2020年03月24日

コラム

  • Mina's feeling

Report and thanks|会社をつくった理由

前回、美奈ちゃんがエストニアで会社を作り、その報告とお礼メッセージをくれました。今回は、報告後にいただいた質問にこたえるため、会社をつくった理由や、会社をつくるために何をしたのかを書いてくれました。

美奈ちゃんからのメッセージ

こんにちは。井上美奈です。いつもは私のチャレンジを助けてくれた方たちを紹介しているのですが、前回は少し内容を変えてご報告にしてみました。「会社つくりました」と連絡をしたら、どうして会社をつくったの?どうしてエストニアに?と聞いてくださる方がいたので、書いてみようと思います。

今回はどうしてエストニアに会社をつくったのか、どうやってつくったかを書きます。最初は会社をつくったことを記事にしようと思っていなくて、つくったあとでそういえばどうやってみんなに報告したらいいかなと考えているうちに記事にしようと思いつきました。だからほとんど写真も撮っていませんでした。記念になるかなと思ってとった写真が1枚だけで、あとは文字だけだけど、どうしてエストニアに会社をつくったのか、どうやってつくったのか興味があったら読んでもらえたらうれしいです。

どうして会社?

できそうなことからやっているうちに、作ってみたいサービスをこういう風にしてみたらいいかもと思えいてきたり、やってみたいことのために契約書が必要だったり、いろんなことをしないといけないということがわかってきました。どういうやり方があるか考えたり調べたりしていると、個人事業主という方法もあるけど法人設立という方法もあってこれが会社というのはわかりました。もう少し調べていると自然人と法人というのを知って、私自体は自然人だけど、それとは違う人格を持ってやっていったほうがいいと思って、法人がいいなと思いました。それに11は私の数字だから11歳で一個は会社を作りたいと思っていたから、今がつくるときかなと思いました。

どうして最初にエストニア?

私は会社を作ろうと思って、最初に日本の法人について調べました。そうしたら日本の法人には、すごくたくさんの種類があるとわかりました。公法人と私法人という分類みたいのなのがあるみたいです。公法人はちょっと説明をみただけで、たぶん今私が思っているのとは違うなと思いました。それで、私法人の方から選んだらいいと思いました。でも私法人の中にもたくさん種類があって、株式会社、合同会社、弁護士法人、NPO法人、一般社団法人、他にもあるみたいでした。たくさんありすぎて「どうしよう」と思いました。ちょっと考えるのをやめました。

2週間くらいして、もう一回考えようと思いました。それでもう一回調べてから、Startup Weekendの理事の松本かずえさんが司法書士さんだから、聞いてみました。私のおじさんは司法書士だからどんな仕事かちょっと知っていたからです。かずえさんは、どういうことを目的とする法人かということをよく考えて、それに合う種類を選ぶといいと教えてださいました。やってみたいことを質問されて答えたら、そういうのだったら株式会社か合同会社かなと教えてくれました。資本金は1円でもできるけど、登記のための費用は必要で、株式会社の方が高くて、合同会社の方が安くすむことがわかりました。説明をしてもらって、どの法人が強いとか弱いとかじゃなくて、それぞれに特徴があるということがわかりました。それで、自分のやりたいことに合う種類を選ぶことが大事ということを教えてもらいました。それから私だけだと作れないから大人の人に協力してもらわないとできないと教えてもらいました。登記するために必要な印鑑証明が11歳だと作れないから登記もできなくて代表取締役にもなれなさそうでした。

私はエストニアとアジアと日本をつないでみんなで一緒に考えたりできるようにしたいなと思ってはじめたから、エストニアかアジアの会社でもいいのかもしれないと思って調べてみました。ちょっと検索してみたけどアジアの会社のことは探すのが大変で、よく考えたらアジア全体とつなげたいと思っていたから、どこの国とかも考えていなかったし、広いなと思いました。

エストニアは若い起業家が多いと聞いて興味を持った国だし、会社が作りやすいと聞いたこともありました。My favorite Personの第2回の記事で書いたKota Alex SaitoさんSetGoという会社をエストニアにつくっているのを知っていました。SetGoは、日本人がエストニアに法人を作りやすくするためのサービスというのも知っていました。だから、私がエストニアで会社を作れるか聞いてみました。でも、やっぱりエストニアでも私だけだと作るのはできなさそうでした。理由は2個ありました。1つ目は、このサービスを使うにはe-residencyカードが必要だけど、それは15歳にならないと作れないことです。もう一つはエストニアは18歳までは責任能力の問題があって代表にも株主にもなるのは難しいということです。親の承認が証明できれば15歳からでもできるそうですが、それでもまた足りません。やはり協力してくれる大人が必要ということがわかりました。

どっちの国で作っても大人の協力が必要なのはわかって、代表取締役にはなれなさそうです。どうしたら自分の会社って言えるのかなと思いました。日本の会社だったら私でも株主にはなれそうと聞いて、株主になったら私の会社と言っても良さそうだと思いました。そのためには株式会社がいい思ったけど、設立費用が高いです。私は、お年玉とかイベントで頂く参加費とかイベントに登壇して頂いたお礼とかを集めて作ろうと思ったから、たくさんの費用を急いで集めるのは大変だなと思いました。エストニアだと、日本の合同会社と同じくらいの費用で作れそうだったから、もうちょっと調べてみようと思いました。

