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【いま、求められる人材】日本より進んでいる?韓国のeラーニング最新動向★韓国での授業設計の仕方、学びのスタイルは?

[2012年12月13日]

みなさん、こんにちは!富士通ラーニングメディア・中部ソリューション部の太田です。
中部地区の研修全般(集合およびeラーニング)の企画から運営までを担当しています。

私は、2012年9月に韓国を訪問しました。
目的は以下の2つです。
1.ソウルで開催されたe-Learning Korea 2012:Expoへの参加
2.韓国の企業や学校現場におけるeラーニング活用事例の視察

今回の訪問を通して、韓国におけるeラーニングへの取り組みやデジタル教材の使われ方などを、実際に目で見て肌で感じてきました。

今月は、この視察の報告として、韓国のeラーニングの最新動向、活用事例などを4回にわたりお届けしています(毎週木曜日掲載)。
3回目となる今回は、デジタル教科書の研究校に指定されている中学校と韓国最大手の英語塾における「楽しく継続して学ぶための運営面での取り組み」についてお伝えします。

<デジタル教科書研究校での授業風景>

韓国では、2014年からは小・中学校で、2015年からは高校で、デジタル教科書が全面的に導入される予定です。
今回、デジタル教科書の研究校に指定されている、仁川市ソクジョン中学校を訪問し、1年生の英語の授業を参観させていただきました。

授業は、20代~30代の女性教師が担当していました(もう1名50代の男性教員も生物でデジタル教科書を使って授業をしているそうです)。
教室は、電子教卓と電子黒板が設置され、生徒には、1人1台、デジタル教科書が入ったノートパソコンが用意されています。
教師は電子教卓のパソコン、電子黒板、タブレットを使い分けながら以下のように授業を進めていました。
20121213_1
1.デジタル教科書を使った授業
デジタル教科書を見ながら、構文の説明や発音の練習をします。
デジタル教科書はテキストとイラスト・写真で構成されていました。
確認問題は穴埋め式で、下線部分にキーボードから入力した単語が入るようになっています。
授業では、生徒それぞれにPCに向かって入力をさせた後、指名した生徒に電子教卓のPCで入力させ、内容を電子黒板に写して答えあわせをしたり、電子黒板に表示された英文を発音させたりしていました。

2.教師による課題提示
グループ(4~5名)でホームページを作る、という課題に取り組んでいました。
教科書で習った文章を入力し、それに関連する画像をインターネットから探してきて、ホームページに貼り付け完成させていきます。
その日の授業で扱った文章が、地球温暖化にまつわる内容だったため、グループで相談し合いながら、ゴミの山や木が伐採されている写真などを検索して作成していました。

3.各グループのページを電子黒板に表示して、発表
生徒たちが作ったページを電子黒板に表示し、文章を音読させたり、写真を選んだ理由などを発表させたりします(発表が終わると拍手)。
20121213_2
4.その他
講師は、適宜、三択クイズなどを電子黒板に表示します。
学生は自分のPCで解答を選択すると、講師のタブレットで結果が確認できます。
また、電子黒板で各生徒のPC画面を一覧で表示できるため、違う画面を開いている生徒に注意を促したり、早くできた生徒に声かけをしたりしていました。

この授業で当社が注目したのは、ホームページ上で展開される生徒同士のコミュニケーションです。
生徒がアップした画像は電子黒板や各自のパソコンで見ることがきます。
そして、他の生徒が発表したものに対して「たくさん見つけたね」「この写真、いいね」など、互いにコメントを出し合っていました。
20121213_3
デジタル教科書を使い、オンラインでのコミュニケーションも取り入れたことで、以下のメリットがあったそうです。
・他の生徒の発表を見ることで新たな気づきを得られる
・今まであまり会話をする機会がなかった生徒から良いコメントをもらったことで仲良くなれる
・多くの生徒からコメントをもらうことで、自分の新たな長所の発見につながる
・教師が教える時間が減り、子ども同士で学び合う時間を増やすことができる
・パソコン操作が得意な生徒が積極的に授業に参加し、他の生徒のサポートを買って出るようになる

ここで特に印象的だったのは、「英語を修得させる」という目標のために最適な機材や学習スタイルを、教師自らが考え、デザインして授業をしていることです。
視察したのは英語の授業でしたが、教師の工夫により、単に英文法を学ぶだけでなく、環境問題など提示された課題について考え、ITリテラシーも身に付けることができる、総合的な授業になっていました。

<オンラインとオフラインを組み合わせた韓国最大手の学習法とは?>

次にご紹介するJLSは韓国最大手の英語塾です。

塾の授業はオフラインで実施されます(これは日本で行われているような一般的な英語の授業と同じでした)。
授業が終わると、生徒たちはラウンジに集まり、講師や事務スタッフ、他の生徒の前で、その日に習った英語をスピーチしていました。
これは、人前で話す場を設けて、英語で話すことに自信をもたせたい、というJLSの教育方針だそうです。
20121213_4
家に帰った生徒は、オンラインを活用した学習に取り組みます
JLSが開発した英語学習用のコンテンツは生徒が飽きないような工夫がたくさんありました。
学習効果が得られるようなゲームの種類を分析した上で選定しているそうです。(前回お話しした「ロケットのアニメを駆使した発音を身に付けるためのコンテンツ」もその1つです)

生徒用のホームページやSNSもあり、生徒が英語でスピーチした動画をアップしたり、それに対して教師や他の生徒がコメントをつけたりできるようになっていました
英語学習の成果を発表し、周囲から「すごいね」「上手だね」といったコメントを入れてもらうことで、英語力に自信をつけていく場として活用されていました。

<オンラインとオフライン、特徴にあわせた組み合わせが重要>

今回ご紹介した2つの事例では、どちらもIT技術を活用した学びを取り入れていますが、すべてをIT化しようとしているわけではありません。

ソクジョン中学校の教師によると、『書けるようになることや、書いて覚えることも重要な学びです。デジタル教科書が全面導入されても、プリントと鉛筆を使って穴埋め問題を解くといった、手を動かす授業も実施することになるでしょう』と話していました。
JLSでも、本やテレビなどさまざまなメディアから最適な方法を選定し、オンラインとオフラインを組み合わせて学びをデザインしていました。
また、どちらの事例もコミュニティの活用を重視していることが印象的でした。
今回の事例は子どもを対象としていましたが、社会人向け研修でもあてはまると感じています。

次回は最終回です。
コミュニティの活用など、運営面での取り組みの続きと、今回の韓国視察を通してのまとめをお届けします。

※次回は12月20日にお届け予定です。
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