連載コラム「eラーニングコンテンツの制作工程」
まとめ

これまでのコラムをご覧くださり、ありがとうございます。
今回は、これまでのステップのまとめです。それぞれのステップのポイントを振り返ってみましょう。

全体フローを振り返りましょう!

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これまでのステップのポイントを教えてください。


武田君

う~ん、難しい質問ですね。それぞれポイントがいくつかありますが、ここはなるべく1つに絞ってまとめてみますね。ちょっと長くなってしまったらごめんなさい。


ステップ1「対象者と目標を整理する」のポイントは、「学習目標を明確にする」です。

誰に対して何をどこまで学習してもらいたいのかを明確にすることが何よりも大切です。「コンテンツにしたい資料はあるんだけど、どうすればいいかわからない!」といった場合、まずは学習目標を明確にするところから始めてみましょう。ちなみに、学習目標は、期待する学習の成果に応じていくつかのパターンに分類できることが知られています。たとえば、「ガニェの5つの学習成果」などを参考にされると、言語情報、知的技能といった分類を使って、より明確に学習目標を設定できるようになるでしょう。

なお、学習目標は設定するだけでなく、学習者が意識して学習できることが大切です。コンテンツが完成したら、学習の前に学習者が目にするところに学習目標を示すようにしましょう。


ステップ2「教える内容を整理する」のポイントは、「学習目標を達成できる内容かどうかを意識する」です。

学習目標を達成できたかどうかを確認する手段はテストですね。テストを作成する際は、そのテストで学習目標が達成できるかどうかを常に意識することが大切です。もし、テストで確認したい項目が学習内容に含まれていない!ということがあったら、学習内容を見直す必要があるでしょう。学習目標を意識してテストを作成し、そのテストで確認したい内容を学習内容に盛り込む。この関係を意識することが大事です。

なお、テストには前提テスト、事前テスト、事後テストの3つがありますので、普段は修了テストや確認テストなどの形で事後テストを行うことが多いと思いますが、前提テストで前提知識を確認したり、事前テストで学習が必要かを確認したりすることで、本当にその学習が必要な学習者に対してのみ学習を実施してもらうことが可能です。


ステップ3「設計書を作る」のポイントは、1つに絞るのは難しいですね。ここでは2つのポイントをお話しておきたいと思います。

1つは設計書のドキュメントとしてのポイント、「完成イメージを共有できるかどうかを意識する」です。

たとえば、お客様からのご依頼で、弊社で設計書を作成する場合は、お客様と完成イメージを共有できるかを常に意識しながら設計書を作成します。また、同時に、その設計書が次のコンテンツ制作の担当者とも完成イメージを共有できるようにすることも意識しながら作成しています。

なお、設計書だけに頼るのではなく、作成した設計書に基づいて早い段階でコンテンツのサンプルを作ってお互いの認識を合わせるような作業の進め方も大切です。

もう1つのポイントは、設計そのものに関わるポイントです。それは、「学習を楽しんでもらえるかを意識する」です。

以前、「興味を持ってもらう工夫や、飽きさせない仕組み、繰り返し学習できるような仕掛けなどを考え、設計書を作成します」とお話しましたね。そうは言っても時間がないので、どこかのプレゼンで使ったスライドをそのままコンテンツの画面にするのも1つの方法でしょう。そのような事情も理解できます。でも、ご自身が学習する立場になって考えてみてください。その資料がそのままコンテンツの画面になって楽しく学習できそうですか? ここをどれだけ工夫するかで、学習者に学習したいと思わせるコンテンツ、すなわち学習効果の高いコンテンツになるかどうかが決まると弊社では考えています。

なお、学習者のモチベーションを高める工夫の代表的な考え方として、「ケラーのARCSモデル」があります。
A=注意(Attention:おもしろそう)、R=関連性(Relevance:やりがいがありそう)、C=自信(Confidence:やればできそう)、S=満足感(Satisfaction:やってよかった)の順に学習意欲が高まっていくという考え方です。参考にしてみてはいかがでしょうか。


ステップ4「コンテンツ制作」のポイントは、これも1つに絞るのは難しいですが、ここは思い切って1つに絞ってみましょう。それは、「シンプルな作りにする」です。

以前、「お客様のご要望や環境に合わせて、学習内容に沿って最適な制作方法をご提案しています」とお話しましたね。弊社では、お客様のご要望をそのまま鵜呑みにするのではなく、学習内容にとって必要不可欠な要素が何かを常に意識しながら、シンプルで最適な制作方法をご提案させていただいています。


そして最後のステップ5「品質検査」のポイントは、「コンテンツを見る目を持った第三者が確認する」です。

自分で作ったコンテンツをどんなに自分で確認しても、第三者の目から見たらすぐに気がつくような誤りを見過ごしてしまうことがあります。そうかと言って、お客様からご依頼いただいて作成したコンテンツの確認をお客様にお願いすれば第三者チェックになるのかと言えば、そうではありません。お客様は学習内容の専門家であっても、eラーニングの専門家ではないことがほとんどだからです。このため、弊社ではコンテンツを見る目を持った専門の品質検査担当による検査を標準的な作業工程として位置づけています。

やっぱり長くなってしまいましたね。ごめんなさい。限られた学習時間の中で必要な学習項目をまとめるということも重要なポイントですね・・・「ガニェの5つの学習成果」や「ケラーのARCSモデル」のような学習理論的なことについては、ほかにもいろいろお話したいことがありますので、また近いうちにお話できればと思います。

いかがだったでしょうか。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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次回は、5月16日(水)~18日(金)に東京ビッグサイトで開催される「第3回 教育ITソリューションEXPO(EDIX)」に弊社が出展を予定している内容などについてご紹介いたします。
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