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コンプライアンス研修をeラーニングで実施するメリット・ポイント・注意点

コンプライアンス(compliance)とは、日本語で「法令遵守」と訳されます。

一般的には、企業において法律や規則を守ることを指しますが、社内規則を守ることや、ハラスメント防止、情報漏えい防止なども含め、広い意味で使われるようになってきています。

コンプライアンスの重要性が高まった背景に、企業の不祥事や従業員の不適切な言動などのコンプライアンス違反があります。粉飾決済、リコール隠し、従業員による不適切動画の配信など、コンプライアンス違反を起こした企業は、社会的な信頼を失い、業績悪化につながることもあります。

同時に、従業員へのコンプライアンス教育の重要性が高まっています。

企業におけるコンプライアンスとは、就業規則や社内規則が整備されているだけではなく、従業員一人ひとりがコンプライアンスを理解し、違反しない状況にすることです。

そのためには、すべての従業員に適したコンプライアンス研修を行い、意識を高めていくことが重要です。

当社も「全従業員を対象としたコンプライアンス研修を効率よく行うために、eラーニングで実施したい」というお客様からのご要望を多くいただきます。

本記事では、コンプライアンス研修をeラーニングで実施する場合のメリットやポイント、注意点を解説します。

目次

コンプライアンス研修をeラーニングで実施するメリット

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コンプライアンス研修をeラーニングで実施するメリット

  • 研修の受講履歴を活用できる
  • 一人ひとりの受講者に適した内容の研修を実施できる
  • 受講したいタイミングで受講できる

研修の受講履歴を活用できる

コンプライアンス研修をeラーニングで実施すれば、LMS上で学習履歴を管理したり、理解度を計るテストも実施でき、その結果を報告書などに活用できます。

上場企業や上場を目指す企業であれば、上場企業に適用される法令のJ-SOX法の研修、未上場であってもコンプライアンス研修の実施は必須といえます。

万が一、コンプライアンス違反が原因となる事故が起きてしまった場合、企業としてコンプライアンス研修を行っていないことが明らかになると、経営のリスク管理が問われるからです。

また、コンプライアンス研修をすべての従業員に確実に実施することは、企業にとって大変重要です。受講履歴をエビデンスとして残せることは、eラーニングで研修を実施する大きなメリットです

一人ひとりの受講者に適した内容の研修を実施できる

コンプライアンス研修は、テーマ・業種・部門・階層別など、従業員一人ひとりの状況によって受講させたい内容が異なります。

特に重要なのが、従業員の職責や階層に合ったコンプライアンス研修を行うことです。

職責や階層別に研修を実施することは、その責任範囲に合う実践的な知識を身につけることにつながります。

集合型の研修で階層別のコンプライアンス研修を実施することもできますが、研修運営担当者は各階層ごとに適した講師を選び、研修会場や日程の調整もしなければなりません。

eラーニングで実施すれば、研修運営担当者は、そのようなわずらわしさから解放されます。受講者も、理解が難しい部分があった場合など、反復して学習できます。

また、LMSで提供されているアンケートやフォローメールなどの機能を使えば、研修事前の状況把握から、研修内容を現場活用・実践時のフォロー、実施結果の評価にまで活用できます。

コンプライアンス研修をeラーニングで実施すると、効率よく研修運営ができるだけでなく、受講者の理解度の向上や定着、研修の効果測定まで行えるなど、有意義な研修を実施できます。

受講したいタイミングで受講できる

コンプライアンス研修の内容は、一人ひとりが知識として習得すべきものが多いため、それぞれのペースで学べる eラーニングは、親和性が高いといえます。受講者は隙間時間に学べるため、効率よく知識を得ることができます。

集合形式のコンプライアンス研修であれば、グループで話し合ったり、ディスカッションした内容について、講師からフィードバックがもらえるなどのメリットがある、と考える方もいるでしょう。

LMSを活用すれば、ソーシャルラーニング機能などを活用して研修内容を題材にした受講者自身の経験を他者に共有させる、などの工夫を取り入れることも可能です。

(参考)KnowledgeC@fe(ナレッジカフェ)のソーシャルラーニング機能

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実施するコンプライアンス研修の目的を明確にし、それぞれの受講者に適したコンテンツを企画し提供することが重要です。

コンプライアンス研修をeラーニングで実施する3つのポイント

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コンプライアンス研修をeラーニングで実施する3つのポイント

  1. 経営層が率先して推進する
  2. 受講者へのフォローを定期的に行う
  3. eラーニング以外の場で研修内容に触れる

1.経営層が率先して推進する

コンプライアンスの研修に限らず、研修受講を負担であると感じる従業員もいます。「研修内容が自身の仕事内容とかけ離れている」「自分には関係がない」と感じる社員もいるかもしれません。

