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作業効率の改善のために必要なポイントを徹底解説

2022/02/03

近年、リモートワークの推進などの働き方の変化や、終身雇用制度が崩れることで、労働力市場の流動化が進みつつあります。このような状況下で、職場の業務効率化をすすめ、少ない労働力でも生産性を向上していこうという機運が高まっています。

この記事では、作業効率を改善する方法に焦点を当て、以下のトピックについて解説します。

  • 作業効率の改善とは?
  • 改善が求められる理由・背景
  • 改善によるメリット3つ
  • 適切な改善の手順5つ
  • 具体的な改善方法8つ
  • 改善における注意点4つ

具体的な改善方法では、「順序を変える」「自動化する」「マニュアルを作成する」など8つの方法をご紹介しています。改善における注意点では、作業を改善しつつも品質を低下させないポイントを4つご紹介します。ご参考にしていただければ幸いです。

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作業効率の改善とは?

作業効率の改善とはどのようなことを指すのでしょうか。

これは、現在の業務の中にある「ムリ」「ムダ」「ムラ」を見つけ、ムリなものやムラの出るものはやり方を改善し、ムダなものはやめるなど、作業の見直しをすることです。

「業務効率化」と同じ意味であり、理想としては、必要な作業が適切な所要時間で行われ、良い品質の成果が安定的に出される状態、ということになります。

作業効率の改善が今求められる理由・背景

作業効率の改善が今求められる背景には、働き方の変化があります。

少子高齢化によって、働き手となる層の人々が介護や看護に従事することが増え、長時間労働するのが難しくなってきました。それに加え、コロナ禍によるビジネスモデルの変化もあり、リモートワークでの働き方をすすめる必要に迫られています。短時間勤務でも、たたき上げのベテラン従業員でなくても安定した成果がすぐ出せる仕組みづくりが必要になりました。

このような背景と同時並行で、インターネット環境の普及や技術の進化により、さらに進んだ効率化策を検討できるようになってきました。

作業効率の改善におけるメリット

作業効率を改善すると得られる大きなメリットが3つあります。人手や時間を削減することができ、そのリソースを新しい事業へ投入できます。従業員にとっても、能率のよい働き方ができることで、働きやすくなります。
以下、1つずつ見ていきましょう。

作業時間の削減に伴いコスト削減につながる

メリットの1つ目は、作業時間を削減し手間を省くことで、コスト削減につながることです。

作業工程を見直すことで重複した作業などのムダをなくし、シンプルな流れにすることでムリなくムラなく安定した成果が出るようにします。例えば今まで1つの製品を作るのに100工程あったのが80工程で済むようになり、その分の人手も時間も削減できます。工程が減ることでムラが出る機会が減り、不良品や再調整の割合も減らすことが可能です。

従業員の働きやすさに寄与・モチベーション向上

メリットの2つ目は、従業員が働きやすくなり、モチベーションが向上することです。

作業効率を上げることで、人手や時間を減らすことができると、時短勤務や有休取得がしやすくなり、従業員が働きやすくなります。
また、時間に余裕が生まれると、「ここはこうした方がいいんじゃないか」「あのお客様にはAではなくBが喜ばれるかもしれない」といった工夫やアイデアを実行に移す機会が持てるようになり、仕事に手ごたえを感じてモチベーション向上につながります。

新しい事業へのリソース投下が可能

メリットの3つ目は、新しい事業へリソースを投下できるようになることです。

作業効率が良くなり、人手や時間に余裕ができると、新しい事業に着手することができます。新しい事業や今の商品・サービスの見直しに取り組みたいと思っていても、人手や時間がないと取り組むことができません。

新しい事業やサービスの見直しに取り組むと、組織として強い経営を実現できますし、それらのプロジェクトに参加することが従業員のモチベーション向上にもなり、社内の空気が活性化します。

作業効率の改善の適切な進め方

作業効率の改善は、ムダなものを見つけしだい、一つずつつぶしていくイメージがありますが、時代の流れや技術の進歩に伴い、いろいろな方法を選べるようになってきました。方法を選べるだけに、改善のつもりがかえってムダを増やしてしまう事態にならないよう、適切に進めることが大切です。

