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【いま、求められる人材】2012年人材育成のトレンド★永遠の課題「リーダーシップ」

[2012年7月19日]

こんにちは!富士通ラーニングメディアの程田(ほどた)です。
当社のLMS(学習管理システム)サービス、KnowledgeC@fe(ナレッジカフェ)を活用した人材育成の推進を担当しています。

今月は、5月に参加したASTD(American Society for Training & Development、米国人材開発機構)のカンファレンスや、その後に視察した米国企業から得た知見をお話ししています(毎週木曜日掲載)。

3回目となる今回は、ASTDカンファレンスにて注目した2つ目のテーマ、「リーダーシップ」についてお話しします。
リーダーシップというと、以前からカンファレンスで話題になっており、すでに語りつくされた印象が強かったのですが、今年も大きく取り上げられていました。
参加者からの注目度も高かったため、やはり「リーダーシップは永遠の課題である」ととらえています。

<リーダー層の意識改革を促す:AT&T社の実例より>

AT&T社で実施されているリーダーシップ研修を実際に体験できるセッションに参加しましたのでご紹介します。
リーマンショック後の業績悪化に苦しんでいたAT&T社では、自社を電話会社ではなく、IPインフラ提供プロバイダーと位置づけ、組織の変革を目指しました。

その中でも一番の問題となったのは、競合会社と比較して、顧客からの評価が非常に悪いことでした。
自社にとって「カスタマーサービスが生命線」という結論を下し、リーダー層の意識改革を目指したのだそうです。

セッションで体験した演習内容は、参加者が、従業員と顧客に分かれ、「シナリオ通りに演じてみる」というものでした。
私には、病院の受付担当者という役割が与えられました。相手は窓口にクレームを言いに来た患者です。
「どのようなクレームであっても、すべて拒否するように」という指示が与えられました。
他の参加者も、「航空会社の受付担当者と乗客」「ホテルのレセプションと宿泊客」など、それぞれ異なる役割とストーリーが与えられました。

参加者はみな、最初は緊張していましたが、徐々に役割に徹することが楽しくなり、最後は演じた人も、見ていた人も大盛り上がりでした。
そして、各自が自分の役割を演じ切った後は、それぞれの顧客対応を振り返り、フィードバックをしながら、あるべき姿を討論しました。

このようなカスタマーサービスの改善を目的とした研修は、通常、現場研修の1つと考えがちですが、AT&T社では、「現場のサービス改善には、マネージャの意識改革が必須」ととらえ、役員を除く、ほぼすべてのマネージャに対して実施したのです。
ロールプレイを通して「サービスとは何か?」を徹底的に考え、リーダーとしてあるべき姿に気づかせる――この研修の結果、AT&T社の業績は大きく改善されたということです。

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<日本でもアメリカでも、悩みは「リーダー不足」>

日ごろ、お客様とお話ししたり情報収集をしたりする中で、日本で、リーダーになりたいと考える人が以前に比べて減っているのではないかと感じています。
どちらかというと受動的で、言われたことをきちんとできる人は多いのですが、リーダーシップを発揮しようとする人が少ないように思うのです。

この背景には、個人がリーダーシップを発揮する機会を「自発的に持たない」あるいは「組織的に持てない」という、両側面の課題が考えられます。
リーダーシップを発揮し、失敗してしまうことを恐れているのかもしれません。つまり、「失敗から学べる」という考え方が重要と理解しながらも、目の前のリスク回避を優先してしまう傾向にあるのではないでしょうか。

さらに、スピーディに変容するビジネスの中で、組織がリーダーとしてのロールモデルを示すことが難しい、とも感じています。
このような悩みは、日本特有のものだと思っていましたが、今回参加した『ビジョナリー・カンパニー』の著者であるジム・コリンズ氏の講演によると、アメリカでもリーダーは圧倒的に不足しているのだそうです。

<リーダーは育成できる>

コリンズ氏は、リーダーを5層に分ける理論「レベル5リーダーシップ」を提唱しています。
そして、「トップレベルのリーダー(レベル5)も、教育によって段階的に育成できる」ということを力説していました。

もちろん、スティーブ・ジョブズ氏や、ビル・ゲイツ氏、マーク・ザッカーバーグ氏のような、カリスマ的存在のリーダーを教育によって生み出すことは容易ではありません。

しかし、組織が成長し続けるためには、必ずしもカリスマ的なリーダーは必要ではなく、コリンズ氏の定義する第5水準のリーダー、つまり「適材適所に人を配置し、動かすことができるリーダー」をどれだけ輩出できるかが重要なのだそうです。

みなさんもご承知のとおり、組織において、リーダーはとても多忙な存在です。
今回、さまざまなセッションに参加する中で、そのように多忙な組織の上層部に対し、一定期間、現場から離れた場所で研修を実施しているケースを多く見受けました。

各セッションの発表者はほとんどが社内の人材育成担当者でした。
セッション終了後、発表者に、テーマに対する情報交換を試みたところ、「リーダー不足に対する危機感」や、「組織を挙げたリーダー育成の重要性」を感じていることを話してくれました。

当社においても、今後も「リーダーシップ研修」を継続的に行うことの必要性や効果を、お客様にお伝えしていきたいと思います。
お客様が必要とする真のリーダーを育てるためのプログラムを一緒に考え、人材育成パートナーとしてお役に立ちたいと考えています。

■本シリーズは毎週木曜日更新です(4回目は、7月26日)。
最終回は、企業と大学の訪問から見えてきたことをお話しします。
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