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[導入事例]顧客向けポータルサイト「my DMG MORI」の人材育成プログラムに「KnowledgeC@fe」を採用

eラーニングシステムは、さまざまなビジネスの可能性を秘めています。
KnowledgeC@feは新たな取り組みを始める際、アイデアをすぐに具現化できる仕組みだと判断しました──テクニウム 辻氏、千葉氏

企業データ

テクニウム株式会社

  • ホームページ
    https://www.technium.net/
  • 主な取組み
    ・顧客企業向け人材育成プログラムの提供
    ・社内における最新工作機械の技術研修
  • 導入製品
    KnowledgeC@fe(ナレッジカフェ)

目次

“匠の世界”が学べるeラーニングを模索

工作機械の総合メーカーとして、世界のものづくりの原点を支えているDMG森精機。テクニウムは、DMG森精機が提供する工作機械のデジタルトランスフォーメーションの支援や、人材育成サービスを提供する企業である。DMG森精機の工作機械を購入した顧客に対し、会員制オンラインポータルサイト「my DMG MORI」を通じて顧客が利用している機械の技術情報提供や、 稼働状況の分析によるメンテナンスのアドバイス、機械導入後のサポートなどを行っている。

my DMG MORIの中でも特に注力しているのが、人材・技術者育成だ。加工技術者の育成や機械の導入/操作の支援を目的に、さまざまな教育サービスを提供している。その背景について、テクニウムで執行役員副社長を務める辻 直志氏は以下のように語る。「工作機械のIT化は激しく、現在はすべてコンピュータで制御されています。ですから、古い工作機械を使っていた熟練技術者は、最近の機械の使い方を、経験の浅い技術者に教えることが難しくなっているのです」。

工作機械の取り扱いは専門的な知見が求められる“匠の世界”だ。特に操作前の準備や加工業務は、工作機械を体系的に理解している人間でないとできない。加えて制御ソフトのプログラミングの知識も求められる。テクニウム デジタルプラットフォーム事業部の猪野 尚美氏は、「工作機械はお客様に納品して終わりではありません。一機ごとにさまざまなオプションが搭載されており、それぞれが違う仕様になっています。ですから、基本操作や(操作の)注意点を簡潔かつ、わかりやすくお伝えする手段が必要でした」と説明する。

こうした背景からテクニウムでは、新しい工作機械の使いこなしや基本技術をリソースの制約なしで学習できる環境の構築が急務となっていた。これまでは座学で年間数百人規模の講習を実施していたが、これでは技術変化のスピードに対応できない。

テクニウムでデジタルプラットフォーム事業部 副参事を務める千葉 佑介氏は、「eラーニングはお客様だけでなく、DMG森精機の社内研修でも利用します。ですから、単に学習プログラムを提供するだけでなく、講習の内容を確実に理解したのか確認できる機能や、どこまで学んだのかを把握できるシステムが必要でした。そうしたニーズを満たすeラーニングシステムを探したところ、KnowledgeC@fe(ナレッジカフェ)が最適だとの結論に至ったのです」と語る。

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▲ テクニウム 執行役員副社長 辻 直志 氏(右)
テクニウム デジタルプラットフォーム事業部 副参事 千葉 佑介氏(中央)
テクニウム デジタルプラットフォーム事業部 猪野 尚美氏(左)

eラーニングコンテンツをマニュアルとして活用 操作現場で何度も確認できるメリット

KnowledgeC@feは、人材育成に関する研修やeラーニングを支援するSaaS(Software as a Service)型の学習管理システム(LMS)だ。さまざまな業務に対する研修運営実績があり、すでに2,160社、81万人以上が利用している。多くのユーザーが寄せたフィードバックを基に、研修効果を高める機能やノウハウが集約されている。また、1,500以上のオリジナルコンテンツを有するほか、ユーザー企業が独自にコンテンツを作成/配信することもできる。

テクニウムでは2020年6月よりKnowledgeC@feを活用し、my DMG MORIの会員向け人材育成プログラムの提供を開始した。現在は切削加工の基礎や工作機械操作の注意点などを解説した「機械加工ベーシック」や、マシニングセンタ/ターニングセンタの基礎知識と技術を総合的に学ぶ「マシニングセンタベーシック」と「ターニングセンタベーシック」の3コースを提供している。すでに400名以上のユーザーとDMG森精機の若手社員約200名が、eラーニングプログラムを利用したという。