どのような進め方が望ましいのか、5つの手順をご紹介します。

【手順1】現状の業務内容の把握と可視化

1つ目の手順は、現状の業務内容を把握し、可視化することです。

現在行っている業務の内容を、できるだけ詳しく図や表に書き表します。どこに課題があるのかをつかみやすくするために、5W1Hを意識して、業務の流れがわかるように書き出します。

もしマニュアルがあるなら、マニュアルで業務を把握することができるので、マニュアルにないイレギュラーなケースや過去の事例などがあるか、従業員からヒアリングして洗い出しましょう。もしマニュアルがなければ、ベテラン社員の意見だけでなく、若手社員や、異動して間もない従業員の新鮮な気づきも取り入れてみましょう。

【手順2】課題、問題点の洗い出し

2つ目の手順は、課題や問題点の洗い出しをすることです。

手順1で把握した現状の業務内容を、1つひとつ見ていきます。作業工程でボトルネックとなっている箇所や、重複している箇所のような、検討した方がよい課題や、今まではなかなか改善できなかった問題点の箇所にマークをつけていきます。

この手順が、作業効率改善の材料となりますので、見落とさないよう注意します。
この時点で改善策が明らかなものがあれば、その箇所に書き留めておきましょう。

【手順3】作業効率の改善を図る業務の選択

3つ目の手順は、作業効率の改善を図る対象の業務を選択する、ということです。

手順2で洗い出した課題や問題点が少なければ、全て改善対象とすることも可能ですが、多い場合はどこから改善するか優先順位づけをする必要があります。

優先順位のつけ方は、「重要な業務のもの」「多くの業務の基礎となるもの」「改善効果が大きいもの」といった項目で点数をつけると判断しやすくなります。

【手順4】新しい方法の検討 ECRS(イクルス)改善の4原則

4つ目の手順は、課題や問題となった作業の、改善後の新しい作業方法を考えることです。

考えるときは、改善のためのフレームワークを使って考えると、アイデアを出しやすくなります。ECRS(イクルス)と呼ばれる、改善のための4原則がありますので、ご紹介します。

  • Eliminate(排除する)
  • Combine(結合する)
  • Rearrange(交換する)
  • Simplify(単純化する)

この4単語の頭文字をとった原則は、現状の手続きや視点を変えるヒントを与えてくれるものです。これにしたがって、作業をやめたらどうなるか、2つの作業を1つのグループで行うとどうか、など考えていきます。

手順2の、課題や問題点の洗い出しの段階で思いついていた改善策も、採用できるかどうかをこの段階で改めて考えましょう。

【手順5】作業効率改善の振り返り PDCA

5つ目の手順は、手順4までに策定した作業効率の改善策が、本当に効果があったかを振り返ることです。

全ての改善策を反映した新しい作業フローを、実際にやってみてどうか、時間の短縮になるか、手間を削減しているか、それ以外の効果(堅確性が増したなど)はあるのか、といったことを確認します。

業務見直しのフレームワークであるPDCAサイクルに沿って振り返りを行ってみましょう。
PDCAはPlan(計画する)、Do(実行する)、Check(評価する)、Action(改善する)の頭文字をとったものです。改善策が効果的だと評価できるようになるまで何サイクルか実施します。

ポイントとしては、Planに時間をかけすぎることがなく、現場の状況をよく観察し、サイクルを早めに回していくことです。

作業効率が悪い場合の改善方法

作業効率改善の進め方はつかめたでしょうか。次に、具体的な作業効率の改善策をご紹介します。先ほど改善策を考える視点のヒントとしてECRSをご紹介しましたが、その視点によって見えた改善策を、より具体的な策にしていくための方法です。

ムダな業務をなくす

ムダな業務をなくしてみましょう。

どれがムダな業務なのかを見極めるには、次のような理由だけでやっている業務があるか探してみてください。

  • 毎年やっている
  • 前例がある
  • 前の担当者から引継いだ
  • お客様に失礼にならないよう、丁寧な対応のためにやっている
  • 以前お客様に求められたことがある

