Effective manual creation

効果的なマニュアル活用法

-すべてのナレッジを価値に変える-

マニュアルと手順書の違い・作成手順とポイントを徹底解説!

2021/9/22

「仕事は口頭で教わるので、みんな自分の覚え書きというかマニュアルを作るんです。でも、それだと教える人独自のやり方なのか、別の先輩に聞くと違う答えが返ってくることがあるんですよ。統一されたマニュアルがあればいいのにと思うけれど、一人ではとても業務の合間には作れないので、悩んでいます」
あるとき、部下にこう相談された。

確かに、自分用のマニュアルを全員が作るようなら、共通のマニュアルを用意すべきだろう。社員一人ではマニュアルは作れない。部署全体、会社全体で取り組まないといけない課題だ。

覚え書き体制をやめ、社員のやる気が出る体制にしなくては、とマニュアル作成の構想を練り始めたが「作るのはマニュアルか?手順書なのか?どう違うのか?」と迷っている…。

このような、マニュアル作りを検討されている方のヒントとなるよう、マニュアルと手順書の違いについて徹底的に解説します。
目的や役割、作成ステップにも違いがあります。マニュアルと手順書の違いを理解してからマニュアル作成に着手すると、業務で役立つしっかりとしたマニュアルを作ることができます。スムーズに作成するポイントもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

関連記事:『マニュアル作成を徹底解説!成功のための5つのコツを紹介

マニュアルと手順書の3つの違い

マニュアルと手順書の違いは何でしょうか。
大きく異なる点は3つあります。要点をまとめた次の表をご覧ください。

マニュアル 手順書
目的 社員が高品質な成果を出すと共に、業務課題を達成する 社員がみな同じ品質の結果を出す
役割 手順と共に、概要、背景、理由などを説明する 手順を具体的に説明する
取り扱う情報量 多い(広範囲にわたる) 少ない(範囲が限定的)

それぞれの違いについて、詳しく解説していきます。

違い1 目的

まず、マニュアルと手順書では、目的が異なります。

マニュアルの目的は「社員がその業務を理解して先のことを考えながら行動し、高品質な成果を出した結果、経営目標や業務課題を達成する」ことにあります。ただ業務を行うだけでなく、質の高い仕事をして目標を達成することがねらいです。

一方、手順書の目的は「社員がその業務を理解でき、同じ品質で結果を出す」ことにあります。作業の安定的な完遂がねらいとなります。

違い2 役割

次に、マニュアルと手順書では、役割が異なります。

マニュアルの役割は「業務の手順と共に、概要、背景、理由などを説明する」ことにあります。具体的に作業について説明するだけでなく、その作業の理由を知ることで、作業の前後の手続きや影響範囲について配慮しながら行動をとるよう促すものです。業務のフローをつかみ、どのようなプロセスを経るのかが理解できます。

手順書の役割は「業務の手順を説明する」ことにあります。より詳細で具体的なものであり、それを見れば誰でも同じ作業ができるものです。

マニュアルは総論と各論から成り立っているイメージであり、手順書は各論のイメージ、つまり個別の事案を述べたものです。ですから手順書はマニュアルの一部分ともいえます。

違い3 取り扱う情報量

3点目に、マニュアルと手順書では、取り扱う情報量が異なります。

マニュアルの情報量は多く、業務に関する全体のノウハウや作業方法がまとめられます。
一方、手順書の情報量は少なく、一人でもできるような小さな規模の作業について、工程や進め方をまとめるものです。

小さな規模の作業を説明したものといえば、取扱説明書があります。取扱説明書は機械や備品などの「モノ」の操作方法を述べたものであり、人の動作を説明する手順書とは異なる、と覚えておいてください。

関連記事:『業務の改善に役立つSOPとは?標準作業手順書の作成手順をわかりやすく解説

マニュアルと手順書の作成ステップの違い

マニュアルと手順書では、作成するステップにも違いがあります。
それぞれ5つのステップで作成します。大きく異なってくるのは1、2番目のステップです。次の表をご覧ください。

