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社会人修士体験記記事一覧

こんにちは!富士通ラーニングメディアの千葉です。
会社に通いながら熊本大学の大学院(修士課程)で学び、3月に修了しました。

今月は、この2年間の私のチャレンジから得られた気づきについてお話ししています。

私の研究のテーマは、「講師力の定義・構造化の有用性の検証」です。最終回の今日は、研究の成果を中心にお話しします。

<研究の成果物「講師力の定義」が完成!>

2年間の研究成果の一部として、「講師力の定義」についてご紹介します。
講師力の定義は、以下のプロセスで行いました。

1)当社コースの受講者に、受講後に書いていただいたアンケートを分析(直近2年間で、約20万件)。
2)特に評価の低かったアンケートを抽出(約200件)。
3)クレームの内容を分類・分析し、どのようなクレームがどれくらい多いのかを解析。
4)先行事例や他の研究成果と、当社の講師力を照合し、相違・相似を分析。
5)どのような対策をすれば、「3」で分類・分析したクレームが解決できるのか、「4」の照合結果を元に検討。
6)外部有識者(大学教員・他の教育ベンダー社員)や当社現場社員による評価を受け、構成・内容をブラッシュアップ。

受講者アンケートは今まで、各コースの内容や担当講師の改善に役立ててきましたが、すべてのコースに対し、上記のようなプロセスで講師力を再検討したのは初めての試みでした。
この過程で、今まで当社として定義していた「講師力」には入っていないが、定義として加えたり、ブラッシュアップしたりすることを検討すべき項目も浮かび上がってきました。この点については、今後、現場で検討を重ねていきたいと考えています。

20120830__3                  ※クリックすると拡大表示します

今回の研究成果の詳細は、先週開催された教育システム情報学会で発表しました。
論文にもまとめてあり、公開可能ですので、ご興味がある方はぜひ、コメント・メッセージなどでご一報ください

<「個人的な3つの課題」についての振り返り>

このシリーズの1回目で、個人的に克服したい課題を3つ設定した、とお話ししました。これらについては、以下のような成果を実感しています。

●軸を見つける
自分の軸と思えるものがなく、自信がもてない。軸を見つけるきっかけにしよう!
 ↓
『私は、教育の専門家です』と自信をもって言えるようになった。これからは、明確な目的もないのに資格を取得していた、入社3~6年目のころのような迷走はしない!

●人脈を作る
何か新しいことを始めるためのコネクションがない。人脈を作りたい!
 ↓
新しいことを始めるための人的なつながりができた。特に同期として学んだ人たちや、お世話になった先生方とのつながりは大きな財産になった。
何か目標ができたときに、誰を頼りにしたらよいかの方向性が見定めやすくなった!

●プレゼンテーション力を身に付ける
プレゼンテーションに対する苦手意識が強い。これを機に克服しよう!
 ↓
プレゼンテーションは相変わらず苦手。「完全に克服!」とまではいかなかったが、何が苦手で、どうしたらよいかが見えるようになったので、今後もチャレンジする!

最後に、研究の成果以外で、みなさんにぜひお伝えしたいことを1つご紹介して、今回のシリーズを終わりたいと思います。

<「考える」とは? ~ 私は、考えているつもりだったのに>

私は指導教員から、「考えろ」ということをよく言われました。自分としては考え抜いた結果をレポートにまとめているつもりなのに、『もっと考えろ!』と言われるのですから、どうしたらよいのか分からなくなったことがあります。
これに対しさらに次のようなアドバイスを受けました。

そのアドバイスとは、『10分間真剣に考えて答えが出ないことは、いくら考えても答えは出ない。そのようなときは、自分1人で考えるのではなく、他者の話を聞くことだ』でした。

さらに、「人の話を聞く」にも方法論があり、特定の人だけでなく、多様なコミュニティに所属している人に聞くのがコツだということも教わりました。

そして、大学院の研究テーマについては、「大学院の講師陣」「大学院の同期」「職場の上司」という3つのコミュニティに所属する、複数の人の意見を聞いてくるように、と言われました。

教員からのアドバイスは、自分とは違う視点から意見をいただけるという点において、とても有効でした。
この経験から、私は今、10分間考えても結論が出ないことについては、同僚、上司、社外の友人、家族などさまざまな人に意見を聞くようにしています。

以前は、異なる業界で働く友人や家族に話しても理解してもらえないだろうと思っていました。しかし、実際はそのようなことはなく、具体的な課題は違っても、根っこのところは共通の課題を抱えていることに気がつくこともありました。
今では、話すことが双方の課題解決の第一歩になることを実感しています。

この2年間の経験を通して、私は「チャレンジすること」や「会社の外に出てみること」の大切さを学びました。

ごく普通の一会社員の私が、会社という枠の外に飛び出しチャレンジしたことで、自分のライフワークともいえる軸が見つかりました。大きな人脈を得ることもできました。仕事へ取り組み方が変わったことも実感しています。

私のこの経験をお読みいただいたことがきっかけで、何かにチャレンジしてみよう、会社の外に出てみよう、と思っていただけましたら幸いです。

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■本シリーズは今回で終了です。お読みいただき、どうもありがとうございました。
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Chiba こんにちは!富士通ラーニングメディアの千葉です。

会社に通いながら熊本大学の大学院(修士課程)で学び、3月に修了しました。
今月は、この2年間の私のチャレンジから得られた気づきについてお話ししています。

私の研究テーマは、「講師力の定義・構造化の有用性の検証」です。
今日はこのテーマに取り組んだ2年間の大学院生活における、3つの発見についてお話しします。

<1:成果よりも、チャレンジが大事>

「大学院に行く」と最初に決心したときは、「本当に私にやり遂げることができるのだろうか」「会社から期待されているような研究成果が出せなかったら、どうしよう」などの不安を抱いていましたが、今はチャレンジをしてよかったと思っています。

2年間で得られた成功体験もたくさんありましたが、それ以上に失敗も経験しました。
しかし、対外的には失敗に見えることであっても、チャレンジしたことで得られる気づきがたくさんあり、私自身大きな影響を受けました。

たとえば、授業の一環として、熊本大学の講座をeラーニング化する、というプロジェクトに1年間取り組んだときのことです。
講座担当の講師と意志疎通がうまくできなかったことから、エンドユーザーの思いや課題認識を適切にくみ取ることができず、結果としては成功とは言い難いプロジェクトとなってしまいました。

