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プロジェクトマネジメント記事一覧

みなさん、こんにちは。富士通ラーニングメディアの濱田です。講師画像
おもに流通・通信業のお客様を担当し、お客様企業の人材育成に関するニーズにお応えする営業活動をしています。

ブログをご覧の皆さんの中には、プロジェクトマネージャー(以下「PM」)の方、また、将来PMを目指している方、プロジェクトのメンバーとして業務をされている方なども多いと思います。

今回は、私が最近受講して非常に面白いと感じた「PM次の一手」というプロジェクトマネジメント研修コースでの体験をご紹介します。

 

  PMの方々に混ざって緊張気味

<どこが面白いと感じたのか?>

営業担当者がなぜPMの研修?と思われるでしょう。商談を1つのプロジェクトと捉えると、営業担当もPMと同じように判断や意思決定を求められる場面が数多くあります。
「判断する際の自分の価値感や傾向を知り、今後の活動に活かしたい」と思い、このコースを受講しました。
グループ討議中心の研修なのですが、1日を通じて、自分のモノのとらえ方や思考のくせなどが客観的にわかり、多面的な物事のとらえ方や意思決定する際の観点・視野が拡がっていく体験をしました。

研修でよくある「講義があり、演習を行う」という一般的な流れとは違い、事例をもとにグループでディスカッションを繰り返すスタイルです。

そのテーマはPMが実際に直面しそうな具体的かつ判断が悩ましい状況が想定されており、各受講者はその事例を読み込み、自分がその場面(プロジェクト)のPMであれば、どのように対応するかという自分の考えをまとめ、判断を選びます。
その問題(事例)に対して、どう対応するのが良いかを5つの選択肢から解答(判断)を選ぶのです。

このコース(「PM次の一手(UAQ53L)」)は、グループディスカッションを主体としたコース。そのディスカッションの題材は、富士通グループのPMが相互研鑽のために発行している同名のメルマガ「PM次の一手」から抜粋して使用しています。
と、書くと普通の演習のように思えますが、ここからがこのコースの面白いところです。

それぞれが選んだ判断とその理由や考えをグループメンバー同士で共有します。
面白いことに自分とは異なる判断(解答)をした方がいるのはもちろんですが、自分と同じ判断をしていても、違った考えや価値観で、その判断に至っている方もいることに気がつきました。
そのあと、富士通のPMコミュニティ(メルマガ「PM次の一手!」を発行する富士通グループのコミュニティ)からの一般的な判断が示され、PM経験も豊富な講師からの解説があります。

この流れ(自身の考え→グループ討議で他のメンバーの意見をきく→再度解答を考える→富士通PMコミュニティの解答→講師の解説)を5テーマにわたって繰り返します。

イメージ図
海老原講師の解説を熱心に聞き入る受講者たち


<判断に至る価値観や考え方はそれぞれ違う>

 自分が判断を選択するにあたり、想定していなかった観点や項目が他者の発表からでてくることも多く、問題を解くごとに自分の視野の狭さや浅さに気がつくことが続きます。
「そう言われてみれば...」「そういう考え方もあるな...」と。

ひとつ問題をご紹介します。

イメージ図

 

この問題(状況)に対し、私は選択肢「a」と判断しました。
それは、お客様との合意事項でないものが含まれていること、その責任範囲が明確になっていないこと、今後拡張や2次開発等の環境が変わったときに、対象範囲として含まれないリスクを考えました。

一方、他のメンバーから「すでに納品しているものはお客様の資産」であること、「有益なツールであること」などを例に挙げ、勝手に手を加える事は許されないし、有益なツールであればそのまま残すべきとの意見が出されました。

みなさんの意見を聞き、再び自分の判断を考え直す反芻の時間があり、自分と他者の意見と向き合います。
皆さんの意見は自分としても納得できるものでした。
大事なことは、テーマを見ながら判断に悩んでいる時、他のメンバーが出していた観点を自分も想定できたかと言う事なのだと感じました

このほかの演習テーマも含め、実は5つのテーマのうち3つは皆さんの意見を聞いて判断を見直しました。

イメージ図

なぜこの答え(判断)を選んだのか、自分の考えを説明中 

<1日の受講を終えて>

様々なステークホルダーや状況の中で、判断するための条件が変化し、絶対解はないと思います。ただそのときの判断は自分が培ってきた成功体験や経験、価値観の積み重ねをもとにしています。その価値観で考えることが、今直面している状況において正解であるか否かはわかりません。

そのためにも、判断するときに想定すべきことが想定できるための「感性」を高めていくことが重要だと感じることができました。
1日を通じて、多面的な物事のとらえ方や意思決定する際の観点・視野が拡がっていく体験をすることができました。

コース名にPMと入っていますが、PMに限らず、判断・意思決定を行わなくてはならない時に、多面的に物事を捉えるための視点を得たいなどの目的で様々な方にも受講していただける内容でした。
百聞は一見にしかずと言います、ぜひ、皆さんも自分を客観的に見て、自分の思考のくせがわかる、そんな"目からうろこ"な体験をしませんか?


<講師のコメント>

イメージ図『PM次の一手』講師の海老原です。『PM次の一手』コースでは、予め用意された問題だけではなく、受講者の皆さんのお悩みも設問として議論するコーナーを設けております。お悩みをお持ちの方は、あなたのリアルな題材を基に他のPMの皆さんと一緒に最善手を探してみませんか。皆さんと研修会場でお会いできるのを楽しみにしています。

 

 

 

<関連リンク>

プロジェクト現場の悩ましい問題にどう対応する?!~熟練プロマネに聞く"PMにとっての次の一手"とは~
 
富士通グループの約4500名のPMにメルマガ「PM次の一手」を発行する島田さんと、当社ヒューマン・ビジネス分野の講師部門マネージャー平井と、プロジェクトの現場で日々発生している悩ましい問題にどう対応していくか、また、PMの人材育成などを語り合いました。

 <コース紹介>

☆コラムでご紹介した富士通PMコミュニティの経験と実績がつまったメルマガ「PM次の一手」の問題をディスカッションの題材にする、グループディスカッション主体のコースです。実際に「あるある」と思う問題が多く、プロマネ以外の若い人にもおすすめです!ぜひ受講をご検討ください。〔PDU対象コース:6.5PDU〕

PM次の一手 ~富士通SEの『定跡』に学ぶ~(UAQ53L)

☆そのほかのプロジェクトマネジメント関連コースもご参考にしてください。

プロジェクトマネジメント関連コースマップ

 

みなさん、こんにちは。
富士通ラーニングメディアで、プロジェクトマネジメントなどのコースを担当している海老原です。

今回のブログでは、富士通グループの約4500名のプロジェクトマネージャー(以下「PM」)にメルマガ「PM次の一手」を発行する島田さんと、当社ヒューマン・ビジネス分野の講師部門マネージャー平井と、プロジェクトの現場で日々発生している悩ましい問題にどう対応していくか、また、PMの人材育成などを語り合いました。その際の模様をお届けします。

