みなさん、こんにちは。富士通ラーニングメディアの五十嵐です(*^-^*)
海外企業におけるインターンシップ経験を通じての"気づき"を発信してきました本シリーズも、今回が最終回です。
前回は、プロフェッショナリティのあり方について、「当たり前のことを組織全員が妥協することなく遂行することも大切である」とお伝えしました。
今回は、プロフェッショナリティには、さらに「イノベーション(※)を生み出すこと」も必要であり、そのためにできることについて、Z社での取組みと、その後の日本での業務の経験を通じてお話します。
※イノベーションとは:それまでのモノ、仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出すこと。
企業の従業員は、日々さまざまな業務を遂行します。
その際はもちろん、各自のプロフェッショナリティを活かし、顧客にとって魅力と感じてもらえる提案、あるいは業務改善などを進めていく必要があります。
現在、世界の経済状況がめまぐるしく変化し、顧客の嗜好も速いペースで変化しています。
顧客にとって魅力的な提案や業務改善と、一言でいっても、そう簡単なことではありません。
これは日本だけではなく、海外でも同じことが言えます。
この状況に対応するためには、新しい価値を創造するために、物事の新しいとらえ方や、切り口を見出すことが必要であり、つまり、イノベーションを実現することが重要視されています。
それはZ社においても同じことでした。
Z社がイノベーションを生み出すために、従業員に推奨しているルールをご紹介します。
同じようなルールをGoogle社も実行していますが、
Z社は、このルールを推奨することで、全社員が一定の時間を"メイン業務以外"に目を向けるよう、推奨しているのです。
Z社の従業員は、「全く新しいことに使うための時間10%」を、自分の専門とは直接的なつながりの無いセミナーに参加したり、SNSなどコミュニティツールを活用し、社内外からの情報を獲得することなどに活用していました。
そこで獲得した情報や人脈が、意外なところで役立ったり、新たなアイデアを生むるエッセンスになっているようでした。
私は、「時間の10%を"全く新しいこと"に使う」という意識を持ち、自発的に様々なことに興味をもつことにより、自分の感性が磨かれ、「新しい価値を生み出す」ことにつながる、ということに気づきました。
そして、日本に帰国した後も、「新しいことに興味を向ける」意識を日々持つようにしました。
「新しいことに興味を向ける」意識を持ちながら、業務を進めていくうちに、新たな価値を生み出すためには、もう一つ重要な要素があることに気づきました。
帰国後、私は社内の「ある業務プロセスを改善するためのプロジェクト」に参画することになりました。
そこで私は、ITツールを効果的に活用し、従来は個別に管理されていたデータを集約することを提案しました。
さらに、学術理論を取り入れた、効果的な運用を行うためのアイデアを出しました。
それは、Z社の「時間の10%を"全く新しいこと"に使う」意識をもち、インターンシップ経験を通じて生まれたアイデアでした。
そして、そのアイデアを実現するためには、私は"社内の利用者"を"顧客"としてとらえ、「そのアイデアが顧客にとって真に価値をもたらすものなのか?」という視点をもつべきであることに気づきました。
表面化している問題だけでなく、問題に至るまでの経緯や、様々なプロセスの存在理由など、"物事の本質"を見極めない限り、顧客自身も把握していない問題点や価値までを見定めることができず、顧客の真の要望を満たすことはできません。
新たな価値を生み出すためには、発想力や斬新なアイデアを生み出す力も必要であるとともに、「物事の本質を見極める力」も重要な要素であることに気づいたのです。
「物事の本質を見極める」ためには、業務を多様な角度から着目することが必要であり、それを実行するために、Z社のルールにある「時間の20%を"メイン業務に関係する仕事"に使う」意識も忘れてはならないことなのです。
ビジネス上で最も重要なことは、「企業や顧客に対し、価値を生み出し提供すること」であり、そのためには、個人のプロフェッショナリティが求められます。
それは「顧客のために、妥協せず粘り強く、自分の専門性を最大限に生かして業務に取り組むこと」であり、同時に「物事の本質を見極め、新しいことに興味を持ち、関わる」ことです。
結果として、新たな価値を創造し、顧客にとって真に価値をもたらすイノベーションが実現できると考えています。
私の体験が、少しでも皆様のお役に立てていただけましたら幸いです。
(2011/12/15)