Effective manual creation

効果的なマニュアル活用法

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マニュアルの質を上げるのは
現場の声

マニュアル化やその運用に課題感を持っている企業は多くあります。その解決策としてまず挙げられるのは、現場の声を聞き、吸い上げた声をマニュアルに反映させるということではないでしょうか。しかし、現場の声を反映したマニュアルは一朝一夕できるものではありません。
実際には「マニュアルと現場の作業内容が異なる」「説明が文字ばかり、専門用語ばかりで伝わりにくい」「マニュアルが何年も更新されていない」という現場の声は多く、そうなるとマニュアルは次第に読まれなくなって形骸化してしまいます。
そこで今回は、どのように「現場の声」を吸い上げ、「現場で活用されるマニュアル」を作っていくのか、考えてみたいと思います。

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マニュアルを作っても現場で活用されずに困っている・・
特定の担当者に頼ってしまい、ノウハウの共有ができていない・・

など、マニュアル化や運用でこんなお悩みはありませんか?

『課題解決のカギは“現場の声”の中にある!
マニュアルをコミュニケーションインフラに変革する』
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現場の声が反映された理想的なマニュアルとは?

“現場の声を吸い上げたマニュアル”が重要なことはわかりますが、実際にどのようなものが理想的なマニュアルなのでしょうか?こちらでは、現場で活用される理想的なマニュアルづくりの基本をご紹介します。

業務の“目的”を共有する

マニュアルの本質は、業務の“目的”を共有し、作業方法や手順を伝えることです。作業方法や手順を明確化することで業務の標準化を図り、業務品質を維持することがマニュアルやその運用の大前提になります。事細かにマニュアルを用意すると、「マニュアル人間になって考えなくなる」と心配する方もいらっしゃいますが、定型的な業務をマニュアル化すれば作業効率化・業務標準化という意味で次のような効果をもたらします。

  • 誰でもその作業ができ属人化が解消される
  • 途中で判断に迷うこともなくなり作業スピードが上がる
  • 手順を間違えるなどヒューマンエラーの原因が防げる
  • トラブル対策や、やり直しでの時間ロスがなくなる

また、例えば担当者が急病になっても他のメンバーがサポートしやすいですし、新人や担当替えでスタッフに変更が発生した場合でも生産性が低下するという心配もなくなります。結果として、定型的な作業に割く時間が少なくなり、新しいことを考えたり、挑戦したりする時間が生まれます。それはスタッフの成長につながります。

関連記事:『マニュアルの目的とは?すぐ出る導入効果4つと書き方のコツも解説

マニュアルを常に改善する

マニュアルは、作って終わりではなく、常に改善を繰り返すことが重要です。マニュアルやその運用で多い失敗例として、「作る時間がなく後回しになっている」「作ったけどあまり利用されていない」「本当に必要な業務に対してマニュアルがない」「現場の声が反映されていない」などが挙げられます。そこでポイントになるのが、作成する前に業務の見直し、業務の無駄を洗い出してからマニュアル化することです。また、マニュアル化に時間をかけすぎないことも運用していくポイントです。

マニュアル化・運用では、すべてのスタッフが課題意識を持ち、業務改善に努めることが重要です。そのためには現場のアイデアをマニュアルにどんどん反映し、ノウハウを集約し、社内に展開しながら業務標準化できる体制構築が鍵を握っています。常にマニュアルを更新することで生産性や品質強化につながり、組織として知識・技術の標準化につながっていきます。

コラム:小売業界大手某量販店のマニュアル事例

実際に現場の声を反映したマニュアルを活用して効果を生み出している事例をご紹介します。小売業界大手の某量販店では、店舗ごとのばらつきをなくす「店舗運営用マニュアル」や、ベテラン社員の経験や知識に頼らずに新規出店の可否を判断する「新規出店の可否を判断するためのマニュアル」など、徹底的にマニュアル化を進めました。
その際に単純にマニュアル化するのではなく、現場の気づきや知恵を吸い上げる仕組みも構築したそうです。その結果、現在では店舗現場から年間数千件の要望が挙がるようになり、その中から月平均数十件のノウハウをマニュアルに反映できるようになったそうです。ただし、新たな試みも多く、試行錯誤しながら進める必要もあったので、運用が定着するまで5年の歳月がかかったそうです。
適切なマニュアル作成・運用は、社内の仕組みや体制の変更なども必要になります。効果が生まれるまでに時間もかかりますが、最適化できれば大幅な作業効率化が可能です。ベテランの経験に頼っていた業務が誰でもできるようになり、人材確保や人材育成に効果的ですし、少子高齢化による労働不足対策としても有効です。あくまで一例ですが、業務の目的を社内に共有し、改善する意識を高め、生産性向上や品質強化、業務標準化を実現した好例と言えます。

関連記事:『マニュアル作成が成功する7つのコツ!実施ステップやツール選定のポイント・手順書との違いも解説

マニュアルの理想と現実のギャップ

理想的なマニュアルが生産性向上や業務効率化、品質強化に効果的なことは想像できるのですが、実際にマニュアル化や運用を担当している方、マニュアルを利用する現場の方から見ると理想通りにはいかないというのが現実でしょう。例えば、以下のような課題はありませんか?

