1. ホーム >
  2. ブログ ~人材育成最前線~ >
  3. 社会人修士体験記記事一覧

社会人修士体験記記事一覧

みなさん、こんにちは!

富士通ラーニングメディア ブログ担当です。

イメージ図

当社では社内の人材育成の取り組みの一つとして、2007年より毎年1~2名の社員を選出し、熊本大学大学院で学ばせています。今回のコラムでは、2011年度から2年間、熊本大学大学院でシナリオ型教材作成支援手法について研究をしていた嶋田に、研究テーマや論文の内容、研究を通して得た気づきなどについて語ってもらいました。

「まずは、嶋田さんの現在の仕事内容について教えてください。」      

嶋田:

eラーニングサービス事業部でeラーニングコンテンツの制作を担当しています。
お客様のニーズを伺いながら制作する受託コンテンツ制作から、当社オリジナルコンテンツの制作まで行っています。

 「嶋田さんの熊本大学大学院での執筆論文のテーマは、「ゴールベースシナリオ(GBS)理論の適応度チェックリストを活用したシナリオ型教材作成支援手法の提案」ですが、どのような内容か簡単に教えてください。」

 嶋田:

eラーニングなどの自己学習教材の学習効果を高めるためには、学習者主体で、かつ能動的な学習を促す教材設計が必要です。これを実現するために有効な教材としてシナリオ型教材というものがあります。

シナリオ型教材とは、ストーリーに沿って学習する形式の教材の1つですが、ストーリーを読むだけで学習する形式の教材とは異なり、学習者はストーリーの中で与えられた使命を果たすために、各シーンで状況判断を迫られます。そしてその判断結果によって後続のストーリーが変化するという特徴があります。学習者は、自分の状況判断によって展開される現実に起こりそうなストーリーを教材の中で疑似体験することで、ストーリーを読むだけの教材よりも高い学習効果を得ることができます。しかしながら、状況判断によって後続のストーリーが変わる形式のシナリオの作成は難しいため、シナリオ型教材の作成は容易ではありません。

GBS理論はシナリオ型教材のシナリオを作成するために有効な理論であり、作成したシナリオ型教材がこの理論に適合しているかどうかを確認するためのチェックリストが先行研究「ゴールベースシナリオ(GBS)理論の適応度チェックリストの開発」(根本・鈴木 2005 日本教育工学会論文誌 29(3), 309-318, 2005)で開発されていましたが、シナリオ型教材の作成そのものを容易にする手法は確立されていないのが現状でした。

そこで本研究では、先行研究で開発されたチェックリストを普段私たちが作成することが多い、いわゆる紙芝居的な教材(非シナリオ型教材)に適用することで、非シナリオ型教材からシナリオ型教材を作成できないかを検討しました。普段作成している教材からであれば、作成の負荷が軽減されるのではないかと考えたからです。本研究では、非シナリオ型教材の素材からシナリオを作成する際に必要になる情報や問題点を明らかにし、シナリオ型教材の作成を容易にする手法を提案しています。

イメージ図

「なぜそのテーマを選んだのでしょうか。」

嶋田:

先ほどお話ししたように、学習効果が高いと言われるシナリオ型教材の制作は難しく、その制作には毎回、多大な時間を要するにもかかわらず、学習効果が担保された効率的な手法が十分に確立されていないという思いがありました。この課題を根本的に解決することは容易ではありませんが、論文のテーマとして取り組むことで、課題の一部でも解決できる手法が提案できればと考えました。

イメージ図

「なぜ熊本大学大学院で専門的に学ぶことを志したのでしょうか」

嶋田:

常日頃から、学習効果の高いコンテンツを制作するためには、個々の画面をきれいに制作するだけでは不十分であり、コンテンツ全体の構成や内容の設計をしっかり行わなければならないという思いがありました。しかし、そのために必要なインストラクショナル・デザインの理論やその実践方法について深く学んだことがなかったため、これらの基本をしっかり学び、お客様を説得できるだけの十分な知識と理論的な裏付けを身に着けたいという思いが次第に強くなりました。

毎年、当社から熊本大学大学院で学ぶ人を見ていて、自分もいつか機会があれば入学してみたいと思っていましたが、なかなかふんぎりがつきませんでした。ですが、当時在学中だった部長が、私の上司になったきっかけで、いろいろお話を伺っていたら、いつの間にか入学していました。(笑)

 「働きながら研究し、論文を書いていくというのは本当に大変だと思います。これが一番苦労したという点があれば教えてください。」

嶋田:

一番苦労したのは、テーマを何にするかということです。

自分のやりたいと思っている漠然としたアイデアを具体的にどのように進めて、どこをゴールにするかを決めるまでに苦労しました。テーマは与えられるものではありませんので、自分が関心がある領域の中から選べばよいのですが、一方で修士論文には時間的な制約もありますので、選んだテーマをどこまで掘り下げて論文としてまとめるかを決める必要があります。テーマは1年次の最後に決めてはみたものの、その時点ではどこまでできるかまったく見当がつかなかったので、研究を進めていく中で、最終的なゴール(落としどころ)を探りました。

「テーマを決めるまでは生みの苦しみだったのですね。そんな苦労を乗り越えて研究をしてきて得たもの、これは良かったと思えたことなどを教えてください。」

 嶋田:

熊本大学大学院で履修したインストラクショナル・デザインをはじめとする科目で学んだ知識をフルに活用して、自分で選んだ研究テーマを掘り下げ、自分なりの考えを論文としてまとめることができたことです。

論文執筆で得られた経験は、お客様にインストラクショナル・デザインについて説明する際の大きな自信になると思います。

また、論文でまとめた内容は、今後の当社のeラーニング制作に活用できればと思っています。

イメージ図

「仕事に研究にと非常に充実された期間を過ごされたようですね。最後にお伺いします。仕事をする際、どのような時にやりがいを感じますか?」

嶋田:

お客様に喜んでいただけたときです。

お客様から依頼されたeラーニングコンテンツが完成したときに、お客様から「期待したとおり(またはそれ以上の)コンテンツができた」とおっしゃっていただけることがありますが、そのときは本当によかったと思います。

研究の成果で、お客様に喜んでもらえる仕事をどんどん達成してほしいものですね。

みなさん、いかがだったでしょうか?

論文は下記サイトからダウンロードいただけますので、ご興味がある方は、ぜひご覧ください。

https://www.fujitsu.com/jp/group/flm/contact/form/paper04-dl.html

----------------------------------------------------------------------------

ご愛読をいただきありがとうございました。

更新は、当社のメールマガジン『KnowledgeWing通信』でお知らせしています。

お見逃しのないように、ぜひ、メールマガジンへご登録ください。

http://www.knowledgewing.com/kw/nurture/mailmag.html

みなさん、こんにちは!
ブログを担当している大貫です。

当社では社内の人材育成の取り組みの一つとして、2007年より毎年1~2名の社員を選出し、熊本大学大学院で学ばせています。
今回のコラムでは、2010年度から2年間、熊本大学大学院(修士課程)で学んだ佐藤に、研究テーマや論文の内容、研究を通して得た気づきなどについて語ってもらいました。

----------------------------------------------------------------------------
佐藤さんの熊本大学大学院での執筆論文のテーマは、「同期型遠隔教育の設計ガイドラインの開発と評価~WebEx(1)を利用した取り組みを例にして~」ですが、どのような内容か簡単に教えてください。

佐藤:イメージ図
企業や社会人向けに実施されている1対多形式の同期型の遠隔教育を取り上げ、
・遠隔教育特有の問題点の解決
・講師の実施準備の負荷軽減
・教育実施に際してのインストラクション品質の一定以上の保持
を目的に、遠隔研修を実施する講師のための、遠隔研修における「べき/べからず」的な情報を集めたガイドラインの開発・評価です。
論文はダウンロードいただけますので、ご興味がある方は、当記事の末尾をご覧ください。