日本から国際送金でエストニアの銀行にお金が入る時はそろえないといけない書類が大変とか、英語ができるようにならないとルールを理解するのも大変とかそういうことも教えてもらい、難しいこともあるということもわかりました。でも、エストニアは国がユニコーン企業を作ろうと取り組んでいたり、そのためにStartupの企業を応援しようとしていたりしていて、そういう制度になっていることもともちょっとわかりました。私はStartup企業をつくってみたいと思っていたし、エストニアと日本とアジアをつないでみるのには、エストニアに会社が1個あったほうがいいと思えてきました。それで最初にエストニアに作ってみることにしました。

準備

協力してくれる大人は相談しやすいから家族の誰かがいいと思って、e-residencyカードをとってもらうようにお願いしました。申請するのに大きさが決まっている写真のデータが必要だったり、ちょっと準備は必要そうだったけど、e-residencyの申請のサイトがわかりやすくて、日本からオンラインで簡単にできていました。e-residencyカードができたら、受け取るのはエストニアでも日本でもできます。エストニアに行った時にもらうようにしてもよかったけど、早く欲しかったので日本に送ってもらうようにしてもらいました。申請をしたら「申請を受け付けました」とすぐにメールがきて、1週間くらいしたら「承認されました。日本で受け取れる準備に2〜5週間かかります」というメールがきました。でも5週間してもなかなか日本で準備ができましたというメールが来なくて心配になりました。e-residency申請のサイトのチャットで相談したけどあまりいい情報ができませんでした。でも、SetGoの記事で、エストニア政府からのメールが迷惑メールに入る時があるという注意書きを見つけて、これまでのメールは普通に受信ボックスに入っていたけど、もしかしたら準備ができたというメールは迷惑メールに入ってしまったかもと思って確認してもらいました。それで5週間目にメールは届いていて迷惑メールに入っていたことに気がつきました。準備ができたことがわかったので、私は港区のピックアップセンターに取りに行く時に、一緒に連れて行ってもらいました。 e-residency cardは青いカードが黒い箱に入っていてきれいいだなと思いました。やっと会社が作れます。

e-residency cardサムネイル.jpg

会社をつくろう

私は、e-residencyカードが届くのを待っている間に、設立日と名前のことを考えていました。それから、何をする会社かも考えました。日本だと定款というのをつくって、その会社でやってみようと思っていることをいろいろ書いたらいいと知っていたからです。会社名はMinaにしようと思いました。私の会社ですってわかりやすいし、Minaはエストニア語で私が自己紹介をするときに「Mina olen Mina」といったらいいのを知っていたからです。「私」という意味だと思うし、私とエストニアをつなぐ言葉だから、いいなと思っていました。それから、設立日は数字がいい日がいいと思っていました。11は私の数字だから1がそろう日がいいなと思っていたけどお正月や休日はお休みで登記できないと聞きました。今年は1月11日も土曜日です。1がつくところで数字のいい日が見つかりませんでした。2月2日も2020年2月2日で令和2年ですごくいいなと思ったけど日曜日でした。それで3月3日を考えました。おひな祭りの日でMy favorite Personの第3回で書いた若宮正子さんの「hinadan」にも関係があるし、2020年3月3日に私の11の数字が加わったら、0123がそろっていい日だなと思いました。

登記の手続き

私は設立するのにSetGoを使いました。急にやったら、何かわからないことが起きて3月3日に間に合わなかったら困るから、2月の終わりにSetGoに登録をして試しに途中まで進みました。登録をして情報を更新すると、待っている間に出てくる鳥がすごく可愛いから、一回一回、「かわいいな」と思ってながめていました。オススメポイントだから、もしもSetGoを使ったらこの鳥を見て欲しいです。

SetGoは、e-residencyカードを使って登録する方法とメールアドレスを使って登録する方法がありました。最初e-residencyキットの緑のランプがすぐに点滅してしまって読み込まれなくて、PCの問題かe-residencyキットの問題か、両方の問題なのかわからなかくて困ったけど、検索したら解決方法が何個か出てきました。私の場合は必要なプログラムをインストールしなおしたらよくなりました。最初に、プランを選ぶ画面が出て来ました。StartupプランとEnterpriseプランのどちらかでした。エストニアにも非営利法人があるのは知っています。だからもしかしたら日本と同じようにいろんな種類の法人があるのかもしれません。より専門的なサポートが受けたかったり、エストニアのという種類の法人以外を作りたいときはEnterpriseプランを選ぶのかなと思います。私はStartupプランを選びました。こっちを選んだら自動的にOÜ(有限会社)という種類の法人になるみたいです。日本だと有限会社は今はなくなったみたいだけど、それと同じかどうかはちょっと調べていなくて今はわかりません。運営しながら、必要そうだったら調べようと思います。

