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[導入事例]セキュリティリテラシー向上の研修に「KnowledgeC@fe」を採用

セキュリティ研修は全従業員に必要不可欠です。
ですから、ユーザーが継続的に使いたくなる学習管理システムを探していました。ーー旭化成株式会社 門脇 氏

企業データ

旭化成株式会社

  • ホームページ
    https://www.asahi-kasei.com/jp/
  • 主な取組み
    全従業員セキュリティリテラシー向上を目的とした社内研修
  • 導入製品
    KnowledgeC@fe(ナレッジカフェ)

目次

受講率99.5%を実現させる学習システム

1922年創業の旭化成は、「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3領域で事業を展開する総合化学メーカーである。世界20カ国以上に生産・販売・研究開発の拠点を配置し、グローバル市場で幅広いニーズに対応する体制を構築。従業員数はグローバルで約4万人を擁する。

旭化成は2019年に掲げた新中期経営計画「Cs+(シーズプラス)for Tomorrow 2021」で、環境・エネルギー、モビリティ、ライフマテリアル、ホーム&リビング、ヘルスケアの5つの分野に注力する姿勢を打ち出し、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献していくと明言した。さらに、従業員の自律的な成長やキャリア形成の支援にも積極的に取組み、多様な学習機会を数多く提供している。

その一環として同社は、セキュリティリテラシー向上を目的とした社内研修に、2020年10月から富士通ラーニングメディアの「KnowledgeC@fe(ナレッジカフェ)」を活用している。日本国内の従業員を対象にした同研修は、「不審な添付ファイルを開かない」「安易なパスワードを設定しない」「会社が許可していないサービス/ソフトを利用しない」といった基本的なセキュリティ行動の徹底を目的としたものだ。

KnowledgeC@feの導入を担当した、旭化成 IT統括部システム運営グループ・基盤システム担当の門脇幸太郎氏は、「セキュリティ研修は全従業員に必要不可欠です。ですから、受講率99.5%以上を実現できるような学習システムが必要だと判断しました。KnowledgeC@feを導入する以前はパッケージのeラーニングシステムを利用していましたが、保守期間が終了するタイミングもあったので、新たな学習管理基盤に刷新することにしたのです」と説明する。

新学習システムの選定にあたり重視したのは、SaaS(Software as a Service)であることと、モバイルデバイス端末にも対応していること。そして、ユーザーが使いたくなるようなUI(User Interface)であることだ。「そのすべてを満たしていたのがKnowledgeC@feでした(門脇氏)。

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細かい権限ロールで受講者管理ができる

KnowledgeC@feは、人材育成に関する研修管理やeラーニングを支援するSaaS型の学習管理システムである。富士通のクラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O」上で稼動し、スマートフォン(iPhone、Android端末)やモバイル端末にも対応。見やすく使いやすい画面構成が特徴だ。ユーザー企業の独自コンテンツ配信はもちろん、1,500以上の既製コンテンツも用意されている。

門脇氏は「KnowledgeC@feの決め手となったもう1つの理由は、デフォルトで用意されているパラメータが豊富だったことです。ほかのクラウドサービスと比較し、自社の管理権限仕様に合わせやすかったことも魅力でした」と語る。

KnowledgeC@feには組織構成に合わせた権限付与ができる機能や、任意組織/サブ組織を切り替えて利用できる機能が備わっている。大規模企業では多部門や多階層といった複雑な組織体制であることも多い。そうした場合でも、KnowledgeC@feには階層の制限がないため、柔軟に権限ロールを設定できる。あらかじめ権限ロールも用意されているので、企業は自社の権限ロールを組み合わせ、新たな権限ロールも作成できる

旭化成 IT統括部システム運営グループ・基盤システム担当で、主に新規システム導入のマネジメントを実施している北野洋平氏は、「細かい権限ロールを付与することで、受講者を限定したり、休職中の従業員を受講者リストから省いたりすることもできます」と説明する。

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組織構成に合わせた権限付与ができる。たとえば所属部門ごとに受講対象を決めることも可能だ。

また、KnowledgeC@feの強固なセキュリティ機能も、評価ポイントだったと北野氏は語る。旭化成ではクラウドサービスを使うにあたり、必要なセキュリティ機能を検討する独自のチェックシートを作成している。そのチェックシートを利用してKnowledgeC@feを評価したところ、必要なセキュリティ要件を満たしていたという。

