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マニュアルを共有するメリットと共有に活用できるツールの種類を解説

2021/11/24

マニュアルとは、どのようなものでしょうか。
業務で使うマニュアルは、業務の全体像や手順など、業務遂行に必要なことをまとめたものです。手順書や取扱説明書、ハンドブックなどに比べると詳しい内容であり、読んで業務を遂行すれば、誰しもある一定の結果を出せるようにまとめます。

複数の従業員がいる職場では、そのメンバーで内容を考えいつでも閲覧できるようにしたマニュアルは、業務について伝え合うコミュニケーションツールとなります。ですから、マニュアルは作るときだけでなく、共有するときのことも考えておく必要があります。

マニュアルの共有について、次のように考えている人はいませんか?

「新しい従業員が増えてきた。マニュアルを作成して、社員間で共有できるようにしないと業務が回らないな」
「マニュアルを作成して共有するのは大変そう…。その手間を上回るメリットはあるのかな?」
「マニュアルの共有が簡単にできる方法はないか?」

この記事では、マニュアルを作成・共有することによるメリットやデメリットは何か、活用できるツールの種類などについて、わかりやすく解説します。

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マニュアルを共有するメリット

業務のためのマニュアルを作成したら、次のステップは「共有」です。その業務に直接携わる人だけでなく、その業務の関係者全員でマニュアルを共有すると、業務の前後の流れがお互いつかめるようになるなど、職場や会社全体にとって大きなメリットが生まれます。
主なメリットを4つご紹介します。ぜひご覧ください。

【メリット1】業務品質の維持

一番のメリットは、業務品質の維持ができることです。

マニュアルを共有し、マニュアルに沿って仕事を教えたり業務遂行の際にマニュアルを参照したりすることで、業務の理解にブレがなくなります。口頭だけでOJTをしたり、聞き書きしたメモを見ながら業務を遂行したりすると、必要なことが抜け落ち、理解が不十分なまま業務を行う可能性があります。

業務にかかわる複数の担当者がチェックしたものをマニュアルとして制定すると、仕事の理解が統一されます。理解にブレがなくなると、業務の品質を均一化することができます。新任者が増えても、均一な品質を維持できることにつながります。

【メリット2】人材教育や引き継ぎのコスト軽減

次に、人材教育や引き継ぎのコスト軽減のメリットがあります。

マニュアルを共有し、新人の教育や後任者への引き継ぎの際にマニュアルを使用すると、新任者が業務をいち早く理解できます。また、教育や引き継ぎの期間に、口頭で付きっきりで説明すると、指導する従業員や前任者の生産性が下がってしまいますが、マニュアルがあれば、付きっきりで指導する時間を短縮できます。
その結果、人材教育や引き継ぎで人手を取られる時間が減り、コスト軽減につながるのです。

【メリット3】業務改善の土台構築

3番目に、業務改善の土台を構築できるメリットがあります。

「マニュアルを作成し共有する」ということは、「業務知識を集約し共有する」ということです。マニュアルを作るには、従業員それぞれの業務に関する知識や知見を持ち寄り、ベストな内容で作り上げることになります。

ベテラン従業員であっても、業務経験によって、所有する知識はさまざまですから「その事例は知らなかった」ということもあります。マニュアルは、社内ナレッジの蓄積先となります。

社内ナレッジの蓄積場所ができると、その後の業務遂行によって新しいナレッジが生まれたときに、記載されている業務を見直すことができます。マニュアルを共有することは、いわば、業務改善の土台を構築することになります。

【メリット4】不正や属人化の防止

4番目に、業務の不正や属人化を防止できるメリットがあります。

マニュアルを作成し、関係者で共有すると、業務範囲や担当者を明確化できます。どこまでが業務の範囲であるかが明らかになると、特定のお客様だけをこっそり優遇するなどといった不正ができなくなります。また、業務の担当者が明らかになると、一人でいくつも業務を抱え込んだり、一人の従業員が異動してもずっと同じ業務を続けたりする属人的な状態を避けることができます。

業務範囲や担当者が明確化できると、不正や属人化の防止となり、さらには従業員どうしがサポートしやすくなる効果につながります。

マニュアルを共有するデメリット

一方で、業務マニュアルが作成・共有されると、マニュアルを重視しすぎてしまったり、マニュアルに書いてあることを守ろうとしゃかりきになったりする人が出てくる場合があります。その結果、思わぬデメリットが生まれることもあります。

ただ、マニュアルの作成方法や運用方法によって解決することは可能です。どんなデメリットなのか、あらかじめ知っておくとマニュアル作成や体制づくりに役立ちますので、参考にしてみてください。

【デメリット1】マニュアル外の出来事への対応

マニュアル外の出来事に対応できない人が出てくるデメリットがあります。

マニュアルを重視しすぎるあまり、マニュアルに記載されていることはしっかり遂行するけれども、イレギュラーな例やトラブルが発生した際は、頭が真っ白になって対応できなくなってしまう…、といった人がいます。

このような状態になると「あの人はマニュアル人間だな」などと呼ばれてしまいますが、マニュアルの書き方や活用方法によっては、誰しもマニュアル人間になる可能性があります。

