当社講師中村が語る「次期ビジネスは現場から! ビジネスリーダーとして新しい付加価値の仮説立案・検証を!!」

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ご無沙汰しております。ビジネスリーダー研修担当の中村和人です。今年の2月から4月まで隔週連載した、 「【いま求められる人材】当社講師中村は見た!~現場の生々しい声から垣間見る人材面の経営課題~」の記事以来、6か月ぶりの登場です。さて、今回のテーマは、

「担当業務で新しい付加価値を考えたけど、これって新サービスになるかなぁ・・・。」
「きちんと仮説を立てて新サービスを考えたいけど、つい自分のできることだけで考えちゃうんだよな・・・。」
「この新サービス、たぶん売れると思うんだけど、誰にどう認めさせればいいんだろう・・・。」

っていうお話です。では、その前に私の自己紹介を・・・。

では、本題へ。
会社の存続のために、明日の「メシの種」となる新サービスを作り出すのって本当に難しいですね。特に、今までとは違う市場で、自社の主力サービスとは違う新サービスを提供するのは、とってもハードルが高いです。でも、本当にそんなまったく新しい分野での、新市場を開拓するようなビジネス創出だけが会社を救う道なのでしょうか?

確かに、「労せずにできる範囲での付加価値創出」だけというのでは、全くダメだと思います。ただ、「自分がよく知っているお客様に対して自分の専門分野を活かした付加価値を提供する」ってこともできない人が、会社を救うようなすばらしい新サービスを提供できるとは、私にはどうしても思えないのです。

少数精鋭の「なんかすごいイノベーター」が会社を救う? じゃあ、社員全員で「なんかすごいイノベーター」を目指す? なれる? 会社の明日を切り拓くのは、お客様をよく知っている現場の人たち一人ひとりでなければならないと思いませんか?

ではなぜ、現場の人たちからなかなか新サービスが生まれないのか? いや、言い直しましょう。新サービスが育たないのか?それは、前回の記事でも語りましたが、モノづくりのプロが創った「とってもすばらしいもの」が、必ずしも売れるとは限らないってことです。

私が担当する新サービス創出のワークショップにおいて、参加者の方々に新サービスのアクションプランを作っていただくのですが、とっても精緻に新サービス開発のWBSを描けるんです。でも、あえて厳しいことを言うと、専門力の高いみなさんは、開発のWBSを描けて当然ですよ。実際に難しいのは、その新サービスを企画し、社内外のステークホルダーへの根回しをキチンとできるかどうか。そして、拡販まで含めた実行可能プランを描けるかどうか。いいものを創れば勝手に売れたのは、バブル全盛期の頃の話ですからね。

現在提供中の以下の2コースでは、そのあたりに焦点を当てました。

【集合】ビジネスリーダーの考動実践ワークショップ1~障壁突破と価値創出~(UOT68L)

これらのコースを実施したとき、

  • 誰に対してどのような価値を提供し、どのような成果が出れば成功と考えるのか
  • その評価結果を誰にどう示すことができればネクストビジネスへつなげられるのか

ということをもっと深掘りして受講者の方々に体験していただきたい! と思ったのです。そこで、ビジネスリーダー関連の新規コースとして、

  • ビジネスリーダーのための新たな提供価値の仮説検証~次期ビジネスにつなげるために~ (UAF16L)

を2014年9月から提供を開始しました。さあ、今お読みいただいている本記事を、ただのコース紹介記事で終わらせないために(笑)、本コースで紹介している、付加価値創出における実務上の有益なポイントをご紹介します。

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1.「マイ・ビジョン」を明確にすること!

付加価値創出から新サービスへと昇華させることは、並大抵の努力では成し得ません。だからこそ信念と覚悟を持ってやり遂げるための「マイ・ビジョン」を明確に持つことが重要なのです。
「マイ・ビジョン」は、みなさん自身の「コア・コンピタンス」の上位概念。自分自身の過去の提供価値とやりがいを棚卸しすることにより、概念形成が可能です。

2.現場から「活きた仮説」を立てる上でフィールドワークは有効!

「ニーズは現場のお客様に聞け!」の格言どおり(?)、やっぱりお客様から聞いて付加価値の仮説を立てるのは鉄則! ただし、お客様がニーズを正しく表現できるか、それ以前にみなさんにニーズを語ってくれるかは別問題。だからこそ、フィールドワークの手法を使ってみなさんの目で現場を観察し、仮説を立ててみるというのは、とっても大事かつ有効な方法です。そして何より、楽しい!(笑) 本コースでもフィールドワーク演習はものすごく盛り上がりますよ!

3.新サービスを実現するときの目的別にKPIを設定する!

KPI(重要業績評価指標)って、バランスト・スコアカードの考え方を経営戦略の実行/評価に取り入れている組織ではおなじみですが、「経営トップへの説明用にKPIが設定されている」って感じの、形骸化したKPIも結構見られるんですよね~。
でも、KPIって「目的別/人別」に、「具体的に評価できるもの」を設定すれば、本当に役立つのです! ポイントは、みなさん自身がそのKPIを、「誰に対して」、「どんなときに」、「どうやって使いたいのか」が明確になっているかどうか。それを本コースでは演習を交えて考えていきます。

上記3点をふまえ、みなさんが創った新サービスに対して、 「その価値が本当に出せるなら、よし、やってみろ!」って、社内外に言わせることを目的として、ぜひ本コースにご参加いただければ幸いです。

みなさまとお会いできる日を楽しみにしています!!

最後に、当ブログ恒例のオススメ書籍のご紹介です。

「バランスト・スコアカードによる戦略マネジメント」
ニューチャーネットワークス(編)
伊藤武志(著)
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
・ ISBN-10: 4820740652
・ ISBN-13: 978-4820740650

中村 和人 

2014年現在、四捨五入すると五十路という事実から目をそむけ続けている。若く見られたい一心で、40歳から 年甲斐もなくインラインスケートのトリックスラロームという X-SPORTに取り組み、今なお現役選手。2013年、 まさかのこのトシで東京国体出場を果たし、第4位にランクイン。 しかし、スケートを滑っているとき以外は体を動かすたびに 「あいたたたた・・・」と口走る、年相応のおっさんである。

(2014/10/23)