しかし、Web会議やeラーニングだけでつながっている遠隔地にいる人と、ものを作り上げる難しさを体験したことは、実業務のみではなかなかできない非常に貴重な学びとなりました。
加えて、その後、私が担当するお客様に遠隔学習ソリューションの提案を行った際、この経験を大いに生かすことができました

<2:個人の軸と、会社の軸が接するところで貢献したい>

私のチャレンジを応援してくれている社内関係者から、「大学院に行っているのだから」とか、「インストラクショナル・デザインやeラーニングのことを勉強しているのなら」といった理由で、社内の新規企画やサービス改善などのワーキング・グループ(WG)への誘いが増えました。

WGは、原則は誰でも参加できるものです。私は、以前から積極的に参加するように心がけ、声をかけられたWGすべてに参加していました。

しかし今は、「このWGは、私の得意分野が生かせるか?」「私が提供できるものはあるだろうか?」と考え、私が提供できるものがあるWGには参加する、そうでないWGはお断りする、というスタンスを明確に出せるようになりました。

このように変わることができたのは、大学院の研究を通して、『私の軸は「教育」である』と認識できるようになったからだと思います。
「WGは会社の目標達成のために存在する。しかし、そのすべてに自分がかかわる必要性や必然性は必ずしもない。
一個人として自分の成長も楽しみ、会社の成長に真の意味で貢献できる人材になるためには、会社の軸とは別に、自分の軸をもつことが大事。
そのうえで、会社の軸と個人の軸が接するところを探し、その部分を全力で頑張るというスタイルが、会社も自分もハッピーになれるのではないか」と考えるようになったのです。

もしも今、「自分の軸が決まっていない」と感じている方がいらしたら、まずは、いろいろなことにチャレンジすることをおすすめします。
最初はうまくいかないかもしれませんが、チャレンジをし続けていると自然に経験知が積み重なり、いずれ自分にぴったり合う「軸」が見つかってくると思います。

第1回でお伝えしたとおり、私も最初から確固とした軸があったわけではありません。
さまざまなWGに参加し、大学院にチャレンジしたことで、やっと見つけることができたのです。

           〈合宿中に行われた、研究経過などの発表会>

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<3:積極的に声をかけて、外の人とつながろう!>

「つながり」がつながりを生む―――これも、2年間の研究生活を通じて強く感じたことです。

たとえば、知りたいことややりたいことがあるとき、1つの手段としてまずは近しいテーマの勉強会や研究会、学会などのコミュニティに飛び込んでみるということが挙げられます。

私自身も、このようなコミュニティに何度か参加し、名刺交換がてらの雑談や、会話・議論を交わす中で、興味関心の似通った人や、自分の知りたいことを研究している人と直接つながることができました。

また、それらの場での発表を聞いた後、発表者に声をかけて質問してみることで、新たな出会いにつながることも多々ありました。

特に、発表者に声をかけることは、最初はものすごく勇気が必要でした。
「断られたらどうしよう」「素人っぽい質問をしてしまうのではないか」「迷惑にならないか」などさまざまな思いが頭を駆け巡り、躊躇したものです。

しかしそれを繰り返すうちに、「発表者に時間があれば基本的には話を聞いてもらえるし、興味関心や両者の置かれた状況がうまく合えば新しいつながりができることもある。確かなのは、声をかけないと何も始まらないということだ」と考えるようになり、今では積極的に声をかけることができるようになりました。

このように勇気をもって新しい世界に飛び込んでいくことによって、私は、社内外問わず、さまざまな人に積極的に声をかけることができるようになりました。これは現在の私の大きな強みになっています。

★次回は、研究成果とまとめをお届けします。

■就学当時に発信していたブログ『熊大通信』をもぜひご覧ください。
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熊本大での学習の様子やその成果について、同時期に就学していた佐藤と交代で書きました。ぜひご覧ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/blog/column/cat38/cat43/
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■本シリーズは毎週木曜日更新です(4回目は、8月30日)。
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こんにちは!富士通ラーニングメディアの千葉です。

今月は、私が会社に通いながら熊本大学大学院(修士課程)で学んだことによる、2年間のチャレンジから得た気づきについてお話ししています。

今日は、私の大学での研究テーマを「講師力の定義・構造化の有用性の検証」に決め、実際に研究を始めるまでの間に考えたことを中心にお話しします。

<研究には、ビジネスのヒントがたくさんある>

誤解を恐れずに言うなら、私はもともと、「研究はあくまでも特定の領域を掘り下げて追及するものであって、ビジネスとはあまり直結しない」ととらえていました。
ところが、実際に研究に携わるようになり、「研究内容は、自分や会社のビジネスに十分活用できる」、と思うようになりました。

たとえば、「講師力を定義する」という私の研究テーマを設定したきっかけは、あるお客様から「講師品質に関するクレーム」をいただいたことでした。
そして「そもそも、なぜそのようなクレームをいただいたのか」を考え抜くことからスタートしたのです。

-----------------------------
「講師品質に関するクレームをいただいた」
⇒「なぜ、クレームになったのだろうか?」
⇒「講師のスキル・経験が、お客様のニーズと不一致だった」
⇒「なぜ、不一致だったのだろうか?」
⇒「社内における講師力の定義に、ぬけ・モレや、整理されていないことがある」
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このように、ビジネスの現場における出来事について、原因をどんどん掘り下げ、特定できた深層課題について研究を行うのです。

私は今、ビジネスパーソンが大学などの研究成果に注目することは、ビジネスにおいて大きなメリットをもたらすのではないかと感じています。

理由は、研究成果や理論を自身のビジネスに用いることによって、裏付けのある業務が展開できるからです。
実際、私はお客様に対する提案に研究成果や理論を活用したことで、スムーズに採用していただいた経験もあります。

<「講師力って何だろう?」を3つの軸で分解する>

さて、「講師力を定義する」という研究テーマが決まり、次に行ったことは、研究テーマをXYZの3つの軸に分解して、1つ1つ吟味することです。

私の場合は、目的となるZ(何のために)が、「講師品質に起因するトラブルという問題の削減・軽減」です。
その目的のために、Y(具体的にどのような手段で)とX(何をするのか)を決めていくのです。

20120809_xyg_2                                ※クリックすると拡大表示します

XやYを変更するたびに、毎回、その変更はZという目的に合致しているかを検討します。
場合によっては、「本来の目的であるZ自体を変えたほうがよいのではないか?」ということも検討しました。

