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【いま求められる人材】クラウド時代の最新ベストプラクティス「クラウドデザインパターン」とは?

[2014年6月26日]

こんにちは、富士通ラーニングメディアの今村です。私は普段、「Webアプリケーション開発」や「クラウドコンピューティング」、「タブレットアプリケーション開発」など、トレンド分野のカリキュラム策定や教材開発を担当しています。今回は、クラウド技術者の中で注目を集めている「クラウドデザインパターン」についてご紹介します!

 

講師画像

今村可奈(イマムラカナ)
学生時代はパソコン操作よりもブルドーザーやショベルカーで森を切り開いていたことの方が多かったという異色の経歴。入社してからMicrosoftの開発系技術(ほぼ)ひとすじで、講師やカリキュラム企画、教材開発や実際のアプリケーション開発などに携わっている。1児(とても可愛くてナマイキ盛りの女児)の母のつもりだが、もしかしたら2児(メガネの似合うイケメン(主観)アラフォー男児と女児)の母なのかもしれない、と考えはじめている。趣味はカメラとお酒。

 

<クラウドってそもそも何、というおさらいから>

クラウド(またはクラウドコンピューティング)については、既にご存知の方やご使用の方も多いと思います。クラウド(Cloud)は雲を意味する英単語ですが、IT用語としては手元のパソコンやサーバー、スマートフォンなどのローカル環境ではなく、ネットワーク(特にインターネット)越しに別の場所にあるコンピュータ資源をサービスとして提供する形式のことを指します。
たとえば、自社運用中のWebサイトへのアクセスが急増した場合、手元(オンプレミス)だったら、状況によってはハードウェアの購入から行ったり、マシンセットアップを行ったりしてWebサーバーを増強し、アクセス急増に対応する必要が生じます。Webサーバーを増強するまではビジネスや情報発信の機会を損失してしまうかもしれません。しかし、クラウドであればわずか数分でインターネットの向こうにあるサーバーを大量に用意できます。また、基本的にはクラウドサービスは従量課金制ですので、不要になったサーバーリソースを解放することでコストを抑えることもできます。また、クラウドで提供される部分(ハードウェアやデータセンター内のネットワーク、場合によってはOSなど)は、利用者側で管理する必要がありませんので、管理費用面でもコストメリットがあります。

<まぁ、とにかくクラウドにすればいいんじゃないの?>

とても便利そうなクラウドですが、なんでも解決してくれる「銀の弾丸」とは言えません。クラウドはハードウェアの調達が不要なので、初期投資は抑えやすいのですが、サービスを長期的かつ安定的に使用するのであれば、オンプレミスの方がトータルでのコストメリットが生じることも少なくありません。また、基本的にクラウドは「安価なサーバーを大量に並べる」方法で運用されています。そのため、スケールアップ(既存サーバーをスペックアップし、増強すること)に限界がありますし、サーバーを大量に借りれば借りるほど、信頼性を高めやすくなりますが、その分コストがかかりますし。つまり、さまざまな評価軸(コストや可用性、信頼性などなど)に対してトレードオフの関係になりやすいのです。

<クラウドデザインパターンってご存知ですか?>

このように、トレードオフの関係が生じやすいクラウドでは、設計が非常に重要です。 設計の良し悪しが、皆さんの提供するサービスの品質やビジネスに直結します。しかし、オンプレミスと異なり、まだまだクラウドのノウハウは不足している状況です。そこで生まれたのが「クラウドデザインパターン」です。クラウドデザインパターンでは、クラウド利用時の1つ1つの問題に関する解決方法と、その際に得られるメリットや発生するデメリットなどを明らかにしています。パターンの1つ1つは比較的シンプルなものが多いため、提供するサービスやアプリケーションの仕様や制約事項に基づいて、複数のパターンを組み合わせて適用することになるでしょう。

Microsoft社では「Microsoft Azure」というクラウドサービスを提供しており、Microsoft社の実践的な開発ガイダンス群である「patterns & practices」の1つとして24のクラウドデザインパターンを公開しています。他にも、Amazon Web Services(AWS)のクラウドを利用する際のガイドとしてもクラウドデザインパターンの情報が公開されています(Microsoft社による情報公開ではありません)。

<クラウドデザインパターンって注目されているの?>

先日5月29日~30日に、日本マイクロソフト社主催の「de:code」というイベントが開催されました。このイベントでは、2日間にわたって、約80のさまざまなジャンルや製品の技術セッションが行われました。この中で、先述の「patterns & practices」として公開されたクラウドデザインパターンについての2つのセッションが、最も大きな部屋で開催されました。注目度も高く、セッションはほぼ満席の状態でした。このセッションでは、Microsoft社の「patterns & practices」の一員で、クラウドデザインパターンの執筆にも携わった成本氏がセッションを行い、20のパターンを説明しました(全24に対し、4つ足りないのはセッション時間の関係だそうです)。


<クラウドデザインパターンの日本語版書籍を監訳しました!>

このMicrosoft社のクラウドデザインパターンは英語版が無償で公開されており、誰でもPDF形式でのダウンロードが可能です。しかし、「日本語で読みたい!」という声が上がっていたため、日本マイクロソフト社とMicrosoft Azureのユーザーコミュニティの有志メンバーで監訳をし、市販書として提供することになりました。
私もユーザーコミュニティの一員として、クラウドデザインパターンの監訳作業に携わりました。
「クラウドデザインパターン Azureを例としたクラウドアプリケーション設計の手引き」の書名にあるように、例ではMicrosoft Azureを使用していますが、他のクラウドサービスをご利用中または検討している方にも、読んで活用していただける内容です。

イメージ図

ちなみに、本書はde:code会場で先行発売されましたが、2日間のイベント期間中で1番多く売れた本だったそうです。

<クラウドデザインパターン、興味はありませんか?>

クラウドも、評価や試用といったフェーズから実際の業務利用や大型利用が進み、設計知識に関するニーズが増えてきています。こんなときのパターンが知りたい!こんな問題解決をしたい!など、皆様のお声(ご要望・ご意見)をぜひお聞かせください。

⇒ (アンケートは終了しました)

 

クラウドがはじめてという方には、以下のコースもオススメです。
初めてのクラウド技術 (UBS02D)

クラウド技術の基礎(UBS34L)

先進事例から探るクラウド利活用 ~新しいビジネスを考える~(UBS52L)

 

最後に当ブログの名物コーナー(?)であるオススメ書籍のご紹介です。今回はもちろんブログ内でご紹介した書籍を挙げておきます。
『クラウドデザインパターン Azureを例としたクラウドアプリケーション設計の手引き』
著者:Alex Homer, John Sharp, Larry Brader, Masashi Narumoto, Trent Swanson
監訳:日本マイクロソフト, Japan Azure User Group
出版社:日経BP社
(ISBN:978-4-82229-833-3)

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