[導入事例]急成長するシミックがタレントマネジメントに注力する理由

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タレントマネジメントは、従業員の成長を支援すると同時に、企業が従業員の能力を向上させ、効率的に活用することで、利益の最大化を実現するシステムです。

シミックグループ
人財部 HRプロジェクト推進グループ
藤崎 照浩 氏

ビジネスの急成長とともに人材も急増

1992年に日本で最初のCRO(医薬品開発支援)というビジネスを立ち上げたシミックグループ(以下、シミック)。今では開発から製造・営業・マーケティングまで医薬品に関わるすべての業務でサービスを提供している。幅広い経験とCROのパイオニアとして蓄積したノウハウをベースに、メディカル・ヘルスケア分野での新たな価値創出をめざし挑戦を続けている。約6500名の従業員を擁し、10カ国に拠点を構え、国内だけではなく世界にネットワークを広げビジネスを展開している。

堅調な事業拡大を続けるシミックだが、近年はある課題に直面していた。それは、「従業員の能力が見えなくなるのを避ける」ことだ。シミックの人財部 HRプロジェクト推進を担当する藤崎 照浩氏は「われわれは製薬・ヘルスケア市場のニーズと共に、あらゆる事業部門で人材を採用してきました。その結果、『どの事業部にどのような専門性を持った人材がいるのか』『その専門性をどの分野で活用できるのか』を見つけることが難しくなるのは簡単に想像できたのです」と説明する。

人材の能力を可視化し、社員一人一人が成長できるシステムを構築したい──。こうした思いからシミックでは、タレントマネジメントシステムの導入を検討。2016年より、サイダスが提供する「CYDAS.com」の運用を開始した。

使い勝手の良い人材情報の“バケツ”が必要

タレントマネジメントとは、個々の従業員が持つ才能(タレント)を可視化し、企業の人事・人材戦略に則って、人材の育成・配置・評価を実行する仕組みを指す。「CYDAS.com」は、これらの機能を包括的に提供するクラウドベースの人材プラットフォームだ。藤崎氏は製品の選定にあたり、以下の4つのポイントに留意したという。

  1. 低コストであること
  2. 短期間導入が可能であること
  3. ユーザーフレンドリーであること
  4. 人材情報の“バケツ”であること

中でも重要視したのが「3」と「4」である。藤崎氏は、「タレントマネジメントで必要なのは、従業員の暗黙知を引き出して可視化することです。従って、ユーザーが利用しやすく、日常的に情報を入力したり閲覧したりできることが条件でした」と説明する。

タレントの分析には、従業員に関する多角的なデータが必要だ。そのためには人事部が一括管理する一般的な役職データだけでなく、各部門が個別に記録しているような、さまざまな情報も集約できる「人材に関する、あらゆる情報を貯められるバケツ」(藤崎氏)が求められていた。この2つの視点で製品を選定した結果、「CYDAS.com」に決めたという。

従業員の「ストーリー」と「目線」で「CYDAS.com」を選択

タレントマネジメントシステムの運用で藤崎氏がもっとも気を配っているのは、「従業員の成長ストーリーを描くこと」と、「従業員目線での相性」だという。

実は、シミック社内では「タレントマネジメント」という言葉は使っていない。「CYDAS.com」も「CAMPUS(Cmic Ambitious Performance Upgrading System:シミック従業員の志やパフォーマンスを向上させるシステム)」と命名している。その理由は、タレントマネジメントは「人事部による従業員の管理システム」ではなく、「従業員の成長を支援するツール」であるからだ。藤崎氏は「従業員が、『自分の成長に合わせてシステムを活用できる』と実感できることが重要だと考えました」と説明する。

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使いやすさを徹底的に追究したCYDAS.comの画面

「『CAMPUSは自分たちのもの』と理解してもらうには、段階的にシステムの機能を提供していくこと。われわれは、最初に『Profile Manager』を導入し、従業員の情報を集約しました。その後、従業員がCAMPUSの利用に慣れた段階で、『Stream』や『MBOCloud』を追加していきました。人事部目線や管理者目線でタレントマネジメントシステムを導入・運用すると、失敗します」(藤崎氏)