検討は、半年間にわたる講座『職場課題研究』の全15回の講義中に行いました。そ
して、最終的に、研究の進め方の方針を1枚のシートにまとめたのですが、このシートは半年の間に20回以上見直しました。

この経験をしたことで、業務に取り組む上で、「なぜ、この業務をするのか?」「その目的のために最適な手段は何か?」といったことを立ち止まって考えることができるようになりました

<万能薬や特効薬はない>

研究に対する私の誤解の1つに、研究成果を実践に活かせば、すべての課題が解決できる、つまり、「研究成果は万能薬で特効薬になる」というものがありました。

具体的には、講師が原因のトラブルを分類し、1つ1つのトラブルに対し解決する手法を学ぶ教材さえ作れば、世の中にある講習会に関するすべてのトラブルを解決できる、と信じていたのです。

研究テーマを決める議論をしていたときに、この話を指導教員にしたところ、「そんなものは、ない」と一蹴されました。
でも、私は教員の言葉に納得できず、「実際にやってみないと分からないではないか」と思い、自分が考えた方法を実践してみました。
しかし私が思い描いたような、すべてを解決する方法は見つかりませんでした。

また、ある一定レベルの解決策を作ることができたとしても、それはある状況においては最適でも、別な状況においては一例にすぎず、そのまま流用できる特効薬、万能薬にはならない、ということにも気づきました。20120809__2

<ビジネスのヒントを求めて、学会に行ってみよう!>

「大学院で学ぶ」、という経験を経て、これから私は、ビジネスのヒントを得るために、大学などの研究成果に積極的に触れていきたいと思っています。

とはいえ、一般的に会社員が研究に触れるのはなかなか大変な作業です。
論文データベースというものがあるので、検索すれば、知りたい情報にたどり着くことはできます。
でも、検索して見つかった論文を1つ1つ吟味する作業はかなりの時間と根気が必要となるでしょう。

そこで、積極的に活用しようと思っているのが、学会です。

学会というと、以前の私は、大学の研究者の集まりで、一般の会社員が参加するには敷居が高いと思っていました。
しかし実際は、専門知識がないと難しい講演だけでなく、大学3~4年生でも理解できる基礎的なテーマを扱った講演も相当数あります。

その中から、自分の理解できる講演を選べばよい、ということが分かりました。
そして、基調講演を聴くだけでも業界のトレンドなどが分かるので、得られるものは多いことに気づきました。

みなさんも、学会に足を運んだことのない方がいらしたら、ご興味のある分野の学会の全国大会に、ぜひ一度参加してみてください。

ちなみに、教育関連の学会の中で、私の個人的なおすすめは、「教育システム情報学会」「日本教育工学会」です。

直近では、8月22日~24日に、教育システム情報学会が千葉工業大学で開催されます。
この道の権威の先生方が一堂に会す貴重な機会です。

基調講演やシンポジウムを聴いて、業界のトレンドやビジネスのヒントを見つけてみませんか

私も8月23日9:00-10:20のセッションにて発表します。
会場で私を見つけていただきましたら、ぜひ、お声をかけてください!

★次回も研究活動を通した気づきをお届けします。

■就学当時に発信していたブログ『熊大通信』をもぜひご覧ください。
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熊本大での学習の様子やその成果について、同時期に就学していた佐藤と交代で書きました。ぜひご覧ください。
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こんにちは!富士通ラーニングメディアの千葉です。
入社8年目で、30歳になったばかりです。入社後2年ほどはJava関連コースの講師を担当し、現在はソリューション部門にて、お客様に人材育成ソリューションをご提案するなどの業務を担当しています。

Chiba_2 2010年4月より、会社に通いながら熊本大学の大学院(修士課程)で学び、今年の3月に無事修了しました。
この2年間は、私にとってチャレンジの連続でした。今月は、その体験の中から得た気づきについてお話しします。

「仕事を続けながら、修士課程に挑戦することは、容易にできることではない」と思っている方も多いと思います(私も、挑戦する前はそう思っていました)。
実際に経験をしてみた結果、確かに楽ではありませんでしたが、大変さの何倍も得るものがありました。
そして、「難しい(と思われる)ことへのチャレンジは素晴らしい」と思うようになったのです。

私の経験をお話しすることで、私と同世代の方たちや、今まさに「何かにチャレンジしよう」と思っている方の背中を押すことにつながれば幸いです。

<私の経歴:迷走した、入社3~6年目>

私は、大学では情報学部で教育工学を専攻していましたので、教育に関しては、ある一定以上の勉強をしてきた、という自覚をもっていました。
またJavaの講師を担当していたことから、ITについても相応の自信をもっていました。
一方で、「一生の仕事にしたいもの」をもっていないことも自覚しており、何を自分の軸にしたらよいのか迷っていました。

そのときに思いついたのが、資格取得です。
入社後3~6年目の頃は、少し難しい情報処理系の資格を取得したり、簿記にチャレンジしたりしました。
情報処理系の資格も簿記も、自分の軸を見つけるヒントになるのではないか、という思いで取り組んでいました。
当時を振り返ると、明確な目的のない資格取得で、「迷走していたなあ」と感じます。

でも、迷走をしたからこそ、「何でも無難にこなせる千葉」ではなく、「このテーマなら千葉」と言われるようなスペシャリストになりたい、考えるようになれたのだと思います。

<平凡な私が大学院へ。「考える」より「行動」を選ぶ>

そのようなときに、当社の社長から『熊本大学で学んでみないか』と声をかけてもらいました。当社には、語学修得のための海外研修や、他の企業で働くことができるインターンシップ制度などがあり、熊本大学修士課程への派遣も定期的に実施していました。

大学院というと、「ある分野に特化した知識や技能をもった人」が行くところであり、私のような平々凡々とした人間には無関係な世界だと思っていたので、最初は躊躇しました。

しかし、明確な目的がなく、資格取得に取り組み、悶々としていたのも事実。
いろいろ考えていても仕方ありません。せっかく声をかけてもらったのですから、飛び込んでみることにしたのです。

<同期は、ライバル会社の社員、会社経営者、看護師・・・>

在籍したのは熊本大学大学院 社会文化科学研究科 教授システム学専攻で、社会人を対象としたコースです。
同期には、私のように研修サービスを提供する会社に勤めている人もいました。
また、会社経営者、企業の人事担当者、医療機関の指導的立場で仕事をしている看護師もいました。

