個々のモチベーションをマネジメントする方法~時代の変化と多様性に対応する~

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最近従業員のモチベーションを上げるのが難しいと感じることはありませんか?人事制度の見直しやマネージャーの教育も大切ですが、最も重要なのは【従業員ひとりひとりに向き合い、最適にマネジメントすること】。実践するのは難しいとお考えの方にこそお伝えしたいコツが満載です!

モチベーションマネジメントとは

モチベーションとは「意欲」のことです。ビジネスの世界において働く意欲を高めるには、何のために働くかという目的をはっきりさせる必要がありますが、その目的は個々人の価値観によってさまざまです。

とはいえ組織で仕事を進めていく以上、メンバー全員の意欲を高めて成果を出していかなければなりません。人間に共通する欲求として、「認められたい」という承認欲求があります。組織では、ここをうまく満たすことで上手に動機づけを行い、組織全体の雰囲気を盛り上げていく。これがモチベーションマネジメントです。

そもそもなぜ従業員のモチベーションが下がるのか?

従業員のモチベーション低下が近年問題となってきたのは、時代の変化と働く人の変化が原因にあります。インターネット社会になり、さまざまな情報が手に入ることで他人と自分を比べやすくなった、という背景もあります。

それでは、それぞれの原因についてみていきましょう。

原因1:時代の変化

バブル崩壊後、長期間働いてさえいれば待遇が右肩上がりになっていく、という昇進昇給が当たり前の世の中ではなくなり、より一層各人の努力が求められるようになってきました。しかし頑張ってもなかなか評価されない、収入が上がらない、失敗すると怒られる、という状況下では、モチベーションを保つのが難しくなります。

商品やサービスのライフサイクルが短くなり、競合相手より少しでもよい商品、よいサービスをお客様に届け、顧客満足度を上げるために、日夜努力を重ねています。戦略や方針の変更も多々あり、それをメンバー全員に浸透させるのは大変なことです。

時代の変化に合わせて、人事制度を見直し柔軟な勤務体系とする、評価をプロセスと結果できめ細かく見ていくように変更する、管理職の研修を行う、などのさまざまな改善策が試みられていますが、従業員のモチベーションを大きく上げるのはなかなか難しいようです。部下と組織の両方の間に立つ管理職の方々も、日々モチベーションを高く維持するのに苦労されるケースが多いのではないでしょうか。

原因2:従業員の多様化

幅広い人材を戦力としていこうと、ダイバーシティマネジメントが謳われている世の中、従業員の多様化が進んでいます。それにより、モチベーションを左右する要因も多様化しています。

例えば、小さい子供がいる方は、勤務時間がきっちりしていること、家庭の緊急時に柔軟に対応できることが大事になります。セカンドキャリアの方は、自分の能力やノウハウを活かすことにやりがいを感じ、それを求めます。ステップアップを目指して勉強中の方は、勉強時間を確保するとともに、本業でも多くの経験を積むことを望んでいます。

このことからもわかるように、一つの制度で従業員全員のモチベーションを高めるのは、難しい時代です。

ひとりひとりに最適なモチベーションマネジメントを行うには

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このような背景はありますが、社員ひとりひとりに合わせたマネジメントは、無理な話ではありません。ひとりひとりに向き合うことでその能力を引き出せれば、足し算ではなく掛け算で組織の力は強くなっていきます。そのためのモチベーションマネジメントのコツを述べていきます。

個々の話を傾聴する

すべてのマネジメントの基本が、「日常のこまめなコミュニケーション」です。

部下は、それぞれ異なった価値観や意志を持っています。こちらから伝えたいこともたくさんありますが、まずは相手の話を聞くという基本スタンスを忘れないでください。

管理職は、話しかけやすい雰囲気を常に持ち、部下の話には短時間でも手を止めてタイミングよく応じていくことが大切です。

面談の場だけでなく日常のさまざまな場面で、部下が今どのようなことに関心や希望を持っているのかを、折にふれて把握しておくとよいでしょう。

方針・指示を明確に伝える

何のために働くのかという目的をはっきりさせるために、組織の方針をわかりやすく明確に伝えることが大切です。

グランドデザインをまず示し、軸を動かさない。必要とあればメンバーを作戦会議に巻き込み、共通の成果に向けて各自が主体的にリーダーシップを持つよう誘導していきましょう。

また、指示を与える際に気をつけたいのは、朝令暮改や迷走を避けるということです。複数の部門や業務をまたぐプロジェクトに従事している部下には、指示命令系統を明確化して示します。また、受け身意識や負荷の偏りをなくすためにも、本人から目標やレベルを自己申告してもらうことも有効です。そのうえで、いかにそのメンバーがこの業務に必要か、また期待しているかということを伝えると、本人もモチベーションが上がるはずです。

さらに実績成果の評価については、「実績値」「達成率」「進捗率」の3つで実績成果を数値化させ、そこにプロセスでの努力を加味したフィードバックを行うと、自分はきちんと評価されていると感じられ、部下のモチベーションは高まっていきます。

人材育成方針を定め、実行する

管理職は、担当部署の業績を上げることとともに、人材を育成することも重要な使命です。人は勝手に育つのではなく、やる気を引き出し育てていくもの、という心構えを持ちましょう。

どのように育てるかは部下によって異なりますが、過保護にするのでも突き放すのでもなく、戦力として期待している、大事に思っているということをメッセージとして伝えます。

そして組織の方向性を勘案しつつ、どのような業務につけて経験を積ませるか、あるいはどの研修を受講させるかといったことを、具体的に育成策に落とし込み、実行していきましょう。また、この育成策のねらいを本人に伝えることが、さらなるモチベーションの向上や自己啓発につながります。

プロジェクト体制の最適化、部門間の調整

業務を遂行するにあたり、作業の内容やメンバー、リソースを確認し、この体制でゴールにたどり着けるか、目標が達成できるかを見極めます。初期段階で体制を整え、さらに進捗を見ながら体制を変えていく柔軟さが大切です。

複数の部門にまたがる業務であれば、その調整だけで担当者が疲弊してしまうこともあり得るので、必要に応じて手を差し伸べていきます。

このようにして、従業員がのびのびと働きやすい環境を作り、実績を上げることでモチベーションを高めることが、管理職の役割といえます。

まとめ 

組織内の人材の経験値や能力、希望を把握し、そのパフォーマンスを最大化するために、戦略的な人材配置や教育などの取り組みを行うことが、個々のモチベーション向上につながります。このようにメンバーのモチベーションを高め、相乗効果でチームワークをよくし、成果を上げ続ける組織を作っていってください。

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更新日:2018年03月20日

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