コラム
潜入レポート
「進化思考」ワークショップを体験して自分なりにまとめてみた(前編)

富士通ラーニングメディアの新入社員、IT講師の前島です。
いよいよ本配属、IT講師になるぞ!と思いきや約1ヶ月の間、新規イベント企画やライターのお仕事をやってきました。斬新なイベントアイデアが浮かばない...!とか、アイデアが浮かんでもビジネスモデルにつなげられない...!などの奮闘の日々を過ごしています。
そんなときに弊社の先輩から、デザイナーのNOSIGNER 太刀川英輔さんとCO☆PITとのコラボレーション企画、「進化思考」体験 ワークショップ ~社会を進化させるメソッド~ を紹介いただき(しがみつく思いで)参加してきました!なお、本内容は既にコンテンツが進化している可能性があることをご了承ください。
この記事では私がイベントに参加して学んだ
- 進化思考とは何か?
- 進化思考はどうやってやるのか?
について余すことなく内容を公開していきます!
目次
- STEP 1:進化対象「α」を決める
- STEP 2:進化対象「α」を取り巻く関係を理解する(中編に掲載)
- STEP 3:進化対象「α」を変異させる(中編に掲載)
進化思考とは?
アメリカのネブラスカ州南西部ではツバメの翼が年々短くなってきているそうです。 車社会という周辺環境の変化のため、素早く旋回して車から逃げられるような翼の短い個体の遺伝子が受け継がれていると考えられています。ツバメの翼は周辺環境の変化によって進化してきましたが、実はどう進化してきたのだろうか。これからどう進化していくのだろうか。もしかすると、未来のツバメは車のようなスピードの速い敵から逃げるためにより高いところまで飛べるようになったり、車にぶつかっても折れない強い骨を得たりするかもしれません。
「関係」と「変異」を繰り返す進化思考
多くの生物は、生態系や環境の変化に適合するために進化してきました。変化に対応できずに「淘汰」されてしまった生物や、「変異」を繰り返しすことで、環境に適合し続けてきた生物もいます。

太刀川さんは、この生物進化の過程にイノベーションの類似性を見出し、「生物の進化のように、アイデアを発想する思考法」として、進化思考を生み出したそうです。
ビジネスシーンでも、環境変化はますます激しくなり、商品のライフサイクルも早くなってきています。新しいビジネスモデル、新商品、新事業、新たな開発プロセスや社内制度など、変化に対応するための施策やアイデアが求められています。進化思考を活用することで、今後の方向性を見出していくことができるのでは?と思います。
HOW TO進化思考?!
私は、進化思考の特徴とは、進化させたい対象(もの、サービス・製品、行為etc.)と対象を取り巻く関係を理解していきながら、変異と関係の理解を繰り返し続けることだと感じました。
対象を取り巻く「関係性を理解する4つの手法」
進化させる対象と、その対象を取り巻く関係を理解する手法として、以下の4つの手法が紹介されました。
※「生態系」については、今回のワークショップでは体験しませんでした。本記事では、後日自分なりにやってみた内容を紹介します。

固定観念を壊して「変異させる5つの手法」
進化させる対象を変異させる手法として、以下の5つの手法が紹介されました。

進化思考では、大まかに以下の3つのことをやり続けます(順不同)。
- 進化させたいモノとなる、進化対象「α」を決める
- 進化対象「α」を取り巻く関係を理解する
- 進化対象「α」を変異させる
大事なのは、関係と変異を何度も繰り返して進化させていくことだと、太刀川さんは言います。
今回のワークショップでは、5W1Hの視点を組み合わせながら、進化させたい対象の「関係」と「変異」を体験しました。ワークショップでは、関係(空間)→変異(欠失)→関係(過去)→関係(未来予測)→変異(同化・擬態)の順番で体験しましたが、本記事では、関係(解剖・生態系・過去・未来予測)→変異(欠失・融合・擬態・転移)の順番でお伝えします。
ここから先は、本記事を読んでいるみなさんも是非、読みながらやってみてください!
STEP1 進化対象「α」を決める
まず、進化させたい対象「α」を1つ考えます。いくつか考えてみた上で、1つに絞った方がよいかもしれません。この「α」は、なるべく具体的な「名詞」に落とし込むことがお勧めだそうです。「α」を「動詞」で思いついた場合は、周辺にある「もの」を考えることで、「名詞」が見えてくるように感じました。
例えば、「走る」という行為は、靴やタイムを計測する時計、音楽を聴くためのスマホなど、多くのものを使っていることに気付きます。「走る」行為を進化させるためには、周辺の「もの」を進化させればいいと考えることができそうです。また、「リーダーシップ」を進化させよう!とか「家族」を進化させよう!といった、概念や抽象度が高いテーマで「α」を設定すると...?もっと細分化して考えることが必要そうですね。
ちなみに、このタイミングで「α」を具体的に落とし込まないと、次からのステップが激的に難しくなります…。きっとXXXを進化させたい!という意気込みと、実際に進化させるべき対象物は異なるということなのでしょう。

また、進化を考えるときに、考えにくいものがあるようです。まずは「α」を設定してみて、難しかったら変えていく柔軟性が必要だと感じました。悩み続けて時間をかけるのはもったいないので、とにかく「α」を1つ設定してみましょう!
ちなみに、最近一人暮らしを始めた私は、一番「やりたくない!」と悩みを抱えているトイレ掃除から連想して、トイレ掃除用具の「流せるトイレブラ〇」を進化させたい対象としました。
中編に続く