マニュアル作成を徹底解説!成功のための5つのコツを紹介
2021/6/16
どうやってマニュアルを作ったらいいのだろうか・・・
または、時間をかけて作ったマニュアルなのに読まれない!など
マニュアル作成について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
テレワークの普及など働く環境が変わった現代において、しっかり活用されるマニュアルを作るためにはクラウドサービスの活用など新たに抑えるべきポイントがあります。
今回はマニュアルを作成する目的から作成手順、成功させるためのコツ、マニュアル作成ツールを選ぶポイントまでわかりやすく紹介します。
マニュアルを作成する4つの目的

マニュアル作成には以下4つの目的があります。
- 業務効率化
- 対応品質の統一
- ノウハウの共有
- 属人化の回避
一つずつ詳しく見ていきましょう。
業務効率化
まず、マニュアルを作成する1つ目の目的は業務効率化です。
マニュアルがあれば業務にかかる時間を大きく短縮できます。業務フローや業務内容、技術的なノウハウをこれから業務に携わる従業員に周知できます。
例えば業務マニュアルを参照することで、次にどのような手順を踏めば良いのか、何に気をつけたら良いのか、わからないことは誰に聞けば良いのかなどがわかります。
多くの従業員が業務を滞りなく遂行するために、マニュアルが非常に役に立ちます。
対応品質の統一
マニュアルを作成する2つ目の目的は対応品質の統一です。
マニュアルを使えば、能力の高い人と同等の品質で全員が業務を遂行する方法を組織に浸透させることができます。
マニュアル記載の手順に忠実に従って実施することで、個々の経歴や経験値によるバラツキを防止することも可能です。
従業員の対応品質を統一することが、マニュアル作成の大きな目的です。
ノウハウの共有
マニュアルを作成する3つ目の目的はノウハウの共有です。
企業が活動を続ける中で、多くの知見が個人や部署に暗黙知として蓄積されていきます。マニュアルの作成を通じて、それらを言葉に落とし込むことでノウハウを引き出し、体系化することで組織として活用できるようになります。
従業員が抱え込んでしまったノウハウを言語化し共有するために、マニュアル作成が効果を発揮します。
属人化の回避
マニュアルを作成する4つ目の目的は属人化の回避です。
企業が事業を進める中で「この業務ができるのはこの人しかいない」「この人が一番詳しい」など専門知識と経験が高いベテラン従業員に業務を任せっきりにしてしまうケースがあります。
しかし、そういった運用をしていると、例えば特定の従業員が不在になった際、その業務を理解している従業員が他に誰もいないため、作業が滞ってしまうという問題が起きます。
マニュアルによって業務フローや手順が共有されていれば、特定の個人に頼らずに業務を遂行できるようになります。
属人化回避を目的として、マニュアルを作成することも多いと言えます。
マニュアルの作成手順を5つのステップで解説

