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みなさん、こんにちは。富士通ラーニングメディアの五十嵐です。
先週の記事にコメントをいただいた皆様、ありがとうございます!
前回に続き、海外企業へのインターンシップ経験で気づいたことをご紹介します。
前回は、「ビジネスで価値を生み出し提供するために必要な要素」について、語学を越えて重要なこととは、いかに"自分のプロフェッショナリティを発揮するか"であり、これは日本でも海外でも共通することである、とお伝えしました。
では、プロフェッショナルとは具体的にどんなことなのでしょうか。
何か卓越された特殊な能力を発揮することでしょうか?
それとも倍速で、他者よりもスピーディに仕事をこなせることなのでしょうか?
今回は、その答えに通じる、Z社におけるエピソードをご紹介します。
ある日の午後、自己診断テストの企画ミーティングがありました。
メンバーは全5名で、マネジメント側が1名、ソフトウェア開発リーダーが1名、そして、私を含むテスト開発チームが3名という構成でした。
このミーティングに備え、テスト開発チームの企画発案者であるAさんは、2日前にはプレゼンテーションデータを作成し、チーム内でそのレビューを行い、同時に、どのような質問を受ける可能性があるかを、念入りにヒアリングしていました。
当日も、Aさんはミーティング開始15分前まで、資料の最終確認を行い、直前まで最善を尽くして準備をしていました。
開始5分前にミーティングルームに入ると、壁にこのようなものが貼ってありました。
開始時間になると同時に、ミーティングルームに在宅勤務者から電話がかかり、全員参加でミーティングを開始しました。
Aさんは、企画のコンセプトや方針に関する一連の説明の後、マネジメント側と開発部側から企画実現のための意見を求めました。
マネジメント側は、「まだ顧客要件が曖昧であり、顧客ニーズを明確にするためにさらなるヒアリング、分析が必要である。自己診断テストを活用し、顧客が何を成し遂げたいのか、という観点で、もう少し調査をするべきだ」と意見を述べました。
一方、ソフトウェア開発リーダーは、「過去の事例により、顧客が要望しているセキュリティ機能は実現できる。しかしながら、規模がかなり大きいため、ネットワークの構成には留意し、導入する必要がある。インフラ環境で必要な要件は別途メールで連絡するので、顧客がその要件をすでに満たしているかを確認してほしい」と述べました。
この内容に基づき、Aさんは、宿題の回答を次回持参することを伝え、次回打合せの日程を決め、全員で合意した後、ミーティングを定刻で終了しました。
彼らは、最適な準備を行った上で、ミーティングに臨みました。
加えて、"ミーティングの心得"を当然のこととして守り、実行し、相手の立場や時間を尊重していました。
そして、ミーティングでは、テスト開発側、マネジメント側、ソフトウェア開発側が、自分たちのプロフェッショナルとしての立場で、実現可能な部分と、検討しなければならない部分を明確に説明していた点が、非常に印象的でした。
これらのことは、決して特別なことではなく、当然実施すべきことのように思えるかもしれませんが、彼らは一人ひとりが当然のこととして実践し、かつ組織全体で取り組んでいました。私はその徹底ぶりに圧倒され、彼らのプロフェッショナリティの高さを実感したのです。
誰にも真似できないような、卓越した特殊能力を発揮するということも、一つのプロフェッショナリティかもしれません。しかし、当たり前のことを組織の全員が妥協することなく遂行することが、企業の価値を高めることにつながります。
これも大事なプロフェッショナリティのあり方なのだ、と気づかされたのです。
(2011/12/08)
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