 

講師画像

島田 明門(しまだ あきと)】

(株)富士通ミッションクリティカルシステムズ 基盤ビジネス本部 SI事業部
PMコミュニティ 実践的PM力向上のための問題集検討WG 副主査

ゴルフとランニングが趣味。

 

講師画像

平井 亜紀(ひらい あき)

富士通ラーニングメディア ナレッジサービス事業本部 第一ラーニングサービス部長

PM系やヒューマン系などの研修サービスや新しい形態の人材育成サービス開発を担当。

 

講師画像

海老原 孝徳(えびはら たかのり)

富士通ラーニングメディア ナレッジサービス事業本部 第一ラーニングサービス部

PM系や上流(要件定義)系の講師を担当、「PM次の一手」の講師も担当する。

 

<まず、メルマガ「PM次の一手」とはどういうもの?>

イメージ図海老原:
今回、新しく提供するプロジェクトマネジメントのコース「PM次の一手」(UAQ53L)は、グループディスカッションを主体としたコースです。(コース概要はこちら)
そのコースのディスカッションの題材に、富士通グループ内のプロジェクトマネージャーを対象に毎月発行されている同名のメルマガ「PM次の一手」で出題している問題を使用しています。
サンプルがこちら。

イメージ図

問題サンプル

 

イメージ図海老原:
このメルマガ「PM次の一手」は、富士通のPMコミュニティの「実践的PM力向上のための問題集検討WG」の皆さんが発行しています。本日は、このWGの副主査を務めていらっしゃる島田さんにお越しいただきました。当社の平井とともに対談いたします。島田さん、平井さん、よろしくお願いします。

一同:
よろしくお願いします。

海老原:
さっそく島田さんにお尋ねします。富士通のPMの皆さんにメルマガ「PM次の一手」はたいへん好評だと伺っています。プロジェクトの現場で日々発生している悩ましい問題に直面しているPMやPMを目指す人に、現実の題材に基づいた4択問題を提供しているそうですが、このメルマガ、そもそもどのような経緯で発行に至ったのですか?

島田:イメージ図
元々は別の方がPMの4択問題を作りだしました。私はそれを面白いと感じてWGに参加し、メルマガに育てました。当初、PMの意思決定は4択問題として成立しないのではという意見もありましたが、読者の反応はとても良好でした。

海老原:
継続して毎月問題を作成する作業は、人材育成に対する熱い思いがなければできないんでしょうね。

島田:
いや、実は思いとか全くありません。自分が面白いと思うので続けています。

イメージ図平井&海老原:
ええっ??(汗)

 

 

島田:イメージ図
メルマガは毎月、約4500名宛てに発信し、毎回200名前後から答案や感想が寄せられます。非常に熱い思いをメールに綴って返信される方も少なくありません。PMとして色々な思いを抱きつつもそれをぶつける場所はなかなかありませんからね。
掲載した問題の解答はその翌月のメルマガに掲載します。解答比率や解説を披露すると反論もウワーっとやってきます。そういう意見はさらに翌月のメルマガに掲載し、意見に対するWGからのコメントも掲載します。このようにメルマガを通してコミュニケーションしているのがヒットしている理由じゃないかなぁ。
読み手からの反応があるから私も面白い。だから私も続けられるんです。

イメージ図平井:
いま、読者から寄せられた反応を拝見していますが、ピュアで真剣な人が多いと感じますね。
読者の意見がメルマガに掲載されるから、また投稿しようと思うのかもしれませんね。これはラジオ番組に投稿する感覚に近いのかも。

 

 

 

島田:イメージ図
そういう世界かもしれない。だから面白がって読んでくれているのかも。
それと、寄せられた回答を分類すると面白いですよ。なかには常連さんもいるのですが、回答パターンから思考の癖が感じ取れますね。ときには自分の意見を曲げない人もいますが、私は、ある程度芯を持ちながら人の意見を柔軟に採りいれて、その芯をうまく修正していける人がPMに向いていると感じます。ここがゴールと思っていたけど、こっちがゴールでいいやと修正し、そのことを周囲に理解させる力が大事です。


イメージ図海老原:
なるほど。ほかにはどのような方がいらっしゃいますか。

島田:
回答者には、消去法で回答を導き出す人、論理的な判断を優先しすぎる人、問題のアラを探して突っ込んでくる人なんかがいます。
思考のクセって案外人によって偏っていますね。

海老原:
どのように回答を導き出すべきだとお考えですか。

島田:イメージ図
直感でまず考え、選択後の状態を頭の中でシミュレーションすることですね。あと、私の場合は過去の経験をうまく活用しています。新しい種類の問題やトラブルはさほど多くないと考えます。ただ、難しい決断をする場合は周囲に遺恨を残さないようにコミュニケーションしながら進める必要がありますよね。

イメージ図海老原:
ちなみにWGでは、どのような手順で問題を作成されているのですか。

 

 

 

 

島田:イメージ図
問題はまずノウハウから検討します。この問題を通じて何を伝えたいか。それから問題を作り選択肢を作ります。選択肢の作成は非常に難しいんですよ。それを毎月締め切りに追われながらやってます。(苦笑)
誤答を含む選択肢を作ったあとWG内で議論します。どれを正解にすべきか、結構意見が割れます。議論が収束したらシニアスタッフなどの超ベテランに第三者レビューをお願いします。すると全く違う意見が出てきたりするからもう大変。(苦笑)
まぁ最終的にはWGの意見を通しますが。(笑)
これだけ議論を尽くしているので質的には担保されていると思っています。

でも、問題作成も結構キツいんだよなぁ、ネタ切れで。メルマガそろそろやめようかと・・・。

イメージ図平井&海老原:
いやいや、ぜひ続けてください。

海老原:
話を元に戻しましょう(汗)。このブログにサンプルとして使わせていただいた問題は、どのように作成されましたか。

 
島田:イメージ図
これは、読者からの提案がきっかけで、小惑星探査機「はやぶさ」をお題にした問題です。「はやぶさ」にはPMの知らない隠し回路があり、それが奏功して無事帰還したことが美談として報道されていたことをヒントにしています。

 

 

 平井:
ところで正解は・・・・。

 

イメージ図海老原:
それは、本コースで紹介しますので、関心のある方はぜひご受講して確認してください。ということで、ここでは勘弁してください。(汗)

平井:
メルマガ「PM次の一手」は、回答者の意見が割れるところに価値があると感じますね。違う意見に耳を傾けないと成長できないし、脳も活性化しませんよね。

 

島田:イメージ図
私も読者に、正解を導き出すことが目的ではないと伝えているのですが、それでもなかにはご自分の回答が不正解であることに納得できないと噛み付く人がいますね。(苦笑)

 

 

 