  • マニュアルはあるが現場の作業手順とかけ離れている
  • 本部マニュアルと別に現場毎にマニュアルが存在している
    (同じ作業に複数のマニュアルが存在する)
  • マニュアルから要点が抜け落ちている
    (複雑な手順ほど要点が抜け落ちていることが多くあります)
  • 現場がマニュアルよりも効率的で安全な手順で業務を行っている
  • サービスや時代の変化に合わせて作業手順を最適化しているがマニュアルに反映されていない

マニュアルがあっても上記のようなことが起こると、マニュアルが活用されず、形骸化することが往々にしてあります。時間と労力をかけてマニュアルを作成しても使われなければ意味がありません。そこでマニュアルは、完成後も現場の声やアイデアを反映し、アップデートを繰り返すことが重要です。そのためには、現場の声を吸い上げ、問題点・改善点を把握し、すぐにマニュアル更新できる仕組みづくりが大切です。

形骸化を引き起こすマニュアル化・運用プロセス

どうしてマニュアルの形骸化という自体が起こってしまうのでしょうか?こちらでは、よくあるマニュアル作りのプロセスと、その中に潜んでいる課題の原因についてご説明します。

マニュアル化担当者に現場作業経験がない

大企業の場合、マニュアル作成は専門部署で行うというのが一般的です。しかし、専門部署の担当者に現場作業経験がないと、どうしても実際の作業手順や課題の把握が難しくなります。マニュアル作成者に現場作業経験がない場合は、業務経験者や作業者に業務を再現してもらい、客観的に作業手順や注意点をメモし、わからないことを作業者に直接聞くことも大切です。また第三者に確認してもらい、本当に現場レベルで使えるのかを判断してもらいましょう。

マニュアルが一方通行になって現場の声が反映されていない

分業化が進んだ現代の企業では、マニュアル作成を専門の部署で行うケースが多くなっています。特に現場を知らない担当者がマニュアルを作成する場合、実際の効率的な手順より、目指す組織の理想形がマニュアルに反映され、結果として実情とかけ離れたマニュアルができあがってしまうことがよくあります。大企業では、本部でマニュアルを作成し、店舗や支社・支店などの現場で利用するという一方通行な運用になりがちです。これがマニュアル形骸化の原因です。

マニュアルを読む習慣がない

マニュアルは、要点を網羅しようと思うと文字数やページ数が膨大になります。その結果、現場スタッフは読むのが億劫になり、経験・知識に頼った業務が行われるというケースがあります。そこでマニュアル作成者は、「相手が読みたがっていない」ということを大前提に考える必要がります。「業務マニュアルだからスタッフは必ず読んでくれる」という意識は捨て、読み手のレベルに合わせてわかりやすい文章で、必要に応じてイラストや写真、動画を利用して「読みたくなるようなマニュアル」を作る意識が大切です。また、曖昧な表現を避けたり、チェックリストを設けたり、スタッフがマニュアルを見てすぐ行動できる内容にすることも重要です。

現場の声を吸い上げる仕組みがない

「マニュアル作成が一方通行になって現場の声が反映されていない」と重複する内容でもありますが、現場の声を吸い上げて反映する仕組みがなければ、マニュアルの更新が滞り、情報が古くなって結局使われなくなってしまいます。しかし、紙のマニュアルは更新作業が大変です。数百・数千ページのマニュアルとなれば、更新作業に多くの労力と時間がかかり、アップデートしている間に情報が古くなってしまう可能性もあります。そこでクラウド型のマニュアル作成・共有プラットフォームを活用するのも手です。“KnowledgeSh@re”のようなクラウド型ならパソコンやタブレット上で閲覧・メモができ、紙のように内容を更新して印刷するという手間も省けるので効率的なマニュアル作成・運用が可能です。

マニュアルをコミュニケーションインフラのひとつに

上述のとおり、マニュアルは一方通行ではなく、作成者と現場での双方向でのコミュニケーションが重要です。トップダウンでは、価値を発揮できないばかりか、作成の手間が無駄になってしまいます。そこで現場の声を吸い上げる、ボトムアップの仕組みが重要です。ボトムアップの仕組みができれば、本来の目的である「業務の品質管理」と「業務の標準化」につながり、ひいては組織改革のヒントも得られます。

マニュアルを単純に指示する資料と捉えるのではなく、現場で起きている課題を知るコミュニケーションインフラのひとつと捉えましょう。作成者はブラッシュアップのヒントになる課題を得るチャンスと考え、組織は現場の業務改善意識を高めるツールとして活用することが今後のマニュアルに求められています。

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理想的なマニュアル化・運用プロセス

最後に理想的なマニュアル化・運用を実現するために、企業として取り組むべきプロセスについてご説明します。マニュアル化や運用は、作成したら終わりではなく、そこからがスタートです。現場から常に課題を吸い上げ、マニュアルを更新・展開することでより良い業務環境が生まれます。

