[導入事例]チーム全員の意識改革と組織活性化で働きがいの向上を実現

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「自発的に考えて行動できる人材」を育成し、仕事の質向上を実現するには、長期スパンでの取り組みが不可欠である。コンサルタントが現場に入り、一人ひとりの意欲に沿った施策を支援する育成プログラムは、働きがいのある職場作りと、従業員の成長に役立っている。

富士通アドバンストエンジニアリング
取締役 ヘルスケアビジネス本部長
瀬戸口 信 氏

受け身の社員と一方的指示の幹部コミュニケーションに大きなズレ

富士通アドバンストエンジニアリングは、1977年に設立された富士通のグループ企業である。「エンジニアリング・サービス事業」「ソフトウェア開発およびサービス事業」「ハードウェア開発およびサービス事業」の3分野を柱とし、さまざまな業種のお客様を擁し、課題解決のためのトータルソリューションを提供している。

「ヘルスケアエンジニアリングソリューション&サービス(以下、ヘルスケアビジネス)」本部では、電子カルテシステムに関連する製品の調達・導入・保守サービスを提供している。また、これに加え、富士通の電子カルテシステムと連携し、「治験」「透析」の2分野でのソリューション提供により、医療現場の作業効率化、および診療情報の電子化の支援も手掛けている。

安定した業績を維持するヘルスケアビジネス本部だが、近年はある課題を抱えていた。それは、「上司からの指示を待つ、受け身の社員が多い」ことと、「管理職(幹部)とメンバー(部下)のコミュニケーションがうまくいっていない」ことだ。富士通アドバンストエンジニアリング ヘルスケアビジネス本部エキスパートの柳原雅人氏は、「管理職は自分が成功したやり方を踏襲させようと、メンバーに対して一方的に指示をしていました。その結果、メンバーは『自分たちで考え、能動的に仕事に取り組む』という意欲が持てず、その結果、組織が硬直化してしまっていたのです」と説明する。


同社の親会社である富士通は、ヘルスケア分野で大きな実績がある。ヘルスケアビジネス本部の管理職は、過去に一定の実績をあげている人材が大半だ。一方、メンバーの多くは同分野での経験が浅い。そうしたギャップも、組織にとってマイナス要素になってしまっていた。柳原氏は、「メンバーが自発的に仕事に取り組むよう、モチベーションを高めるためには何が必要なのか。そのためには、組織をどのように改革すべきか模索していました」と語る。

ゴールは“プロの仕事人”としてメンバー全員が自律すること

チーム全員の意識改革と、風通しのよい組織作りを実現する──。これがヘルスケアビジネス本部における喫緊の課題だった。そして、このプロジェクトを支援したのが、人材育成および組織活性化コンサルティングサービスを提供している富士通ラーニングメディアである。

かねてから富士通ラーニングメディアは、富士通アドバンストエンジニアリングの人材育成を担当していた。その1つが、社員満足度の向上を目指す「COCOROスマイル活動」だ。同活動が一定の成果を上げていたことから、ヘルスケアビジネス本部の意識改革・組織活性化プロジェクトも、富士通ラーニングメディアが担当することになった。

富士通ラーニングメディアでは、さまざまな人材育成・研修サービスを実施している。最近は「働き方改革」の一環として、組織の活性化に取り組む企業からの依頼も多い。同社では、クライアント企業の状況や要望に応じてコンサルタントを配し、長期的視点で継続的に支援する体制を構築している。ヘルスケアビジネス本部のプロジェクトも、担当経験のあったコンサルタントが、「社員のように出社して」(柳原氏)担当した。

とはいえ、従業員の意識と組織風土を変革するには、組織内の“本気度”が成功を左右する。今回、ヘルスケアビジネス本部のプロジェクトを牽引したのは、富士通アドバンストエンジニアリング取締役 ヘルスケアビジネス本部長の瀬戸口信氏である。同氏はプロジェクトを実施するにあたり、まず「チームワークを大切にすること」と、「仕事の質をアップさせること」を大枠とした。そしてゴールとして、「メンバー一人ひとりがプロの仕事人として自律する」ことを定めた。

「組織が一体となって目標を達成するためには、信頼関係を構築して意思疎通を図ることが大切です。そのためには、管理職もメンバーも常に相手を意識したアクションをすること。メンバーには“プロ”としての自覚を持ち、受けた仕事に対してどのくらいの時間と労力が必要なのかを把握し、お客様のために何をすべきかを自発的に考えて取り組み、ビジネスとして結果を出せる人材に成長してほしいと考えました。言葉は乱暴ですが、『自分の給料は自分で稼ぐ』というマインドを持つことが目標です」(瀬戸口氏)

