色彩の基本ルール(3)
今回は「色彩の基本ルール(3)」です
読み手に対して、見やすさ・読みやすさを配慮した色づかいで文書を作成することは必須です。
さらに、目に入りやすい色づかいを取り入れることで、効率よく確実に情報を伝えることができます。
- ビジネス文書を作るときに、避けた方がよい色の使い方を教えてもらったけど、効果的に色を使うためのコツってあるのかな。
- 色彩はとっても奥が深いので、ビジネス文書に役立ちそうなポイントに絞って、いくつか簡単に説明するね。
たとえば見やすい色の組み合わせの基準として、「視認性」と「誘目性」があるよ。
- どうちがうの?
- 「視認性」は意識して見たり読んだりするときに見やすい色の組み合わせ、
「誘目性」は無意識に目に入りやすい色の組み合わせの基準だよ。
- どちらも、見やすい文書を作るためには重要な基準だね。
「視認性」や「誘目性」が高い色ってどんな色?
- 前回の説明の中で、明度の差が大きい方が色を見分けやすいと話したよね。
見やすい色の組み合わせ、つまり視認性や誘目性が高い色の組み合わせも、明度に影響されるんだよ。
- いちばん明るい色と、いちばん暗い色って何色かなあ?
- 色の中でいちばん明るいのは白、いちばん暗いのは黒。
つまり、視認性がもっとも高い色の組み合わせは、白と黒だよ。
下は、明るい背景・暗い背景と、明るい文字・暗い文字を組み合わせたサンプルだけど、見え方はどうかな。
- 確かに、暗い背景に黒い文字や、白い背景に明るい色の文字は、一見して読みにくいね。
誘目性も、明度差が重要なのかな。
- 明度差も大事だけれど、誘目性は目に入りやすいかどうかが重要なんだ。
白や黒は色味がないので、無意識に目に入りにくいんだよね。
色味があるほうが、目に入りやすいと思わない?
- 白黒だけよりも、色があるほうが目立つね!
- 白、黒、灰色など色味がない「無彩色」に対して、赤や青など色味がある色を「有彩色」というよ。
誘目性を上げるためには、明度差に加えて、有彩色が含まれていた方が良いんだ。
いちばん明度が高い有彩色って、何色だと思う?
- いちばん明るい色……黄色かなあ?
- 正解。
つまり、有彩色でいちばん明度が高い黄色と、いちばん明度が低い無彩色の黒が、もっとも誘目性の高い組み合わせだよ。明るい色と暗い色の組み合わせをサンプルで確認してみよう。
- 黄色と黒色の組み合わせは、交通標識や工事現場の看板みたい!
パッと目に入るね。
- 目に入りやすい色なので、注意が必要な場面では、意識的に取り入れられているんだね。
たとえば、マニュアルを作るときに製造物責任法(PL法)を意識することがあるけど、特に危険性が高い内容は、黒と黄色が組み合わせられたアイコンを置いて注意喚起するルールになっているよね。
- 色の特性が、文書作成のルールに活かされているんだね。
- 最後は、色の心理的な働きについて紹介するね。
予告
次回もお楽しみに!