経営層がコンプライアンス研修を率先して進めることで企業の本気度を示すことは、研修の重要性を社内に浸透させるきっかけになります。

ときにはトップダウンで取り組むことが、従業員のコンプライアンスに対する意識を高めることにつながります。

2.受講者へのフォローを定期的に行う

eラーニングでコンプライアンス研修を実施すると、受講のタイミングは、個々人の自主性に任されます。

会社側が研修の重要性を説明し、経営層が受講を推進していても、受講タイミングの自由度が高すぎるといつまでも受講しない社員が出てきます。

対策として「明確に受講期限を決める」「定期的にメールなどで受講を促す」「他者の進捗率を伝える」などの方法があります。

コンプライアンス研修は、全従業員に確実に受講させたい重要な研修です。未受講者が出ることを防ぐために、定期的なリマインドなどによる受講促進を行いましょう。

3.eラーニング以外の場で研修内容に触れる

eラーニング以外の場で、研修内容に触れる機会を作ることは、受講者のコンプライアンスに対する意識を高めたり、研修内容の定着を図るために重要です。

具体的には、「理解度確認テストを行う」「ディスカッションの場を設ける」などです。例えば各部署で行う会議の中で、コンプライアンス違反の事故を扱った新聞記事などを話題に挙げ、事故が起こった原因は何かを話し合うなども、意識を高めるきっかけになります。また、研修内容が風化しないよう、朝のミーティングで話題にするのもよいかもしれません。

eラーニング以外の場では、受講者が自分ごととして意識しやすい事例に触れると、より知識の定着を促すことができます。

コンプライアンス研修のeラーニングを選ぶ際の注意点

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コンプライアンス研修のeラーニングを選ぶ際の注意点

  • 受講者が迷わず使えるシステムであること
  • 幅広い研修コンテンツの提供
  • 管理者が必要な機能の有無

受講者が迷わず使えるシステムであること

コンプライアンス研修をeラーニングで行う場合、大切なのは、受講者が手軽かつ容易に受講できることです。

コンプライアンス教育の重要性を理解しても、受講開始までの手順や受講中の操作が複雑だと、途中で離脱してしまったり、受講を先延ばしにしてしまうケースも出てきます。

コンプライアンス研修の質を高めるには、研修のコンテンツ(教材)を短時間でまとめるだけでは効果が出にくいかもしれません。受講しやすい環境を整えることも重要です。

研修内容の質を担保することはもちろん、受講者がeラーニングの操作に負担を感じることなく研修に取り組めるかどうかを検証した上で実施することが大切です。

幅広い研修コンテンツの提供

コンプライアンス研修では、コンプライアンスの基本を理解し、ビジネスに関連する法律や規定を学ぶ必要があります。所属する業界や職種によっては、より専門的な研修が必要な場合もあります。

コンプライアンス研修の内容は幅が広いため、研修コンテンツを数多く提供している業者を選ぶなど、自社に必要な内容が含まれている eラーニングを調査したうえで採用しましょう。

また、提供されている eラーニングコースだけではなく、自社独自のコンプライアンス研修を作成したり、一部独自の内容を取り入れたりなどのカスタマイズができる業者もあります。研修の目的に応じて検討してみてください。

管理者が必要な機能の有無

eラーニングの受講履歴を活用して集計したり、未受講者を容易に抽出できるなど、研修の運営管理者が、必要な機能が備わっているかも重要な要素です。

また、提供されている eラーニングコンテンツだけでは、不十分な場合があります。例えば、「社内にコンプライアンスを浸透させるために、企業理念、一人ひとりの従業員が担うべき役割や使命など、自社オリジナルの内容をコンテンツに入れたい」ということがあるかもしれません。

研修の企画担当者が実施する研修の目的を定め、そのために必要な機能を洗い出し、必要であればオリジナルの内容を加えるなどの対応が、コンプライアンス研修の効果を高めることになります。

コンプライアンス研修のeラーニングを選ぶ際には、継続的に実施していくために、研修を企画、運営する担当者が必要だと考える機能が揃っているか確認しましょう。

  • 富士通ラーニングメディアの全社一斉教育向けeラーニング

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  • 富士通ラーニングメディアの eラーニング制作に関するお問い合わせ

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まとめ

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新型コロナウィルスの影響でテレワークの導入が進み、社員一人ひとりに仕事の管理が任されるようになった今、コンプライアンス研修も、eラーニングで受講する流れが中心になってきています。

こうした環境の中で、コンプライアンスに対する意識を高め、持続させるために従業員をバックアップすることが企業にとって重要になっています。

本記事でご紹介したように、コンプライアンス研修をeラーニングで実施するには、さまざまなメリットやポイント、注意点があります。

eラーニングによるコンプライアンス研修を自社にどのように取り入れ、活用していくかをよく考え、今後の教育計画に取り入れていきましょう。

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