マニュアルの書き方や使い方に気を配り、以下のような工夫をしてみてください。

  • 取り組む順番を変更すれば臨機応変な対応ができる、といった書き方にする
  • こまめにマニュアルの内容を見直す
  • 指導する際は「マニュアルを渡して終わり」とせず、例外事項も併せて説明する

【デメリット2】手段の目的化

手段を目的化する人が出てくるデメリットがあります。

ここでの手段とは、「マニュアルを共有し、活用しながら業務を遂行する」ことです。これはあくまでも手段であり、職場の目的は「業務を遂行することで、組織の目標を達成する」ことのはずです。

それなのに、「決算業務を期日の2日前に終わらせた!次の決算では3日前に終わらせるぞ」などと、業務をマニュアル通りに遂行することだけを目的だと思い、そこに意識を集中させてしまう人が出てくる可能性があります。

マニュアルの内容を絶対守らなくてはならない、守りさえすればよい、といった雰囲気があると、このような意識になりがちです。
業務遂行の先の目的や目標を折に触れてアナウンスするなど、目的への理解の浸透を図りましょう。

【デメリット3】モチベーション低下

モチベーションが低下する人が出てくるデメリットがあります。

「マニュアル通りに対応しなければならないなら、自分らしさやアイデアを発揮することはできない」
「マニュアル通りにやっていればいいや」と思い込む人です。

業務は時代とともに変化していくものであり、マニュアルには後から知見や工夫を加えてよい、という意識がなく、「現状の業務内容やマニュアルに従うしかない」と考えてしまうと、創意工夫しようというモチベーションが下がってしまいます。

「マニュアルは、作成し共有したときが一番若い」を合言葉に、業務を遂行する現場の人こそが改善提案やナレッジ蓄積ができる立場なのだ、という意識を持てる仕組みを作るとよいでしょう。例えば、マニュアルを整備することとともに、「月に1つ改善提案する」などの改善提案制度を設けるのも一法です。

【デメリット4】マニュアル作成・共有の手間

マニュアル作成や共有に手間がかかる、というデメリットがあります。

マニュアルを作成するだけでも、何人もの従業員で何日もかかります。
さらに共有のためには、紙マニュアルであれば印刷や配布をしたり、端末で見る電子マニュアルであれば閲覧方法をお知らせしたりします。担当者同士で読み合わせをして、不明点がないかを確認する手間や、マニュアル改訂時には差し替えや旧版廃棄の手間もかかります。

現在は手間なくマニュアルを作成・共有できるツールが出ており、そういったツールを活用せず従来のやり方をすると、このようなデメリットはなかなか克服できないかもしれません。

業務遂行の手をできる限り止めないで済むよう、ツールを活用し、短時間で手間をかけずに行いましょう。どのようなツールの種類があるのか、次にご紹介します。

マニュアル共有に活用できるツールの種類

マニュアル共有に活用でき、手間がかかるデメリットを解決してくれるツールの種類をご紹介します。 「社内wiki」「グループウェア」「マニュアル作成ツール」と、大きく分けて3種類のツールがあります。

それぞれどのようなツールなのか、特徴やマニュアル共有のしやすさ度合をご紹介します。ご自分の職場の状況に合うツールがあるかを考えながら、読んでみてください。

社内wiki

社内wikiとは、「社内版Wikipedia」の略称で、従業員みんなで社内のナレッジや情報を共有するツールです。ファイルを共有したり、マニュアルテンプレートを活用してマニュアルを作成したりできます。

社内にはマニュアルのほか、議事録や日誌、社内報などさまざまな文書がありますが、そういったストック型の情報蓄積や検索に優れたツールです。

マニュアル共有のしやすさとしては、どのような従業員でも手軽に参加できる工夫が凝らされているため、社内ナレッジが集まりやすい柔軟性があります。

グループウェア

グループウェアとは、先ほどのストック型の情報のほか、メールやチャットなどといったフロー型の情報も、ワークフローなどのタスク管理も、社内のコミュニケーションが1つのツールにまとまっているものです。

多いものでは20以上の機能があり、導入している人は「朝のルーティンとしてまずパソコンでグループウェアを開く」と話すほど、必要な機能がオールインワン化しています。

マニュアル共有のしやすさとしては、変更履歴などのバージョン管理やアクセス制限がしっかりしているため、運用がしやすい堅牢性があります。

マニュアル作成ツール

マニュアル作成ツールとは、マニュアルを作成し、共有することに特化したツールです。構成やテンプレートを使って簡単にマニュアルを作成でき、気づきをメモ書きするコメント機能で、埋もれがちなノウハウをすくいとって共有できるなど、マニュアル作成・共有の手間を短縮する機能が充実しています。

マニュアル共有のしやすさとしては、柔軟性と堅牢性の両方を兼ね備えており、導入も運用もしやすいといえます。
例えば、文字だけでなく動画や画像も簡単に盛り込めるといった使いやすさとともに、細やかなバージョン管理やアクセス制限によって、伝えるべきナレッジをきちんと継承していけるセキュリティ対策がなされています。