次にマニュアル作成の手順について解説をしていきます。マニュアルには、以下の5つのステップがあります。
- 目的を定める
- スケジュールを決定する
- タイトルや見出しなどの全体像を考える
- ITツール・フォーマットを決める
- 書き出してみてまとめる
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
1. 目的を定める
1つ目のステップは、目的を定めることです。
曖昧な目的のまま作るマニュアルは、何のためのマニュアルかどういうシーンで使うべきかわからなくなり、年々使われなくなります。
最初に何を目的として作るのか、どのような従業員に読んでほしいか、どのようなシーンで使われるかを具体的に考えることが大切です。
目的をしっかりと決めることで、定期的にメンテナンスも行われ、運用開始後も長く使われるマニュアルが完成します。
2. スケジュールを決定する
2つ目のステップは、スケジュールを決定することです。
リリースする納期を確認し、作成に必要な時間は全体でどれくらいか、情報整理や見出し作成、内容作成それぞれにどのくらいの時間が必要かをスケジュールに細かく落とし込んでいきます。
一度で完成するのではなく、展開してブラッシュアップすること、利用者の声を聞きながら改善を繰り返してマニュアルの完成度を高めることが大切です。
余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
3. タイトルや見出しなどの全体像を考える
3つ目のステップは、タイトルや見出しなどの全体像を考えていくことです。
マニュアルの骨組みとなる構成を最初に決めて、目次や見出しを整えていきます。
全体構成がしっかりと決まることで自然と書くべき内容が決まり、本来の作成目的と内容が一致し、書きやすい、読んでいてわかりやすいマニュアルとなります。
また、このタイミングでマニュアル作成に関わる主なメンバーに確認をすることで、手戻りを減らし、効率的にマニュアルを作成することができます。
4. ITツール・フォーマットを決める
4つ目のステップは、ITツール・フォーマットを決めることです。
マニュアル作成においては、ITツールを活用することがポイントです。特にテレワークが定着した現代にあった、マニュアル作成に特化したクラウドサービスも増えています。
マニュアル作成ツールを活用すれば、業務用のフォーマットやデザインテンプレート、目次生成機能も用意されており、構成変更も簡単にできます。
自社で共有する際のフォーマットを決めることも大事です。
例えばローカル保存可能な長く慣れ親しんでいるPDF形式や、検索性やモバイル表示やセキュリティ対策に優れているWebマニュアルなどがあります。
特に最近では、モバイルでいつでも閲覧ができるWebマニュアルの活用が増えています。
5. 書き出してまとめる
骨組みとなる構成が完成し、フォーマットも決まった後は、流れに沿って実際の手順を書き進めていきます。
書き出す際に意識したい点は以下の通りです。
- 読み手を意識すること
- 説明文をシンプルに短くすること
- 初心者にもわかりやすい表現であること
- 具体的に書きすぎない
- 文章+図表+背景など視覚的にわかりやすくすること
実際に書き出して記事をまとめること、定期的に内容が逸れていないか確認していきましょう。
マニュアル作成の成功させる5つのコツ

マニュアル作成を成功させるためには、以下5つのコツを抑えることです。
- 伝えたいことをシンプルに書く
- ITツールを活用する
- 読み手を具体的にイメージする
- わかりやすさにこだわる
- 運用開始後も継続して見直す
一つずつ詳しく見ていきましょう。
伝えたいことをシンプルに書く
1つ目のコツは、伝えたいことをシンプルに書くことです。
冗長にならないように意識をして書かないと、文章が長くなり読まれなくなってしまう可能性があります。読み手にはシンプルな内容が伝わりやすいと言えます。
書く際に特に意識したいことは、難解な言葉を使わないことです。
難しい表現は読み手にとって理解するのに時間がかかるため、読み手に合わせた分かりやすい表現を多く取り入れていきましょう。
業務に直接関わりがない第三者に内容をチェックしてもらうのもおすすめです。
良いマニュアルは、誰が見てもわかりやすい表現で書かれています。一番伝えたいことを短いシンプルな表現で書くことが大切です。
ITツールを活用する
2つ目のコツは、ITツールを活用することです。特に最近ではマニュアル作成に特化したクラウドサービスが選ばれています。
マニュアル作成ツールは、フォーマットやデザインパターン・装飾が充実しているため、ツールを初めて使う従業員でも品質の高いマニュアルを簡単に作ることができます。
また完了時は自動的にクラウド環境に保存されるため、わざわざ資料を共有する手間もなく、更新作業を容易に行えます。
運用面においても、ITツールは表示性・検索性・アクセス管理でとても優れています。
閲覧する端末の種類がPCやモバイルと複数あっても表示が崩れることもありません。端末に依存されずに表示可能です。
全文検索だけでなく属性を指定した検索ができるなど検索面でも非常に優れています。
また、クラウドサービスであればセキュリティ対策も最初から内包されています。自社の競争力の源泉であるノウハウを他社に流出しないためにも、セキュリティ対策の充実したサービスを選ぶことがポイントです。
読み手を具体的にイメージする
3つ目のコツは、読み手を具体的にイメージすることです。
読み手を意識することで客観的な視点、伝わりやすい表現で書くことができます。
新人従業員なのか業務未経験者なのか等、誰に読んでもらうかを具体的に想定することで、マニュアルで使用する単語も変わってきます。
マニュアルの下書き原稿は完成したら実際に対象者に読んでもらってアドバイスをもらうのも良いでしょう。
良いマニュアルを作成するためには、読み手を具体的にイメージすることがとても重要です。
見た目のわかりやすさにこだわる
4つ目のコツは、見た目のわかりやすさにこだわることです。
文章の内容がわかりやすいのはもちろんですが、見た目も重要な要素です。 文章のみで構成されたものは読みにくく、読み手にストレスを与える可能性もあるからです。
デザインを工夫することで、読み手に重要な情報を視覚的に訴えることができます。例えば、文章を説明するための図や表を追加することで、実際の業務をイメージできるようになります。
またフローチャートを記載することで、全体の流れや今の位置を理解できるようになります。
わかりやすさにこだわったマニュアルは簡単に理解でき読み手の頭に入りやすく、長く使われます。
運用開始後も継続して見直す
5つ目のコツは、運用開始後も継続して見直すことです。
マニュアルは一度作ったら終わりではありません。運用開始後の継続的な見直しが大事です。マニュアルを劣化させないためにも定期的にアップデートしていきましょう。
例えば業務内容の変化・OSなどの環境の変化、組織の変化などに合わせて、内容を更新していきます。
更新時にマニュアル作成担当者が不在となるということもないように、あらかじめ役割や引き継ぎのルール決めを行っておきましょう。
関連記事:『マニュアル定着化に役立つチェックリストとは?メリット・デメリットと作成方法を解説』
マニュアル作成ツールを選ぶ3つのポイント