なぜそのテーマを選んだのでしょうか。

佐藤:
現在当社で提供している「サテライト講習会」の前身として、当時はスタジオにいる講師の講義を、インターネットを介してライブでオフィスの自席やご自宅で受講していただく「遠隔研修」をご提供していました。

遠隔研修のサービス開始から半年~1年が経つ頃にサービスについて評価を行ったところ、遠隔地でも受講できる利便性や、授業に集中できる、質問がしやすいといった受講環境に対して、評価いただく声が多く聞かれました。
一方で、講師の実施準備の負荷が高い、実施におけるインストラクション品質が一定ではないのでは、という声もあげられました。
そこで、これらの解決を目的にしたガイドラインがあれば、さらに効率的、効果的な同期型の遠隔研修を実施するのに有効であると考えました。

そこで、ガイドラインに相当する情報を収集しましたが、非同期型に比べ、同期型の遠隔研修の情報が非常に少ないということに気がつきました。
そこで、世の中にないならば、自分たちで同期型の遠隔教育のガイドラインを作成することができれば、お客様への価値となり、他社との差別化に繋がると考え、このテーマを選びました。
しかし、私には教授法や教育設計などについて専門的に学んだ経験が無かったため、eラーニング(遠隔教育)の高度専門職業人の養成をコンセプトにしていた熊本大学大学院で学び、その上でしっかりとしたものを作りたいと考え、大学院入学を決意しました。


当社が提供しているサービス向上のために、より高度な専門知識を身につけるべく、大学院への通学を決めたのですね。
論文執筆などをとおし、遠隔研修のサービス向上のポイントが見えてきたと思いますが、それ以外に得た気づきなどもあれば教えてください。

佐藤:
大きく3点あります。
1点目は教育工学や認知心理学など、教育に関連する新旧の理論について体系的に学ぶ事ができた点です。
学んだことを、研究活動を通して実践することができ、その経験は自分にとって大きな財産になったと感じています。
実際に業務でも様々なシーンで活用できています。
例えば新しいコースカリキュラムや教材を開発する際や既存のコースの評価・改善を行う際に、なぜその様なコース(内容や構成、教授方法)にするのかを勘や経験だけでなく、理論によって説明できるようになりました。
また、実際に設計や開発作業を行う上でも、理論やそれに紐付くメソッドを活用することでスムーズに進めることができるようになったと感じています。

2点目は企業での経験、大学院での学び、そして自分の考えなどを、論文という形で明確にすることができた点です。
私がどういう経験をして、どういう考えを持って、どのような行動を取っているのかというのはなかなか周りから見えづらい部分だと思いますが、論文という明確なアウトプットを提示することで、そういった部分が見えやすくなったのではないかと思います。
その結果として、論文テーマに関連する社内業務や社外活動において、声を掛けて頂ける機会も増えたと感じています。

3点目は論文作成を通じて視点や人の輪を広げることができた点です。
論文作成を通じ、調査段階でヒアリングさせて頂いた方々、ご指導頂いた教授方、研究の中間発表や論文審査会発表にお越し頂いた方々からご意見を頂く貴重な機会を得ることができました。
また、そこで知り合った方との親交を通じて新たな発見や人との繋がりを得ることができました。本当に貴重な機会を頂いたと思います。


会社で通常業務を行いながら大学院で学ぶのは大変だったと思いますが、一番苦労した点はどのようなことでしょうか?

佐藤:イメージ図
主体性を持って、自分の意志を持ってやり抜かなくてはいけない点が一番苦労したところです。
大学院通学は業務ではないので誰も背中を押してはくれませんし、時間の確保やマイルストーンの設定、タスクの消化は自分の意志で進めていかなくてはいけません。
どうしても直近のタスクや仕事を優先してしまい、研究に手が回らずに進捗に遅れが...ということも何度か(というか最後まで)ありました。

確かに、仕事との両立は大変だったと思います。強い意思と体力がないと、やり遂げることは難しいですよね。
今後挑戦してみたい研究テーマなどはありますか?

佐藤:
やりたいこと、興味があることは沢山あります。(笑)
その中でも、「教育効果を高めるためのICT活用」や「教育評価や学習者評価などの評価情報共有・活用のための仕組みづくり」などに興味があります。
前者は、スマートデバイス活用、ゲーミフィケーション、後者はLMS(2)、SNS、eポートフォリオ(3)などがキーワードとして挙げられます。


まさに、現在話題になっているキーワードですね。このような分野に興味を持っている佐藤さんですが、現在の仕事の内容を教えてください。

佐藤:
熊本大学大学院に通っていた当時は、企画・マーケティング業務を担当していましたが、現在は講師の部隊に所属し、IT講師(主にネットワーク、Webコンテンツのコース)としてコース開発と講習会実施業務を担当しています。
日々、お客様にとって必要な教育とは何か、どうすればより良いサービスを提供できるかを考えながら業務に取り組んでいます。
当社の一番人気コース「ネットワークの基礎(コースコード:UJE39L)」の講師も担当していますので、ご受講をご検討頂ければ幸いです。

ネットワークやWebコンテンツという、非常に人気が高いカテゴリのコースを担当しているのですね。
仕事をする際、どんなときにやりがいを感じていますか?
佐藤:
つきなみですが、お客様の期待に応えるサービスが提供できた時や、新しいことにチャレンジして目標を達成できた時にやりがいを感じます。
また、普段から自分の周りの人に何か良い影響を与えることができれば良いなと思いながら仕事に取り組んでいます。


それでは最後に、みなさんにお伝えしたいことがあれば教えてください。
佐藤:
「学ぶこと」は人にとって生涯のテーマだと思っています。そんな生涯付き合っていくものですから出来る限り楽しくて面白いものにしたいですよね。
そのようなことから、(半分は趣味ですが)企業教育に限定せず、"教育"で活用できそうな(≒なんとなく面白そうな)Webサービス、アプリケーション、ITガジェットを常に探し求めています。
「ちょっと気になるものがあるのだけど調査して!利用方法を考えて!」というものがありましたら是非教えていただきたいです!
----------------------------------------------------------------------------

みなさん、いかがだったでしょうか?
論文は下記サイトからダウンロードいただけますので、ご興味がある方は、ぜひご覧ください。
https://www.fujitsu.com/jp/group/flm/contact/form/paper03-dl.html

熊本大学大学院の在学中には「熊大通信」と題し、企業内の人材育成担当者様をターゲットとして、学んだ専門的な知識を当社ブログでご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/blog/column/cat38/cat43/

(1) WebEx:Cisco社のWeb会議システム
(2) LMS:Learning Management System、学習管理システム
(3) eポートフォリオ:学習者の学習経験およびその結果を身につけた能力などの証拠となる、学習者が作成した一連のデジタル形態の学習成果物
----------------------------------------------------------------------------
ご愛読をいただきありがとうございました。

更新は、当社のメールマガジン『KnowledgeWing通信』でお知らせしています。
お見逃しのないように、ぜひ、メールマガジンへご登録ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/nurture/mailmag.html

みなさん、こんにちは!
富士通ラーニングメディアでアカウント営業を担当している千葉です。
このコラムには、3回目の登場となります。

私は以前、会社に通いながら、熊本大学大学院(修士課程)で学び、修士論文では「講師力」を取り上げました。
昨年、それをブラッシュアップしたものを、「講師力の定義・構造化の有用性の検証~研修事業会社の講師力向上への取組みを例として~」として、教育システム情報学会の全国大会で発表したところ、大会奨励賞を頂戴しました。

これは、一言で言うと、講師に求められる力(講師力)を定義し、より役立つよう、現場での評価、検証を行った研究です。
今回は、この研究テーマについてご紹介します。
自社内で講師や教育企画を担当される方々にもご参考になれば幸いです。

