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マニュアルのフォーマットを活用して作成するメリット・ポイントを解説

2021/12/8

ある時、Aさんと、その友人のBさんが、こんな会話をしていました。

Aさん「最近、残業続きで大変なんだ。人が入れ替わったせいかミスも多いし、ずっと自分がやってて別の人に任せられない作業もあってね。やっぱりマニュアルがないからいけないのかなあ」

Bさん「大変そうだね。うちの会社はマニュアルがあるから、ミスは少ないんだけど、作り方がバラバラで詳しすぎたりざっくりしすぎたりしていて、統一感がないんだよね」

Aさん「それだと、異動するとレベル感が違うマニュアルを使うことになるよね。マニュアルを楽に一気に作る方法はないのかなあ」

Bさん「楽に一気に作るなら、フォーマットやテンプレートを使うといいかもね」

マニュアルは、従業員が業務について同じレベルで理解することができ、それに沿って業務を行えば一定の結果を出せるもの。複数の人が協働する場所で必要となる、コミュニケーションツールです。

しかし、きちんとマニュアルを整備するとなると、時間がかかります。そこで、Bさんが言うように、既に構成やデザインができているフォーマットを活用すると、手早く統一感のあるマニュアルを作ることができます。

この記事では、マニュアルのフォーマットを活用するメリットや注意点をご紹介し、フォーマットについて詳しく解説します。

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マニュアルのフォーマットを活用して作成するメリット

マニュアルのフォーマットはどのようなものでしょうか。

MicrosoftのWordやExcelなどをベースに、マニュアルに必要な構成(表紙、目次、本文など)をあらかじめ整えて、無料で提供されているものです。本文中には大見出し、小見出しなどがあり、デザインまで施されているものがあります。
使う人は、構成に沿って内容を入力していけば、マニュアルを簡単に作成できます。

このように便利なフォーマットを活用してマニュアルを作成するとどんなメリットがあるか、4つご紹介します。

【メリット1】マニュアルを作成する労力を削減

マニュアルを作成する労力を削減できます。

構成を一から考える必要がありません。表紙や目次、本文といった必要な構成がそろっています。
また、「表紙に≪第〇版≫の表示がある」「目次の見出しと本文中の見出しをリンクさせてある」「ページ数が挿入されている」などの要素によって、編集の手間も削減できます。
さらには、ページを枠囲みしてある、大見出しに背景色の塗りつぶしがあるなど、デザインを考える手間もかかりません。

マニュアルを作る人は、フォーマットに合わせて業務の内容をあてはめていけば、マニュアルを手間なく完成させることができます。

【メリット2】統一感のあるマニュアルを作成できる

同じフォーマットを使えば、複数のマニュアルを作る際に、統一感を持たせることができます。

多くのフォーマットは、シンプルで汎用性の高い構成やデザインになっているので、さまざまな業務内容をあてはめることができます。例えば営業担当者向け、事務担当者向けなど、同じ職場で複数のマニュアルを作成する場合であっても、統一感を持たせられます。

マニュアルを作る人は楽であり、マニュアルを読む人も見やすいマニュアルを作ることができます。

【メリット3】記載内容の抜け漏れ防止

記載内容の抜け漏れを防止できます。

フォーマットには、表紙・目次・本文などの、マニュアル作成に必要となる要素があらかじめ用意されています。さらに、目次を見ながらマニュアルを作成していれば、記載内容に漏れがないか、記載する順序は妥当かなどを意識することができます。

短時間で、しかも業務内容をきちんと網羅したマニュアルを作ることができます。

【メリット4】デザイン性の高いマニュアルを簡単に作成

デザイン性の高いマニュアルを簡単に作成することができます。

デザインとは、文字の字体や大きさ、配置、装飾(背景色やアンダーライン)です。それらがあらかじめセットされています。
また、フォーマットによっては、無料で使用できるイメージ写真が表紙に仮置きされていたり、分割されたレイアウトで図やイラストを挿入しやすくなっていたりします。

デザインの知識やセンスがなくても、無機質な文字だらけのマニュアルではない、デザイン性の高いマニュアルを作ることができます。

マニュアルのフォーマットを活用して作成するポイント

次に、フォーマットを活用してマニュアルを作成する際に注意したいポイントをご説明します。大切なのは、内容の書き方とフォーマットの選び方です。それらをふまえ、ポイントを6つにまとめました。
フォーマットを使い始める前に、ぜひ読んでください。

【ポイント1】マニュアルの目的や対象の明確化

マニュアルの目的や対象を明確化してから、作成しましょう。

「マニュアルの目的や対象」とは、次のようなことを指します。

  • どの業務で、誰が何を遂行するマニュアルなのか
  • 読み手にどう行動させたいのか
  • 業務遂行後にどんな結果を得たいのか

経理の事務を行う職場のマニュアルの、目的や対象を例に挙げてみましょう。

このように、作成しようとしているマニュアル一つひとつの目的を明らかにします。そうすると、複数人でマニュアルを作成する際にも視線合わせとなり、目的がはっきりしたマニュアルを作ることができます。
業務の品質にも影響してくるポイントですので、必ず実施しましょう。