最後に、マニュアル作成に必須であるITツールを選ぶポイントについて以下の3点を解説します。
- 更新しやすい
- モバイルでも見やすい
- セキュリティ面でも信頼ができる
一つずつ詳しく見ていきましょう。
更新しやすい
マニュアル作成のツールを選ぶ1つ目のポイントは、更新のしやすいことです。
業務内容や組織・環境の変化に合わせて、マニュアルも更新対応が必要です。
ITツールにはマニュアル更新作業を効率的に行うための機能があります。例えば、クラウド環境に保存することで迅速な共有が可能、更新箇所を履歴を追えるなどがあります。
一人が作成して終わりではなく、更新しやすいこと、複数の人が更新することを意識してツールを選びましょう。
モバイルでも見やすい
マニュアル作成のツールを選ぶ2つ目のポイントは、モバイルでも見やすいことです。
デスク以外でも情報を確認したいなど、モバイルからマニュアルを表示することが近年増えています。
何も意識せずに運用すると、ファイルサイズが大きいPDFデータをモバイルでダウンロードすることになり、参照に時間がかかる可能性があります。
またページめくりの際にフリーズしてしまうなどの問題も生じてしまいます。
表示形式がモバイルスマートフォンに対応していないと、ページの一部が表示されないなどの不具合も起こる可能性があり、閲覧者はストレスを感じてしまいます。モバイル表示に強いITツールを使えば、表示にストレスを感じることもなります。ページをめくる操作もスムーズです。また簡単に検索できて情報を特定しやすいというメリットもあります。
マニュアル作成ツールを選ぶ際は、モバイルで表示・検索しても全く問題ないかをチェックしましょう。
セキュリティ面も信頼ができる
マニュアル作成のツールを選ぶ3つ目のポイントは、セキュリティ面で信頼できることです。マニュアルに記載される内容は企業にとっては重要なノウハウ情報です。
作成したマニュアルが不正アクセスやサイバー攻撃に対してどのような対策をしているか、データは安全なところに置かれているか、外部のネットワーク経由で閲覧しても安全かなどを確認していきましょう。
最近では、マニュアル作成ツールもクラウドサービスが多くなっています。信頼できるベンダーのクラウドサービスを選んで、自社のデータをセキュリティリスクから回避させましょう。
まとめ

マニュアル作成の目的、作成手順、成功させるためのコツを本記事で伝えていきました。新型コロナウイルス感染症の拡大によってテレワークが定着し、今までのようにオフィスで人に聞くことができなくなりました。
ニューノーマルにおいては、クラウドサービスを使うことで働き方に適したマニュアルの作成・運営がしやすくなります。本記事で紹介したマニュアル作成ツールを選ぶポイントも参考にして、ITツールを選んでみてください。