マニュアル 手順書
ステップ1 目的・範囲を定め、必要事項を検討 作業の洗い出し、必要事項の検討
ステップ2 目次・構成・必要な手順書を決める 目次・構成を決める
ステップ3 内容を記載・校正 内容を記載・校正
ステップ4 スモールスタート スモールスタート
ステップ5 評価・改善 評価・改善

それでは、それぞれのステップについて詳しく解説していきます。

マニュアル作成の5ステップ

マニュアル作成では、一番目に、目的や対象範囲を定めます。マニュアルを作ることで何を達成するのか。経営目標や目指すもの、あるべき姿、理念、業務課題や具体的な成果などです。
目的が定まることによって、マニュアルを作成する業務の対象範囲が決まります。その上で、必要となる項目を検討します。

二番目に、構成を決め、それに基づき目次や必要な手順書を策定していきます。いわば、手順書はマニュアルの一項目を支えるものです。

そして、内容を書き、間違いがないか校正し、マニュアルを使用しながらの業務を少しずつスタートさせます。使いづらい箇所があれば作成者にフィードバックし、改善していきます。

手順書作成の5ステップ

手順書作成では、目的は作業の完遂と定まっていますから、マニュアルの作成ステップのように「目的を決める」作業は不要となります。一番目に、対象となる作業の洗い出しや、準備などの記載すべき事項の検討を行います。

二番目に、構成を決め、目次を策定します。

そして、内容を書き、間違いがないか校正し、やはりマニュアルと同様に手順書を使用しながらの業務を少しずつスタートさせます。使いづらい箇所があれば作成者にフィードバックし、改善していきます。
マニュアルと同様の作業ですが、作業量はマニュアルと比べると少なくなります。

以上の違いを踏まえると、マニュアルと手順書の目次イメージはこのようになります。

違いから分かるマニュアルと手順書作成の5つのポイント

マニュアルと手順書の違いはつかめたでしょうか。いきなり作り出すよりも、両者の違いを知り、全体でどのくらいのマニュアルや手順書が必要となるかを把握してから着手すると、スムーズに進めることができます。
最後に、さらにスムーズに作るために、作成時に留意したいポイントを5つご紹介します。

ポイント1 初心者が理解できる表現にする

初心者が読んで理解できる表現にしましょう。

マニュアルや手順書を読む人は、新入社員であれベテラン社員であれ、知らないことや分からないことがあって読みますから、その業務に関して初心者であると言えます。そのような人が読んで、内容を理解できる表現を心がけましょう。
具体的には、次のポイントを意識してみてください。

  • 5W1Hの情報をできる限り入れる。
    (5W1Hとは…Whenいつ Whereどこで Whoだれが Whatなにを Whyなぜ Howどのように)
  • 文章を短くし、必要な情報に絞って記載する。
  • 文章の説明を補うような、画像やイラスト、動画を挿入する。
  • 専門用語はできるだけ言い換える。使う場合は意味を併記するか、「用語集」としてまとめて説明する。

ポイント2 読み手を具体的にイメージする

そのマニュアルや手順書を読む人を、具体的にイメージしながら作りましょう。

読み手を具体的にイメージすると、その人が理解できる知識レベルが定められるので、より作成しやすくなります。「〇〇課に配属される新入社員(今いるAさん)」というようにイメージしてみましょう。

「特定の読み手にターゲットを絞ると、ターゲット外の人には読みにくくなるのではないか?」と思う方がいるかもしれませんが、絞る方がマニュアル・手順書全体のレベルを統一できます。ターゲットを絞らないと、マニュアル作成者がそれぞれ自分のレベルで書いてしまうので、さまざまな知識レベルのものが出来上がってしまいます。作成者の目線合わせの意味でも大切なことなのです。