<なぜ「講師力」に注目したのか>

イメージ図

「講師力の定義」を研究テーマに設定したきっかけは、あるお客様から「講師の品質に関するクレーム」を連続していただいてしまったことでした。

クレームの原因は、講師のスキル・経験と、お客様のニーズとの不一致にあったため、当然のことですが、その後は、事前にお客様のニーズをより正確に把握するようにしました。
それと同時に、当社が定義している、講師に求められる力(講師力)にぬけやモレがないか、また、そもそもそれはお客様のニーズを満たすことのできるものなのか...などといったことを、根底から考えることにしました。

当社で講師として登壇するには、長年のノウハウの蓄積から構成された講師手引きを熟読の上、何度もリハーサルを行い、幹部社員のチェックをパスしなければならないシステムになっています。
その際には、当社で作成している「リハーサルチェックシート」を指標として利用しています。

それでもクレームが発生しているということは、まだ改善の余地があるのではないか?と思い、あらためて講師に求められる力を定義し、講師品質を起因とするトラブルを削減・軽減したいと考えました。
研修事業会社が「講師力」について研究発表をした例は、私が調べた範囲では過去に無く、その新規性と有用性が評価され、各方面から多くの反響を頂きました。

<現場に即した研究プロセス>

では、どのように講師力を定義し、より役立つよう評価、検証したのか、研究プロセスを簡単にご説明します。

プロセスは大きく3フェーズに分かれており、それぞれ以下のような取り組みをしました。

イメージ図

I 分析・調査フェーズ

まず、現状どのように講師力が定義されているのかを、既に当社で利用している講師手引きやリハーサルチェックシートから整理しました。
次に、ここ2年間の当社研修アンケート約22万件の中から講師に関係する低評価な事例を抽出し問題点を明らかにしました。
また、
・先行事例としては、国際標準であるibstpiインストラクターコンピテンシー(1)(2)を、
・先行研究としては、同じ研修事業会社の事例を元に研究・開発された、研修当日のチェックに用いる研究観察記録シート(3)
を比較対象として調査しました。

II 設計・開発フェーズ

Iで調査・分析した各種講師指標と当社の講師指標を照合して、相似・相違を明らかにしました。
次に、現在発生している問題の解決に役立つと考えられる講師力要素の追加を行って、「講師力定義リスト」を開発しました。

III 試用・評価フェーズ

開発した「講師力定義リスト」を、インストラクショナル・デザイン(教育が最適な効果をあげるための設計手法)の専門家、現場管理職、現場講師それぞれの観点から評価を頂き、改善を行いました。
また、「講師力定義リスト」の活用方法についても、現場の声を収集して検討しました。


<研究成果「講師力定義リスト」が完成!>

このように、先行事例・先行研究との比較や、現場での評価なども踏まえ、最終的に3階層・16カテゴリ・55要素で構成される「講師力定義リスト」が完成しました。
例えば「演習手順説明を明瞭にできる」など、現実的にはほとんどの場合、講師が意識して対応できているものの、項目としては漏れていた部分などを追加し、妥当性、網羅性を確保しました。
下表は、専門家などの評価をもとに改善した「講師力定義リスト」から、一部を抜粋したものになります。

イメージ図

 
今回は、講師に最低限求められる講師力を定義しました。
今後は、ハイパフォーマーの育成をどうするかという課題や、新しい形式の研修(ファシリテーション型研修、PBL型研修、サテライト講習会、eラーニングとのハイブリッド教育など)についても、それぞれどのようなスキル・経験が講師に求められるのか、調査・研究したいと考えています。

また、研究の中では、このリストの活用方法も検討し、以下のような活用案を考えています。
・現在利用しているリハーサルチェックシートを改善する際の材料として活用する
・講師力定義リストの各項目に紐づくeラーニングを開発し、講師力向上をはかる
・お客様の社内講師育成や外部認定講師育成の際に利用する


今回ご紹介した「講師力定義リスト」が含まれた研究論文は一般にも公開しており、既に自社での人材育成や社内講師育成に利用したい、とのお声も複数社から頂戴しております。
研究論文は下記サイトからダウンロードいただけますので、ご興味がある方は、ぜひご覧ください。
 https://www.fujitsu.com/jp/group/flm/contact/form/paper01-dl.html


<研究プロセスを通して見えてきたもの>

今回の研究は「講師力定義リスト」という成果につながりましたが、それに加え、研究のプロセスを通じて、見えてきたものや得たものが非常に多くありました。
 ・当社の講師力定義がどのようになっているのか現状を整理できた
 ・アンケート結果の解析から、どのような事柄が低評価につながっているのか明らかにできた
 ・「講師力」に関する社内での議論が活性化した
 ・開発した「講師力定義リスト」の活用アイデアを、社内で検討することができた

これらの成果は、今後当社が講習会サービスを、高品質でかつ継続的に提供し続ける上で、非常に重要な知見になり得ると考えています。

 

<全国大会で大会奨励賞受賞!>

イメージ図以上のような研究成果が評価され、教育・IT関連の研究・調査・情報交換を目的とした、国内最大級の団体である、教育システム情報学会の、第37回全国大会(2012年8月開催)にて、大会奨励賞を頂戴しました。

大会奨励賞とは、教育システム情報学と関連分野における学問の発展を奨励するため、その貢献が顕著である新進の研究者に贈呈される賞で、全国大会で発表された全公演の中から3%を目途に授与されます。
今回は私を含め、3名が受賞しました。
このような賞に私が選ばれたのは、自身の研究成果やプレゼンテーションが認められたという意味で大変光栄です。
これは、私だけの努力ではなく、熱心に指導頂いた熊本大学大学院教授システム学専攻の先生方や、研究の評価・改善に協力頂いた方々、営業業務のかたわら研究に取り組むことを支援してくれた職場の仲間(自社のことで恐縮ですが・・・)の支援と協力があってのことと強く感じており、この場を借りてあらためて御礼申し上げたいと思います。
 

<過去のコラムもご覧ください!>

今回は「講師力の定義・構造化の有用性の検証」の研究成果についてご紹介しましたが、大学院の通学中には「熊大通信」と題し、大学院で学んだ専門的な知識を当社コラムとしてご紹介しました。
また、卒業後は「チャレンジの連鎖から世界が広がる(社会人修士体験記)」というテーマで、主に私と同じ立場で頑張る20代~30代の会社員を対象に、通学や研究を通した気づきや、学びをどのように業務と結び付けたかを掲載しました。
よろしければ、ぜひそちらもご覧ください。

  ◇熊大通信
   第1回:「熊大通信」を開始します!
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/08/201008170900.html
   第2回:熊大のシステム ~eラーニング大学院ならではの学習の仕組み~
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/08/201008240900.html
   第3回:教育をする意味~期待を整理して改善へとつなげよう~
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/08/201008311515.html
   第4回:御社のeラーニング、効果的に使えてますか?
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/09/201009071530.html
   第5回:インストラクショナル・デザインの実践に向けて
                    ~プロセスモデルに基づいた開発体験を通して~
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/09/201009150900.html
   第6回:どうしたらみんながeラーニングを活用してくれると思いますか?
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/09/201009211601.html
   第7回:学習目標の立て方~5分類を活用しよう~
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/09/201009281628.html
   第8回:どうしたらみんなが自発的に学習してくれると思いますか?
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/10/201010050900.html 
   第9回:誤った目標設定から脱却する!
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/10/201010120900.html
   第10回:eラーニング最新動向 ~eラーニングの明日はどっちだ!
      http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/10/201010190900.html
   第11回(最終回):熊大通信、いかがでしたでしょうか?
      http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/10/201010260900.html

  ◇チャレンジの連鎖から世界が広がる(社会人修士体験記)
    第1回「軸を見つけたい! ~ 修士課程へのチャレンジ」
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2012/08/201208020640.html
   第2回「「講師力」って何? ~ ビジネスのヒントの探し方」
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2012/08/201208090645.html
   第3回「1人のチャレンジが、組織を変える!?」
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2012/08/201208230645.html
   第4回「効果的・効率的に考えるコツとは?」
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2012/08/201208300640.html