申請方法は3つのステップだけでした。「ビジネス情報の入力」、「支払い」、「提出」です。

「ビジネス情報の入力」は会社名とか事業領域とか資本金とか役員とか共同設立者とかがいないかとかを入力します。私はここで最初にショックなことがありました。考えていた「Mina」という名前が使えませんでした。似ている名前の会社があったら使えないみたいです。「Mina」はエストニア語だと「私の」とかよく使われる文字だから、そのせいなのかわからないけど、だめでした。それでもう一回考え直して、「MUSUBU」と迷って、「TSUNAGU」にしました。Kota Aelx Satoさんから後で教えてもらったけど、ここでOKになった名前でも申請した後の審査でもう一度確認されるから、最後までOKかどうかはここではまだわからないみたいです。

資本金は2500€以上が必要だけど、最初は入れなくてもよくて配当をする時か10年後でいいそうです。10年後だった私は21歳です。それまでには資本金を入れないといけないんだなと思いました。だから今はそこも一番小さい2500€にしてすぐに進みました。他の質問も少ししかなかったから、もっとすぐに進みました。

次に「支払い」に行きました。これは最初の画面はPayPalだけだから、いつも使うクレジットカードは使えないのかなと思ったけど、次のページで使えることがわかりました。でも、すっかり忘れていたらしいのですが、PayPalのアカウントを持っていたみたいで結局PayPalを使ってくれました。PayPalは支払いをするのに使うということはわかりました。エストニアで会社をつくるときには便利みたいです。

最後に「提出」です。ここでは4つのドキュメント内容を確認してくださいと出てきました。法人登記申請書と会社定款の2個のドキュメントが英語とエストニア語でそれぞれ出てきて全部で4つの書類がダウンロードできます。私はエストニア語よりもまだ英語の方がちょっとはわかるから、英語の書類をGoogle翻訳を使いながら読むことにしました。日本だと会計期間は会社によって違ってもいいと聞いていたから、会計期間をいつ選ぶのかなと思っていたけど最後まで何も出てこなくて、この書類を読んだら1/1〜12/31に勝手に決まっていました。変更する方法もわからなかったし、そんなに気にならないからまあいいかなと思いました。住所もSetGoのオフィスがある住所が自動で入っています。あとは、「署名して提出する」というのを押すだけみたいでした。私は、設立日を選んでいないからもしかしたら出したらすぐに会社が作られるのかもしれないと思って、その日はもうやめまて3月3日がくるのを待つことにしました。Kota Aelx Satoさんに聞いたら、エストニアは設立日を選べないみたいでした。申請したらあとはエストニア政府のペースで進んで、だいたいは申請してから1日〜3日で登記されるそうです。登記ができたらSetGoから連絡がくると教えてもらいました。私は、3月3日の朝7:45くらいに「署名して提出する」を押してみした。その時間だったらエストニアは3月3日になったばかりくらいで、3月2日に設立となることはないだろうと思ったからです。あとはエストニア政府の都合だから、もう待っているしかないなと思って、その日は終わりました。3月3日はお返事がなかったから、4日になってしまうなと思いました。4日だったらひな祭りではなくなるからちょっと残念だけど、私の1も入れて01234がそろうからまあいい数字だし、仕方がないかなと思いながら寝ました。

次の日、Kota Aelx Satoさんから「3月3日に設立できて、よかったね」と連絡がきて、私は「3月3日にできた!」とわかって、よかったと思いました。

やってみて思ったこと

私は会社を作ってみようと思って、国によっていろんな違いがあるのがすごくよくわかって、面白いなと思いました。多分、前は今みたい離れていてもすぐにお話ができたり、制度を知ったりすることができなかったから、それぞれの国でその国に合うように違うものができたのだと思います。その国に合っていて他の国と違いがあるは、すごく意味があると思うからそれはそれでいいと思います。でも今は前と違って、いろんな情報が探しやすくなっていたりつながりやすくなっていると思います。だから、他の国が使っている方法でもその国に合うものも探しやすくなっていると思いました。私は国ではなくて普通の小学生だからちょっと違うかもしれないけど、今回はエストニアに会社をつくるのが今はいいと思ってそれを選べました。他のことをやってみようと思った時に日本の法人のほうが合うときは日本に作ったらいいと思ったし、それ以外の国の方がうまくいきそうだったらそれ以外の国に作っていったらいいんだなと思いました。情報をもらいやすくなっても、多分どれが一番いいかを決めるのは人によって違うから、どれが一番かを考えるのはそんなに意味はないかなと思いました。私は、合うものを探しやすくなっていることがすごく意味があるなと思いました。やっと会社が作れたので、この会社をつかって、それぞれの違いを大切にいろんな人と一緒に考えて、役に立ちそうなものを作ってみようと思っています。

執筆者プロフィール

井上 美奈

CO☆PITライター/Startup Weekendオーガナイザー/TSUNAGU OÜ CEO

11歳です。去年の5月、エストニアに行ってみたいなと思って、Readyforさんでクラウドファンディングをしたらいろんな人が助けてくれていけました。
小学生でもやってみたらできることもあるし、思ったよりいいことも待ってると思います。