マニュアルや手順書を仮運用する前に、その読み手イメージの社員に読んでもらい、理解度を確認することも忘れないようにしましょう。

ポイント3 読み手が即実行できる内容にする

読み手がすぐに実行できる、行動できる内容を記載しましょう。

抽象的な内容だと、読み手は行動することができなくなります。
例えば「〇〇伝票を△△課に確認する」といった内容では、「その伝票がない場合は確認するのか?しなくてよいのか?」が分かりません。
具体的には、次のポイントを意識してみてください。

  • 抽象的な言葉を具体的にする。
    【改良前】「〇〇伝票を△△課に確認する」
    【改良後】「〇〇伝票の有無を、遅くとも当日の15時までに△△課に確認し、ある場合は16時までに入力を完了させる」
  • メリットや目的を、「〇〇を△△するため、~」など、ワンフレーズでもいいので記載する。
  • 時系列のタイムテーブルや図表を活用する。

ポイント4 デザインにかける時間を短縮する

マニュアルや手順書づくりでは、デザインにかける時間を短縮しましょう。

マニュアルや手順書で一番重要なのは、読み手が内容をつかめる文章であることです。そのためには、分かりやすい見た目や統一感のあるレイアウトにする必要はありますが、美しさやかっこよさは二の次です。
「洗練されたイメージにするには、全体を枠線で囲む方がいいかな?」などと考える時間は短縮し、記載内容の取捨選択や文章の見直しに時間を使いましょう。

時間短縮のためにも、すでに出来上がったテンプレートツールや、プロのデザインを利用する方法があります。詳しくは、次の項目でご紹介します。

ポイント5 ツールを活用する

マニュアル・手順書を作成するためのツールを活用しましょう。

ツールでは、分かりやすい見た目や統一感のあるレイアウトが研究され、すでにテンプレートとして完成されているので、デザインに時間や手間をかけずに済みます。また、構成をあれこれ悩まず作成できたり、検索機能を簡単に作れたりするツールもあります。ツールを活用すれば一層の時間短縮となり、内容を磨くことに集中できます。

さまざまなツールがありますが、テンプレートの提供だけでなく、テンプレートの使い方をサポートしてくれるツールを選ぶことが重要です。

富士通ラーニングメディアの「KnowledgeSh@re」は、マニュアル・手順書を作成するための専用ツールです。自社で作りたい方も、時間や手間をかけずに完成させたい方も、要望に合う作り方を相談することができます。

  • マニュアル・手順書の作成5ステップを全般的にサポートしてもらえる
  • 「マニュアル作成サービス」があり、40年以上にわたって蓄積した人材育成ノウハウを活かし、マニュアル・手順書作りを代行してもらえる
  • 60日間無料で「KnowledgeSh@re体験版」を利用できる

まとめ

今回の記事では、マニュアルと手順書の違いについてご紹介しました。

マニュアルと手順書では、「目的」「役割」「取り扱う情報量」の3点が異なります。
マニュアルは、社員が自律的に業務を行い高品質な結果を出すことを目的として、業務の手順だけでなく概要や背景について記載し、幅広い業務をカバーしたものです。
手順書は、社員が同じレベルで結果を出し、経営課題などの高い目標を達成することを目的として、具体的な1つの作業の手順を詳細に記載し、個別に業務を説明するものです。

また、作成するステップにも違いがあります。
マニュアルでは取り扱う情報量が大きいため、作成し始める前に目的や対象範囲を定めるステップが必要です。
手順書では、取り扱う対象範囲が1つの業務に定まっているため、作業の洗い出しから始めます。

これらの違いを理解した上で、何編ほどのマニュアルになるのか、手順書はどのくらい必要になるかなど、全体の設計図を描いてから着手すると、抜け漏れなくカバーでき、また内容のレベル感が統一できるので、手戻りがなくスムーズに完成させることができます。

作成をサポートし、または代行してくれるツールやサービスを活用すると、時間や手間を短縮できることも、最後にご紹介しました。こうしたツールを活用しながら、マニュアルや手順書を効率的に整備して、社員が働きやすい、行動しやすい環境づくりをどんどん実現しましょう。

記事一覧ページへ戻る

お問い合わせはこちらから