社内wikiやグループウェアは「マニュアル外の機能もあるツール」、マニュアル作成ツールは「マニュアルの形でナレッジを継承していくツール」と捉えられます。共有する従業員数が多いマニュアルを早期に完備しなくてはいけない、などの状況では、マニュアル作成ツールが早く手間なく体制を整えてくれます。

マニュアル共有に活用できるツールを選ぶポイント

マニュアル共有に活用できるツールは、現在さまざまなものが開発されています。

それぞれのツールを調べてみると、どれも便利そうで使いやすそうに見えますが、一番大切なのは自社の現状との相性です。相性をみる上で大切なポイントを3つご紹介しますので、参考にしてください。

【ポイント1】マニュアルの目的との整合性

1番目のポイントは「マニュアルの目的との整合性」です。

マニュアルの目的とは、「どのような業務のマニュアルを作り、どう活用するか」ということです。これにより、自社のマニュアルの目的に合う、必要なツールの機能が変わってきます。

「どのような業務か」という点では、例えば文章だけではつかみづらい、液体の状態などを説明するような業務のマニュアルであれば、動画や画像がほしいところです。担当者が多く関わる複雑な業務であれば、図やイラストがあると流れがわかりやすくなります。

これらのケースでは、動画や画像、図やイラストの挿入が得意で、データの保存先の容量が大きいツールを選ぶのがおすすめです。

「どう活用するか」という点では、使用場所や使用人数を想定するとよいでしょう。
例えばデスク上だけでなく、社内外さまざまな場所で使うのならモバイル端末での閲覧が可能なツールを選ぶのがおすすめです。

関連記事:『マニュアルの目的とは?すぐ出る導入効果4つと書き方のコツも解説

【ポイント2】操作のしやすさ

2番目のポイントは「操作のしやすさ」です。

「機能が充実しているから」と導入したツールだけれど、従業員に聞いてみると操作がしにくく、結局活用されていない…、という事態は避けたいところです。
また、「操作しやすい」と評判の高いツールであっても、自社の従業員が操作しやすいかどうかが重要です。

自社の従業員が操作しやすいと感じるかを確認するには、試しに使ってみるのが一番です。無料トライアルを提供しているツールを、実際にツールを使う予定の従業員に操作してもらうとよいでしょう。

例えば、このようなトライアルなら約2か月間ツールを試すことができます。
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【ポイント3】サポート体制

3番目のポイントは「サポート体制」です。

ツールを提供している会社からのサポート体制が十分なものか、自社に合う内容かを確認することが重要です。

自社にエンジニアがいて、ツールの使用やメンテナンスが問題なくできそうであれば、導入前後のサポートがないツールでも使いこなせるでしょう。
そのような体制でないならば、例えば、サポートデスクがあり、マニュアル共有が完了したあとも、引き続きツールの使い方についてメールや電話で質問ができる、といったツールを選ぶと安心です。

「マニュアルの共有」に特に強いのが「Knowledgesh@re(ナレッジシェア)」です。
自分なりの工夫や改善提案をタイムリーに入力できるフィードバック機能や、適切な編集権限付与、見やすい画面により、従業員みんなの知識・経験・事例を蓄積しながら共有できます。

まとめ

今回は、マニュアルを共有するメリットやデメリット、共有に活用できるツールの種類やツール選びのポイントをご紹介しました。

マニュアル共有によるメリットは、まとめると次のようになります。

  • 業務の理解にブレがなくなり、業務品質が維持される
  • 新任者が早く業務を理解でき、人材教育や引き継ぎのコスト軽減になる
  • ノウハウや知識の蓄積ができ、業務改善の土台構築となる
  • 業務内容や担当者が明確になり、不正や属人化防止になる

マニュアルの書き方や使い方によっては、次のようなデメリットが起こる可能性があります。

  • マニュアル人間、手段を目的化する人、モチベーションが低下してしまう人などが出てくる
  • マニュアルの作成・共有に手間がかかる

手間を減らしながら質の高いマニュアルを作成・共有するには、ツールを活用する方法があります。
ツールの種類はいろいろありますが、社内wikiやグループウェア、マニュアル作成ツールなどが挙げられます。ツール選びのポイントは3つです。

  • 自社の業務形態に合うマニュアルを作成できるツールなのか
  • 操作はしやすいのか
  • サポートはあるのか

これらのポイントを押さえると、自社に合ったツールが選びやすくなります。
社内の貴重なノウハウを共有し継承していくためには、自社に最適なツールを選ぶのがおすすめです。
ツール選びの際は、ご紹介した3つのポイントを参考にしてみてください。

できる限り多くの従業員がマニュアルの体制づくりに参加すると、情報を出し合い、前向きに主体的に関わる空気が生まれ、より活用されるマニュアルを作ることができます。より活用されるマニュアルという土台ができると、業務改善が進みます。ぜひツールを活用して、体制づくりを実現してください。

関連記事:『マニュアル作成が成功する7つのコツ!実施ステップやツール選定のポイント・手順書との違いも解説

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