これらの理由だけでなく、目的がはっきり言えるならムダではないでしょう。効率化の名のもとにすべて切り捨てる、というわけではなく、なくても済むかもしれないもの、という視点で見直してみましょう。なぜこの工程があるのか、作業の目的を考えるクセをつけると、常に改善を意識できるようになります。

作業の順序を変える

作業を行う順序を変えてみましょう。

期日が最優先の順位になるとは限りません。期日が手前でもさほど重要ではないものであれば、回数を減らす、なくしてみる、ということも検討できます。

短時間でできる作業が最優先の順位になるとも限りません。さっとできるものから着手すると、重要で時間がかかるものが後回しとなり、従業員が疲れた時間帯から取り組むとよけいに時間がかかる悪循環になることもあるため、1日の時間帯のことを考え、最適な順序に並べ替えてみましょう。

作業を自動化する

自動化できる作業は、自動化してみましょう。

例えば、従業員が手作業でコピー・貼り付け入力をしていたデータがあれば、すべてパソコン内で自動的に行うような仕組みを作ります。手作業で封入していた郵便物があれば、封入しなくても済むハガキのようなフォームに変更し、資料の印刷から送付準備までを機械で行えるようにします。

こういった便利なシステムや機械を先に探してもいいですし、先に「ここを自動化したい」とあたりをつけてから探すと、意外と簡単にサービスが見つかることがあります。

自動化はシステムや機械だけではありません。みんなが迷うようなこともルール化して、それにしたがうのも自動化の一つです。例えば、「送別の品代は割り勘にする」などと決めてしまえば、年次で傾斜をつけるか否かで頭を悩ませることがなくなります。

マニュアルを作成する

業務マニュアルを作成しましょう。

マニュアルを使いながら作業をすると、手順を思い出したり迷ったりする手間がなく作業自体に集中でき、結果として効率的に作業することができます。

今マニュアルが職場にない場合は、作業効率化の過程で業務を可視化した際の図や表をもとに、マニュアルを作るとよいでしょう。

マニュアルが職場にある場合は、マニュアルの内容を見直し、更新が必要なら最新版に更新しましょう。
また、更新のタイミングを半年に1回、年に1回などと決めておくことも大切です。

作業の流れをフローチャートでまとめる

作業の流れを、フローチャートでまとめてみましょう。

フローチャートとは、長方形や丸などの図形と、それらをつなぐ矢印で、プロセスを表現した図です。業務の内容をフローチャートにすると、「ここは手続きが行ったり来たりしているな」「この矢印は要らないのではないか」と気づきを得ることができます。

また、いくつか作成したフローチャートどうしで、工程の多さを比べることで、手続きの煩雑さが一目瞭然になります。工程数を揃えるという視点も、作業の見直しにつながります。

データベースを活用して作業効率化

データベースを活用して作業効率化できるかを考えましょう。

データベースとは、顧客データや商品データなど、蓄積された情報の集まりのことです。データベースがあれば、加工したり、部分的に使用したりといったアイデアを実現することができます。

日頃蓄積だけして活用していないデータベースがないか、同じデータを使う作業工程どうしを紐づけできないか、といった視点で業務を眺めてみましょう。

分業を行う

業務の分業を行いましょう。

一人でいろいろなことを担当していると、1つの作業ごとに集中力が途切れ、かえって時間がかかることがあります。複数人で分業する1つのグループを2つに分割するなど、分業の視点で業務を見直してみてください。

分業と似た言葉に「ワークシェアリング」があります。これは、雇用を創出することが狙いであり、複数人で仕事を分け合うことで働く人数を増やすという意味の言葉です。人数を増やすのは難しいかもしれませんが、複数人で仕事を分け合えば交代可能な体制になり、早帰りや休暇取得などに柔軟に対応しやすくなります。

アウトソーシングを実施する

アウトソーシングを実施しましょう。

「従業員がすべての作業を行うものだ」という先入観を捨てます。費用対効果を見極めながら、従業員の手を空かせるために何かアウトソーシングできないか、という視点で業務を見直します。