<PM人材を育成するには・・・>

 海老原:
少し話題を変えて。今度はPM人材育成について平井さんのご意見をお聞かせください。


イメージ図平井:
当社は受講者の皆様にお越しいただいている「場」の価値を向上させたいと考えています。例えば「あえて教えない」「プロジェクトの課題を受講者に持ち込んでいただく」「知識の部分はeラーニングで事前学習いただき、水準を合わせていただたうえで意見交換に臨んでいただく」など、様々な形態の人材育成に取り組んでいます。他流試合という、同業だけど色々な背景を持った他社の方同士でのディスカッションなども開催しています。
今回の「PM次の一手」は、このような場の価値を高められる素材として本当に良いものを提供していただけたと感謝しています。

 

島田:イメージ図
実は「PM次の一手」は、PMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)でもPM育成を意図したディスカッションの素材として活用したことがあります。そのときは2時間で、採り上げたケースも3つほどでした。参加者は色々な業界から集まるため考え方が全然違う。同じPMでも私たちのようにプログラムを書くようなプロジェクトばかりではありません。例えば機械を作るようなプロジェクトを担当している人たちだと意見が全然違うんです。そういう人たちを集めて議論されるととても面白いんですよね。で、議論していくとだんだん意見が集約され正解に近くなっていきます。

 

イメージ図平井:
PMBOKのような整理された知識を獲得しているが故に意見が集約されていくのでしょうね。経験との両面が必要なのだろうと思います。

 

 

 

 島田:イメージ図
ディスカッションの場面では、何人かで話し合って正解に近づくというミッションと、多様な意見を抽出するというバランスが難しいと感じました。個人単位で検討するほうがより多様な意見が出てきますから。そこがちょっと難しい。
若手や新入社員に解かせても面白いかもしれませんね。ほかにもグループごとに問題を作らせるのも面白いかも。アイスブレークとして採りいれたり。

 

イメージ図海老原:
講師としては、参加者のレベル把握にもなりますしね。参考になります。

平井:
このコースは、PMの悲喜交々(ひきこもごも)、触れたくても触れられない嫌なことも話しあえるというのがひとつの価値だと感じています。
「PM次の一手」は、PMのプロである皆さんの経験に基づく素材であり、それをオープンにしていただけたことを嬉しく思います。

 


イメージ図平井:
島田さん、ひとつ質問していいですか。PMの皆さんはどういう時に「ああ、プロマネになれたな」と実感されますか。修羅場を乗り越えたときですか。

 

 

 

島田:イメージ図
人によって違うと思います。私は入社後ほどなくしてサブリーダ的な役割を任されました。プロジェクトは生ものでありメンバも関係者も毎回変わります。同じことも発生しない。なので常に悩んでいるし私はPMとして一人前だとは思っていません。例えば1000人のメンバをマネジメントしなければならないような案件は経験したことがないし私には想像もつかないです。

 

 

イメージ図海老原:
ところで日焼けして健康そうですね。お休みの日は何をされていますか。

 

 

 

 

島田:イメージ図
ゴルフが趣味。あとランニング。方向だけ決めて20kmほど走り、そこで飲み食いして電車で帰ってくるとか(笑)
楽しいよ。時速8~9kmのゆっくりした速さなら苦になりませんよ。

イメージ図平井:
その経験はPMとして役立っていますか。

島田:
役立たないよ(笑)

平井&海老原:
(笑)

 

イメージ図海老原:
ところで、今の職場に外国人はいますか。

島田:
中国人が大勢いますよ。

海老原:
実は次のステップとしてこのコース「PM次の一手」を英語化して外国人にも展開できないかと画策しています。国別の回答傾向の違いなどが出ると思うので、それが多様性を学ぶ素材になるのではないかと思いまして。

海老原:
それでは最後に、島田さん、平井さんから若いPMに熱いメッセージをお願いします。

島田:イメージ図
う~ん、あまりないんだけどなぁ・・・。
「やりたいことがあればやらなきゃ損だよ」ってことかな。WGのような活動も自分でやるべきだと思わなければ降ってこないよと。
色んなところに首を突っ込んでほしいなぁ。そうやって経験を積むことで厚みができていくんですよね。厚みがないとつまらないし、面白くないんじゃないの。

 


イメージ図平井:
一回しかない人生、自分で色々なことにトライできるようになるには主体性が必要です。皆様が主体的なPMとして成長される場が当社にはありますので、ぜひご利用ください。

 

 

 

 

イメージ図

 

<コース紹介>

☆コラムでご紹介した富士通PMコミュニティの経験と実績がつまったメルマガ「PM次の一手」の問題をディスカッションの題材にする、グループディスカッション主体のコースです。

2015年8月26日からご受講いただけます。ご興味のある方は、ぜひコース概要をご覧ください。

 PM次の一手 ~富士通SEの『定跡』に学ぶ~ (UAQ53L)

 ☆そのほかのプロジェクトマネジメント関連コースもご参考にしてください。

プロジェクトマネジメント関連コースマップ

みなさまと講習会でお会いできるのを楽しみにしています!!

 

 

 

 

 

みなさん、こんにちは。
富士通ラーニングメディアで、プロジェクトマネジメントなどのコースを担当している土屋です。

今回のブログでは、改版されて新しくなったPMBOK® ガイド第5版にスポットを当てて、経験豊富な講師陣が、従来の第4版から変更された点などを中心に、お答えしちゃいます!

 

講師画像

土屋 誠一

プロフィール
富士通ラーニングメディアに入社後、講師活動を中心に14年間活動してきました。講義ジャンルはOS・言語のIT関係から最近ではプロジェクトマネジメント、新人研修まで幅広く担当しています。
研修は「第一印象が勝負!」との考えから、最初の一時間を重視して受講者の皆さんとしっかり会話をするように心掛けています。

 

講師画像

町田 整彦

SE部門で18年、人材開発部門10年のキャリアがあります。業務SEとしての経験もありますが、プロマネは入社5年目~兼務「業務SE+プロマネ」の形で始め、その後自治体ではプロマネ専任にてプロジェクトを推進しました。また、PMBOK® ガイド第5版にてPMP® を取得しています。
ちなみに、趣味はサッカーです、と言っても最近は観るのが専門ですが・・・48年間横浜市中区に住んでいたので横浜FC、そして4年前に大宮へ引っ越したので大宮アルディージャの応援をしています。カラオケは70~80年代、ナツメロ中心で矢沢永吉/中村雅俊が得意

 

講師画像

柳晶子

PMBOK® ガイド第5版でPMP® を取得しました。
研修では、 PMBOK® ガイドの魅力が伝わる講義を心掛けています。
さて趣味はというと、食べることと呑むことが好きで、陶器・磁器まで作る凝り性。
先日は、ワインと手料理を担いで登山してきました。
カラオケの十八番はいきものがかりの「YELL」。

 

ちなみに「PMBOK® ガイド」という言葉。みなさんはご存知でしょうか?