小さな成果を認めフィードバックすることでポジティブ思考へと転換

ヘルスケアビジネス本部で最初に取り組んだのは、課題の洗い出しだ。全員が「車座」になって話し合った。そのうえで瀬戸口氏が「組織としてありたい姿」を明確にし、課題認識や活動方針を共有した。

「まずはメンバー自身で自分たちの改善すべき点を議論してもらいました。そのうえで、管理職に対しての要望をまとめ、風通しのよい・言いたいことが言える職場を作ろうとしたのです」(瀬戸口氏)

意識改革は短期間で実現するものではない。富士通ラーニングメディアでは、意識改革や組織活性化のプロジェクトを実施する際、対象となるメンバーが当事者意識を持って取り組めるよう、内容を構成している。

具体的にはスタートとなる「課題の洗い出し」からゴールまでの取り組みを可視化し、それぞれのステップで実施すべき施策をクライアント企業とともに設定する。どの施策でも「考える」「試す」「結果検証をする」「そこから学ぶ」「成功する」というサイクルを短期間で継続的に実施し、「ありたい姿」を目指す。そして、担当者や対象の社員、経営層にも進捗状況を報告し、社員の意識や組織の状態の変化を数値化して、その効果を可視化している。

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プロジェクトを開始して最初に驚いたのは、「コミュニケーションの取り方」だと柳原氏は語る。「富士通ラーニングメディアの担当者は、メンバーの努力している、また良いところを徹底的に『3S(すばらしい・すごい・さすが)』という言葉で認めてくれました。その結果、メンバーには自己肯定感が芽生え、ポジティブな思考を持てるように変化しました。こうしたアプローチは私たちは得意ではないので、私たちだけでは生まれるものではありません」(柳原氏)

これまで管理職は「指示したことができたのか・できなかったのか」しか質問せず、できないことを叱責していた。一方、メンバーも「努力が認められない」「文句しか言われない」と管理職に対して不満を持ち、コミュニケーションを避けていた。負のスパイラルに陥っていた組織の雰囲気は、少しずつであるが変化していったという。

あきらめていたメンバーが「ワーキンググループ活動」に立候補メンバーの成長を次の施策に活かす

次の段階として実施したのは、次世代リーダーの育成だ。メンバーの中から候補者を選び、組織マネジメントの考え方と組織改善の分析、さらに具体的施策の検討までを担当してもらった。検討した内容は「コミュケーション活性化施策」や、「仕事の質UPのための施策」として発表する。自分たちが考えた施策やアイデアを全社員の前で発表する訓練を継続することで、仕事に対する積極性やモチベーションもアップした。同時に、ワーキング・グループ(WG)のメンバーにも進んで立候補し、管理職に対しても的確なコミュニケーションが取れるようになってきたという。

現在、意識改革・組織活性化のプロジェクトは進行中だが、現場からの評判は上々だ。メンバーの市川憲子さんは、「プロジェクトが開始されてから、言いたいことを言える土壌が生まれてきたと感じます。お互いの考えていることが理解できたことで誤解もなくなり、雰囲気も明るくなりました」と語る。同じくメンバーの佐藤美緒さんも、「管理職とメンバーの意思疎通を図る施策を考える『上下コミュニケーションWG』の取り組みで、命令口調だった管理職の態度も変わってきたと感じます」と評価する。

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メンバーの佐藤美緒さん(左)と市川憲子さん(右)

人材投資は企業が“削減しやすい”予算である。すぐには結果が出ず、費用対効果も出しにくい。さらに長期的な取り組みも必要だ。それでも瀬戸口氏は、「仕事を動かすのは人です」と、人材育成の必要性を強調する。

「従業員が自発的に『働きやすい職場環境で、良い仕事をしたい』と考えられるようになることは、企業にとってもプラスになる。そのためには、各自が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、組織運営を考えていくことが大切です。自分たちの職場環境を改善するのは、ほかの誰でもない。自分たちの役目なのですから」(瀬戸口氏)

企業データ

企業名
株式会社富士通アドバンストエンジニアリング
ホームページ
http://www.fujitsu.com/jp/fae/
主な取り組み
  • エンジニアリング・サービス事業
  • ソフトウェア開発およびサービス事業
  • ハードウェア開発およびサービス事業
導入サービス
  • 組織活性化コンサルティング「働き方改革」支援メニュー

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更新日:2018年10月23日

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