例えば、パソコンで作成したデータをソフトにアップロードするだけで、請求書など資料の作成や印刷、封入、郵送までを一括して行う事務サービスがあるなど、特に事務作業はアウトソーシングしやすい分野です。

作業効率改善のための注意点

最後に、作業効率の改善を進めるにあたって注意したい点を4つご紹介します。

作業は効率化しても成果の品質が下がってしまった、といった状況は避けたいものです。
そうならないよう、次に挙げる注意点をぜひご覧ください。

【注意点1】作業効率の改善を図る箇所の明確化

作業効率の改善を図る箇所を明確化する、ということです。

「5つの作業から3つをなくし、不要な手続きを廃止する」
「4つの工程のうち3つはシステム化し、自動化して労働時間を短縮する」

このように、どこを改善し、どんな効果を目的としているかをはっきりさせると、「本当に廃止できたか、代替の作業が生まれていないか」「時短になったか」と改善の効果を確認しやすくなります。

【注意点2】普段の業務の「ムリ」「ムダ」「ムラ」の把握

普段の業務でのムリ・ムダ・ムラとなる部分を把握する、ということです。

普段の業務とは、日常的に行っている、頻度の高い業務です。ルーティン化しているだけに、当たり前のように作業してしまうので、見直しの盲点になりがちです。

「何のためにやっているのだろう?」と目的を振り返り、ムリ・ムダ・ムラが出る作業かどうか見直してみましょう。

【注意点3】マニュアルによる業務の均一化

マニュアルを作成し、マニュアルに沿って仕事をすれば品質が均一となる、ということです。

業務のプロセスが違うと、成果にバラつきが出ることがあります。マニュアルに沿って業務を行えばプロセスが一定となり、成果の品質が安定します。作業の効率化を一通り行った後はマニュアルを作成し、今回の改善による品質を担保しましょう。

そして、今回作成したマニュアルは、作業の変更があれば随時に内容更新し、変更がなければ年1回など定期的に内容を見直して、引き続き作業効率の改善に活かしていきましょう。

【注意点4】特定の業務が属人化しないようにすること

特定の業務が属人化しないように注意する、ということです。

例えば、窓口の担当者に複数の業務を集約することで、少ない人数でも店舗運営ができる、という改善を行う場合があります。効率化できたように見えますが、一人の担当者がずっと同じ業務を担当し、属人化するデメリットが生まれます。

この担当者が異動や退職となってしまうと誰も代わりに入れない、という事態にならないよう、マニュアルを作成しておく、ワークシェアやローテーションをして複数人が代わりに入れるようにしておくなど、業務の属人化が起こらないよう十分注意しましょう。

まとめ

今回は、作業効率の改善のために必要なポイントや、具体的な改善方法について解説しました。

作業効率の改善は、少ない経営資源で多くの成果を上げていく生産性向上の手法の一つであり、作業プロセス上のムリ・ムダ・ムラを削減し、コストを削減していくものです。
人手や時間に余裕が生まれることで、新しい事業へ経営資源を投入していくことができますし、従業員が柔軟に働けることにもつながります。

作業効率の改善は、次のような手順で進めます。

  1. 現状の業務内容を把握し可視化する
  2. 課題、問題点を洗い出す
  3. 作業効率の改善を図る業務を選ぶ
  4. 改善策を検討する
  5. 改善の効果を振り返る

また、「作業を自動化する」「データベースを活用する」などの改善策の具体例を8つ、さらに改善する際の注意点を4つご紹介しました。

作業効率の改善、業務効率化といったテーマは、改善自体に手間がかかって大変そうだし、もうやりつくしてしまって何も出ない、といったイメージがあります。しかし、小さなことから始めてみると、その効果を実感し、「まだやれることがある」と前向きな気持ちになれます。

改善を進める上司や担当者だけが改善の意識を持つのではなく、従業員全員に改善意識を持ってもらう雰囲気づくりをしてみてください。

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