主な授業は、eラーニングで進みます。
修士課程の2年間で熊本に行ったのは、入学式、修了式、夏と冬に開催される1泊2日の合宿と、ほかに数日程度。合宿は、研究経過や半期に勉強したことの集大成として発表をする場になっていました。
日常的には、周囲の理解のもと業務を軽減してもらいながら、出勤前、退社後、休日などの時間をやりくりして週平均10時間前後を勉強・研究に充てました。

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この専攻は、学ぶテーマもeラーニング、学ぶ手段もeラーニングです。
「eラーニングについて学ぶのだから、さまざまな種類のeラーニングを体験しよう」という趣旨で、多様なeラーニング教材が用意されていました。
たとえば、紙芝居形式の簡単なもの、動画を見るもの、専門書を読んでみんなでディスカッションをするSNS形式のものなどです。
また、熊本大学で開講している科目をeラーニング化する、という実践的な授業もありました。

<個人的に設定した、3つの課題>

私は、熊本大学に行くと決めたときに、個人的に克服したい課題を3つ設定しました。
●軸を見つける
 自分の軸と思えるものがなく、自信がもてない。軸を見つけるきっかけにしよう!
●人脈を作る
 何か新しいことを始めるためのコネクションがない。人脈を作りたい!
●プレゼンテーション力を身に付ける
 プレゼンテーションに対する苦手意識が強い。これを機に克服しよう!

このような課題は、私と同年代の人なら誰しも抱えているのではないかと思います。
次回からは、私がこのような課題に対して、どのような成果を得たのかをお話ししていきます。

★次回は、研究のテーマを決め、実際に研究をするまでの間で考えたことをお話しします。

■別ブログ『熊大通信』もぜひご覧ください。
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熊大での学習の様子やその成果について、就学当時に
発信していたブログです。ぜひご覧ください。
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■本シリーズは毎週木曜日更新です(2回目は、8月9日)。
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「熊大通信」は、2010年8月~10月に掲載した記事を、再度お届けするものです。

こんにちは、佐藤です。

気づけばもう10月も終わりが見えてきてしまいましたね。
やりたい事を整理しておかないと、あっという間に12月が来て、師走を忙しなく過ごしているうちに2010年が終わってしまいそうです。
秋の日は釣瓶落としといいますし、最近はかなり夜も寒いですから、体調に気をつけて貴重な時間を大事に使っていきたいですね。

さて、『熊大通信』は今回で11回目です。
前回(第10回)の最後にもお伝えしましたが、千葉・佐藤の教授システム学専攻後学期が始まったこともあり、今回が区切りの回となります。

そこで、今回は今までお伝えしてきた『熊大通信』 の内容をまとめつつ、千葉・佐藤の今後の予定などをお伝えしようと思います。
今回初めて『熊大通信』を読まれる方や、まだ読んだことが無い回がある方は、今回のまとめを見て興味を持った回を覗いていただければ幸いです。

【千葉と佐藤の視点の違い】

前回までで10回刊行してきた『熊大通信』ですが、執筆を担当しているのがソリューション営業職(千葉)と、企画・マーケティング職(佐藤)という異なる立場の二人ということもあり、それぞれ別々の視点で本ブログを執筆してきました。千葉

 ■千葉の担当分について

 ◇視点

  • 企業の人事・教育担当者様の日常業務における課題や問題意識を解決する

 ◇エントリ

エントリタイトルエントリ概要
熊大のシステム ~eラーニング大学院ならではの学習の仕組み~ eラーニングの成功事例として、熊本大学大学院教授システム学専攻の仕組みを紹介
御社のeラーニング、効果的に使えてますか? どのようにeラーニングを活用すると上手く行くか、eラーニングの失敗事例から学ぶもの/成功するために欠かせないものを紹介
どうしたらみんながeラーニングを活用してくれると思いますか? eラーニング活用推進のため、関係者の役割分担を明確にする際の参考情報として『eラーニングプロフェッショナル』の体系を紹介
どうしたらみんなが自発的に学習してくれると思いますか? 自発的な学習を促すためのヒントとして、『成人学習学』の考え方を紹介。
eラーニング最新動向 ~eラーニングの明日はどっちだ!~ eラーニングに求められるユーザーニーズや、最近のeラーニングコンテンツの動向について紹介

このように、eラーニングを主眼に、成功事例/失敗事例の紹介や、ケーススタディ的に職場での悩みを問いかけて解決のヒントになる情報を提供しています。
それに対して、佐藤のエントリでは以下のような特徴があります。

■佐藤の担当分について佐藤

 ◇視点

  • 熊大で学んだID(インストラクショナル・デザイン)の知識について、読者の方が教育の企画や評価を行う際に、現場で使えそうなテクニックや理論を紹介する

 ◇エントリ

エントリタイトルエントリ概要
新カテゴリ「熊大通信」を開始します! 教育を効果的にする方法としてID(インストラクショナル・デザイン)を、ID専門家の養成機関として熊本大学大学院教授システム学の紹介
教育をする意味~期待を整理して改善へとつなげよう~ 教育の目標整理について問題定義し、教育する意味を整理するため、『キャロルの時間モデル』を紹介
インストラクショナル・デザインの実践に向けて~プロセスモデルに基づいた開発体験を通して~ 学習目標達成に向けた教育プロセスの回し方についてADDIEモデルの紹介
学習目標の立て方~5分類を活用しよう~ 学習目標を正しく設定・評価するために、目標の分類や評価の方法を整理するツールとして『ガニエの学習成果の5分類』を紹介
誤った目標設定から脱却する! 学習目標を正しく設定・評価するために、目標のレベル感を整理するツールとして『ブルームの目標分類』を紹介


このように、教育企画(設計も含む)や教育評価を行う際に活用できるIDの理論について、IDについて詳しくない方にも分かりやすくお伝えすることを主眼としています。

それぞれ異なる視点で書かれているため、実はエントリにもそれぞれの視点の色が出ています。

【熊大1年次後期の予定】

後期が始まって1ヶ月ほど経ちましたが、非常にグループワークが多く、多人数でのディスカッションやスケジューリングに四苦八苦しております。
イメージとしては、前期に学んだ理論について、グループでのディスカッションを通してブラッシュアップしながら後期で実践していくという感じです。

千葉・佐藤両名とも、かなり苦労しながら進めていますが、その分色々なことに気づく機会があって充実した毎日です。

今回、2ヶ月あまり続けてきた定期刊行については一旦区切りとさせて頂きますが、この学びをまた皆様にフィードバックできるよう、頑張っていきたいと思います。

今後ともFLMの活動、人材育成最前線ブログにご期待ください。

「熊大通信」は、2010年8月~10月に掲載した記事を、再度お届けするものです。

千葉こんにちは!千葉です。
9月後半のシルバーウィーク、10月10日の体育の日と、連休続きの後はいまひとつ仕事をするペースに戻りきりませんね・・・。
後期からは土曜日の集中講義も始まりますので(eラーニングでの学習や合宿とは別で、何と半期に6日もあります・・・)、今の内に体調を整えて、臨みたいと思います!