 

-----------------------------------------------------
参考文献

(1) 森田晃子: "自主的な学習を促すID に基づく学習ポータルの設計-MR 教育者が学習する「場」を考える-」",熊本大学人文社会学部教授システム学専攻修士論文(2010)
(2) 松本尚浩: "インストラクターコンピテンシーの医療者教育への応用",医療職の能力開発JJHPD4月号p41-62(2011)
(3) 菊田美里: "企業内教育における対面型研修の形成的評価の質を高める研修観察支援ツールに関する研究",熊本大学人文社会学部教授システム学専攻修士論文(2011)


-----------------------------------------------------
ご愛読をどうもありがとうございました。

更新は、当社のメールマガジン『KnowledgeWing通信』でお知らせしています。
お見逃しのないように、ぜひ、メールマガジンへご登録ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/nurture/mailmag.html

こんにちは!富士通ラーニングメディアの千葉です。
会社に通いながら熊本大学の大学院(修士課程)で学び、3月に修了しました。

今月は、この2年間の私のチャレンジから得られた気づきについてお話ししています。

私の研究のテーマは、「講師力の定義・構造化の有用性の検証」です。最終回の今日は、研究の成果を中心にお話しします。

<研究の成果物「講師力の定義」が完成!>

2年間の研究成果の一部として、「講師力の定義」についてご紹介します。
講師力の定義は、以下のプロセスで行いました。

1)当社コースの受講者に、受講後に書いていただいたアンケートを分析(直近2年間で、約20万件)。
2)特に評価の低かったアンケートを抽出(約200件)。
3)クレームの内容を分類・分析し、どのようなクレームがどれくらい多いのかを解析。
4)先行事例や他の研究成果と、当社の講師力を照合し、相違・相似を分析。
5)どのような対策をすれば、「3」で分類・分析したクレームが解決できるのか、「4」の照合結果を元に検討。
6)外部有識者(大学教員・他の教育ベンダー社員)や当社現場社員による評価を受け、構成・内容をブラッシュアップ。

受講者アンケートは今まで、各コースの内容や担当講師の改善に役立ててきましたが、すべてのコースに対し、上記のようなプロセスで講師力を再検討したのは初めての試みでした。
この過程で、今まで当社として定義していた「講師力」には入っていないが、定義として加えたり、ブラッシュアップしたりすることを検討すべき項目も浮かび上がってきました。この点については、今後、現場で検討を重ねていきたいと考えています。

20120830__3                  ※クリックすると拡大表示します

今回の研究成果の詳細は、先週開催された教育システム情報学会で発表しました。
論文にもまとめてあり、公開可能ですので、ご興味がある方はぜひ、コメント・メッセージなどでご一報ください

<「個人的な3つの課題」についての振り返り>

このシリーズの1回目で、個人的に克服したい課題を3つ設定した、とお話ししました。これらについては、以下のような成果を実感しています。

●軸を見つける
自分の軸と思えるものがなく、自信がもてない。軸を見つけるきっかけにしよう!
 ↓
『私は、教育の専門家です』と自信をもって言えるようになった。これからは、明確な目的もないのに資格を取得していた、入社3~6年目のころのような迷走はしない!

●人脈を作る
何か新しいことを始めるためのコネクションがない。人脈を作りたい!
 ↓
新しいことを始めるための人的なつながりができた。特に同期として学んだ人たちや、お世話になった先生方とのつながりは大きな財産になった。
何か目標ができたときに、誰を頼りにしたらよいかの方向性が見定めやすくなった!

●プレゼンテーション力を身に付ける
プレゼンテーションに対する苦手意識が強い。これを機に克服しよう!
 ↓
プレゼンテーションは相変わらず苦手。「完全に克服!」とまではいかなかったが、何が苦手で、どうしたらよいかが見えるようになったので、今後もチャレンジする!

最後に、研究の成果以外で、みなさんにぜひお伝えしたいことを1つご紹介して、今回のシリーズを終わりたいと思います。

<「考える」とは? ~ 私は、考えているつもりだったのに>

私は指導教員から、「考えろ」ということをよく言われました。自分としては考え抜いた結果をレポートにまとめているつもりなのに、『もっと考えろ!』と言われるのですから、どうしたらよいのか分からなくなったことがあります。
これに対しさらに次のようなアドバイスを受けました。

そのアドバイスとは、『10分間真剣に考えて答えが出ないことは、いくら考えても答えは出ない。そのようなときは、自分1人で考えるのではなく、他者の話を聞くことだ』でした。

さらに、「人の話を聞く」にも方法論があり、特定の人だけでなく、多様なコミュニティに所属している人に聞くのがコツだということも教わりました。

そして、大学院の研究テーマについては、「大学院の講師陣」「大学院の同期」「職場の上司」という3つのコミュニティに所属する、複数の人の意見を聞いてくるように、と言われました。

教員からのアドバイスは、自分とは違う視点から意見をいただけるという点において、とても有効でした。
この経験から、私は今、10分間考えても結論が出ないことについては、同僚、上司、社外の友人、家族などさまざまな人に意見を聞くようにしています。

以前は、異なる業界で働く友人や家族に話しても理解してもらえないだろうと思っていました。しかし、実際はそのようなことはなく、具体的な課題は違っても、根っこのところは共通の課題を抱えていることに気がつくこともありました。
今では、話すことが双方の課題解決の第一歩になることを実感しています。

この2年間の経験を通して、私は「チャレンジすること」や「会社の外に出てみること」の大切さを学びました。

ごく普通の一会社員の私が、会社という枠の外に飛び出しチャレンジしたことで、自分のライフワークともいえる軸が見つかりました。大きな人脈を得ることもできました。仕事へ取り組み方が変わったことも実感しています。

私のこの経験をお読みいただいたことがきっかけで、何かにチャレンジしてみよう、会社の外に出てみよう、と思っていただけましたら幸いです。

20120830__4

■本シリーズは今回で終了です。お読みいただき、どうもありがとうございました。
-------------------------------------------------
更新は、当社のメールマガジン『KnowledgeWing通信』でお知らせしています。
お見逃しのないように、ぜひ、メールマガジンへご登録ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/nurture/mailmag.html
-------------------------------------------------

Chiba こんにちは!富士通ラーニングメディアの千葉です。

会社に通いながら熊本大学の大学院(修士課程)で学び、3月に修了しました。
今月は、この2年間の私のチャレンジから得られた気づきについてお話ししています。

私の研究テーマは、「講師力の定義・構造化の有用性の検証」です。
今日はこのテーマに取り組んだ2年間の大学院生活における、3つの発見についてお話しします。

<1:成果よりも、チャレンジが大事>

「大学院に行く」と最初に決心したときは、「本当に私にやり遂げることができるのだろうか」「会社から期待されているような研究成果が出せなかったら、どうしよう」などの不安を抱いていましたが、今はチャレンジをしてよかったと思っています。

2年間で得られた成功体験もたくさんありましたが、それ以上に失敗も経験しました。
しかし、対外的には失敗に見えることであっても、チャレンジしたことで得られる気づきがたくさんあり、私自身大きな影響を受けました。

たとえば、授業の一環として、熊本大学の講座をeラーニング化する、というプロジェクトに1年間取り組んだときのことです。
講座担当の講師と意志疎通がうまくできなかったことから、エンドユーザーの思いや課題認識を適切にくみ取ることができず、結果としては成功とは言い難いプロジェクトとなってしまいました。

しかし、Web会議やeラーニングだけでつながっている遠隔地にいる人と、ものを作り上げる難しさを体験したことは、実業務のみではなかなかできない非常に貴重な学びとなりました。
加えて、その後、私が担当するお客様に遠隔学習ソリューションの提案を行った際、この経験を大いに生かすことができました