【ポイント2】マニュアルを使用する従業員のレベルに合わせて記載

マニュアルを使用する従業員のレベルに合わせて、内容を記載しましょう。

レベルとは「理解できる業務内容の難易度」のことです。マニュアル作成者は、自分の理解に沿って作成してしまいがちです。そうではなく、マニュアル使用者が理解できるレベルを意識しましょう。

例えば、同じ「新任者」といっても、「新入社員」「新任者(社内からの異動)」「中途採用者(他社からの転入)」では、それぞれ業務経験が違うので、理解できる専門用語が異なります。

マニュアルを実際に使用する従業員の立場を考えながら書くと、使いやすいマニュアルになります。

【ポイント3】誰にでも分かりやすい表現を使って記載

誰にでも分かりやすい表現を使って、内容を記載しましょう。

表現とは、言い方や使用する語彙、漢字表記や箇条書きなどのことです。どんな読み手であってもパッと見ただけで内容がつかめる書き方にするということです。

例えば、以下の文章はいかがでしょうか。

漢字が続くので、文字の意味を考えながら読み進めないと、具体的な作業のイメージが浮かびにくい文章になっています。
次のようにすると、一目で内容がつかめるようになります。

この他にも、こんな工夫ができます。

  • 文字だけでは分かりにくい場合、図や表にする
  • マニュアル使用者の年齢層が高めであれば、文字を大きくする
  • マニュアル使用者が外国人であれば、ルビを振る

このような工夫をして、読み物としての読みやすさを心がけると、誰もが読みたくなるマニュアルになります。

【ポイント4】5W1Hが明確な記載

5W1Hが明確な記載になるよう、心がけましょう。

5W1Hとは、「When-いつ」「Where-どこで」「Who-誰が」「What-何を」「Why-なぜ」「How-どうやって」のことです。
マニュアル作成者は業務に詳しいので、こういった要素をついつい説明しないことがあります。「この業務に初めて触れる人に向けて書くのだ」という意識を持ちましょう。

これらを毎回セットで一文の中に全て入れる、というわけではありません。なくても理解できる場合は省略し、説明の中の、最初の行だけ盛り込むなどで構いません。

5W1Hが明確であれば、読み手は具体的な行動を取れるようになります。

【ポイント5】分かりやすい構成のフォーマットを使用

分かりやすい構成のフォーマットを使用しましょう。

ベースとなるのがWordかExcelか、もしくはPowerPointなのかによって、用意されている構成が異なります。

マニュアルにはいろいろな種類があります。例えば、全体の流れと手順を説明する「業務マニュアル」や、機械操作のための「操作マニュアル」などがあります。また、その中で、個々の業務について「作業手順書」「取扱説明書」「チェックリスト」などが必要となるケースもあるでしょう。

ご自分の業務に適したフォーマットを選んで使用すると、短時間でマニュアルを完成させることができます。

【ポイント6】デザインはフォーマットを活かして見やすく

デザインについては、フォーマットのものを活かし、見やすくしましょう。

フォーマットには、あらかじめデザインがセットされています。それを変えずに作成すると、統一されたデザインで手間なく作成できます。

まずはシンプルなデザインで一通り作成することを優先し、手間なくマニュアルを完成させましょう。余裕があれば、画像やイラストを挿入し、視覚に訴え読み手を飽きさせない工夫をするのも一法です。飽きないマニュアルだと、読み手はついでに先を読み進め、業務の全体像を頭に入れた状態で仕事をすることができます。

まとめ

今回は、マニュアルを作成するにあたり、フォーマット(テンプレート)を活用するメリットやポイントをご紹介しました。

フォーマットを活用するメリットは次の4つです。

  • マニュアルを作成する労力を削減する
  • 統一感のあるマニュアルを作成できる
  • 記載内容の抜け漏れ防止になる
  • デザイン性の高いマニュアルを簡単に作成できる

また、フォーマットを活用してマニュアルを作成する際に注意したいポイントは、内容の書き方フォーマットの選び方であり、これらに基づいて6つご紹介しました。

物事は、ゼロから1にするのは大変ですが、既にある1を2にするのは取り組みやすいものです。まだ職場でマニュアルを使っていない人は、まずはフォーマットを活用して楽にマニュアルを導入してみてください。その後、自社らしいものにどんどん改良していくといいでしょう。

マニュアルの書き方については、詳しくは次のページが参考になりますので、ご覧ください。
関連記事:『マニュアルの目的とは?すぐ出る導入効果4つと書き方のコツも解説

今回ご紹介した無料で使えるフォーマットは、今すぐにマニュアル作成に取りかかれるすぐれモノですが、完成したマニュアルの内容更新や共有といった運用体制をどのようにしていくかを、のちに検討する必要が出てきます。

次のようなマニュアル作成ツールは、有料ではありますが、マニュアルの作成から運用体制まで、一気に手間なく整備できるものです。マニュアル完成後も質問できる、安心のサポート体制もあります。こちらもぜひお試しください。
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関連記事:『マニュアル作成が成功する7つのコツ!実施ステップやツール選定のポイント・手順書との違いも解説

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