前田:
先週のAKBのコンサート、どうだったんですか?
大木:
最高だったねぇ、特にシーマリ。
ま、プロジェクトは忙しいけど、たまにはリフレッシュ必要だよね。
前田:
篠田麻里子のことですね・・・相変わらずわかり辛いっす、大木さん。
でも先週お願いしていた上流工程をうまく進めるための知識やスキルについてはわかりやすく教えてくださいよ!
大木:
もちろんもちろん。仕事に関しては、なんてったてわかりやすさを一番大事にしているからね。
前田:
(初耳なんだけど・・・)じゃ、AKBのことはもういいですから、早速わかりやすく教えてくださいよ。
大木:
よし、じゃ少し教えよう。最近、上流工程を成功に導くためのバイブルがあるんだよ!AKBもヒントになるかな。
前田:
えっ、上流工程のバイブルですか!AKBも関係あるんですね。興味あります。早く教えてください!
大木:
わかったよ。じゃズバリ、言いましょう。そのバイブルとはBABOK!
前田:
BABOKですか・・・。PMBOKならよく聞くんですが。
でも知識体系のようなものなんですよね。
大木:
おっ、詳しいね。そう、そのとおり知識体系だ。AKBにOとBを加えてBABOK。
これからの上流工程人財に必須のアイテムになっていくと思うよ。
前田:
強引ですね・・・。AKBはまったく関係ないということで、とにかくBABOKについて詳しく教えてください!
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前回は上流工程が注目されてきている背景をお伝えしてきました。
今回は、ニーズ高まる上流工程人財にとって、必ずおさえておかなければならないキーワードを2つ、紹介していきましょう。
上流工程におけるキーワードとしてまず挙げられるのは「BABOK」です。
BABOKはBusiness Analysis Body of Knowledgeの略で、カナダのトロントに本拠地をおく非営利団体、IIBA(International Institute of Business Analysis)がビジネスアナリシスの知識体系としてまとめたものです。
ビジネスアナリシスとは、ビジネスとシステムの橋渡しをする活動で、具体的にはビジネスのゴールを達成するため、ステークホルダーから要求を引き出し、業務を分析し、システムの担うべき役割を導き出す活動ということになります。
引き出した要求をもとにビジネスとシステムの橋渡しをする活動ですから、どのようなシステムを構築すべきなのか、何をIT化すればいいのか、何をIT化すべきなのか、こういった作業にBABOKは貢献します。
したがって企業の経営とITを結びつけるうえで非常に有用な概念となっています。
知識体系とありますが、以下の図表の通り、具体的には7つの知識エリアから構成されています。
各知識エリアにはタスクとその目的、入力する情報、出力としての成果などが定義されています。
また、BABOKに関する資格もあります。
ビジネスアナリシスの専門家として認定されるもので、CCBA(Certification of Competency in Business Analysis)とその上位のCBAP(Certified Business Analysis Professional)の2つです。
特にCCBAについては、2012年1月4日から日本語試験も可能となったので、上流工程に関わる方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
このようにBABOKはシステム開発の上流の一部、あるいはそのさらに前段の「超上流」と呼ばれる工程に確実に役立つものとして期待されています。
UXとはUser Experienceの略で顧客経験価値という概念です。
具体的にいうと品質や機能といった商品・サービスそのものの価値ではなく、購入したり使用する過程の"経験"から得られる価値(楽しかった、心地よかった、感動したなど)のことを指します。
わかりやすい例でいうとiPhoneに代表されるようなタッチ・デバイスを思い浮かべていただければ良いでしょう。
上流工程を進めていくなかで、機能要件や非機能要件だけに注目するのでなく、楽しさや心地よさも別の価値として提供していくことも念頭に検討していく必要があるのです。
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前田:
なるほどー。BABOKは国際標準なんですね。
今後、上流工程人財にとってのバイブルになっていきそうですね。
大木:
もちろん、そうさ。属人化されている上流工程を知識体系化したことは大きな意味があるからね。
前田もしっかり勉強しておくんだぞ。
前田:
はい。しっかり勉強します。
これをおさえれば、上流工程をバッチリ進められますよね!
大木:
頼もしいねぇ。ただ、現実はそんなに単純じゃないからな。
BABOKを理解すればすべてうまくいく、そんなことはないんだぞ。
前田:
BABOKだけではダメですか・・・。
大木:
そう、上流工程を成功に導くために重要なポイントがほかにもあるのよ。
前田:
えっ、ほんとですか。じゃ、さっそく教えてください・・・あっ、ダメだダメだ。
今日は、2700のライブがあるんだった。楽しみー。
ということで大木さん、来週また教えてくださいね!
大木:
はいはい、また来週な!
(2012/01/19)