<2:個人の軸と、会社の軸が接するところで貢献したい>

私のチャレンジを応援してくれている社内関係者から、「大学院に行っているのだから」とか、「インストラクショナル・デザインやeラーニングのことを勉強しているのなら」といった理由で、社内の新規企画やサービス改善などのワーキング・グループ(WG)への誘いが増えました。

WGは、原則は誰でも参加できるものです。私は、以前から積極的に参加するように心がけ、声をかけられたWGすべてに参加していました。

しかし今は、「このWGは、私の得意分野が生かせるか?」「私が提供できるものはあるだろうか?」と考え、私が提供できるものがあるWGには参加する、そうでないWGはお断りする、というスタンスを明確に出せるようになりました。

このように変わることができたのは、大学院の研究を通して、『私の軸は「教育」である』と認識できるようになったからだと思います。
「WGは会社の目標達成のために存在する。しかし、そのすべてに自分がかかわる必要性や必然性は必ずしもない。
一個人として自分の成長も楽しみ、会社の成長に真の意味で貢献できる人材になるためには、会社の軸とは別に、自分の軸をもつことが大事。
そのうえで、会社の軸と個人の軸が接するところを探し、その部分を全力で頑張るというスタイルが、会社も自分もハッピーになれるのではないか」と考えるようになったのです。

もしも今、「自分の軸が決まっていない」と感じている方がいらしたら、まずは、いろいろなことにチャレンジすることをおすすめします。
最初はうまくいかないかもしれませんが、チャレンジをし続けていると自然に経験知が積み重なり、いずれ自分にぴったり合う「軸」が見つかってくると思います。

第1回でお伝えしたとおり、私も最初から確固とした軸があったわけではありません。
さまざまなWGに参加し、大学院にチャレンジしたことで、やっと見つけることができたのです。

           〈合宿中に行われた、研究経過などの発表会>

20120823__2

<3:積極的に声をかけて、外の人とつながろう!>

「つながり」がつながりを生む―――これも、2年間の研究生活を通じて強く感じたことです。

たとえば、知りたいことややりたいことがあるとき、1つの手段としてまずは近しいテーマの勉強会や研究会、学会などのコミュニティに飛び込んでみるということが挙げられます。

私自身も、このようなコミュニティに何度か参加し、名刺交換がてらの雑談や、会話・議論を交わす中で、興味関心の似通った人や、自分の知りたいことを研究している人と直接つながることができました。

また、それらの場での発表を聞いた後、発表者に声をかけて質問してみることで、新たな出会いにつながることも多々ありました。

特に、発表者に声をかけることは、最初はものすごく勇気が必要でした。
「断られたらどうしよう」「素人っぽい質問をしてしまうのではないか」「迷惑にならないか」などさまざまな思いが頭を駆け巡り、躊躇したものです。

しかしそれを繰り返すうちに、「発表者に時間があれば基本的には話を聞いてもらえるし、興味関心や両者の置かれた状況がうまく合えば新しいつながりができることもある。確かなのは、声をかけないと何も始まらないということだ」と考えるようになり、今では積極的に声をかけることができるようになりました。

このように勇気をもって新しい世界に飛び込んでいくことによって、私は、社内外問わず、さまざまな人に積極的に声をかけることができるようになりました。これは現在の私の大きな強みになっています。

★次回は、研究成果とまとめをお届けします。

■就学当時に発信していたブログ『熊大通信』をもぜひご覧ください。
-------------------------------------------------
熊本大での学習の様子やその成果について、同時期に就学していた佐藤と交代で書きました。ぜひご覧ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/blog/column/cat38/cat43/
-------------------------------------------------

■本シリーズは毎週木曜日更新です(4回目は、8月30日)。
-------------------------------------------------
更新は、当社のメールマガジン『KnowledgeWing通信』でお知らせしています。
お見逃しのないように、ぜひ、メールマガジンへご登録ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/nurture/mailmag.html
-------------------------------------------------

こんにちは!富士通ラーニングメディアの千葉です。

今月は、私が会社に通いながら熊本大学大学院(修士課程)で学んだことによる、2年間のチャレンジから得た気づきについてお話ししています。

今日は、私の大学での研究テーマを「講師力の定義・構造化の有用性の検証」に決め、実際に研究を始めるまでの間に考えたことを中心にお話しします。

<研究には、ビジネスのヒントがたくさんある>

誤解を恐れずに言うなら、私はもともと、「研究はあくまでも特定の領域を掘り下げて追及するものであって、ビジネスとはあまり直結しない」ととらえていました。
ところが、実際に研究に携わるようになり、「研究内容は、自分や会社のビジネスに十分活用できる」、と思うようになりました。

たとえば、「講師力を定義する」という私の研究テーマを設定したきっかけは、あるお客様から「講師品質に関するクレーム」をいただいたことでした。
そして「そもそも、なぜそのようなクレームをいただいたのか」を考え抜くことからスタートしたのです。

-----------------------------
「講師品質に関するクレームをいただいた」
⇒「なぜ、クレームになったのだろうか?」
⇒「講師のスキル・経験が、お客様のニーズと不一致だった」
⇒「なぜ、不一致だったのだろうか?」
⇒「社内における講師力の定義に、ぬけ・モレや、整理されていないことがある」
-----------------------------

このように、ビジネスの現場における出来事について、原因をどんどん掘り下げ、特定できた深層課題について研究を行うのです。

私は今、ビジネスパーソンが大学などの研究成果に注目することは、ビジネスにおいて大きなメリットをもたらすのではないかと感じています。

理由は、研究成果や理論を自身のビジネスに用いることによって、裏付けのある業務が展開できるからです。
実際、私はお客様に対する提案に研究成果や理論を活用したことで、スムーズに採用していただいた経験もあります。

<「講師力って何だろう?」を3つの軸で分解する>

さて、「講師力を定義する」という研究テーマが決まり、次に行ったことは、研究テーマをXYZの3つの軸に分解して、1つ1つ吟味することです。

私の場合は、目的となるZ(何のために)が、「講師品質に起因するトラブルという問題の削減・軽減」です。
その目的のために、Y(具体的にどのような手段で)とX(何をするのか)を決めていくのです。

20120809_xyg_2                                ※クリックすると拡大表示します

XやYを変更するたびに、毎回、その変更はZという目的に合致しているかを検討します。
場合によっては、「本来の目的であるZ自体を変えたほうがよいのではないか?」ということも検討しました。

検討は、半年間にわたる講座『職場課題研究』の全15回の講義中に行いました。そ
して、最終的に、研究の進め方の方針を1枚のシートにまとめたのですが、このシートは半年の間に20回以上見直しました。

この経験をしたことで、業務に取り組む上で、「なぜ、この業務をするのか?」「その目的のために最適な手段は何か?」といったことを立ち止まって考えることができるようになりました

<万能薬や特効薬はない>

研究に対する私の誤解の1つに、研究成果を実践に活かせば、すべての課題が解決できる、つまり、「研究成果は万能薬で特効薬になる」というものがありました。

具体的には、講師が原因のトラブルを分類し、1つ1つのトラブルに対し解決する手法を学ぶ教材さえ作れば、世の中にある講習会に関するすべてのトラブルを解決できる、と信じていたのです。

研究テーマを決める議論をしていたときに、この話を指導教員にしたところ、「そんなものは、ない」と一蹴されました。
でも、私は教員の言葉に納得できず、「実際にやってみないと分からないではないか」と思い、自分が考えた方法を実践してみました。
しかし私が思い描いたような、すべてを解決する方法は見つかりませんでした。

また、ある一定レベルの解決策を作ることができたとしても、それはある状況においては最適でも、別な状況においては一例にすぎず、そのまま流用できる特効薬、万能薬にはならない、ということにも気づきました。20120809__2