属人的になりがちであったプロジェクトマネジメントについて、考え方を体系的に整理したフレームワークのことなんです。元々は、アメリカ発の知識体系だったんですが、現在ではグローバルスタンダードな考え方として、プロジェクトマネジメントの分野で広く使われる考え方になっているんですよ!

今回の改版では、プロセスの全体的な流れがより分かりやすくなり、具体的な行動がイメージしやすくなりました。また、これまで変更が無かった「知識エリア」が新規に追加されたりと大幅な変更となりました。これを読めば、あなたも新しいPMBOK® ガイドの変更点がバッチリです。では、少し深く掘り下げてみましょう!

 

=====
土屋:
みなさん、こんにちは。
今日は、改版されたPMBOK® ガイド第5版について、変更された点などを中心に皆さんのお話しを伺っていきます。
どうぞよろしくお願いします。

<プロジェクトに関係者を巻き込んでいくマネジメントへ!!>

土屋:
まず、大きく変更された点について、教えて頂けますか?

柳:
はい。第5版の変更点は大きく2つあるのですが、まずひとつ目は「知識エリア」の新規追加です。
知識エリアとは、プロジェクトマネジメントをする上で必要な観点と考えてください。
ここに、新しく「ステークホルダー・マネジメント」が追加されたんですよ。

PMBOK® ガイド第5版の知識エリア】
・プロジェクト統合マネジメント
・プロジェクト・スコープ・マネジメント
・プロジェクト・タイム・マネジメント
・プロジェクト・コスト・マネジメント
・プロジェクト品質マネジメント
・プロジェクト人的資源マネジメント
・プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント
・プロジェクト・リスク・マネジメント
・プロジェクト調達マネジメント
・プロジェクト・ステークホルダー・マネジメント(PMBOK® ガイド第5版より新規に追加)

 
土屋:
ステークホルダーの話って、第4版のときにもありましたよね?それとは違うんですか?

柳:
従来から、ステークホルダーに関する考え方はあったんです。
しかし、第5版からは、よりステークホルダーに積極的に働きかけを行って、プロジェクトへの参画を促す内容になっています。

あっ。ちなみに、ステークホルダーとは、プロジェクトの利害関係者のことで、プロジェクトの成否によって利害を被る人たちということです。例えば、お客様、プロジェクトメンバー、一緒に開発をしている協力会社などを指しますね。

土屋:
なるほど!待っているだけではダメなんですね!!恋愛と同じで難しいですねぇ。。。

柳:
そうですよ、土屋さん。
マネージャーから積極的に動いて、ステークホルダーを巻き込むマネジメントを心掛けてくださいね。

イメージ図

 

<プロジェクトをどのように進めていくのか?事前にルールを決めよう!!>

土屋:
ところで、もう一つの変更点についてはいかがでしょうか?

町田:
計画の内容について見直しがされました。従来は知識エリアごとにバラバラだったプロセス名称が、一貫性のあるものに変更されました。

土屋:
具体的には、どう変更されたのでしょうか?


町田:
計画を策定する際に、はじめに「マネジメント計画」を作成することを推奨しています。プロジェクトとしての方針、手順、ルールなどを事前に決めておくことが重要になります。

例えば、スケジュールについて考えてみましょう。
土屋さんは、スケジュールを作るときに、どのような計画を立てますか?

土屋:
うーん。納期が決まっていますので、後ろから逆線表ですかねぇ。。。(堂々と語る土屋)

柳:
土屋さん、それは、そもそもの引き方が間違っていませんか??


町田:
まぁまぁ、お二人とも。
スケジュール作成の方法は、別の機会にお話させて頂くとして、スケジュールの管理方法は決めていますか?例えば、進捗をどのように測定するのかや、どの程度、遅れが発生したら何らかの対応をするかなど決めていますか?

「マネジメント計画」というのは、計画段階だけではなく、プロジェクト実行段階での考え方、予定と実績を管理していく段階での考え方など、PDCAサイクルを確実に回していくために必要な要素を盛り込んだ計画なのです。

ちなみに、PMBOK® ガイド第5版では、「スコープ」「タイム(スケジュール)」「コスト」3つの知識エリアについて、プロセスが新規追加されましたよ。

土屋:
なるほど。第5版の変更点がよく分かりました。お二人とも今日はありがとうございました。
富士通ラーニングメディアでは、PMBOK® ガイド第5版関連コースを順次リリース致します。具体的に講義や演習を通じて学習したい!という方は、ぜひご受講下さい!

 

PMBOK® ガイドだけじゃない!プロマネお奨めコース

■プロジェクトマネジメントの全体像について、講義と演習を通して学習します!
プロジェクトマネジメントの技法 (UAP66L)

■プロジェクトの進捗管理、品質管理でお困りの方に、事例を通して反復演習で学習します!
プロジェクトマネジメント技法の実践~品質分析、進捗分析、対策編~(UAP85L)

■プロジェクトの肝!!状況に応じた適切な方法で、見積りの精度を高める方法を学習します!
プロジェクトマネジメント技法の実践~規模見積り編~(UAP90L)

講習会で皆様とお会いできることを楽しみにしております。

プロジェクトマネジメントに関する課題やお悩みを解決するコースパック 

プロジェクトマネジメント・エントリーパック
プロジェクトマネジメント・プロフェッショナルパック
プロジェクトマネジメント・ヒューマンスキルパック     もご参考にしてください。

 

そのほか、プロジェクトマネジメント関連お問い合わせはこちら!!

 

PMBOK、PMPは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute, Inc.)の登録商標です。 

こんにちは!富士通ラーニングメディアの福山です。

毎週木曜日は、「これからのプロジェクトマネジメントは?」というテーマでお話ししてきました。

最終回となる今日は、私から、経営層のみなさんへのメッセージです。

企業全体の人材育成の観点からお話しします。

もちろん異なる立場の方も、ぜひお読みください。

<現状は、不健全?>

今のプロジェクトマネージャは、間違いなく優秀です。

責任感が強く、学習意欲も高く、まじめで、泣き言も少ないように思います。

ただ、「実は自信がない」という人が多いと感じています。

自信が持てない理由は2つ考えられます。

・成功体験や失敗体験が少ない。具体的には、「お手本となる先輩と接する機会が少ない」、「教える、または教わるという環境が十分に整っていない」といったことが挙げられる。
・プロジェクトマネージャが体験した貴重な経験をナレッジ化する、という企業風土が整っていない。

そのため、たとえプロジェクトが成功に終わったとしても、心身ともに疲弊してしまい、「二度とプロジェクトマネージャをやりたくない」と思ってしまう人も多いのではないでしょうか。