さて、今回で『熊大通信』も10回目。
"eラーニング"という言葉自体は1990年頃から使われ出したらしいですが、それから20年経った今、社会人の学びのスタイルや中身自体が大きく変わりつつあります。
そんな中どんなeラーニングが有効だと言われているのか・・・、当社のイチオシコンテンツのご紹介を交えつつ、見て行きたいと思います。

【現代のeラーニングに求められるものとは】

冒頭でも少し触れましたが、"eラーニング"が生まれた1990年頃、当時は「CDROMに入った学習ソフト」や「書籍をPDF化してインターネットに上げたもの」なども"eラーニング"と呼ばれていました。

また、最近まで、或いは今でも多くのコンテンツは、
・パラパラとページをめくっていく「紙芝居型」
・講師がしゃべっている動画が中心の「動画型」
・衛星放送を用いたリアルタイム講義を行う「同期型」
などが主流です。

ではこれらが良くないコンテンツかというとそんな事はなく、これはこれで使い方によってはとても便利です。
例えば、10,000人の社員に法令順守の為の教育をする場合の「紙芝居型」は、学習効果はともかく、低コストで効率よく"全社一斉教育"という目的を達成できますし、
千葉の所属する熊本大学教授システム学専攻で先日行われた遠隔講義は遠隔会議システムを用いた「同期型」でしたが、リアルタイムに東京・熊本・名古屋を繋ぎ、質問がいつでもできる仕組みが確立されており、集合研修と変わりませんでした。

ただ、昨今のユーザーニーズ多様化の波は教育業界にも押し寄せており、上記のような「効率が良い」「集合研修と変わらない」というだけでは、社会人はもう満足できないんです。

例えばどんな新しいニーズがあるかというと、以下のようなものが主ですね。


今後のeラーニング動向

1.  問題解決型になる
知識習得ではなく、パフォーマンスに直結する業務や生活の問題解決が主に。

2.  教科書にない知識が得られる
書籍や教科書など、他のメディアでも得られにくい知識が習得できるように。

3.  コミュニティ・オブ・プラクティス型になる
あるテーマに関する知識や技能を、継続的に交流しながら相互習得する、コミュニティ・オブ・プラクティス(実践的コミュニティ)型になる。

4. ナレッジマネジメントとの融合が進む
 先人の暗黙知を貯め、活用できる仕組みナレッジマネジメントの仕組みが取り入れられる。

5. コンテンツだけでなくコンテキストを学べるようになる
 成果(コンテンツ)から経緯(コンテキスト)重視の学習になる。

6. コラボレーションツール(WikiやBlogなど)が使われるようになる
 Web2.0のコミュニケーション促進ツールが活用されるようになる。

7.  検索エンジンが大きな役割を果たす
 4.で貯めた暗黙知を迅速に探し出す仕組み、検索エンジンが重要視され始める。

8. 管理型学習と非管理型学習にハッキリ分かれる
 人事部や人材開発担当者が進捗管理をする管理型学習と、自主的かつ主体的に学習する非管理型学習に学びが二分される。


※「eラーニング活用ガイド」(日本イーラーニングコンソーシアム)を参考にして作成。

この表からは「実務や生活など即日活用できる」「eラーニングでしか得られないもの(知識・気付き・人間関係など)を」「より効率的に」得たいというニーズが読み取れると思います。

【実際、どんなコンテンツが開発されてるのか】

こういった流れを受け、eラーニングベンダーは新しい学習の仕組みに日々頭を悩ませています。
当社でも幾つか面白いコンテンツを開発していますので、上記を取り入れるとどんなものが出来上がるかの例として、簡単にご紹介したいと思います。

 ■体験型eラーニング ~失敗しながら学ぶプロジェクトマネジメント~

ITプロジェクトのマネージャになって、疑似体験をするコンテンツです。
私も(学生として演習課題で)全編体験しましたが、ストーリーが作り込まれているので、アドベンチャーゲームのような感覚で楽しんで工程体験ができました。
また、自分の行動でプロジェクトが大成功したり、頓挫しかけたりする辺りも面白いですね。

 ■ビジネスメールスキルアップ研修 ~E-mail環境だけで学べる文章力研修~(UAP02D)

 eメール環境だけで学べるビジネスメールのスキルアップコンテンツです。
4,725円(2010/10現在・税込)というお値段もあってか、お客様にもとても好評です。
当社の新人も受講していたのでメールを見せて貰いましたが、「社内イベントの参加呼びかけ」や「業務成果のアピール」といった新人さんにありがちなものから、「お客様へのお詫び」「上司への依頼」などといった業務で即使えるメールを実際作ってみる事ができ、多くの気付きがあるようです。

超上級PMから学ぶ!目からウロコのプロジェクト疑似体験 ~リスク編~(UAP80L)

このコース自体はプロジェクトマネジメント熟練者向けの最上級レベルの集合研修ですが、受講後にWebコミュニティによる情報提供や受講者同士の交流の仕組みが付いています。
こういった仕組みを上手く使っていただくことにより、研修時間内だけで終わらない学習と気付きの機会を作ることができます。


これらはいずれもここ数年で開発したもので、前述の表"今後のeラーニング動向"の要素を少なからず取り入れたコンテンツであることがお読み取り頂けると思います。
こういった新しい学習の仕組みを取り入れたコンテンツで、楽しく、より効率的に実用的な学習をして頂ければ幸いです。
なお、この辺の情報は当社ホームページでも随時発信しておりますので、宜しければちょくちょく覗いてやってくださいませ。