<ビジネスのヒントを求めて、学会に行ってみよう!>

「大学院で学ぶ」、という経験を経て、これから私は、ビジネスのヒントを得るために、大学などの研究成果に積極的に触れていきたいと思っています。

とはいえ、一般的に会社員が研究に触れるのはなかなか大変な作業です。
論文データベースというものがあるので、検索すれば、知りたい情報にたどり着くことはできます。
でも、検索して見つかった論文を1つ1つ吟味する作業はかなりの時間と根気が必要となるでしょう。

そこで、積極的に活用しようと思っているのが、学会です。

学会というと、以前の私は、大学の研究者の集まりで、一般の会社員が参加するには敷居が高いと思っていました。
しかし実際は、専門知識がないと難しい講演だけでなく、大学3~4年生でも理解できる基礎的なテーマを扱った講演も相当数あります。

その中から、自分の理解できる講演を選べばよい、ということが分かりました。
そして、基調講演を聴くだけでも業界のトレンドなどが分かるので、得られるものは多いことに気づきました。

みなさんも、学会に足を運んだことのない方がいらしたら、ご興味のある分野の学会の全国大会に、ぜひ一度参加してみてください。

ちなみに、教育関連の学会の中で、私の個人的なおすすめは、「教育システム情報学会」「日本教育工学会」です。

直近では、8月22日~24日に、教育システム情報学会が千葉工業大学で開催されます。
この道の権威の先生方が一堂に会す貴重な機会です。

基調講演やシンポジウムを聴いて、業界のトレンドやビジネスのヒントを見つけてみませんか

私も8月23日9:00-10:20のセッションにて発表します。
会場で私を見つけていただきましたら、ぜひ、お声をかけてください!

★次回も研究活動を通した気づきをお届けします。

■就学当時に発信していたブログ『熊大通信』をもぜひご覧ください。
-------------------------------------------------
熊本大での学習の様子やその成果について、同時期に就学していた佐藤と交代で書きました。ぜひご覧ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/blog/column/cat38/cat43/
-------------------------------------------------

■本シリーズは毎週木曜日更新です(3回目は、再来週の8月23日)。
-------------------------------------------------
更新は、当社のメールマガジン『KnowledgeWing通信』でお知らせしています。
お見逃しのないように、ぜひ、メールマガジンへご登録ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/nurture/mailmag.html
-------------------------------------------------

 

こんにちは!富士通ラーニングメディアの千葉です。
入社8年目で、30歳になったばかりです。入社後2年ほどはJava関連コースの講師を担当し、現在はソリューション部門にて、お客様に人材育成ソリューションをご提案するなどの業務を担当しています。

Chiba_2 2010年4月より、会社に通いながら熊本大学の大学院(修士課程)で学び、今年の3月に無事修了しました。
この2年間は、私にとってチャレンジの連続でした。今月は、その体験の中から得た気づきについてお話しします。

「仕事を続けながら、修士課程に挑戦することは、容易にできることではない」と思っている方も多いと思います(私も、挑戦する前はそう思っていました)。
実際に経験をしてみた結果、確かに楽ではありませんでしたが、大変さの何倍も得るものがありました。
そして、「難しい(と思われる)ことへのチャレンジは素晴らしい」と思うようになったのです。

私の経験をお話しすることで、私と同世代の方たちや、今まさに「何かにチャレンジしよう」と思っている方の背中を押すことにつながれば幸いです。

<私の経歴:迷走した、入社3~6年目>

私は、大学では情報学部で教育工学を専攻していましたので、教育に関しては、ある一定以上の勉強をしてきた、という自覚をもっていました。
またJavaの講師を担当していたことから、ITについても相応の自信をもっていました。
一方で、「一生の仕事にしたいもの」をもっていないことも自覚しており、何を自分の軸にしたらよいのか迷っていました。

そのときに思いついたのが、資格取得です。
入社後3~6年目の頃は、少し難しい情報処理系の資格を取得したり、簿記にチャレンジしたりしました。
情報処理系の資格も簿記も、自分の軸を見つけるヒントになるのではないか、という思いで取り組んでいました。
当時を振り返ると、明確な目的のない資格取得で、「迷走していたなあ」と感じます。

でも、迷走をしたからこそ、「何でも無難にこなせる千葉」ではなく、「このテーマなら千葉」と言われるようなスペシャリストになりたい、考えるようになれたのだと思います。

<平凡な私が大学院へ。「考える」より「行動」を選ぶ>

そのようなときに、当社の社長から『熊本大学で学んでみないか』と声をかけてもらいました。当社には、語学修得のための海外研修や、他の企業で働くことができるインターンシップ制度などがあり、熊本大学修士課程への派遣も定期的に実施していました。

大学院というと、「ある分野に特化した知識や技能をもった人」が行くところであり、私のような平々凡々とした人間には無関係な世界だと思っていたので、最初は躊躇しました。

しかし、明確な目的がなく、資格取得に取り組み、悶々としていたのも事実。
いろいろ考えていても仕方ありません。せっかく声をかけてもらったのですから、飛び込んでみることにしたのです。

<同期は、ライバル会社の社員、会社経営者、看護師・・・>

在籍したのは熊本大学大学院 社会文化科学研究科 教授システム学専攻で、社会人を対象としたコースです。
同期には、私のように研修サービスを提供する会社に勤めている人もいました。
また、会社経営者、企業の人事担当者、医療機関の指導的立場で仕事をしている看護師もいました。

主な授業は、eラーニングで進みます。
修士課程の2年間で熊本に行ったのは、入学式、修了式、夏と冬に開催される1泊2日の合宿と、ほかに数日程度。合宿は、研究経過や半期に勉強したことの集大成として発表をする場になっていました。
日常的には、周囲の理解のもと業務を軽減してもらいながら、出勤前、退社後、休日などの時間をやりくりして週平均10時間前後を勉強・研究に充てました。

20120802__2

この専攻は、学ぶテーマもeラーニング、学ぶ手段もeラーニングです。
「eラーニングについて学ぶのだから、さまざまな種類のeラーニングを体験しよう」という趣旨で、多様なeラーニング教材が用意されていました。
たとえば、紙芝居形式の簡単なもの、動画を見るもの、専門書を読んでみんなでディスカッションをするSNS形式のものなどです。
また、熊本大学で開講している科目をeラーニング化する、という実践的な授業もありました。

<個人的に設定した、3つの課題>

私は、熊本大学に行くと決めたときに、個人的に克服したい課題を3つ設定しました。
●軸を見つける
 自分の軸と思えるものがなく、自信がもてない。軸を見つけるきっかけにしよう!
●人脈を作る
 何か新しいことを始めるためのコネクションがない。人脈を作りたい!
●プレゼンテーション力を身に付ける
 プレゼンテーションに対する苦手意識が強い。これを機に克服しよう!

このような課題は、私と同年代の人なら誰しも抱えているのではないかと思います。
次回からは、私がこのような課題に対して、どのような成果を得たのかをお話ししていきます。

★次回は、研究のテーマを決め、実際に研究をするまでの間で考えたことをお話しします。

■別ブログ『熊大通信』もぜひご覧ください。
-------------------------------------------------
熊大での学習の様子やその成果について、就学当時に
発信していたブログです。ぜひご覧ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/blog/column/cat38/cat43/
-------------------------------------------------

■本シリーズは毎週木曜日更新です(2回目は、8月9日)。
-------------------------------------------------
更新は、当社のメールマガジン『KnowledgeWing通信』でお知らせしています。
お見逃しのないように、ぜひ、メールマガジンへご登録ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/nurture/mailmag.html
-------------------------------------------------

「熊大通信」は、2010年8月~10月に掲載した記事を、再度お届けするものです。

こんにちは、佐藤です。

気づけばもう10月も終わりが見えてきてしまいましたね。
やりたい事を整理しておかないと、あっという間に12月が来て、師走を忙しなく過ごしているうちに2010年が終わってしまいそうです。
秋の日は釣瓶落としといいますし、最近はかなり夜も寒いですから、体調に気をつけて貴重な時間を大事に使っていきたいですね。