この状況は、プロジェクトマネージャにとっても、企業にとっても、「不健全」な状態だと思っています。

まずは、このような、プロジェクトマネージャが置かれている現状を、経営層のみなさんに知っていただきたいのです。

<将来、会社を支える人物は?>

経営層のみなさんの中には、おそらく、自分の後任を探している方も多いでしょう。

その際に、ぜひ、「10年後の会社を支えるのは誰なのか?」ということを、考えてみていただきたいのです。

今度選ぶ新社長でもなく、副社長でもない、ということに気づいていただけるはずです。

10年後に会社を支えるのは、今現場にいる、匠の技を持つ優秀なプロジェクトマネージャであり、次世代を担う人材を育てられる人物です。

そのような人物が、あなたの会社に存在するでしょうか。

20120426__2 システムインテグレーションのアウトソーシング化や、経費削減などの影響で、日本の企業は社内で人を育てる仕組みが失われつつあります。

企業が成長し続けていくために必要なのは、自律的にノウハウを身に付け、自ら成長し、先頭に立って仲間をリードできる、つまり、その企業に必要な人材を育てられるプロジェクトマネージャの存在です。

このようなプロジェクトマネージャが、社内の適所に存在していれば、彼らが後輩を自律的に指導し、将来性のあるプロジェクトマネージャに育てあげてくれます。

そして、上の世代から受け継いだものを下の世代に引き継ぐ、という自律的循環を起こし、それを継続することで、企業は確実に成長し続けるでしょう。

<自律的循環を起こせるプロジェクトマネージャを育てるために>

みなさんの会社には、前述のような、「企業を成長させる自律的循環」を起こせるプロジェクトマネージャが存在するでしょうか?

もし、まだ存在していないと感じている場合は、ぜひ、そのような人物が育つ土壌をすぐにでも整えてください。

具体的には、プロジェクトマネージャに向けて、「モノづくりの匠として、技術を極めるだけでなく、経営的な視点を持つことや、人材を育てることを期待している」というメッセージを、キャリアプランとして明確に伝えてください。

そして、「プロジェクトをマネジメントするだけでなく、次のプロジェクトマネージャを育てるという役割も担ってほしい」と、言葉で直接伝えていただきたいのです。

我々も、みなさんの会社に、自立的循環を起こせるプロジェクトマネージャが育つよう、精一杯お手伝いさせていただきたいと考えています。

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合計8回にわたり、「これからのプロジェクトマネジメントとは?」をテーマに、ブログにて情報発信させていただきました。

まず、現場で今起こっていることをお伝えしました。

そして、私の人材育成に対する危機感を基に、プロジェクトマネージャの方々への期待を込めたメッセージと、経営層のみなさんへの提言をまとめさせていただきました。

これまでお読みいただいた方々やご意見をいただいた方々に、心から感謝申し上げます。

今後も新たなテーマでみなさまに情報発信できればと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。

■本シリーズは、今週で終了です。お付き合いいただき、どうもありがとうございました。

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富士通ラーニングメディアでは、プロジェクトマネジメントのスキルを体系的に学べます。
ご自分のスキルアップに、スタッフのスキルアップに、ぜひ、ご活用ください。

http://www.knowledgewing.com/kw/coursemap/ca022101.htm?banner_id=kw_22

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こんにちは!富士通ラーニングメディアの福山です。毎週木曜日は、「これからのプロジェクトマネジメントとは?」というテーマでお話ししています。

前回は、「経営的な視点を持とう」というお話をしました。7回目となる今日は、その続きです。
※前回の記事はバックナンバーをお読みください。
 http://www.knowledgewing.com//kw/blog/2012/04/201204120650.html

<今まではティーチング、これからはコーチング>

プロジェクトマネージャのみなさんに、ぜひ、身に付けていただきたいのが、コーチングのスキルです。

コーチングとは、自分の周りに5人のメンバーがいる場合、それぞれの性格や能力、マインドなどにふさわしい方法で、相手を自律的に動かすスキルです。

従来、優秀だといわれてきたプロジェクトマネージャは、コーチングと対極的な、ティーチングというスタイルで部下を統率していました。

こちらは、「すべてにおいて、プロジェクトマネージャである自分が決める。メンバーは自分の言うとおりに動いてくれればよい。何か起こった場合は、全部自分が責任を取る!」というマネジメントスタイルです。

<失敗ばかりだった、プロマネ時代>

私事になりますが、システムエンジニアとして富士通に在籍中、さまざまなプロジェクト運営を数多く経験しました。

私にもプロジェクトマネージャの理想像がありましたが、自分が実践したほとんどのプロジェクトは、失敗であったと実感しています。

たとえば、当初の計画を守ることにこだわり過ぎて、計画の妥当性検証を怠った結果、終盤になって大幅な計画見直しを行う事態を招いたことがありました。

また、メンバーとのコミュニケーションを軽視したために、緊急事態での情報掌握が迅速に行えず、即時対応ができないこともありました。

いずれのケースも、お客様と母体組織に多大な迷惑をかけたことはいうまでもありません。

今振り返ってみると、このような失敗は初期のころが多かったように思います。

私も技術者ですので、失敗をするとものすごく悔しいです。

『二度と失敗しないぞ!失敗しないためにはどのようにすればよいのだろうか?』と、必死に考えたものです。

そこで導かれた結論がいわゆる「失敗から学んだ教訓」です。

失敗するたびに必死に考え、「失敗から学んだ教訓」を自分の中に少しずつ蓄積し、プロジェクト運営に活かすことで次につなげてきたのだと思います。

プロジェクトマネージャになったばかりのころは、「○○○をやるぞ、みんな、ついてこい!」という、ティーチングスタイルでマネジメントを行っていました。

責任感の表れと思っていましたが、自分のおごりだったのかもしれません。

たとえば50人のチームで動いていた場合、頭を使うのはマネージャである私だけ。

ほかの49人は指示に従うだけで、私はメンバーに頭を使わせていなかったのです。

20120419__2

<自律的に動くチームができる>

コーチングに出合ってから、私のスタイルは以下のように変わりました。

私 「このプロジェクトについて、僕は、○○○な方法で進めようと思うのだけど、Aさんはどう思う?」
A 「僕は、あのお客様なら、△△△な方法のほうがよいと思いますよ」
私 「なるほど。それも一理あるねぇ。では、Bさんはどう考える?」
B 「私は、×××がよいと思います」
私 「どちらもよいね。では、AさんとBさんで△△△と×××の進め方の一番よい方法を考えてくれないかな。よろしくね」