プロセス1
本部でマニュアルを作成・修正
すでに業務マニュアルがある場合は、「要点が抜けていないか」「現場との乖離はないか」「本当に読まれているのか」などの検証を行います。複雑な業務ほどマニュアルが整備されておらず、属人的になっているケースもあるので注意しましょう。複雑な業務でも定型的な業務であれば、整理することでマニュアル化することは可能です。またマニュアルがない業務に関しては、現場の声を聞きながら新規で作成します。
プロセス2
マニュアルを現場に展開
マニュアルが完成したら現場のスタッフに展開し、閲覧してもらいます。紙のマニュアルは、全店舗・前支店に展開するのに手間もかかりますが、クラウド型であれば簡単に展開でき、印刷の手間・費用もかからないので効率的です。
プロセス3
現場で気づき・課題を見つけてマニュアル作成者にフィードバック
現場に展開し、実際に読んでもらい、使ってもらうことで気づきや課題を見つめます。現場毎に業務手順や教育方法に違いがあり、それぞれの現場でノウハウや業務改善のアイデアもあるはずです。そういった声をレポートにまとめてもらうことが大切です。ただし、手間がかかると現場も嫌がります。そうならないために簡単なメモや写真、動画など簡単にフィードバックできるような仕組みがあるとさらに良いでしょう。
プロセス4
フィードバック内容をもとにマニュアル修正
現場での気づきや課題、ノウハウや業務改善アイデアなどを吸い上げ、その内容をもとにマニュアルの修正作業を行い、再度現場に展開します。その際に現場への感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。現場は、忙しい時間を割いてマニュアルの閲覧・検証およびレポートを行っているのですから。
プロセス5
継続的なフィードバックとマニュアルの更新
マニュアルに対する現場からのフィードバックおよびマニュアルの更新作業は、継続的に行っていくことが重要です。常に最新のマニュアルを用意すれば、自然と現場で活用する文化が生まれ、フィードバックと更新を繰り返すことで「現場の声が届いている」という感情と業務改善意識が芽生えます。

理想的なマニュアルが生み出すメリット

理想的なマニュアル化・運用によって以下のような効果が期待できます。

時間効率アップ

業務時間や教育時間の削減につながり、今までは後回しになっていたクリエイティブな時間が生まれます。

品質強化・安定

マニュアル化することで品質強化・安定という効果が得られます。チェックリストを常に更新すれば、発生しやすいミスやばらつきもなくなり、面倒な手戻りも抑えられます。

リスク軽減

人の経験や技術に頼っていた属人性を排除できます。そのため急な休み、配置換え、新人の加入時などでも業務に支障が出ません。結果として人的なリスク軽減につながり、自由な人材配置も可能になります。

コスト削減

マニュアル化することで誰でも業務ができるようになり、採用・育成コストを抑えられます。また技術力のある職人を確保する必要もなくなり、人件費削減に効果的です。

定着率アップ

マニュアル化することで業務の不安が減り、無駄が排除され、クレームや手戻りなどがなくなることでスタッフの業務環境が改善します。結果として残業が減ったり、有給や育休などが取りやすくなったり、自分の時間を作りやすくなったり、業務改善提案が採用されることでやりがいが生まれたりとスタッフも働きやすくなり、定着率アップにもつながります。少子高齢化によって人材確保が難しくなっている現代において課題となっているスタッフの定着率アップにもマニュアルは寄与します。

理想的なマニュアル運用プロセスを実現するKnowledgeSh@re

理想的なマニュアルとその運用には、組織の仕組みから検討する必要があります。従来の紙のマニュアルは、閲覧性・コミュニケーション性・更新性・コストなど、さまざまな課題を抱えていました。しかし、クラウド型のマニュアル作成・共有プラットフォーム「KnowledgeSh@re(ナレッジシェア)」なら、それらの課題を解決可能です。KnowledgeSh@reは、クラウド型なのでパソコンやタブレット、スマホなどで簡単に共有・閲覧できます。また、マニュアル作成者と利用者の双方向コミュニケーションも実現可能です。利用者がマニュアルに直接コメントを書き込んだり、作成者がコメントを見てマニュアルを更新したりといった作業が簡単にできるので、現場にマニュアルを共有する→現場の声を吸い上げる→マニュアルを更新するという流れが効率的に行えます。マニュアル作成者は、マニュアルの利用情報を把握できるので、業務改善プラットフォームとしても機能します。KnowledgeSh@reの機能や活用方法を知りたい方は、以下より活用ガイドをダウンロードしてください。

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KnowledgeSh@reを使って現場活用しやすいマニュアルを

手間ばかり掛かり、あまり利用されずに形骸化しやすかったマニュアルですが、クラウド型のマニュアル作成・共有プラットフォーム「KnowledgeSh@re(ナレッジシェア)」を活用すれば手軽に業務の標準化や改善が行えます。「マニュアル化する作業に時間を使えない」「現場でマニュアルが使われていない」「ノウハウが現場に浸透しない」「マニュアル更新の手間を抑えたい」といったお悩みがあれば、富士通ラーニングメディアまでご相談ください。
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