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【いま、求められる人材】2012年人材育成のトレンド★世界の人材育成の潮流は、成果の"見える化"

[2012年7月 5日]

こんにちは!富士通ラーニングメディアの森です。当社のグローバルビジネスの推進を担当しています。

2012年5月に米国のコロラド州デンバーで開催されたASTD(American Society for Training & Development、米国人材開発機構)のカンファレンス(ASTD International Conference & Expositions)に参加してきました。

今月は、ASTDカンファレンスと、その後に視察した米国企業から得た知見や、今後の人材育成におけるポイントなどをお話しします(毎週木曜日掲載)。1回目となる今回は、ASTDカンファレンスの今年の傾向と、世界の人材育成の潮流についてまとめます。

<ASTDカンファレンス:人材開発における、世界最大規模の国際会議>

ASTDは、1943年に設立された非営利団体で、組織のトレーニング、人材開発、パフォーマンス向上に関する情報発信、人材交流を行っている会員制組織です。
今回私たちが参加したカンファレンスは、職場の学び方とその効果や問題をテーマに毎年開催される国際会議です。行政団体、教育関係者および、企業が参加し、組織を越えて学びあえる場となっています。

本年のカンファレンスは、"Learn Something New, Perform Something Extraordinary(新しいことを学び、実行する)" をスローガンに掲げ、以下の観点でプログラムが組み立てられていました。
・展示会での同業者やベンダーとの交流を通じ、仕事に役立つ最新の商品やソリューションを見つける
・業界のリーダーと交流を持つ
・世界一流の講演を聞き、人材育成業界の最新理論やモデルを学ぶ
・最新トレンドに追いつくだけでなく、トレンドそのものをリードする

カンファレンスへの参加者は9000名以上(海外からの参加者は、2100名。内訳:韓国384名、カナダ188名、中国175名、日本146名、ブラジル110名)。
人材開発をテーマにこれだけの人が一堂に会するカンファレンスは他になく、世界最大規模といえます。

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<今年のトレンド:より成果に結び付く人材育成へ>

ASTDでは、毎年テーマがいくつか設定されます。時代の流れに合わせたホットな話題がテーマになるので、世界中の組織が「人材育成についてどのように考えているのか」というトレンドが分かります。

                       【カンファレンスのテーマと主なセッション内容】

20120705_astd_5                     

今年、新たに追加されたテーマは、「キャリア開発」、「グローバル人材開発」、「セールス・エネーブルメント(セールスの有効化)」の3つでした。
2008年のリーマンショックが契機となり、経営状態が厳しくなっている現在、組織が人材育成に対しても、収益性を重視し、「目に見える形での成果」を求めるようになっています。
そのため、より現場に近く、成果に結び付きやすい話題が大きな注目を浴びていました。

<日本とは違う、インタラクティブなセッションの進め方>

さまざまなセッションに参加して、日本との違いを感じたのは、その進め方です。
日本の講演会や研修では、講演者が話し、受講者が聞く、という一方通行な講義スタイルがほとんどです。
質疑応答も、「受講者が講演者に質問をして教えてもらうもの」という位置づけで、「話す人と聞く人が分離している」という感覚です。

一方、今回のセッションは、いずれもインタラクティブでした。受講者というよりも参加者、「聞いている」ではなく、「参加している」という感覚で、講演者と受講者に一体感がありました。

たとえば、講演者が会場に質問を投げかければ、まるで小学生の教室のように、たくさんの手が挙がります。

また、1つのセッションの最中に、数回、隣の人とディスカッションをする時間が設けられています。
必然的に、隣に座った人とディスカッションをしないといけない状況になりました。
与えられたテーマでのディスカッションだけでなく、自己紹介をし、講演内容について気になったことを話しているうちに、人材育成に関するいろいろなことに話題が広がっていくことを実感しました。

講演者の話を、ただ聞いているだけだと忘れてしまうようなこともありますが、他の人と話すと理解が深まり、このような進行方法が効果的であることを、身をもって体験しました。

質疑応答も、質問者は、「自分は、こう思う。みなさんは、どうか?」と、会場全体に問いかけ、会場全体を巻き込んでのディスカッションが始まります。
受講者は、講演者から単に情報を受け取るだけの存在ではなく、講演者とともにその場を作り上げていく参加者という位置づけです。
また、参加者自身もその場をエンジョイする感覚を持っていることを感じました。

<必死で解を求める人たち。世界の人材育成は熱い! >

ディスカッションは、セッション会場の中だけでなく、セッション終了後も続きます。
「同じセッションに参加していた」という共通項を持つ、初対面の人たちが、ロビーのあちこちに集まり、質疑応答の続きや、講演内容について、ディスカッションをしていました。
そこには、惰性的に「ただセッションに参加すれば良い」と考えている人はほとんどいませんでした。

参加者からは、自分のビジネスにおける悩みを解決するためのヒントをつかんで帰りたい、という意気込みを感じました。
参加者の問題意識の大きさ、ビジネスへの解を求める必死な思いを目の当たりにするにつれ、彼らの人材育成に対する誇りや緊迫感のようなものが伝わってきました。

自社の状況を振り返り、「我々は彼らと同じくらい熱い気持ちを抱えているだろうか?」と自問し、気持ちの引き締まるような思いを抱きました。

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■本シリーズは毎週木曜日更新です(2回目は、7月12日)。
次回は、ASTDカンファレンスから、当社が注目したトピックについてお話しします。
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