このように、私が相手に意見を促し、一定の仕事を任せるような話し方に変えただけで、AさんもBさんも、自らアイデアを出し、工夫をするようになりました。

自分で発案したことを、自ら実行すると、「なんとか成功させたい」という動機と責任感が生まれ、自分の頭で考えるようになるのです。

このようにして、全員が自分の頭を使うことになれば、マネージャに言われるままに動くのではなく、自律的に業務にあたるチームができあがっていくというわけです。

<CPUが増える>

私が、コーチングというスタイルに変えていくことをおすすめする理由は、2つあります。

1つは、昨今のプロジェクトは進行が速いこと。

進行が速いプロジェクトを、プロジェクトマネージャ1人の頭だけで処理しようとしたら、適切なタイミングで最適な判断はできません。

プロジェクトメンバー全員が頭を使っていくこと、すなわち、個々がスピードアップすることによって、チーム全体のスピードが加速するのです。

これは、コンピュータにたとえると、CPUの数が多いほうが、処理速度が上がるのと同じです。

<若い世代にマッチする>

もう1つの理由は、世代の違いです。

今後登場する新入社員は、携帯電話やインターネットを完全に使いこなしている、いわゆるデジタルネイティブ世代です。

紙の文化で育ち、後天的にパソコンや携帯電話を使い込んできたノンデジタルネイティブ世代の我々と、デジタル文化で育った世代である彼らとは、発想と価値観が大きく異なります

また、彼らは、我々よりも、自分の考えを主張する傾向も見られるので、最初はやる気があっても、主張が通らないと、やる気を無くしてしまうこともあります。

結果的に、言われたことは完璧にやるけれど、言われないことは一切やらなくなってしまうかもしれません。

つまりモチベーションの持たせ方が非常に重要となるのです。

このようなデジタルネイティブ世代に対してティーチングは効果があるとはいえず、人を自律的に動かすことができるコーチングが有効になるのです。

マネジメントスタイルを、ティーチングからコーチングに変えると、自分の思い通りにいかないこともあり、最初は不安になるでしょう。

しかし、すべてを1人で考えるティーチングスタイルよりも、コーチングを習得したプロジェクトマネージャのほうが、ずっとスムーズにプロジェクトを運営できるようになるのです。

だからこそ、今、プロジェクトマネージャとして、現場でがんばっている方たちには、ぜひとも、コーチングのスキルを身に付けていただきたいのです。

■次回は最終回です。福山から、経営者のみなさんへあてたメッセージをお届けします。

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富士通ラーニングメディアでは、プロジェクトマネジメントのスキルを体系的に学べます。
ご自分のスキルアップに、スタッフのスキルアップに、ぜひ、ご活用ください。
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こんにちは!富士通ラーニングメディアの福山です。

毎週木曜日は、「これからのプロジェクトマネジメントとは?」というテーマでお話ししています。

6回目となる今日は、「これからのプロジェクトマネージャに必要なこと」がテーマです。

20年以上にわたって、富士通でプロジェクトマネジメントを担当してきた私から、特に、プロジェクトマネージャとして活躍している方や、これからプロジェクトマネージャになろうとしている方へのメッセージをお届けします。

もちろん、異なる立場の方にも、お読みいただきたいことです。

<経営の一翼を担える人物になろう>

ITが社会に浸透するにつれて、IT技術に詳しい人物が経営の一翼を担う時代がやってきています。

私は、プロジェクトマネージャこそが、「IT技術に詳しく、経営の一翼を担う人物」になるべきと考えています。

そして、多くの経営者がそれを望んでいることを知っています。

では、そのようなプロジェクトマネージャになるにはどうしたらよいのでしょうか。

答えの1つとして、「モノづくりの匠」、すなわち、技術者として技術を極めるだけでなく、「経営的な視点」を持つことを挙げます。

なぜなら、プロジェクトの決裁権を持つ、お客様の「プロジェクトオーナー」は、経営的な視点でシステムを導入するか、否かを決めているからです。

ベンダー企業が、お客様に最適なITベンダーとして採用していただくには、プロジェクトオーナーと対等に話ができる必要があるのです。

<経営的な視点での会話ができてこそ>

たとえば、プロジェクトオーナーから、「半年以内に、ROI(※)をなんとかしないといけないのだけど」と言われた時に、「ROIって何ですか?」と尋ねてしまったら、プロジェクトマネージャとして、プロジェクトオーナーと対等に話ができるには「まだ遠い」、と私は思います。

20120412__3 プロジェクトマネージャが、ROIを理解しているのは当然のこと。

さらに「ROIを半年以内に高めるために、どのような技術やシステムを提供できるか」、という提案ができることが求められるのです。

また、プロジェクトマネージャは、お客様の業界によって、金銭感覚が異なることを知っておくことも大切です。

たとえば、「プロジェクト費用の中で、10万円をお客様に負担いただきたい」とプロジェクトオーナーに伝えたいとしましょう。

同じ10万円でも、主力商品の単価が数百円のお客様と、数百万円のお客様では、金額のとらえ方が異なります。

プロジェクトマネージャはその点に配慮した会話をする必要があるのです。

経営的な視点とは上記のようなコスト面での知識や配慮だけではありません。

プロジェクトオーナーが望む「価値」を見極める視点を持つこと、つまり「企業価値」をしっかりと把握する姿勢を身に付けることが重要なのです。

企業は経営目標を達成し、企業価値を確保するために、顧客満足度や売り上げの向上、原価や棚卸資産の低減などの活動を行っており、その成果はEVAやFCFに集約されます。

EVAは「その企業が生み出した付加価値」、FCFは「企業の現時点での資金獲得能力や債務返済能力」。

どちらも投資家から見た企業価値の判断材料です。

つまり、プロジェクトマネージャは常にプロジェクトオーナーと同じ視点(=企業価値)を持って行動することが求められています。

このような、経営的な視点を持ち、プロジェクトオーナーと会話ができてこそ、「IT技術に詳しく、経営の一翼を担えるプロジェクトマネージャ」と言えるでしょう。

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※ROI(return on investment):
投資回収率。投下した資本がどれだけの利益を生んでいるのかを測る際に使われる指標。
利益/投資額(%)で算出する。
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■福山によると、プロジェクトマネージャに必要なのは、「経営的な視点を持つこと」だけではないそうです。
それは一体何でしょうか。次回をお楽しみに。

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富士通ラーニングメディアでは、プロジェクトマネジメントのスキルを体系的に学べます。
プロジェクトマネジメントを、QCD(品質・コスト・納期)の観点から考えるコース、ヒューマンスキルを高めるコースなど、様々な側面からスキルアップをバックアップしています。
ぜひ、ご活用ください。
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こんにちは!富士通ラーニングメディアの城(じょう)です。

毎週木曜日は、「これからのプロジェクトマネジメントは?」というテーマでお話ししています。

5回目となる今日は、前回に続き、職場環境が大きく変わる中でも、プロジェクトを確実に成功に導くプロジェクトマネージャを育成するには、どうすればよいのか、がテーマです。

前回は、ポイントを2つ挙げました。
ポイント1:KKDを短期間で身に付けること
ポイント2:ビジネス環境の変化に対応できるようになること

1つ目のポイントについては、前回お話ししましたので、今回は2つ目のポイント「ビジネス環境の変化に対応できるようになること」について、考えます。

※1つ目のポイントについては、バックナンバーをお読みください。
http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2012/03/201203290839.html