最後に突然ですが、ちょっと悲しいお知らせです。
ご好評を頂き連載しておりました熊大通信ですが、佐藤・千葉の後期日程が開始した事もあり、次回で一旦の区切りとさせて頂くこととなりました。
最終回の11回目では、これまでの総まとめをお送りして、定期刊行の区切りとしたいと思います。
最後までお付き合いの程、宜しくお願い致します♪

「熊大通信」は、2010年8月~10月に掲載した記事を、再度お届けするものです。

佐藤こんにちは、佐藤です。
最近はすっかり秋めいてきて、そろそろ紅葉も見頃を迎えますね。
第8回の熊大通信で教授システム学の夏合宿の様子についてお伝えしましたが、実は合宿直後から後学期が始まっており、参考資料の用意や履修のスケジューリングなど、慌しくしています。

さて、『熊大通信』も今回で9回目です。
が、その前にちょっとおさらいです。
私(佐藤)が第7回の投稿で、ID(インストラクショナル・デザイン)の重要なポイントとなる学習目標の分類方法や評価方法をご紹介いたしましたが覚えていらっしゃいますでしょうか。
(まだ第7回を見てない!という方は、是非第7回と併せてお読みください)

以下のような表で目指すべき学習目標の成果分類を定めることで、学習者が達成したい(または学習者に達成させたい)目標と、教育プログラムの内容との乖離を防ぐことができるというものでした。

表:ガニエの学習成果の5分類

学習成果言語情報知的技能認知的方略運動技能態度
学習の性質 指定されたものを覚える

宣言的知識

再生的学習
規則を未知の事例に適用する力

手続き的知識
自分の学習過程を効果的にする力

学習技能
筋肉を使って体を動かす/コントロールする力 ある物事や状況を選ぼう/避けようとする気持ち
学習成果の分類を示す行為動詞 記述する 区別する

確認する

分類する

例証する

生成する
採用する 実行する 選択する
成果の評価 あらかじめ提示された情報の再認または再生

全項目を対象とするか項目の無作為抽出を行う
未知の例に適用させる:規則自体の再生ではない

課題の全タイプから出題し適用できる範囲を確認する
学習の結果より過程に適用される

学習過程の観察や自己描写レポートなどを用いる
実演させる:やり方の知識と実現する力は違う

リストを活用し正確さ、速さ、スムーズさをチェック
行動の観察または行動意図の表明

場を設定する

一般論でなく個人的な選択行動を扱う

出典:鈴木克明(1995)「放送利用からの授業デザイナー入門」日本放送教育協会 より一部抜粋


【学習成果の5分類には限界がある】

5分類の表は学習者が目指す目標や、既製の教育プログラムが設定している目標を整理して、"どんな"目標を目指すのか、目標の方向性が一致しているかを確認するのに非常に便利なツールです。

実際に試された方はいらっしゃるでしょうか・・・
この学習成果の5分類を用いて企業の現場での学習を整理すると、何かを覚えること(「言語情報」)と何かを知識を応用すること(「知的技能」)が主な学習目標になるかと思います。
お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、何かを覚えることというのは非常にシンプルでブレ難い目標なのですが、知識を応用するという目標は非常に様々なレベルで捉える事ができてしまいます。

例えば、 一つの知識について別の言葉や例で言い換えること と、 実際に教わったシーンとは別のシーンに適用して実践できること では、同じ知識の応用(=知的技能)ですがレベル感に差があります。

このレベル感というのがポイントになります。
学習成果の5分類では"どんな"目標を目指すのかを整理することができますが、"どれくらい"のレベルかについては大雑把にしか整理することができません。
そこで、このレベル感について整理するために使えるもう一つのツールについて紹介します。

 【ブルームの目標分類でレベル感が整理できる】

教育目標のうち、特に頭で覚えたり考えたりする領域について、B・ブルームが以下の表のような6段階にレベル分けして定義できるとしています。

表:ブルームの目標分類

この表のレベルの数値が上がるほど、高度で複雑な技能が必要な目標になるということが確認されています。

上記の表にも書きましたが、レベル1.0に該当するのが学習成果の5分類でいう「言語情報」であり、レベル2.0から6.0までが学習成果の5分類でいう「知的技能」にあたります。
「言語情報」の目標というのはやはりシンプルですが、「知的技能」に該当する「知識」より上のレベルについては、結構細分化されているのがお分かり頂けると思います。

先程の例で考えると、「別の言葉に言い換えること」はレベル2.0の理解にあたり、「別のシーンに適用して実践」はレベル3.0の応用にあたるため、「別のシーンに適用して実践」の方がより複雑な目標であると言えます。

 

【ツールを活用して間違った目標設定から抜けだそう】

今回ご紹介したブルームの目標分類や、第7回でご紹介したガニエの学習成果の5分類を用いれば、より体系的に学習者の目標を整理したり、既製の教育プログラムの目標を評価したりすることが可能になります

例えば、企業の教育担当者は社員の求める教育レベルについて整理し、より社内のニーズ(目標)に一致した教育プログラムの選定が可能になります。

または、OffJT(Off the Job Training)で予めレベル2.0までを学習しておき、OJT(On the Job Training)でレベル3.0を目指すといった切り分けも可能になってくるでしょう。

皆さんが今後、目標の設定について考える際や教育プログラムを評価する際に、このような目標整理のためのツールの情報がお役に立てば幸いです。

 次回は、ちょっと骨休め的なエントリで、eラーニングの最新動向をお伝えします。お楽しみに!

「熊大通信」は、2010年8月~10月に掲載した記事を、再度お届けするものです。

千葉こんにちは!千葉です。
どうも夏休みに羽目を外しすぎたらしく、夏風邪がいつまで経っても治りません...。
今年は夏が長かったからか、結構夏風邪を引きずっておられる方が多いような気がしておりますが、皆様方はいかがでしょうか。

そうそう、夏と言えば先日教授システム学の夏合宿がありまして、激しく楽しい2日間を過ごしてまいりました。
初日は熊本大学にて先輩方の発表を聞いて勉強させて頂き、そのまま南阿蘇の地獄温泉清風荘へ! もちろん、夜は楽しい懇親会♪
2日目は旅館内で発表会。前期の科目で作った教材を披露させて頂きました。
写真は携帯で撮ったものですが、激しく楽しい雰囲気が伝われば嬉しいです。

さて、本題に入りましょう!(合宿を思い出して若干テンションが高めです(笑)
『熊大通信』8回目の今回は、「どうしたらみんなが自発的に学習してくれると思いますか?」と題し、成人学習学の考え方をご紹介していきます。 