さて、『熊大通信』は今回で11回目です。
前回(第10回)の最後にもお伝えしましたが、千葉・佐藤の教授システム学専攻後学期が始まったこともあり、今回が区切りの回となります。

そこで、今回は今までお伝えしてきた『熊大通信』 の内容をまとめつつ、千葉・佐藤の今後の予定などをお伝えしようと思います。
今回初めて『熊大通信』を読まれる方や、まだ読んだことが無い回がある方は、今回のまとめを見て興味を持った回を覗いていただければ幸いです。

【千葉と佐藤の視点の違い】

前回までで10回刊行してきた『熊大通信』ですが、執筆を担当しているのがソリューション営業職(千葉)と、企画・マーケティング職(佐藤)という異なる立場の二人ということもあり、それぞれ別々の視点で本ブログを執筆してきました。千葉

 ■千葉の担当分について

 ◇視点

  • 企業の人事・教育担当者様の日常業務における課題や問題意識を解決する

 ◇エントリ

エントリタイトルエントリ概要
熊大のシステム ~eラーニング大学院ならではの学習の仕組み~ eラーニングの成功事例として、熊本大学大学院教授システム学専攻の仕組みを紹介
御社のeラーニング、効果的に使えてますか? どのようにeラーニングを活用すると上手く行くか、eラーニングの失敗事例から学ぶもの/成功するために欠かせないものを紹介
どうしたらみんながeラーニングを活用してくれると思いますか? eラーニング活用推進のため、関係者の役割分担を明確にする際の参考情報として『eラーニングプロフェッショナル』の体系を紹介
どうしたらみんなが自発的に学習してくれると思いますか? 自発的な学習を促すためのヒントとして、『成人学習学』の考え方を紹介。
eラーニング最新動向 ~eラーニングの明日はどっちだ!~ eラーニングに求められるユーザーニーズや、最近のeラーニングコンテンツの動向について紹介

このように、eラーニングを主眼に、成功事例/失敗事例の紹介や、ケーススタディ的に職場での悩みを問いかけて解決のヒントになる情報を提供しています。
それに対して、佐藤のエントリでは以下のような特徴があります。

■佐藤の担当分について佐藤

 ◇視点

  • 熊大で学んだID(インストラクショナル・デザイン)の知識について、読者の方が教育の企画や評価を行う際に、現場で使えそうなテクニックや理論を紹介する

 ◇エントリ

エントリタイトルエントリ概要
新カテゴリ「熊大通信」を開始します! 教育を効果的にする方法としてID(インストラクショナル・デザイン)を、ID専門家の養成機関として熊本大学大学院教授システム学の紹介
教育をする意味~期待を整理して改善へとつなげよう~ 教育の目標整理について問題定義し、教育する意味を整理するため、『キャロルの時間モデル』を紹介
インストラクショナル・デザインの実践に向けて~プロセスモデルに基づいた開発体験を通して~ 学習目標達成に向けた教育プロセスの回し方についてADDIEモデルの紹介
学習目標の立て方~5分類を活用しよう~ 学習目標を正しく設定・評価するために、目標の分類や評価の方法を整理するツールとして『ガニエの学習成果の5分類』を紹介
誤った目標設定から脱却する! 学習目標を正しく設定・評価するために、目標のレベル感を整理するツールとして『ブルームの目標分類』を紹介


このように、教育企画(設計も含む)や教育評価を行う際に活用できるIDの理論について、IDについて詳しくない方にも分かりやすくお伝えすることを主眼としています。

それぞれ異なる視点で書かれているため、実はエントリにもそれぞれの視点の色が出ています。

【熊大1年次後期の予定】

後期が始まって1ヶ月ほど経ちましたが、非常にグループワークが多く、多人数でのディスカッションやスケジューリングに四苦八苦しております。
イメージとしては、前期に学んだ理論について、グループでのディスカッションを通してブラッシュアップしながら後期で実践していくという感じです。

千葉・佐藤両名とも、かなり苦労しながら進めていますが、その分色々なことに気づく機会があって充実した毎日です。

今回、2ヶ月あまり続けてきた定期刊行については一旦区切りとさせて頂きますが、この学びをまた皆様にフィードバックできるよう、頑張っていきたいと思います。

今後ともFLMの活動、人材育成最前線ブログにご期待ください。

「熊大通信」は、2010年8月~10月に掲載した記事を、再度お届けするものです。

千葉こんにちは!千葉です。
9月後半のシルバーウィーク、10月10日の体育の日と、連休続きの後はいまひとつ仕事をするペースに戻りきりませんね・・・。
後期からは土曜日の集中講義も始まりますので(eラーニングでの学習や合宿とは別で、何と半期に6日もあります・・・)、今の内に体調を整えて、臨みたいと思います!

さて、今回で『熊大通信』も10回目。
"eラーニング"という言葉自体は1990年頃から使われ出したらしいですが、それから20年経った今、社会人の学びのスタイルや中身自体が大きく変わりつつあります。
そんな中どんなeラーニングが有効だと言われているのか・・・、当社のイチオシコンテンツのご紹介を交えつつ、見て行きたいと思います。

【現代のeラーニングに求められるものとは】

冒頭でも少し触れましたが、"eラーニング"が生まれた1990年頃、当時は「CDROMに入った学習ソフト」や「書籍をPDF化してインターネットに上げたもの」なども"eラーニング"と呼ばれていました。

また、最近まで、或いは今でも多くのコンテンツは、
・パラパラとページをめくっていく「紙芝居型」
・講師がしゃべっている動画が中心の「動画型」
・衛星放送を用いたリアルタイム講義を行う「同期型」
などが主流です。

ではこれらが良くないコンテンツかというとそんな事はなく、これはこれで使い方によってはとても便利です。
例えば、10,000人の社員に法令順守の為の教育をする場合の「紙芝居型」は、学習効果はともかく、低コストで効率よく"全社一斉教育"という目的を達成できますし、
千葉の所属する熊本大学教授システム学専攻で先日行われた遠隔講義は遠隔会議システムを用いた「同期型」でしたが、リアルタイムに東京・熊本・名古屋を繋ぎ、質問がいつでもできる仕組みが確立されており、集合研修と変わりませんでした。

ただ、昨今のユーザーニーズ多様化の波は教育業界にも押し寄せており、上記のような「効率が良い」「集合研修と変わらない」というだけでは、社会人はもう満足できないんです。

例えばどんな新しいニーズがあるかというと、以下のようなものが主ですね。


今後のeラーニング動向

1.  問題解決型になる
知識習得ではなく、パフォーマンスに直結する業務や生活の問題解決が主に。

2.  教科書にない知識が得られる
書籍や教科書など、他のメディアでも得られにくい知識が習得できるように。

3.  コミュニティ・オブ・プラクティス型になる
あるテーマに関する知識や技能を、継続的に交流しながら相互習得する、コミュニティ・オブ・プラクティス(実践的コミュニティ)型になる。

4. ナレッジマネジメントとの融合が進む
 先人の暗黙知を貯め、活用できる仕組みナレッジマネジメントの仕組みが取り入れられる。

5. コンテンツだけでなくコンテキストを学べるようになる
 成果(コンテンツ)から経緯(コンテキスト)重視の学習になる。

6. コラボレーションツール(WikiやBlogなど)が使われるようになる
 Web2.0のコミュニケーション促進ツールが活用されるようになる。

7.  検索エンジンが大きな役割を果たす
 4.で貯めた暗黙知を迅速に探し出す仕組み、検索エンジンが重要視され始める。

8. 管理型学習と非管理型学習にハッキリ分かれる
 人事部や人材開発担当者が進捗管理をする管理型学習と、自主的かつ主体的に学習する非管理型学習に学びが二分される。