<クラウドの登場で、変わるビジネス>

今、日本のIT業界は、クラウドビジネスにシフトする傾向が現れています。
あるベンダー企業における、2011年のクラウド商談の発生件数は、前年に比べ、8倍以上といわれています。

今まで、ユーザー企業は、自社のシステム開発を、自社の業務にあわせてオーダーメイドしてきましたが、これからはクラウドという既製品に業務を合わせていく必要が出てきます。

その結果、システム導入による「初期投資を軽減できる」ことや、システム運用における、「ランニングコストを抑えられる」ことなど、ユーザー企業にとっては大きなメリットが得られるわけですから、クラウドはかなり魅力的です。

<ベンダー企業に求められている変化>

一方、ベンダー企業は、これまで顧客のニーズに合わせ、システム全体をパッケージとして、すべて自分たちで開発してきました。

これからは、既存のクラウドサービスをベースとしたうえで、ユーザー企業に合わせたカスタマイズを行っていくことになります。

「無いものは作る」というスタイルから、「既存のサービスを組み合わせて提供する」というスタイルに変わるのですから、ベンダー企業は、開発に対する考え方を変える必要があります

また、システム開発の開発プロセスモデルにも変化が現れています

これまで主流だった「ウォーターフォール・モデル」は、原則として前工程が完了しないと次工程に進まないのが特徴です。

「前工程に間違いがない」ことを前提としているので、開発途中で仕様が変わると、大きな後戻りが生じます。

最悪の場合、運用テストなど、システムの動きの確認後に変更が発生し、設計から作り直す可能性も出てくるというデメリットがあります。

このデメリットを補完するものとして登場したのが「アジャイル開発」です。

アジャイル開発は、開発対象をリリース可能な小さな「機能」や「非機能」などに分割し、イテレーションと呼ばれる短い開発サイクルを、プロジェクトが完了するまで繰り返し行います。

各イテレーションは、それ1つが独立した小さな開発単位となっているため、「徐々に機能を拡張して提供できる」「仕様やスコープの変更に柔軟に対応できる」「ユーザーとベンダーで機能を確認しながら開発できる」といったメリットがあります。

システムにおける開発要素が少なくなってきているクラウド時代では、開発した結果を確認しながらプロジェクトを進めることができる「アジャイル開発」を採用するプロジェクトが増えてきています

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<プロジェクトマネージャの役割>

クラウドやアジャイルは一例ですが、誰も経験をしていない領域にビジネスがシフトしていく中では、プロジェクトマネージャの役割も大きく変わっていきます

このような過渡期にいるプロジェクトマネージャと、その予備軍の方々は、今まで自分の中で蓄積してきた「KKD(勘・経験・度胸)」に加え、新しい領域の「KKD」を身に付けることが重要となります。

つまり、「KKD」もビジネスの変化に合わせて成長させていかなければなりません。

そのための近道として、ぜひ、活用していただきたいのが、研修です。
同じクラウドでも、プロジェクトマネージャとして知っておくべきことと、技術者として知っておくべきことは異なります
研修によって、それを切り分けて整理し、学ぶことができます。

また、クラウドやアジャイルといった新しいビジネスや技術を導入する際は、社内に経験知も現場の知恵もありません。

ですから、実際の事例を扱った研修を受けることによって、スムーズに導入するためのポイントを身に付けていただきたいのです

当社でも、このように、ビジネス環境の変化に対応できるような人材育成を、研修として支援していきたいと考えています。

■次回は、「これからのプロジェクトマネージャに必要なこと」について、当社の福山が話します。
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富士通ラーニングメディアでは、プロジェクトマネジメントのスキルを体系的に学べます。
ご自分のスキルアップに、スタッフのスキルアップに、ぜひ、ご活用ください。
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こんにちは!富士通ラーニングメディアの城(じょう)です。

毎週木曜日は、「これからのプロジェクトマネジメントは?」というテーマで話をしています。

4回目の今日は、大きく職場環境が変わる中でも、確実にプロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャを育成するには、どうすればよいのか、がテーマです。

<プロジェクトマネージャの育成のポイントは2つ>

人材育成には時間も手間も必要です。

しかし、プロジェクトの進行が早く、人材育成に時間も手間もかけられない、という現実の中で、確実にプロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャを育成するには、どうしたらよいのでしょうか。

私は、2つのポイントを挙げたいと思います。

1つ目は「KKDを短期間で身に付けること」。

そして、2つ目は「ビジネス環境の変化に対応できるようになること」。

今回は、1つ目のポイントについてお話しします。

<KKDを短期間で身に付ける>

KKDとは、前回お話ししたように、「K:勘、K:経験、D:度胸」のことです。KKDを身に付けるには、本当は、実際の現場を、豊富に経験するのが一番よいのですが、すべてを経験するには、時間がかかります。
プロジェクトの進行が早く、現状の業務に追われ、人材育成に時間も手間もかけられない、という現実もあります。

このような状況下で、いかに、KKDを身に付けていけばよいのか?

私はその答えのひとつが、業務の中で経験を積むOJTだけでなく、職場の外に学ぶ場を作ること、すなわち、Off-JTとして研修を効果的に活用することだと考えています。

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<研修を活用するメリットは疑似体験>

研修のメリットは、何と言っても、実際の現場で起こりうることを、豊富に疑似体験できることです。

皆さんが、PMBOK® GuideA Guide to the Project Management Body of Knowledge)などの知識をベースとした内容を習得された後の研修として、受講をお考えの際は、ぜひ、「疑似体験を豊富に取り入れた研修」を選ぶことをおすすめします。

一例として、当社のプロジェクトマネジメント系コースの中でも、疑似体験をメインとするコースで実施する演習の特長をご紹介します。

演習は、

1.富士通などに在籍しているプロジェクトマネージャに取材をして、実際に起きたシチュエーションをベースとした演習課題を設定
2.「自分がプロジェクトのマネージャだったら、その課題にどう対応するか」を、受講者1人1人が考える個人ワーク
3.他の受講者とのグループ・ディスカッション

という手順で行われます。

演習課題は、たとえば、「旅行会社のシステムを再構築する」というシチュエーションのもと、基本設計におけるリスクの洗い出しや、リスクに対する事前防止策の検討など、実務に即したものを設定しています。

また、1人で考えるだけでなく、他社から参加している受講者の方たちとグループ・ディスカッションをすることで、自分の考えがより深まり、自分・自社だけでは気づかない、他者・他社の視点にも気づくことが可能です。

このように多様な演習を積み重ねることで、何年もかかるプロジェクトや、失敗しそうなシチュエーションからのリカバリーなど、さまざまな疑似体験をすることができるようにしています。

■次回は、確実にプロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャを育成するための2つ目のポイント「ビジネス環境の変化に対応できるようになること」についてお話しします。
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富士通ラーニングメディアでは、プロジェクトマネジメントのスキルを体系的に学べます。
短期間で新たな経験知を得ること、そして経験知を深めることができると好評です。
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PMBOKは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management institute,inc.)の登録商標です。

こんにちは!富士通ラーニングメディアの城(じょう)です。

毎週木曜日は、「これからのプロジェクトマネジメントは?」というテーマでお話をしています。

3回目となる今日は、プロジェクトマネジメント関連コースなどの講師を10年担当している私が、PMBOK® GuideA Guide to the Project Management Body of Knowledge)を現場で使いこなすためのコツについてお話しします。

PMBOK® Guideを使いこなすために必要なもの>

前回お話ししたように、PMBOK® Guideはプロジェクトマネジメントのグローバルスタンダードで、素晴らしいフレームワークです。

しかし、PMBOK® Guideだけ知っていれば、いつでも、誰でも成功できるのか、というと、そうではありません。

PMBOK® Guideはあくまでもフレームワークですから、自分の業界や、目の前のプロジェクトに合わせてアレンジし、使いこなすことが必要になってきます。

では、PMBOK® Guideを使いこなすには、何が必要なのでしょうか?