さらに、シングルサインオンやWeb APIの実装など、汎用性が高いのも特徴だ。北野氏は「KnowledgeC@feへのログインは従業員情報(ID)と連携させていますが、不審なIDが勝手に入り込む心配はありません」と説明する。

コンテンツ作成負荷も大幅削減

実稼働から3カ月。ユーザーからの評判は上々だという。特にUIは評価が高く、「操作方法がわからない」という相談はほとんど寄せられていない。北野氏は、「以前のパッケージソフトは約10年使っていました。ですから、それまでのUIや使用感に慣れていたユーザーから、ある程度は問い合わせがあると覚悟していました。しかし、その心配は杞憂でした。KnowledgeC@feはそれだけ直感的に利用できるのだと思います」と語る。ちなみに、2020年11月からは他部門でも全従業員を対象にしたコースをKnowledgeC@fe上で開催しているが、操作方法についての問い合わせはないという。

今後「クラウドファースト」の流れが加速することは間違いない。現在、数多くのSaaSシステムが提供されている。ただし、その選択には注意が必要だ。一般的にクラウドで提供されているサービスは、安価で素早く導入できるという利点がある。その反面、サポートサービスがオプションであったり、最低限のFAQしか公開されていなかったりすることも少なくない。

北野氏は「金額だけでSaaSシステムを選んでしまうと、使い方がよくわからず、結果的にだれにも使われないシステムになってしまいかねません」と語る。特に一般従業員を対象にした既存システムをSaaSシステムに切り替える場合は、SaaSベンダー側のサポート内容を見極める必要がある。さもないと、IT管理者が一般従業員からの問い合わせに対応することになり、IT部門の作業負荷が増加するからだ。その点、富士通ラーニングメディアの支援は万全だったと北野氏は語る。

旭化成がKnowledgeC@feの導入を決定したのは2019年第4四半期だ。その後、2020年初頭から要件定義を開始し、平行して設計・構築にも取組んだ。その際には富士通ラーニングメディアの担当者が、KnowledgeC@feに最適な業務フローの整理を支援したという。門脇氏は、「導入決定から実稼働までのプロセスは、想定していたよりもスムーズに進みました。スケジュールの遅れは一度もなかったですね」と振り返る。

北野氏も、「たとえば、運用開始前に社内説明会を開催した際、富士通ラーニングメディアの担当者が操作方法の説明をリモートでサポートしてくれました。こうした手厚いサポートは、富士通ラーニングメディアだからこそできることでしょう」と太鼓判を押す。

なお、現在利用しているコンテンツはすべて旭化成が独自に作成したものだ。KnowledgeC@feの「コンテンツ変換オプション」を利用すれば、PowerPointで作成した教材をワンクリックでHTML5形式へ変換できる。門脇氏は「新システムでも手間取ることなくコンテンツを作成できることは、(コンテンツを作成する)講師の手間を大幅に省いてくれます」と語る。

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KnowledgeC@feの「コンテンツ変換オプション」機能。PowerPointで作成した教材をワンクリックでHTML5形式へ変換できる

今後は動画コンテンツの配信も視野に、社内ネットワーク環境を整備していく計画だ。動画コンテンツに対する社内からの需要は多い。コロナ禍でリモートワークが“スタンダード”になりつつある状況では、従業員が積極的に学べるコンテンツの提供が急務だからだ。

KnowledgeC@feの活用は、学習管理の枠に留まらない。門脇氏は「受講履歴が確認できる機能を活用し、『利用規約の同意を取る』といった使い方も実施しています」と語る。
「たとえばスマートデバイスを利用する際の注意点や操作手順コンテンツをKnowledgeC@feで配信し、利用希望者に受講を義務づければ、『受講したことで利用規約に同意した』といった運用もできます。逆に受講履歴がなければ、デバイスの利用を許可しないという対応も可能です。KnowledgeC@feは使い方次第で、さまざまなことが実現できる。今後も活用の幅をさらに広げていきたいですね」(門脇氏)。

導入事例ダウンロード:旭化成株式会社 様

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