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【いま、求められる人材】顧客起点でITサービスの価値を考えよう ~ITIL 2011 の変更点~

[2013年4月18日]

みなさん、こんにちは!
富士通ラーニングメディアで、研修の企画・設計や講師を担当している佐藤です。

イメージ図今回は、システム運用管理を中心とした幅広い分野で広く利用され、ITサービスマネジメントの世界的な業界標準として普及している「ITIL」の特徴や、「ITIL v3」から「ITIL 2011」への改訂ポイントなどについて、ご紹介します。

これからITILを学ぼうとされる方や、既にITILをご存知で、「ITIL 2011」の改訂ポイントを知りたいという方に、ご参考にしていただければ幸いです。


<ITILとは?>

イメージ図「ITIL」とはIT Infrastructure Libraryの略で、英国政府が開発した、ITサービスマネジメントのベストプラクティスが、「コア書籍」と呼ばれる5冊の書籍群にまとめられています。


イメージ図このITILをベースに、ITサービスマネジメントに関するスキルを証明する認定資格には、「ITIL Foundation」や、「ITIL Intermediate」、「ITIL Expert」などがあり、問題はコア書籍をもとに出題されます。

 

英語版のコア書籍は、2011年夏に「ITIL v3」から「ITIL 2011」へ改訂され、日本語版のコア書籍は、2012年度末までに翻訳と改訂が完了しました。
資格試験も順次移行していますので、2013年内には、すべての試験がITIL 2011へ移行完了となる見通しです。

 

ITILと聞くと、企画・開発・運用・保守といった情報システム構築フェーズのうち、運用・保守を扱っているというイメージが強いかもしれません。
しかし、ITIL はv3以降、サービスのライフサイクルという概念を提唱しており、ITサービスを顧客へ提案する場面から日々の運用業務までを幅広く捉えるようになりました。

具体的には、

・ITサービスの提案を行う『サービスストラテジ』
・ITサービスの設計をする『サービスデザイン』
・リリースや変更を取り扱う『サービストランジション』
・日々の運用業務にあたる『サービスオペレーション』
・全体を包含する『継続的サービス改善』

という5つの段階があり、各段階でプロセスが定義されています。
プロセスの数は、v3では26個でしたが、2011では、顧客関係管理とデザイン・コーディネーションが追加され、28個になりました。

 

<ITILを学ぶメリットや魅力とは?>

ITILを初めて学習する方は、とても幅広い範囲を学ぶことになり、ご自身がご担当したことがない内容も出てきます。
たとえば、『サービスストラテジ』では、顧客へITサービスの提案を行う段階とプロセスが定義されています。
学習する方は、ITサービスを提案する側として「このITサービスは、顧客の目的に適合しているか?」といった顧客志向の観点を持ち、ITサービスについて考えることになります。
普段、こういった観点を業務で考えたことがない方にとっては、ちょっと難しい反面、学びの面白さを感じていただけるところです。

ITILを学習するさまざまなメリットのひとつに、参画できるプロジェクトの幅や選択肢が広がる可能性があるという点があげられます。
個人であれ会社単位であれ、このメリットは大きいでしょう。

私はITIL研修の講師を通じて、さまざまな受講者様や企業の教育ご担当者様へお会いする機会も多いですが、組織全体で資格取得に取り組むケースを多くお見受けし、人気の高さを実感しています。
当社で実施している研修にも、顧客満足度や品質向上施策の一環として、組織全体で運用に力を入れているITベンダー様、自社での運用を効率化したいユーザ企業様など、さまざまな方がおいでになります。
また、以前はFoundation の資格取得でITILの学習を終える方が大多数でしたが、ここ数年は、上位資格であるIntermediateやExpertを目指して研修を受講される方が増えています。
ISO20000 (注)普及の流れが背景のひとつにあるようです。

私は、日本人以外のエンジニア、たとえばベトナムなど新興国の方に対しても、研修を実施することがありますが、受講者様の業務内容を確認させていただく際、ITILの枠組みの知識が非常に役立っています。
オフショア関連業務を行う際、共通言語として利用できることも、ITILの魅力と感じています。

(注)ITサービスマネジメント(ITSM)に関する英国規格BS15000をベースとして開発された国際規格。ITサービスを実施するためのフレームワークであり、ITILを基にして規定されている。


<ITIL 2011の変更点>

イメージ図「ITIL v3」から「ITIL 2011」への改訂の主な狙いは、内容の整合性を図ることにあります。
構成を標準化して、整合性・一貫性、読みやすさの向上と確保が図られています。
すでにご紹介した、サービスのライフサイクルという概念に大幅な変更はありませんが、プロセス名とプロセス数には若干の修正があります。
2011はバージョンアップではなく、v3のマイナーチェンジだと思っていただけると、分かりやすいと思います。

しかしマイナーチェンジとはいえ、コア書籍のうち、『サービスストラテジ』には大幅な改訂が行われました。
ページ数は2倍近くに増え、構成やプロセスも見直されています
たとえば『ITサービス戦略管理』『ITサービス財務管理』『事業関係管理』といった、新しい概念のプロセスや、名称をあらためたプロセスが定義されていますので、注意が必要です。

その他、注目したいキーワードは「クラウド」と「ソーシング」です。

コア書籍 『サービスデザイン』には、ソーシングの構造(提供戦略)の記述があり、2011になり、「クラウド」の概念が追加されました。
クラウドサービス普及によりマルチベンダ化が進み、リソース調達をするうえでの柔軟性が高くなる一方で、ITサービスにおける複雑性やリスクが増すことが指摘されています。

コア書籍によると、今後、補完書籍にてクラウドサービス普及に伴うソーシング戦略の指針を提供する予定とのことです。
今後のITILの動向として、クラウドとソーシングが注目を集めるものと考えております。

 

<ITILを学び、顧客起点でITサービスの価値を考えよう>

イメージ図システム障害や顧客クレームが多発している状況下で、ご自身の担当業務のみを掘り下げても、なかなか改善が進まないかもしれせん。
その際には、ITILに書かれている、ITサービスをライフサイクル全体で捉える視点が重要です。

ITILの広い視野で原因を考えると、たとえば「もし自分がITサービスを提案する立場だったら、この状況をどのようにとらえるか?」「顧客は、そもそもの目的を達成できているか?」などと、顧客志向の観点での原因考察ができるようになります。

ITILを学ぶと、視野が広がり、ITサービスの提供を通じて顧客へ提供できる価値とはなにか、と考える機会を得ることができ、先々の予測や改善へ役立てることが期待できます

このコラムのタイトルを、「顧客起点でITサービスの価値を考えよう」としたのも、そのためです。
私は、個人としても組織としても、ITILが役立つと確信しておりますので、ぜひ一緒に学んでいければと思います。

当社でも、ITIL認定資格コースをご提供しています。
ご紹介してきたとおり、2011は、v3のマイナーチェンジですので、v3対応コースをご受講されても問題ないかと思います。

>> ITIL認定資格(v3対応コース)

なお、「ITIL 2011」対応コースも、近々、リリース予定です。
「ITIL 2011」対応コースのリリースが決まりましたら、当社Webサイトでご紹介いたします。
メルマガでもご案内いたしますので、まだメルマガ登録されていないお客様は、この機会にぜひ、登録ください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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