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【いま、求められる人材】2012年人材育成のトレンド★教育の費用対効果。変革の必要性。

[2012年7月12日]

こんにちは!富士通ラーニングメディアの矢邉(やべ)です。

企業内における人材育成の仕組みの研究と、LMS(学習管理システム)の運用管理を担当しています。

今月は、5月に参加したASTD(American Society for Training & Development、米国人材開発機構)のカンファレンスや、その後に視察した米国企業から得た知見をお話ししています(毎週木曜日掲載)。
2回目となる今回は、当社が注目したテーマの1つ、教育の費用対効果「ROI(Return on Investment)」と、教育に対する期待値「ROE(Return on Expectations)」についてお話しします。

<教育の費用対効果を測定する指標>

人材育成の費用対効果を考えるうえで、日本とアメリカには大きな違いがあります。
アメリカでは、人材育成を「投資」ととらえます。
ですから、投資に対する効果を明確化することに積極的に取り組んでいます。

何事も数値化して議論する傾向が強いアメリカでは、30年ほど前から、人材育成の効果も数値で評価してきました。
その際活用されているフレームワークの1つが、ドナルド・カークパトリック氏の「ROI」で、ROIを測定するモデルとして「レベル4フレームワーク」があります。

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今年のASTDのカンファレンスでは、昨年引退したドナルド・カークパトリック氏の後継者であるジェームズ・カークパトリック氏の講演がありました。
彼は、ドナルド氏が提唱した「ROI」だけでなく「ROE」をあわせて提唱し、組織の期待値(ビジネス・ゴール)を示す「ROE」を高めることの重要性を説いていました。

<日本では、人材育成を「コスト」ととらえてきた。しかし・・・>

カークパトリック氏によると、現状では、「レベル4フレームワーク」のレベル1~2ぐらいまでを適用しているケースが多く、レベル3を乗り越えることは難しいのだそうです。
たとえば、「研修において、受講後のアンケートをとることで、レベル4を達成した」ととらえているケースもあるなど、適用の難しさを、事例を交えて説明していました。

アメリカでは人材育成を「投資」ととらえるのに対し、日本では、人材育成を「コスト」ととらえる傾向が強いのではないでしょうか。

コストは、組織経営上、基本的に何かあれば「削減」する対象となるもので、いかに優れた人材育成のカリキュラムであっても、できるだけ最小限に抑えたいと考えてしまう傾向があるのです。

ご存じのとおり、組織が継続的に発展していくには、適正な人材育成が必要です。
近年、経営状況が厳しい時だからこそ人材育成の重要性をとなえ、研修効果を測り、「見える化」しようとする日本企業は少なくありません。

では、研修効果を具体的にどのように測定すればよいのでしょうか。

<人材育成の効果を測定するための、組織としての覚悟>

ROIやROEを活用した効果測定を実施するためには、まず、組織におけるビジネス目標を明確にして、それを達成するための人材育成を考える必要があると思います。

具体的には、以下のステップを踏みます。
1)組織の目標を明確にする(例:東南アジアでの売り上げを、10%アップさせる)
2)そのためには、どのような人材が必要かを定義する(例:現場マネージャーにヒアリングする)
3)その人材が身に付けるべき知識は何かを明確にする(例:語学? 製品知識?)
4)そのために必要な教育を実施する
5)実務に対してどのような成果が得られたのか(どのように行動が変わったか)を測定する(例:実際に、育成した人材を東南アジアに派遣して、検証する)

教育の費用対効果を正確に試算するために、企業は、個々の従業員に、自身の興味があることを自発的に学ぶことだけを期待するのではなく、組織の目標を達成するために、どのようなことができる人材を、いつまでに、何人育成するのか、ということを戦略的に考え、実行していく必要があるのではないでしょうか。

<真の人材育成パートナーを目指して>

当社では、さまざまな組織に所属している方々に向けた「定期講習会」をご提供しています。
定期講習会では、「それぞれの組織に求められている事項」をすべて網羅することは難しいため、多くの組織で共通して求められる事項に絞った内容で構成しています。

しかし今後は、定期講習会だけではなく、それぞれの組織にあわせた研修をご提案していくことが今まで以上に重要になると考えています。

その際は、「ビジネス目標のためにどのような人材が必要なのか」「どのようなスキルを修得できたら、ビジネス目標の達成に役立つのか」「その効果をいかに測定するのか」といったことを、お客様と一体となって考えさせていただけるような、「真の人材育成パートナー」を目指したいと考えています。
そして、その実現のためには、当社は人材育成サービスをご提供する企業として、お客様に信頼していただける存在でなければならないと、強く感じました。

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■本シリーズは毎週木曜日更新です(3回目は、7月19日)。
次回は、ASTDカンファレンスから、2つ目のトピックである「リーダーシップ」についてお話しします。
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