その一つの解としてKKDが挙げられます。

<KKDは、現場の知恵>

KKDとは、「勘(K)と、経験(K)と、度胸(D)」のことです。

『○○の仕様は、未確定要素が多いため、リスク対策として、費用を考慮しておこう』
とか
『○○の作業は時間がかかる傾向があるので、バッファを長めに確保しておこう』
などといった、

言わば、昔から培われてきた「現場の知恵」のようなものです。

PMBOK® Guideというフレームワークに、現場の知恵であるKKDが融合することで、それぞれのプロジェクトに最適なマネジメント方法が見つかってくる、というわけです。

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<KKDが現場で身に付かなくなっている>

「勘」「経験」「度胸」「現場の知恵」という言葉が示すとおり、KKDは属人的な側面が大きい経験知です。

以前は、業務経験を積む中で、先輩プロジェクトマネージャの背中を見ながら、後輩に受け継がれてきました。

1つのプロジェクトが、年単位で進み、時間をかけることができていたため、KKDがスムーズに後輩へ受け継がれていく環境が整っていたのです。

ところが、現状はこんな感じです。次の、経営者A氏と私の会話をお読みください。

  『業務と人材育成のどちらを優先していますか?』
A氏 『今年は厳しいからね。人材育成よりも、目先の業務が大事でしょう』
  『では、来年はどうですか?再来年は?』
A氏 『それは・・・うーん。人材育成が大事なのは分かるけれど、やっぱり、この先もずっと、業務優先になるだろうなあ』

「業務が優先」と話してくださったA氏のお気持ちもとてもよく分かります。

実際に、人材育成には時間も手間も必要だからです。

プロジェクトの進行が早い今、以前にくらべ、人材育成に時間も手間もかけられない、というのが、多くの職場の現実です。

■大きく職場環境が変わる中でも、確実にプロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャを育成するには、どうすればよいのでしょうか?次回はそのポイントをお話しします。
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PMBOKは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management institute,inc.)の登録商標です。

こんにちは!富士通ラーニングメディアの福山です。

毎週木曜日は、「これからのプロジェクトマネジメントとは?」というテーマでお話をしています。

第2回目となる本日は、「プロジェクトを成功に導くために」というテーマで、PMBOK® GuideA Guide to the Project Management Body of Knowledge)について、みなさまと一緒に考えてみたいと思います。

富士通で20年以上、プロジェクトマネージャを担当してきた私の経験や、はじめてプロジェクトにPMBOK® Guideを導入した時に感じたことなどをお話ししましょう。

PMBOK® Guide:米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)が作成した「プロジェクトマネジメントの知識を体系的にまとめた」もので、グローバルスタンダードとして活用されています。

PMBOK® Guide導入で、プロセスを共通言語化>

富士通時代、私は、あるプロジェクトで、100人ほどのシステムエンジニアを取りまとめ、何人ものプロジェクトマネージャやプロジェクトリーダーを抱えていました。

組織文化の異なるメンバーもいましたので、プロジェクトの運営方法を統一する目的で、PMBOK® Guideを導入することにしました。

PMBOK® Guideの考え方をプロジェクト運営に適用したことで、何を、どういう流れでやったらよいかの基準が分かるようになり、大きな漏れや、観点のずれが少なくなりました。

その結果、さまざまな組織文化で育ったプロジェクトマネージャやプロジェクトリーダーであっても、Q(品質)・C(コスト)・D(納期)を追求するプロセスを、ある一定の基準を守った上で遂行できるので、失敗が少ない着実なプロジェクト推進ができるようになっていったのです。

さらに、プロジェクトマネージャやプロジェクトリーダーの属人的だった経験知が、PMBOK® Guideというフレームワークに基づいた共通認識のもとで語られる「形式知」となって、ノウハウが次の世代へ受け継がれやすくなるという効果も出てきました。

実はこれが重要なことです。

PMBOK® Guideには、標準たるものの素晴らしさがあります。

それにのっとった仕様は、「福山流」や、「富士通流」ではなく、誰もが共通で認識できる「ブランド」としての地位が確立されるので、お客様にも、社内のチームメンバーにも、自然に受け入れてもらえるわけです。

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PMBOK® Guideだけ知っていても、成功できない>

実は、優秀なプロジェクトマネージャは、PMBOK® Guideを知らずともプロジェクトを成功裏に運営できていて、後からPMBOK® Guideと照らし合わせてみたら、自分のやっていることは、PMBOK® Guideにのっとっていたことに気がつくことが多いのです。

しかし、最近は1つのプロジェクトの実施期間が短期化し、複数のプロジェクトを掛け持ちしているマネージャも少なくありません。

そのため、社内での人材育成に時間や手間がかけられなくなっています

プロジェクトマネージャになる前に、プロジェクトを成功に導くスキルを完全に身に付けることが難しくなっているのです。

このような場合でも、PMBOK® Guideを指針にマネジメントすると、大きな失敗をしないですむわけです。

では、PMBOK® Guideだけを知っていれば、いつでも、誰でも成功できるのか、というと、答えは「NO!」です。

PMBOK® Guideはあくまでも、あらゆる業界で通用するフレームワークです。

また、「何をすべきか」は書いてありますが、「どうやってそれをすべきか」は書いてありません。

ですから、自分の業界や目の前のプロジェクトに合わせてアレンジをして、現場で使える具体的なフレームワークに落とし込むことが必須です。

その、アレンジや落とし込みが難しいために、多くのプロジェクトマネージャたちから、「PMBOK® Guideという素晴らしいフレームワークがあるのは分かる。でも、どうやって使いこなしたらよいのか分からない」という声が聞こえてくるわけです。

■次回は、PMBOK® Guide使いこなせるフレームワークにするためのコツについてお話しします。
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ご自分のスキルアップに、スタッフのスキルアップに、ぜひ、ご活用ください。
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PMBOKは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management institute,inc.)の登録商標です。

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