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my DMG MORIでは現在、「機械加工ベーシック」「マシニングセンタベーシック」「ターニングセンタベーシック」の3コースをeラーニングで提供している

実はKnowledgeC@feを導入する以前、DMG森精機では外資系ベンダーが提供するLMSを利用していた。同LMSは人事管理システムと連携できる機能などが備わっていたものの、基礎から応用までの包括的な学習を支援するシステムとしては限界があった。KnowledgeC@feの導入理由について千葉氏は、「新たな取り組みを始める際の可能性が大きく、さまざまなユースケースに柔軟に対応できるシステムだと判断したため」と説明する。

KnowledgeC@feは、eラーニングや集合研修、社内勉強会の管理など、顧客企業の利用ニーズに応じた使い方が可能だ。たとえば、my DMG MORIではコースの中に小テストを設けている。テスト結果や学習履歴を分析することで、ユーザーが躓きやすいポイントを詳らかにし、コンテンツを継続的に改良していくことが目的だ。なお、オリジナルコンテンツも、特別なソフトを利用せずKnowledgeC@feの機能だけで作成できる。

また、千葉氏は、富士通ラーニングメディアのサポート体制も大きな評価ポイントだったと語る。「受講中のコース一覧をグラフィカルに見られるよう工夫したかったのですが、こちらの要望以上の提案をもらいました。単なるサービス・製品提供にとどまらず、中長期的な視点で継続的にサポートする体制は、日本企業のニーズを知り尽くした富士通ラーニングメディアだからこそだと思います」(千葉氏)。

専門性の高いmy DMG MORIの人材育成プログラムは、1コースが5万円~25万円と決して安くはない。それでも利用するユーザー企業は多く、受講したユーザーからの評判は上々だ。「工作機械を触ったことはないが、わからない部分は納得するまで何度も反復学習できた」、「工作機械の操作前に手順を確認し、実際の操作をする時にもタブレットを手元に置いてマニュアル代わりに使えるのでミスを低減できるという安心感がある」との声が挙がっている。KnowledgeC@feのコンテンツはスマートフォンやタブレットにも対応しているので、現場でコンテンツを確認しながら作業を進めることも可能だ。猪野氏は「こうした利便性も受講者から評価されているポイントです」と説明する。

一方、辻氏は、機械を使う前に、操作方法や注意点を学べることも企業としての大きなメリットだと指摘する。

前述のとおり、工作機械の操作には特殊かつ緻密な作業と専門的な知識が求められる。「工作機械は精密機械です。たとえば操作ミスで主軸(モータ)を破損させると、その修理費だけで500万円かかる場合もあります。修理中はその工作機械が利用できませんから、その先のお客様にも迷惑をかけてしまいます。ですから事前のシミュレーションは、『ビジネスにダメージを与えない』といった観点からも重要なのです」(辻氏)。

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my DMG MORIの会員向け人材育成プログラム画面。
受講中コースが一覧表示されるほか、受講の進捗状況も一目で把握できる

教育コンテンツで学生の学びを支援 多言語機能で世界市場も視野に

 現在、テクニウムではKnowledgeC@feを活用した新たなビジネスを考案中だ。すでに工作機械を購入した顧客に対し、納品時の基本操作説明をeラーニングで提供するサービスの準備を進めている。また、工業高校や職業訓練校で機械工学を学ぶ学生を対象に、工作技術の基礎知識や制御cのプログラミングを学べる教育コンテンツの作成も視野に入れているという。

さらに、千葉氏はKnowledgeC@feの11カ国以上の言語に対応した「多言語機能」を活用し、グローバルの顧客にローカル言語でのコンテンツを提供したいと語る。

DMG森精機の機械はドイツやアメリカ、中国を筆頭に、タイ、フィリピン、インドネシアでも利用されている。そうした国の言葉で機械の説明動画や操作手順のマニュアルを作成するには手間と時間、そしてコストがかかる。しかし、KnowledgeC@feでコンテンツを作成すれば、複数言語に柔軟に対応できる。多言語機能をさらに活用すれば、新たな国でビジネスの可能性も広がるというわけだ。

「eラーニングシステムは、さまざまなビジネスの可能性を秘めています。たとえば、動画コンテンツをサブスクリプションで提供したり、教育マーケティングツールとして潜在顧客の掘り起こしに活用したりできる。こうした新たなビジネスの発想を具現化できることも、KnowledgeC@feの大きなアドバンテージだと思います」(辻氏)。

導入事例ダウンロード:テクニウム株式会社 様

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