※「eラーニング活用ガイド」(日本イーラーニングコンソーシアム)を参考にして作成。

この表からは「実務や生活など即日活用できる」「eラーニングでしか得られないもの(知識・気付き・人間関係など)を」「より効率的に」得たいというニーズが読み取れると思います。

【実際、どんなコンテンツが開発されてるのか】

こういった流れを受け、eラーニングベンダーは新しい学習の仕組みに日々頭を悩ませています。
当社でも幾つか面白いコンテンツを開発していますので、上記を取り入れるとどんなものが出来上がるかの例として、簡単にご紹介したいと思います。

 ■体験型eラーニング ~失敗しながら学ぶプロジェクトマネジメント~

ITプロジェクトのマネージャになって、疑似体験をするコンテンツです。
私も(学生として演習課題で)全編体験しましたが、ストーリーが作り込まれているので、アドベンチャーゲームのような感覚で楽しんで工程体験ができました。
また、自分の行動でプロジェクトが大成功したり、頓挫しかけたりする辺りも面白いですね。

 ■ビジネスメールスキルアップ研修 ~E-mail環境だけで学べる文章力研修~(UAP02D)

 eメール環境だけで学べるビジネスメールのスキルアップコンテンツです。
4,725円(2010/10現在・税込)というお値段もあってか、お客様にもとても好評です。
当社の新人も受講していたのでメールを見せて貰いましたが、「社内イベントの参加呼びかけ」や「業務成果のアピール」といった新人さんにありがちなものから、「お客様へのお詫び」「上司への依頼」などといった業務で即使えるメールを実際作ってみる事ができ、多くの気付きがあるようです。

超上級PMから学ぶ!目からウロコのプロジェクト疑似体験 ~リスク編~(UAP80L)

このコース自体はプロジェクトマネジメント熟練者向けの最上級レベルの集合研修ですが、受講後にWebコミュニティによる情報提供や受講者同士の交流の仕組みが付いています。
こういった仕組みを上手く使っていただくことにより、研修時間内だけで終わらない学習と気付きの機会を作ることができます。


これらはいずれもここ数年で開発したもので、前述の表"今後のeラーニング動向"の要素を少なからず取り入れたコンテンツであることがお読み取り頂けると思います。
こういった新しい学習の仕組みを取り入れたコンテンツで、楽しく、より効率的に実用的な学習をして頂ければ幸いです。
なお、この辺の情報は当社ホームページでも随時発信しておりますので、宜しければちょくちょく覗いてやってくださいませ。

最後に突然ですが、ちょっと悲しいお知らせです。
ご好評を頂き連載しておりました熊大通信ですが、佐藤・千葉の後期日程が開始した事もあり、次回で一旦の区切りとさせて頂くこととなりました。
最終回の11回目では、これまでの総まとめをお送りして、定期刊行の区切りとしたいと思います。
最後までお付き合いの程、宜しくお願い致します♪

「熊大通信」は、2010年8月~10月に掲載した記事を、再度お届けするものです。

佐藤こんにちは、佐藤です。
最近はすっかり秋めいてきて、そろそろ紅葉も見頃を迎えますね。
第8回の熊大通信で教授システム学の夏合宿の様子についてお伝えしましたが、実は合宿直後から後学期が始まっており、参考資料の用意や履修のスケジューリングなど、慌しくしています。

さて、『熊大通信』も今回で9回目です。
が、その前にちょっとおさらいです。
私(佐藤)が第7回の投稿で、ID(インストラクショナル・デザイン)の重要なポイントとなる学習目標の分類方法や評価方法をご紹介いたしましたが覚えていらっしゃいますでしょうか。
(まだ第7回を見てない!という方は、是非第7回と併せてお読みください)

以下のような表で目指すべき学習目標の成果分類を定めることで、学習者が達成したい(または学習者に達成させたい)目標と、教育プログラムの内容との乖離を防ぐことができるというものでした。

表:ガニエの学習成果の5分類

学習成果言語情報知的技能認知的方略運動技能態度
学習の性質 指定されたものを覚える

宣言的知識

再生的学習
規則を未知の事例に適用する力

手続き的知識
自分の学習過程を効果的にする力

学習技能
筋肉を使って体を動かす/コントロールする力 ある物事や状況を選ぼう/避けようとする気持ち
学習成果の分類を示す行為動詞 記述する 区別する

確認する

分類する

例証する

生成する
採用する 実行する 選択する
成果の評価 あらかじめ提示された情報の再認または再生

全項目を対象とするか項目の無作為抽出を行う
未知の例に適用させる:規則自体の再生ではない

課題の全タイプから出題し適用できる範囲を確認する
学習の結果より過程に適用される

学習過程の観察や自己描写レポートなどを用いる
実演させる:やり方の知識と実現する力は違う

リストを活用し正確さ、速さ、スムーズさをチェック
行動の観察または行動意図の表明

場を設定する

一般論でなく個人的な選択行動を扱う

出典:鈴木克明(1995)「放送利用からの授業デザイナー入門」日本放送教育協会 より一部抜粋


【学習成果の5分類には限界がある】

5分類の表は学習者が目指す目標や、既製の教育プログラムが設定している目標を整理して、"どんな"目標を目指すのか、目標の方向性が一致しているかを確認するのに非常に便利なツールです。

実際に試された方はいらっしゃるでしょうか・・・
この学習成果の5分類を用いて企業の現場での学習を整理すると、何かを覚えること(「言語情報」)と何かを知識を応用すること(「知的技能」)が主な学習目標になるかと思います。
お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、何かを覚えることというのは非常にシンプルでブレ難い目標なのですが、知識を応用するという目標は非常に様々なレベルで捉える事ができてしまいます。

例えば、 一つの知識について別の言葉や例で言い換えること と、 実際に教わったシーンとは別のシーンに適用して実践できること では、同じ知識の応用(=知的技能)ですがレベル感に差があります。

このレベル感というのがポイントになります。
学習成果の5分類では"どんな"目標を目指すのかを整理することができますが、"どれくらい"のレベルかについては大雑把にしか整理することができません。
そこで、このレベル感について整理するために使えるもう一つのツールについて紹介します。

 【ブルームの目標分類でレベル感が整理できる】

教育目標のうち、特に頭で覚えたり考えたりする領域について、B・ブルームが以下の表のような6段階にレベル分けして定義できるとしています。

表:ブルームの目標分類

この表のレベルの数値が上がるほど、高度で複雑な技能が必要な目標になるということが確認されています。

上記の表にも書きましたが、レベル1.0に該当するのが学習成果の5分類でいう「言語情報」であり、レベル2.0から6.0までが学習成果の5分類でいう「知的技能」にあたります。
「言語情報」の目標というのはやはりシンプルですが、「知的技能」に該当する「知識」より上のレベルについては、結構細分化されているのがお分かり頂けると思います。

先程の例で考えると、「別の言葉に言い換えること」はレベル2.0の理解にあたり、「別のシーンに適用して実践」はレベル3.0の応用にあたるため、「別のシーンに適用して実践」の方がより複雑な目標であると言えます。

 

【ツールを活用して間違った目標設定から抜けだそう】

今回ご紹介したブルームの目標分類や、第7回でご紹介したガニエの学習成果の5分類を用いれば、より体系的に学習者の目標を整理したり、既製の教育プログラムの目標を評価したりすることが可能になります

例えば、企業の教育担当者は社員の求める教育レベルについて整理し、より社内のニーズ(目標)に一致した教育プログラムの選定が可能になります。

または、OffJT(Off the Job Training)で予めレベル2.0までを学習しておき、OJT(On the Job Training)でレベル3.0を目指すといった切り分けも可能になってくるでしょう。

皆さんが今後、目標の設定について考える際や教育プログラムを評価する際に、このような目標整理のためのツールの情報がお役に立てば幸いです。

 次回は、ちょっと骨休め的なエントリで、eラーニングの最新動向をお伝えします。お楽しみに!

月別アーカイブ