【そもそも大人って何で勉強するんでしょうか?】

本稿をお読みの方々は色々なお立場の方がおられますので、教える対象、学習させなければいけない対象もさまざまかと思います。
自社の社員、大学院の学生さん、講習会の受講者など色々ですよね。

それらの方々に「学習してほしい!」という思いは共通だと思いますが、大人ってどういう時に「学習したい!」と感じるんでしょうか。
ご自分は「何故、どういう時に学習していますか?」と聞かれたら何とお答えになりますか?
「業務で使う知識だから」
「少し仕事に余裕ができたから、昔から興味があったテーマを学びたいと思って」
「転職や昇進に役立ててやる!」
など、色々ですね。
でも、「自分の為になる(はず)」「何に役立つか明確」「きっかけはともかく自分でやろうと思って学習している」など、大人の学習ならではの共通点もありそうです。

【大人の学習と子供の学習の違いって何だろう?】

逆に子供の頃って何故勉強していましたか考えてみるとどうでしょう。
「学校の先生が将来どこかで役立つって言うから」
「国数理社英って受験科目があったから、とりあえずそれに沿って勉強してた」
「お母さんに怒られるから...」
など、やはり色々あると思いますが、上でご紹介した大人の学びとは大きな違いがありますね。

それらをまとめたのが下の表です
ペタゴジーは"子供の教育学"、アンドラジーは"大人の教育学"を指しています。

※ 「eラーニングファンダメンタルテキスト」鈴木克明(2004)より転載。

例えば、ペタゴジーのレディネス(学習が成立する為の前提条件)は年齢や授業などによって「高校1年生の進学理系クラスだから数Ⅱ・B!」などというように統一されていますが、アンドゴラジーは社会的役割(仕事や家庭)の問題・課題解決に応じて一律ではありません。

学習意欲もペタゴジーは報酬や罰など他者からの働きかけに左右されがちですが、アンドラゴジーは興味・関心など、自分自身の心の動きによるところが大きいわけです。
大人の学習と子供の学習では、色々な面で違いがあることがお読み取りになれると思います。

【大人の学習を有意義なものにして貰うために】

こういった大人と子供の違いを踏まえ、それぞれの特徴に応じた教育を行うことはとても大事です。

例えば、半年後に受験を控えた受験生が「自分の好きなように勉強すればいいよ!やり方も含め全て君に任せた!」と言われても何から始めて良いか判らないでしょう。
逆に社会人6年目の私(千葉)が、上司に「いつか役に立つと思うから、高校数学のIA・IIB・IIICをイチから勉強し直すといいと思うよ!」と言われても、正直面倒くさいし、やる気が出ません。
考えてみれば、当たり前のことですね。

では、大人が自主的に学習を行うためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。
その為の成人学習学の知見をまとめたのが、下の2つの表です↓。

 

※ ともに「eラーニングファンダメンタルテキスト」鈴木克明(2004)より転載。

いずれもペタゴジーアンドラゴジーの違いを踏まえ、具体的にどうしたら良いかが書かれています。
「これが絶対の正解!」というわけではありませんが、自発的に学習して貰えるコース設計や教育計画のフォロー施策立案にあたり、そのまま使える観点であると思いご紹介いたしました。ご参考になれば幸いです。

 

次回は、学習目標を設計する際に参考となる「学習目標の分類とレベル感の整理方法」についてご紹介する予定です。どうぞお楽しみに。

 

「熊大通信」は、2010年8月~10月に掲載した記事を、再度お届けするものです。

佐藤こんにちは、佐藤です。

つい1週間ほど前までは半袖で過ごしていたのが嘘のように涼しくなってしまいましたね。
暑さ寒さも彼岸までと言いますが、こんなにいきなり気候が変わるとは思ってもいなかっため・・・実は衣替えがまだ終わっていません。
ブログを読んでくださっている皆様は、もう秋・冬の支度を済まされたでしょうか?

さて、『熊大通信』も今回で7回目です。
今回はID(インストラクショナル・デザイン)の中でも重要なポイントの1つである学習目標について、目標の立て方や分類方法、評価方法などをご紹介いたします。
「予定していた研修は一通り問題なく終わったのに、期待していた目標はなぜか達成されない・・・」といった悩みを一度でもお持ちになった方は、必読の内容となっています。

【目標を整理しよう】

『熊大通信』の第3回、第5回でも書いてきましたが、IDで最も重要と言えるのが学習目標を何に定めるのかということです。
代表的なIDプロセスモデルであるADDIEモデルでも、学習対象の分析と目標の設計をプロセスの起点としていました。

この学習目標について、とても分かりやすく体系的にまとめられたものがID研究の第一人者とも言えるR・ガニエによって発表されているのでご紹介します。
学習目標をどのようなものに設定したのか、その目標の分類によって、学習成果がどのように表され、どのように測ればよいか、分類ごとに以下のような表でまとめています。

学習成果言語情報知的技能認知的方略運動技能態度
学習の性質 指定されたものを覚える

宣言的知識

再生的学習
規則を未知の事例に適用する力

手続き的知識
自分の学習過程を効果的にする力

学習技能
筋肉を使って体を動かす/コントロールする力 ある物事や状況を選ぼう/避けようとする気持ち
学習成果の分類を示す行為動詞 記述する 区別する

確認する

分類する

例証する

生成する
採用する 実行する 選択する
成果の評価 あらかじめ提示された情報の再認または再生

全項目を対象とするか項目の無作為抽出を行う
未知の例に適用させる:規則自体の再生ではない

課題の全タイプから出題し適用できる範囲を確認する
学習の結果より過程に適用される

学習過程の観察や自己描写レポートなどを用いる
実演させる:やり方の知識と実現する力は違う

リストを活用し正確さ、速さ、スムーズさをチェック
行動の観察または行動意図の表明

場を設定する

一般論でなく個人的な選択行動を扱う

出典:鈴木克明(1995)「放送利用からの授業デザイナー入門」日本放送教育協会 より一部抜粋

上記のように、学習成果を5つのパターンに分けて整理したものを「ガニエの学習成果の5分類」と呼びます。
少し専門的な用語も含まれていますので、簡単にまとめると、目標を以下のような分類に分けて整理することができるということです。

