに得られる」と好評でした。
コミュニケーションを目的としたコンテンツのテーマは、以下の2つです。
1ヵ月に1回程度の頻度で、参加者の意識調査やニーズ調査などのアンケートを実施しています。
アンケート結果は、その後のコンテンツ作りに活かします。
こちらは、参加者が自由に発言できるコミュニティです。
学びのコンテンツで紹介した「フォーラム」が各コンテンツに関連した話題を話し合うための場であるのに対し、「なんでも相談室」は、話題に制限はありません。
参加者が自分の困っていることについて質問をしたり、自分が得た情報や商談事例を他の参加者に共有したりするためなどに活用されています。
「なんでも相談室」で特に活発に意見が交わされたのが、ソフトのバージョンアップに伴う情報交換でした。
「どのような環境なら、インストールしたソフトが正常に動くのか」、「過去のバージョンとの互換性はどの程度あるのか」といったことで、大いに盛り上がっていました。
コミュニティを円滑に運営する際、問題になるのは参加者の匿名性です。
一般的には、実名のコミュニティは、各自が自分の発言に責任を持つ、という効果があるため、荒れにくいといわれています。
今回ご紹介している「富士通 技術者コミュニティ」は、一企業での取り組みであり、また、目的の1つに、「社内ネットワーク(人脈)の構築」がありましたので、あえて実名での参加としました。
参加者を匿名とするか、実名とするか、については、コミュニティの目的にあわせて検討するとよいでしょう。
コンテンツを選定し掲載しただけでは、コミュニティは活性化しません。
次回は、コミュニティを円滑に運営するためのノウハウについてご紹介しますのでお楽しみに!
※次回は1月24日にお届け予定です。
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(2013/01/17)