実は、製品選定時に複数製品を比較した際、シミックの人事部門やIT部門は大手ITベンダーのタレントマネジメントシステムを推していたという。どの製品も搭載機能にそれほど差異はない。ならば「大手ベンダー製品のほうが安心」という意見が多かった。しかし、藤崎氏の目には「大手ベンダーの製品は人事管理システムの一機能という位置づけで、操作性は管理者目線だ」と映った。

藤崎氏は「タレントマネジメントシステムのメインユーザーは従業員です。彼らが使いやすく、かつ相性の良いものでなければ、情報は入れてもらえずにシステムは陳腐化し、システムの信頼は低下します」と説明する。こうした事態を防止するためには、常に検索・分析ができるようにデータを整理しておくことだ。従業員の使い勝手とデータ分析の容易さを考慮した結果、CYDAS.comに決定したという。

タレントマネジメントには「学習」が不可欠

現在シミックで導入している「CYDAS.com」のアプリケーションは、社員のプロファイルを一元的に集約・可視化する「Profile Manager」、社内のコミュニケーションを活性化する「Stream」、社員の目標達成支援と人事考課を実施する「MBO Cloud」だ。

さらに、学習管理システムとして、Streamのオプションツールである富士通ラーニングメディアの「KnowledgeC@fe(ナレッジカフェ) in Stream」(以下、KnowledgeC@fe)も活用している。

藤崎氏は「CYDAS.comは、従業員個々の人材情報を把握し、目標を設定して、その成長を評価する機能を提供します。ただし、人間が成長するには『学習』のフェーズが不可欠です。こうした人材育成のプログラムは、統合された1つのシステム・単一の画面でシームレスに利用できることが重要です。ですから、CYDAS.comと連動しているKnowledgeC@fe in Streamを選択しました」と説明する。

KnowledgeC@feは、人材育成に関する研修管理やeラーニングを支援するSaaSベースの学習管理システムである。現在シミックではKnowledgeC@feを活用し、60〜70種類の独自コンテンツを配信している。具体的には、全従業員が必修のコンプライアンス研修コンテンツや、医療系情報をアップデートするトレーニングコンテンツ、ビジネスマナーコンテンツ、さらに工場のオペレーションマニュアルなどだ。藤崎氏は「KnowledgeC@feを導入したことで、教育部門では学習状況の進捗管理や時間調整などの雑務が激減しました。その結果、『どんな教育を実施すべきか』という本来の業務に集中できるようになったのです」と、その効果を説明する。

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従業員の成長と利益の最大化を両立

CAMPUS(CYDAS.com)を運用開始して驚いたのは、社内で急速に認知度が高まったことだ。業務に関係のないシステムであるにもかかわらず、今では「CAMPUS」の名前は広く知られている。

「たとえば、CAMPUSを利用して社員満足度調査を実施したのですが、その回答率は95%でした。従業員は、学習コンテンツや自分たちに関係するデータがすべてCAMPUSに集約されており、CAMPUSが『自分のためのシステム』であると認識しているのです」(藤崎氏)

今後、シミックではMBO Cloudをさらに活用し、従業員のさまざまなデータを分析・シミュレーションすることで、プロジェクトごとに最適な人材を発掘したり、将来を見据えたトレーニングプログラムを作成したりしていく計画だ。これには長期的、かつ戦略的な視点が必要になる。

「タレントマネジメントは、従業員の成長を支援すると同時に、企業が従業員の能力を向上させ、効率的に活用することで利益の最大化を実現するシステムです。できることはたくさんあります」(藤崎氏)

企業データ

企業名
シミックホールディングス株式会社
ホームページ
https://www.cmicgroup.com/
主な取り組み
  • 人材タレントの可視化
  • 人材情報の一元集約化
  • 人事考課による業務改善
  • いつでもどこでも学べる環境の構築
導入製品

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更新日:2018年08月07日

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