<目標の種類>
◆言語情報
 特定の情報を覚えることが目標
 覚えたことがそのまま再生(出力)できれば目標は達成

◆知的技能

 何かを覚えるだけでなく、その知識が応用できることが目標
 覚えたルール(例えば公式など)を未知の例に適用することができれば目標は達成

◆認知的方略
 学習を効果的にするための作戦を修得することが目標
 自分が学習を進める際に、効率や効果を向上させる手法が適用できれば目標は達成

◆運動技能
 自分の体の動きをコントロールすることが目標
 自分が思った通り(または学習した通りに)に体を動かすことができれば目標は達成

◆態度
 人が行動する際、その行動を選ぶに至る気持ちを変化させることが目標
 気持ちの変化によって特定の行動を取らせるなど、行動を変えることができれば目標は達成


【目標の分類によって評価方法は異なる

このように、ガニエの学習成果の5分類を用いて教育や研修の目標を整理することで、研修を行う際にどのような目標を設定するべきか、目標が達成されたかをどうやって測定するべきかをまとめることができます。

例えば電話応対の研修において、「率先して電話応対できる」という目標は態度の学習成果と考えることができますが、肝心のテストでの設問が「電話応対における正しい敬語選択しなさい」(敬語というルールの応用なので、知的技能の学習成果)では、態度の学習目標が達成できたかどうかを確認することができません。

また、意外とやってしまいがちな間違いとして、「~~ができるようになる」という目標に対して、研修の中ではできるようになるかまでは確認してないということがあります。
どうでしょう。このような間違いの経験はありませんでしょうか?

ガニエの学習成果の5分類は、目標の立て方や測定方法だけでなく、目標に対してどのようなアプローチで教えていくのがよいのか(=指導方略)や練習とフィードバックの方法についても体系的にまとめられており、学習設計を行う際には非常に強力なツールといえます。
学習成果の分類に対する指導方略などにご興味を持たれた方は、こちらのページに詳しく載っていますのでよろしければご参照ください。

次回は、eLをはじめとした自己管理学習を支援するための足がかりとして、成人学習学の考え方を幾つかご紹介したいと思います。
どうぞお楽しみに!

 

「熊大通信」は、2010年8月~10月に掲載した記事を、再度お届けするものです。

千葉こんにちは!千葉です。
おかげさまで無事、修士課程1年前期の全科目課題提出を終え、つかの間の夏休みを堪能しております。
9/25(土)~26(日)には熊本で教授システム学専攻の合宿があり、その後は後期日程が始まりますので、あと1週間強なのが残念ですが・・。

さて、『熊大通信』6回目の今回は「どうしたらみんながeラーニングを活用してくれると思いますか?」というお題について、ご一緒に考えていただければと思います。


【eラーニングを活用して貰うために必要なこと】

第4回の最後でお話した通り、意外とeラーニングを導入したものの、当初の目的である「研修の効率化」「受講終了率の向上」などを満たすのは簡単ではありません。

どうしたらeラーニングを活用してくれるかを考えるためには、当然「eラーニングを活用して貰うために必要な工夫は何か」を考えなければいけません。
もし、同僚や上司にそう聞かれたらあなたなら何て答えますか?

「進捗を定期的に監視して、進みの遅い受講者のフォローが大事だよね」
「便利なシステムを用意するだけじゃみんな使わないから、サポートデスクが必要かもなあ」
「コンテンツのデキが良いことが一番!いろんなコンテンツがあるとなお良いな...」

などなど、色々思いつかれることはあると思います。
でも、なかなかeラーニング活用に必要なことを網羅するのは難しいですよね・・・。

 
【役割分担と担当者設定が肝!】

また、仮に必要なことを作業項目単位で分け、網羅できたとしても、"誰が"・"何を"・"どれだけ"やるべきなのかを定めるのがまた一苦労です。

一般的な会社組織を想像いただくとイメージが付きやすいと思いますが、部長、課長、担当は、それぞれ役割が大きく違いますよね。
例えば、私は営業担当ですので、普段は各種ご提案や案件の手配などを行っていますが、営業部長は部全体統括と売上・損益の管理、営業課長は各担当のフォローや指導、各種手配・受注の確認と承認、担当の手には余る難しい案件の担当などをしています。

営業担当間でも、業種(製造系・流通系など)や商品区分(研修・ドキュメント・パソコン教室など)で大きく業務が異なっています。
役割分担や担当が決まっていると、自分が取り扱えない仕事(お客様や商品)が出てきてしまう一方、"何をやれば良いのか"・"どれだけやれば良いのか"が明確になり、余計な迷いを持つこと無く、職務を全うし、成果を上げることができるのです。

これは当社営業部門の例ですが、eラーニング導入や運営にも同じ事が言えるでしょう。

【eラーニングプロフェッショナルとは】

そうしたことを考える上で非常に役立つのが、日本イーラーニングコンソシアム(eLC)が認定・運用しているeラーニングプロフェッショナル(eLP)資格制度。
今回は資格制度そのものの話は省きますが、eラーニング活用に必要なことを網羅して、役割分担や担当を定義するときには有効なフレームワークであると思います。

 ※  eLCホームページ「eLP資格制度とは」より引用

 

今回、特に注目頂きたいのは下から二段目の7つの資格です。
これらにの資格については、eラーニング導入から運用までの各フェーズで、それぞれの資格者が何をすべきかが以下のように明確に定義されています。

※  eLCホームページ「eLP資格制度とは」 より引用

上記の表を見れば、 "誰が"・"何を"・"どれだけ"やれば良いかが、一目瞭然ですね!
加えて、結構ベンダに任せられる部分や、分担できる部分があることもお判りになると思います。

また、「各フェーズでやることが書いてあるけど、これだけ読んでも何だか良く判らない」という方は、eLPベーシックのeラーニングコースを受講してみるのも1つの手です。
実は熊本大学大学院教授システム学専攻の講義でも、同等の内容を学びましたが、事例分析を通して広くeラーニングのことが判り、大変勉強になりました。

「みんなにeラーニングを活用してもらう」為の方策をイチから考えるのは骨の折れる作業ですし、役割分担無しに1人で抱え込むには、現実的にかなり重たい話です。
こういったツールを上手く使いながら、効率的にeラーニングの活用促進を進めると良いでしょう。

次回はID(インストラクショナル・デザイン)における学習設計の柱となる学習目標について、目標の立て方と評価方法についてご紹介する予定です。お楽しみに★

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