新入社員が身につけるべきビジネススキル"知っている"から"できる"へ変えるためには

  • ビジネススキル
  • 階層別(新人・若手)

みなさん、こんにちは。富士通ラーニングメディア 新人育成サービス部の吉岡です。これまで2回のブログを担当した菅原と同じ部署で、新入社員研修の企画や個社別研修のプロジェクトマネジメントをしています。

ビジネススキルの重要性は認識しているが、効果的に習得するにはどうしたら良いか、人材育成担当者の方々もいろいろ探している状況ではないでしょうか。社会人として、いち早く身に付けて欲しい「ビジネススキル」ですが、具体的にどのようなスキルのことを指すのでしょうか。今回は新入社員にとって特に重要な「ビジネススキル」をピックアップし、しっかり身につけさせる方法についてご紹介します。

ビジネススキルとは

新入社員研修担当という立場で、毎年、事前知識・スキルがほとんどない人材を仕事がスタートできる状態にまで成長させています。私のこれまでの経験からまとめてみたいと思います。

まず、ビジネススキルの要素を考えてみると、ロバート・カッツが提唱している「カッツ・モデル」では、ビジネススキルには「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」の3つがあるといわれています。

テクニカルスキル
「業務遂行能力」と呼ばれ、自らが担当する業務を遂行するのに必要な専門知識や技術のことで、業務を進める前提となるスキルです。SEであれば、言語スキルなどのITスキルや、ドキュメント作成スキルなどが当てはまります。
ヒューマンスキル
「対人関係能力」とも呼ばれており、仕事の関係者などの相手と上手くコミュニケーションをとる能力です。仕事には円滑な人間関係が欠かせません。コミュニケーションスキル、ロジカルシンキング、ヒアリングスキルなどです。
コンセプチュアルスキル
「概念化能力」と呼ばれるもので、周囲で起きている事象や状況を構造化し、問題の本質をとらえる能力のことです。また、自分自身の行動・思考を客観的に見て、成功や失敗から要因を抽出し、次に活かすことも含まれます。弊社が人材育成で大事にしている、失敗から学ぶ、常に前進する、などの方針が含まれます。

社会人としてまず身に付けるべきビジネススキルとは

では、ビジネススキルをどのように習得すればいいのでしょうか。結論から言うと、習っただけでは実践できるようにはなりません。

富士通ラーニングメディアの新入社員研修では、まず、テクニカルスキル、ヒューマンスキルの基礎を学習します。特に新入社員には以下のスキル習得が必要と考えています。

  • 仕事の進め方
  • マナー
  • ロジカルシンキング
  • 文書作成
  • コミュニケーション

研修では、社会人の常識や前提スキルがほぼない状態の新入社員もいることを考慮し、上記スキルの必要性や事例、具体的な方法を段階的に、ロールプレイングを交えながら学習します。ですが、社会人経験のない人材でも分かるよう丁寧に教えても、すぐ実践できるようにはなりません。

今読んでいただいている皆さんの中にも、研修で何かを習っても、身に付かなかった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ビジネススキルを"知っている"から"できる"に変える「ビジネススキル総合演習++」

"知っている"だけの状態から、"できる"ようになるには反復練習が必要です。地道なようでもやはり繰り返し行わないと定着しません。ただ、そこにはコツがあります。自分の思考・行動を客観視し、何が原因でできたのか、またはどうしてできなかったのかを認識しながら行動できると習得は格段に早くなります。前述の「コンセプチュアルスキル」を学びの中で使うのです。

弊社が2018年4月からスタートする「ビジネススキル総合演習++」という新入社員研修では、ヒューマンスキルを、ゲーミフィケーションを取り入れた演習で本気で繰り返し実践させます。それだけではなく「コンセプチュアルスキル」も向上できる工夫を取り入れています。

  • 独自のPDCAの型ができるまで自分の思考・行動を徹底的に振り返る。
  • 受講者同士の対話で気づきを得られるよう、フィードバックの方法を学習・実践する。
  • 気づきを行動につなげる問いの技術を習得する。

などがそれにあたります。この工夫を通して、「コンセプチュアルスキル」を磨き、繰り返し実践の効果を高め、新入社員に必要なスキルの定着を促しています。

新入社員研修に限らず、一般的な社員研修でも、学習したテクニカルスキルやヒューマンスキルを定着させるには、「コンセプチュアルスキル」をどう活用して繰り返し実践していくか、という視点が重要です。例えば、実践後の振り返りで、成功点、失敗点を洗い出すだけでなく、なぜできていたのか、またはなぜできなかったのか、理由を探り、次回どうするのか、まで考えて繰り返し行動すると定着が早まります。特に、なぜできていたのか、を深堀していくと、個人の強みが明確になり、スキル習得のスピードや質を上げる結果につながります。

まとめ

「知っている」から「できる」へ。弊社の新入社員研修の企画や実施で気をつけていることをまとめました。人材育成を担当されている方や、ビジネススキルの定着に課題意識をお持ちの方が、少しでもヒントを見つけられたら幸いです。

次回は、「現場で急成長する新入社員の特徴」をご紹介します。新入社員を現場で活躍できる人材にするための教育や、指導方法に課題をお持ちの方の参考になると思います。ぜひご覧ください。

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